【感想・ネタバレ】貘の檻のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

閉鎖的な村で起きた過去の出来事が重すぎる。しかしそれでも道尾秀介さんの得意とする最後に解けていく謎、すれ違いからの殺人のやるせなさ等、読んでしまう…。
デビューから約10年経っての作品で、まだまだホラー気味がある作風。昨今では様々な試みの作品が多い中で、どっぷりと暗い気持ちになれるのが『貘の檻』だ。

0
2024年03月02日

Posted by ブクログ

おもしろかった。誰が悪い訳でもなく、思い込みと思い違いが悲しい結果を生んでしまっていて、それが最後まで重なり合う事はなかった。結局子供であるはずの俊也が一番素直で冷静でたくましかった。
途中の悪夢の回想部分が少しくどくどしくて苦手だった、、。

0
2023年01月04日

Posted by ブクログ

小さい頃にみた恐怖を大人になって蘇り息子と一緒に生まれ育った村へ過去と向き合うために訪れる。
引き込まれていく描き方に最後までハラハラしながら読み終わる。

田舎の長閑さが伝わり時間がゆっくり流れていく描写も素晴らしいと思う。

0
2021年11月23日

Posted by ブクログ

道尾秀介らしい作品。
ちょっとした誤解や勘違いが生み出した悲劇。
ホラー要素もあり、最後はしっかり伏線を回収。
よくできたミステリーで面白かった!

0
2019年09月29日

Posted by ブクログ

うわああああ。
なんとも言えない終盤・・・
でもこういうことってあるよね。。。。。

消化しきれない思いが!!

あとがきも面白かったな☆彡

0
2017年10月22日

Posted by ブクログ

筆者が得意とするホラーテイストで展開される重厚ミステリ。
嘗て起きた殺人事件を軸に、複数の人間の思惑が絡まり引き起こされたすれ違いの悲劇を描いた作品。全体的に暗めで描写が生々しく、ラストへ向けた伏線回収や謎の解明は、これぞ道尾秀介といった内容になっている。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

道尾さんの本は初めてかと思ったら、「ラットマン」を読んでいたらしい。とある村出身の主人公が、自分の両親から始まるある事件に巻き込まれていく話。
雪の溶け方で代掻きの時期を決めるとか、田植え用の放水とか、その地方でしか知られてない歴史上の人物とか、地味ではあるんだけど、その地味な舞台背景の中で何度も何度もどんでん返しをくらわされる。映画にしたら映えないだろうなと思うけど、ちょっと「ゆれる」みたいな感じがある。
お母さんの、子供をとにかく守るためなら夫も殺すという気持ちは今ならよく分かる。そうするしかない瞬間が、母親にはあると思う。

0
2023年08月09日

Posted by ブクログ

「道尾秀介」の長篇ミステリ作品『貘の檻』を読みました。

『笑うハーレキン』に続き「道尾秀介」作品です。

-----story-------------
この悪夢から、抜け出せるか――。
「道尾秀介」史上最強&最驚の長編ミステリー!

1年前に離婚した「大槇(おおまき)辰男」は、息子「俊也(しゅんや)」との面会の帰り、かつて故郷のO村に住んでいた「曾木美禰子(そぎみねこ)」を駅で見かける。
32年前、父に殺されたはずの女が、なぜ――。
だが次の瞬間、彼女は電車に撥ねられ、命を落とす。
「辰男」は「俊也」を連れてO村を訪れることを決意。
しかしその夜、最初の悪夢が……。
薬物、写真、地下水路。
昏(くら)い迷宮を彷徨(さまよ)い辿り着く、驚愕のラスト。
道尾史上最驚の長編ミステリー!
-----------------------

信州の寒村を舞台にした、昭和感漂う、「横溝正史」作品風のおどろおどろしい雰囲気のミステリでした… この懐かしい感じは好きですね。

 ■第一部
  ・第一章 盲蛾
  ・第二章 埋火
  ・第三章 夕霞
 ■第二部
  ・第四章 病葉
  ・第五章 幻獣
  ・終章 貘の檻
 ■解説 市川真人

昭和59年、主人公の「大槇辰男」は職を失い自殺未遂を起こしたうえ、心臓を患って医者にかかり、そこで不正に手に入れた薬プロプラノールに溺れかかっていた… 心身ともに疲弊した「辰男」は、離縁した妻「智代」と暮している息子「俊也」と月に1度の面会をした後、駅で「辰夫」を見つめる女性がホームから落ちて歴史するところを目撃、、、

