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Posted by ブクログ
中村うさぎさんの語り口が好き。
「すべての男をマシンガンで撃ち殺したいと思っていた時期があった」と書いてあって、ものすごく今の私はそれに近いなと感じていたんだけど、読んでいるうちに、中村うさぎさんが体験したように、少しずつ、記号としてしか見えていなかった男性が一人ひとり顔を持つようになってきた気がする。
自分の中のモヤモヤがうさぎさんの言葉で言語化されていくのが心地よかった。
男性にとって「ヤリチン」が必ずしもマイナスの意味で使われない、寧ろ憧れ的な意味さえ持つのに対して、「ヤリマン」にはまるで「簡単にやられて馬鹿な女」というニュアンスがあることに常々疑問を感じていた。
ヤリマンだって意思があってセックスしているわけだし、どうして男たちは「やられて」いるのではなく「やって」いるのだということをすっかり忘れたように話をするのだろう?
「自分の女が自分以外とセックスしたら困る。しかも金まで取って!」という、生殖プログラムに根差した男性側の嫌悪と、「セックスの価値が下がると困る」という女性の怒りがあり、そしてそれらによって性産業に従事する女性の立場が貶められているのだと思った。
社会のセーフティーネットとして風俗が大切な役割を担っているのも十分分かるし、風俗で働く女の子が何をされてもいいわけじゃない。だけど、合法化してしまえば価格は暴落する、、、
差別の上に成り立っている部分も否定できないので、難しい問題だなと思った。
Posted by ブクログ
タイトルそのまま、今の社会では納得のいく答えはみつからないな。自由売春は誰も損しないし皆がWinWinでたの商売と同じであるはずなのですがね。
考えさせられた…
自分自身、性風俗に人一倍嫌悪感を持っていた。夫が過去、風俗を利用したことを聞き、離婚すると騒いだほどだ。風俗を利用する男性の気持ちやそこで働く女性の気持ちを知ってみたいと思っていたところ、この本に出会った。
性の自主性、なるほどと思った。確かに「身体を売る」という言葉で何となく汚らわしいと思っていた部分はあった。そして、今風俗で働く女性(特にデリヘル)がいかに危険にさらされているかということを初めて知った。ここまで、社会に浸透しているならば、女性が安全に働ける環境にしてほしいと願わずにいられない。風俗嬢の話が載っていたが、中絶の話は同じ女として辛すぎた。
風俗反対の人とも対談していて、様々な立場からこの問題を考えたいという筆者の考えが素晴らしいと思った。
今まで当たり前のように嫌悪感を抱いていたものについて、もう一度立ち止まって考えようという気持ちになった。
私はこの本に出会って視野が広がった。