感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
レインボーハイツ、虹色からはほど遠い灰色のひび割れだらけの空室が目立つマンション。
一枚のドアを閉めれば、その中で何がおこなわれているかなんて誰もわからない。
天職だと思っていた千加子は、住人と環境に振り回されるのだが…
鬱屈した気持ちは、誰かにトンっと背中を押されただけで、堕ちていくのかもしれない。
心の育て方って大事。
突発的な悪意ではなく、日々少しずつ、でも確実、着実に根づいた悪が息をしたときに発生する物語。
じわじわ来る恐怖。 人間の心に棲む悪意。
赤ちゃんの存在は、思っていた通り。
164ページの4の表現がよい。
怖い童話
マンションの住民が次々に事件で死ぬ。事件は、各々、犯人は違うしバラバラなのだが、それが、グリム童話に繋がる。意外な結末へと導かれる。誰もが少しずつ不幸を抱えて生きている。イヤミス。
Posted by ブクログ
この直前に読んだのが『むかしむかしあるところに、死体がありました。』でした。意識して選んだわけではなかったけれど、昔話からグリム童話へ。
呪われたかのようなアパートの名前はレインボーハイツ。濁点が外れた「レインホー」の看板を想像して少し笑ったものの、おぞましさは昔話の倍以上。入居者の間で次々と起こる惨殺事件のトリガーになっているとおぼしき5歳児。
救いようのない話をそれほど怖いと思ったつもりはなかったのに、昨晩その男の子が夢の中に出てきてうなされました。自分の叫び声に驚いて起きる始末。それぐらい不気味(泣)。