女性は彼が少年時代を過ごした長野県O村で行方不明になった「曾木美禰子」であった… 32年前、O村の農業組合長「檜場宗悟」が殺され、「辰男」の父「石塚充蔵」に容疑がかけられ、その際に「美禰子」も行方不明になったのだが、やがて「充蔵」は村の水路で遺体となって発見され、一連の事件は未解決となる。

「辰男」は「美禰子」の死をきっかけに「俊也」ともどもO村を訪れ、O村の資産家の息子で医師の「三ツ森塔士」の協力を得ながら過去の真相を探ろうとする… 「辰男」と時を同じくして、謎めいた写真家・郷土史研究家の「彩根(あやね)」という男性もO村に現れ、「辰男」に接触し手助けをしようとする、、、

貧しい寒村だったO村に、私財を投げ打って山中の水源から水を引くため穴堰(あなぜき)というトンネルを掘り、水路を巡らせて稲作を根付かせた「三ツ森家」と、元名主で信州味噌の製造で財を成した「檜場家」を中心に成り立ってきた村の歴史… 32年前、O村の象徴ともいえる穴堰に潜み、溺死した「充蔵」と、殺された「檜場宗悟」、行方不明となった「美禰子」の関係が徐々に明らかになるに連れ、「俊也」や「辰男」の身に危険が迫る。

「美禰子」は32年間どのように生活し、どうして轢死したのか、なぜ「俊也」は誘拐され穴堰の息抜き穴に投げ込まれたのか、「辰男」の母「とき子」はなぜ自殺したのか、そして、32年前の事件の真相は… これらがひとつの環となって繋がり、物語はクライマックスを迎えます、、、

悪夢のシーンがおどろおどろしい雰囲気を高めているものの、やや冗長だったことと、方言での会話や歌がわかりにくいところが、読んでいて気になりましたね… でも、薬物、写真、昆虫、地下水路など多彩な道具立てを駆使したトリックも愉しめたし、謎もきっちり解明されるてミステリとしてもクオリティが高いし、ミステリ要素だけでなく、恐怖心理、親子の葛藤、男女の愛憎、そして弱者の救済等も織り込まれ、「道尾秀介」らしさの詰まった作品でしたね。

0
2022年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫本で600頁超、読み応えのあるミステリー。
各所に挟まれる夢の表現は些か読みにくく好みではなかった。
ミステリーとしては、道尾さんらしい叙述トリックと、各人物の僅かなすれ違いが招くミスリードは相変わらずで、楽しめた。

0
2022年10月02日

Posted by ブクログ

この小説の中で悪夢がなにを暗示してるのか全然分からず、モヤモヤしてました。が、文庫版の解説を読んで、無理に答え合わせをする必要はないのだと悟りました。最近生活の変化からか、派手であっと驚くほどようなミステリーを好んで読んでいましたが、こういう解釈を読者に委ねられる小説こそ、読書の真骨頂かも知れないと思いました。

0
2022年05月03日

Posted by ブクログ

「雷神」を読んで、“彩根”って…前にも登場してたよね?と思って、再読w

いや〜、毎度のことながら、見事に忘れるてんで、そんな自分に驚愕しつつも、存分に楽しませていただきました!www

そういえば、いつだったか、地味〜に、伊坂作品と道尾作品の再読祭りを開催してたんだけど、途中でストップしちゃってたんだったわwww

「ノエル」も再読してみよっと!!

0
2021年06月19日

Posted by ブクログ

道尾秀介。好きな作家だけど
パズルの一つ一つを埋めていくようにしていくしかない。
辿り着けるのだろうか?

作家の方が自分を近づけてくれない。
自分の読解力の不足、なかなかその世界に踏み込ませてくれない。
一つ一つの言葉を紡ぎながら、それでも朧気にわかることがある。
道尾世界は難儀で、辛い
それでも続けると光明が。

田舎独特の方言と見たこともない穴堰
見たこともない景色、暗渠
そして母子草、父子草
オツネンとんぼ。
ハンガリー狂詩曲二番。

他の本を読みながら
自書だから切れ切れに読むからわからないのも当然
もう一度読むと
全てが明らかになるだろう。

悲しすぎる、
三ッ森の美禰子に対する愛
想像もつかない

いかに自分が普通の当たり前の幸せなところにいるのか。

ゆうべの夢は獏にあげます。
ゆうべの夢は獏にあげます
ゆうべの夢は獏にあげます。〜わからない。


一つ分かったことは、
最後の解説にある
市川真人氏の

「小説がグラフィックではなく言葉をで書かれていることの要諦は
絵にはできない人の心の奥底を掴み取るのみならず
読む者の心をまきこみつれてゆくことで
本作の獏のようなものとしてある。」

