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Posted by ブクログ
戦争状態にある隣国・モスコヴィヤ帝国における戦線をいかに上手く撤退させられるかが描かれた、外征編の第二巻である。
報告通りであれば優勢、という大変不穏当なところから物語は始まっている。
実際にはソアラ女王の縁戚である遠征軍総司令・ライアスとの折衝の難儀さや、絶対に勝てない列強国の騎兵軍団、はびこるスパイ活動と占領地の蠢動など、相変わらず厄介事が総掛かりで飛び込んでくる物語である。
それらの解決法として、前提の勝利条件自体をひっくり返す発想の転換は前巻同様の代物で、勝利を確信する相手に叩き付ける様は同様の爽快感を持ち得ている。
新たに登場し、ナオキの助手を務めたテレンティアも良いキャラをしている。ほどほどに物語をひっかきまわしてくれた。
全体的にバランスの取れた構成で、前巻に引き続いてこのシリーズらしさを見せてもくれている。星五つで評価したい。
Posted by ブクログ
テレンティアさん魅力ありすぎ!
内容的には今回も数学の理論を使って戦争を回避しようという展開。
まあ、実際には戦略的には正しくても戦術的には孫子的にいろいろ逆転の方法はありそうだけど。
まあそれはそれということでお話自体は楽しめました。
それにしても前回もそうだったけど、メイン登場人物の少なさよ!(笑)
これでもテレンティアと公爵が増えてるけどね。
そのテレンティア、いや、いいわあ。
こんな女性がいたらホント男子としてはたまりませんね。
普通の男子ならイチコロだろうな。
でもまあナオキは数学朴念仁だから。
それはそれでソアラがかわいそうだけど(笑)
そのソアラとの絡みは(文字通りの)何やってるんだか……うん、もっとやれ!(爆)
なんというか数学関係なしに、もう少しこの先も読みたくなった。
続巻でないかなあ。
1巻と比べると……
1巻分は物語としてよく推敲されてた印象だったのに、急にこの2巻になって話を書き足した感が強くなった。
この巻の舞台となる地方で指揮をとっている二人が新しく出て来るが、その二人がその立場と重要性の割にあまりにもおバカ……まぁ1巻の貴族達も大概だったけどあの存在はまだ物語的にも納得が出来た、ただこの二人はその国家存亡の時ですらその地を離れず指揮を取るほど重要な場所を治めてたはずなのに、外交のバランス感覚も無ければ戦のセンスも無い、あの有り様で治めてきたとか言われても……実は主人公達を見限って敵対し独立するつもりでやってた、とか言われた方がまだ理解出来る。
物語の説得力の為に、せめてその経歴に納得出来るだけの能力は持たせて欲しかった。
数学の話もその展開も面白いんだけどなぁ……