【感想・ネタバレ】懲役病棟のレビュー

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Posted by ブクログ

病棟シリーズ第三弾。
「後悔病棟」の早坂ルミ子医師、「希望病棟」の黒田摩周湖医師に続き、パツキンの太田香織センパイが登場!

太田香織(37歳)と、ベテラン看護師の松坂マリ江(50歳)は、青葉市の女子刑務所に常勤医と看護師として出向することになる。
彼氏に付いて暴走族に入ったこともある香織だが、元々がお嬢様で世間知らず。
刑務所に入るような女はクズばかりだろうという偏見を持っていた。
熱を出して診察室を訪れる受刑者の印象が、「普通の女」でいささか意外に思う。
ルミ子から託された不思議な聴診器で診察するうちに、彼女たちは加害者ではなく、むしろ被害者ではないかと気づく。
なんで被害者の方がチョーエキ受けてるの?
不条理である。

本当なら、覚醒剤を勧めて稼がせる彼氏や、暴力を振るって何度も怪我をさせる夫の方を監禁して、性根を叩き直すべきだと私も思う。
しかし一方で、刑務所とは、頑丈なシェルターという一面を持ってはいないだろうか。
不自由な生活ではあるが、塀の中にいる間、彼女たちは守られているのだ。
DV夫への傷害で実刑を受けている二人の女性は、服役中に家族の奔走で離婚が成立し、差し入れ、手紙、面会も多く、その表情は笑顔。同室の者たちから羨ましがられている。
しかし、釈放されたら、元夫がまた干渉してこないとは限らない。
刑務所を出た後の方がいろんな意味で大変なのではないだろうか。
再犯を犯さないためには、出所した後に安心できる居場所があることが一番大切である。
香織は、若い頃に見た暴走族の少女たちは居場所が無かったのかもと気づく。

女性の受刑者の多くが、男によって人生を狂わされている。
彼女たちの人生は重たいが、同室の受刑者同士の友情や、香織とマリ江の軽快な会話のやり取りが、読むことをつらくさせない。
「治って出ていく」という点で、刑務所は病院と似ている。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

聴診器を通して心の声が聞こえる病棟シリーズの第3弾。
第1弾の後悔病棟が良かったが、この懲役病棟はそれよりもずっと良かった。
女子刑務所に出向?になった元暴走族の女医 太田香織と看護師の松坂マリ江。
特に太田香織は囚人たちは犯罪者、同情の余地はないと豪語していたが、聴診器を通し万引き犯、殺人犯、覚醒剤犯、放火犯の心の声を聞き、元の病院の医師たちの力も借りつつ、生きる希望を与えていく。
みんながみんな同情に値する事情のある人ばかりでは無いのだろうが、読後は少し考えさせられるところもあり、しみじみと感動した。

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2024年03月24日

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ネタバレ

女子刑務所にお馴染み神田川病院の医師が派遣されるお話。

派遣されたのは、暴走族経験のある香織先生と肝っ玉母さん看護師まりえさん。もう、ピッタリ。

2人は人情味溢れた診察で、家族問題にも首を突っ込み、受刑者のこれからの人生を方向づけていく。

たまたま恵まれた部屋仲間で、例の聴診器があったから、そして小説の世界だからだけれど、ハッピーエンドで、爽快。

でも現実は厳しい。
舅や教育長みたいな、自分が諸悪の根源という自覚のない凝り固まった人物が、改心しないまま被害者意識でいることが、悔しい。

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2024年03月03日

匿名

病棟シリーズで1番好きです。
医師の香織先生と看護師のマリ江さんむちゃくちゃ良いコンビです。女性が罪を犯す理由、加害者というより被害者という人が多いのでは?というのは納得です。最近国のむちゃくちゃな政治のせいで貧困がゆえにどうにもならなくて老若男女捕まる人多そう。

#深い #感動する

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2024年03月03日

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前作に引き続き、暖かくて人情ある素敵なストーリーでした。

病気だけでなく、精神的な部分までも診てくれるお医者さんがいてくれたら助かる人沢山いると思います。
病気は精神的な面が大部分ですから。
香織先生のようなおせっかいまで焼くような先生も昭和の昔はいたような気がします。

これは続編あるのかな?と思うような終わり方でしたね。
秋月さんはその後どうなったのでしょう?

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2024年03月02日

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ネタバレ

シリーズ3作目。
1.2作目ではいい脇役として登場活躍していた、
香織先生と看護師マリ江さんが、女子刑務所に赴かねばならないという設定で語られるようになったストーリー。そこで出会う収監者たちの罪とそこに至る悲劇が主な内容となる。
一般の人はなかなか知ることのない塀の中の人たちの事情、彼女たちは罪を犯した人間であるけれど、実は須らく被害者でもあった。
環境や社会や親ガチャからも(そんな言葉が!)
村木厚子氏の解説からも真実味が溢れている。

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2023年12月16日

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 導入の部分でSFかと思った。SFがあまり得意でない為、「よし、(SF)読むぞ」と身構えないと読めないのだが、あっさり読めてしまった。というのも、導入にSF要素が少々あるだけであとはノンフィクション風味のフィクションだったからである。
 女子刑務所、無縁なものとして生きてきたがそんなことはないのだと思わされる物語だった。今日の日本社会にも即しているため、学生(特に中高生)には一読したらきっと印象に残るであろう本だと思う。読んでよかった。

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2023年11月03日

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後悔病棟、希望病棟と来て、懲役病棟。
名前の通り、前作とはかなり違った作風でしたが、これもこれでとても楽しめました♪