なるほど。
確かに心は巻き込まれたが

獏を「呑み込める」ことはできないな。

まだまだ道尾秀介の動物シリーズ「?」
片目の猿
龍神の雨が手元にある。



0
2020年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めに漂う暗さ。曇天。思い込みは事実を呑み込み、死へと追い込む。化け物は水ではなく、事実を歪める思い込みだったのではないか。息子の存在が曇天をはらす太陽のようだった。

0
2019年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

また道尾秀介らしい評価が真っ二つな。

どんでん返し云々というよりは
ほんの少しのすれ違い、勘違いが
人生を左右するほどの決意をさせるほどの
影響を与えてしまったという悲しい話。

死を決意していた辰男が
故郷で更なる辛い現実を目の当たりにした上で
今後どう生きていくのか気になるところ。

長野でも住んでる地域は多分だいぶ違うんだろうけど
分かる方言がちょこちょこ出てくるね。

0
2019年08月22日

Posted by ブクログ

読み応えがあった! これぞ道尾秀介! という感じ。
合間合間に入る夢の描写が不気味で、物語をわかりにくくさせてるのだけど、それがあることで物語全体の謎や闇のようなものが引き立っているように感じた。
終盤にかけ、一気にたたみかけるような展開はさすが。テンポが小気味良く、スカッとする内容ではないものの、読み終えた充実感あり。

0
2018年09月04日

Posted by ブクログ

2018年、10冊目は、安定感抜群の道尾秀介。

あらすじ:大槇辰男は離婚後、離職、入院と人生に行き詰まっていた。息子、俊也との面会の日、曽根美禰子の列車事故の現場に出くわす。彼女は32年前、父に殺されたと思われた人物。彼女の死は、事故なのか、自殺なのか、それとも……。謎を探ることを兼ね、辰男は、息子の俊也を連れ、生まれた地、O村を訪れる。

久々の長編。伏線が絡み合い、子どもが辛い目にあい、表の顔と裏の顔があり……、と、良くも悪くも、道尾流ミステリ、全開。

大筋としては、ボタンの掛け違いの連鎖が生む悲劇。それが、辰男が見る悪夢をフックにして、展開される。

多少、強引な部分も感じられるが、伏線回収、読ませる力は充分にある、総合評価は★★★★☆。

0
2018年04月27日

Posted by ブクログ

初期の道尾作品を思わせる湿った感じが懐かしかったです。閉鎖的な田舎独特のほの暗く薄気味悪い人間たちと、夢と現実のふわふわした薄い境目。読みごたえがありました。ちょっと夢のシーンが長いような気もしましたが、それだけ辰男のトラウマが深いということなのかなと。
誰も彼も嘘をついているようで、真相が気になるあまりせっかくのO村の風景など景観の描写を流し読みしてしまったので、次に読むときは俊也や彩根といっしょにO村観光を楽しみたいと思います。とにかく彩根と三ツ森が怪しすぎて逆に無関係じゃないかと思ったり、辰男は全て忘れているだけで大きく関わってるんじゃないかと思ったりしてました。俊也が本当に良い子だったので、もう家族3人では暮らせないかもしれないけど、この物語の続きが彼にとってのハッピーエンドになるといいなと思います。
読んでて所々不快な気分にはなりましたが、それさえ魅力なのが道尾作品です。またこういった湿り気のある暗めの作品を書いてほしいです。

0
2018年01月14日

Posted by ブクログ

辰男の封印された記憶が解き明かされる時、悪夢が現実になる...道尾らしいのからしくないのか、異色の作品

0
2017年11月25日

Posted by ブクログ

後半一気に読んでしまった、
いや、読まざるを得なかった。それほど引き込まれてしまった。
夢の話と、現実と32年前の事件とその真実。

ただ、その夢の話が、現実の話とどうつながるのか。
理解しずらい。

解説にもあるが、つながりを理解するのに悩んでしまった。
解説そのものも、理解しずらい内容で、もっと本篇に対する解説が欲しいところである

0
2017年11月25日

Posted by ブクログ

ある人身事故をきっかけに、謎を解く為に故郷である村に戻る主人公と息子。全てはその村で起きた過去の事件と繋がっている。主人公が悩まされている悪夢がずっと気持ち悪い
。最後まで気になって読み、そういう結末だったのかという驚きはあったけど、陰鬱な雰囲気なのでいい読後感ではなかった。

0
2024年04月27日

Posted by ブクログ

それぞれの思い込みの果てに、複雑に絡まった事件が32年の時を超えて、解決に向かう。
しかし、それぞれの思い込みのせいで、新たに死亡する人たちが…
伏線回収が相変わらず見事な作品でした。

0
2024年02月29日

Posted by ブクログ

重厚。
最終で一気に明らかになるが、それまでは過去や抽象的な夢が絡まる
過去に囚われたままの大人。受け入れていく子供。
もどかしい関係性がほぐれていったようなので過去の呪いは解けるのか、ここから始まるのか。

0
2023年12月03日

Posted by ブクログ

子どもの頃の記憶に、大人になっても苦しめられる大槇
自ら死を選ぶ前にその記憶に迫ろうと、息子をつれて故郷を訪れ、過去の事件の真相に少しずつ近づいて(気づいて)いく物語

哀しくて重たくて辛い
終始暗い雰囲気の中、事の真相も次々分かるのではなくゆっくりと顔を出してくる感じ
読み慣れない田舎言葉(耳で聞いたらもう少し分かったかも?)や、夢の中の話で躓き
最近読んだ本の中では一番時間がかかったかも

個人的に、一つ前に読んだ道尾作品が「サーモンキャッチャー」なので
その作風の幅広さというか落差というか
本当に同じ人の作品ですか!?と思った

1部は特に心が折れそうになるけど
2部に入ると少しスムーズに読めるようになって
最終章は息つく間もなく一気読み
諦めずに読み進めてよかった

0
2023年04月06日

Posted by ブクログ

32年前に殺されていたはずの人物がある日、辰夫の目の前で電車に撥ねられてしまう。
その現場を目の当たりにした辰夫は過去の出来事と向き合うのだが・・・
終始じめじめした雰囲気(良い意味)で進んでいきます。
夢なのか妄想なのかよくわからないフワフワとした描写と、作中に出てくる方言に少し苦労しました。
イミングの違いや思い込みが人を変えてしまうことと、どこで、どうすれ違うのか分からないからこそ怖いものだなと思い知りました。
でも最後はほんの少しだけ希望が見えるような親子の絆に胸が熱くなり、辰夫が俊也(息子)と共に貘の檻から抜け出せますよにと願います。

0
2023年03月01日

Posted by ブクログ

32年前、主人公大槇の故郷の山村で殺人事件が発生する。その犯人とされる男の息子であった彼は、その事件の真相に関わると思われる女性の死を目撃する。
大槇は、息子を連れて、事件となった故郷へ向かう。
山村の風景、過去現在に起きる現場となる人工の水路、古い日本家屋の雰囲気。セピア色の幼児期の記憶と、現在の息子の行方不明事件。陰鬱な情景が終始作品に漂います。松本清張の「天城越え」、横溝正史の「犬神家」、覗くつながりで宮本輝「泥の河」などを思い出し、懐かしさを感じるミステリーでした。
各章に時折、大槇の悪夢が幻想的に描かれていきます。ここは、好みが分かれるところですかね。タイトルは、ここからきていると思うので、読みどころになるのかもしれないですが、夢といえば夢だし。
ラストは、それぞれ事件に関わった人達が真相を少しずつ誤解しながら終焉となります。謎解きだけを目指すのではなく、事件に翻弄された人達の心情が細やかです。

0
2023年02月10日

Posted by ブクログ

暗く、思わせぶりで不気味なトーンに加えて夢の描写が分かりにくく、とにかく読み難い。
最後まで良い点を見つけられなかったなぁ。

0
2020年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まぁ、ミステリー読んでいると、あぁこういうタイプが実は悪いことやってるよね、とかこの人怪しいと思わせといて実は良い奴だったとかあるでしょ。まぁ、だいたいその予想通り。
主人公の見る悪夢が作品の読み進む上でアクセントになっているけど、若干違和感があるというか、何十年もあとに自殺を考えるほどか、と思わなくはない。

0
2019年08月13日

Posted by ブクログ

なぜこの時代背景?夢の意味は?と本筋ではないところに違和感ありモヤッとしたが、あとがき読んでこういうのもありかと納得。いい小説は二回以上読むべきなんだろうな。

0
2018年08月16日

Posted by ブクログ

『カラスの親指』に続き、道尾作品六作目。たった一つのボタンの掛け違い?でこんな悲劇的な結果になるなんて——。“曾木美禰子の轢死”から“○○の自死”までの謎が解き明かされる様は、只々感嘆の声が洩れるばかり。嗚呼。道尾さんスゲェな、と。今年最後の作品になりそうだ。

0
2018年01月08日

Posted by ブクログ

「最強&最驚」は大げさだが、久々に「シャドウ」や「龍神の雨」系のテイストの作品で、悪くはなかった。少年期の記憶がやけに鮮明なのも“らしい”と感じた。

0
2017年01月22日

「小説」ランキング