ひょんなことから、女子刑務所の内科医に派遣された香織と、看護師のマリ江。行く前にルミ子と摩周湖から手渡された聴診器で、患者を診察していく。

最初は囚人たちを見下し、ロクでもないやつらしかいないと思っていた香織が、惣菜四百三十円を盗んで懲役二年を科せられた清子や、夫のDVが子供達にまで向いたことで殺害に至った美帆、悪い男にそそのかされ、覚醒剤に何度も手を出したルルたちを診ていくことで変わっていくのが嬉しかった。さすがに香織みたいには思っていないけれど、私も心の隅では見下してしまっているところがある。刑務所事情が分かって勉強にもなった。

〈驚いたメモ_φ(・_・〉
・全国の刑務所は百を超えているのに、女性を受け付けているのは十あまりしかない
・囚人の大半が、盗み(だいたいはスーパーの食べ物など)をし、捕まっている
・いじめは日常茶飯事

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2023年10月28日

Posted by ブクログ



後書きにもありました。

人はどうしたら罪を犯さずに済むのか、
また、真に更生するにはどうしたらいいのか。

人生は、自分の思うようには動いてはくれず、思わぬ方向に進んでいくことの方が多いのかもしれない。
更生するには……住む場所や最低限のお金、そして「希望」。
どれか一つ欠けても更生するのは厳しいかもしれない。

聴診器の件はファンタジーだけど、
ハラハラドキドキしながら十分に考えさせられる良書でした。

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2024年04月16日

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聴診器でその人の考えが読めるシリーズで、今度は女性刑務所の病棟での話。前作の希望病棟とテーマが近く、社会の(特に女性が抱える)の課題ゆえに犯罪を犯してしまった人々を描いていた。
犯罪を肯定するような描写にはさすがに「どうなの?」とは思ったが、犯罪者に同情の余地があるのは確かなので、このような作品がきっかけで制度や法律が見直されれば良いと思った。

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2024年04月14日

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**「心の刑期を解く鍵―『懲役病棟』を読んで」**

『懲役病棟』は、ただの物語ではありません。女子刑務所の静かなる日常を舞台に、金髪女医・太田香織と看護師・松坂マリ江の目を通して、私たちにもう一つの世界を垣間見せます。このシリーズ第3弾では、特別な聴診器を通じて、受刑者たちの心の奥に秘められた物語が浮かび上がります。

物語の核心は、犯罪と向き合うことの難しさと、罪を犯した人々が背負う重い心の荷物です。しかし、それだけではなく、人間がどのようにして環境や日常のストレスによって狂わされるのか、そして、どうやってその状況から抜け出し、自身を再構築するかというテーマが織り交ぜられています。

シリーズ第3段として、この物語は一貫して、罪と罰だけでなく、希望と再生についても語ります。犯罪者を単なるラベルで見ず、彼女達の背後にある人間性と葛藤に焦点を当てることで、読者に対し深い共感と理解を促します。また、香織とマリ江のユーモアと温かさが物語に光をもたらし、暗い舞台背景の中でも人間の強さと優しさを見出します。

この物語を読むことで、自分たちも同じ過ちを犯す可能性があるという事実に直面させられます。しかし、それと同時に、どんな状況からも立ち直ることができる希望と勇気も与えてくれます。『懲役病棟』は、刑務所の壁を越え、人間の弱さと強さの真実を描き出した、極上のエンターテイメント作品です。

読後感としては、ただの続編を望む以上に、作者がこれからも私たちに提供するであろう深い洞察と人間の心に対する温かいまなざしを待ち望んでいます。この物語は、読む人々の心に長く残り、多くの人にとっての視点変容を促すことでしょう。

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2024年03月09日

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シリーズ3作目

今度は香織先生と看護師のマリ江さんが刑務所の診察所であの聴診器を使います!

香織先生のストレートな言動もだけど、個人的にマリ江さんの香織先生に対しての遠慮のない口ぶりがツボでした!

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2024年02月22日

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不思議な聴診器をめぐるお話3作目。刑務所で診察するのは意外にも普通な人たちだが、初めて知る内容も多く驚きもあった。テンポよく話が進み、香織とマリ江のやりとりがコミカルで和む。

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2024年02月19日

Posted by ブクログ

小説とは思えない程にリアルな感覚で読み進めた。もしかしてノンフィクション?と思った。
事件の背景に、つらい思いが募る。さもありなん、な周囲の面々にイラッとする。こんな展開なんて、ほぼ無いだろうと思う。そこは小説。でも、それがイイ。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

登場人物も設定もリアルではないが、違和感なくすんなり読めた。
金髪女医と看護師が女子刑務所に派遣される。そこで人の心が読める聴診器で殺人や薬中毒者などと接して罪を犯す経緯を知る事になる。
最後あたりの「ほとんどの女が犯罪者というより被害者だった」の一文が哀しい。解説は冤罪で勾留された村木厚子元事務次官でこの部分が1番こわかった。

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2023年12月17日

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シリーズ3作目
今回は香織先輩が看護師のマリ江さんと共に刑務所に半年出されるお話

以下、公式のあらすじ
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舞台はなんと女子刑務所!
「後悔病棟」「希望病棟」に続くシリーズ第三弾!
神田川病院の“金髪女医”太田香織と看護師・松坂マリ江は、ひょんなことから女子刑務所に派遣される。当初は、受刑者との距離を感じていたが、同僚から授かった不思議な聴診器を胸に当てると――
惣菜四三〇円の万引きで懲役二年を科せられていたり、夫からの執拗なDVに耐えきれず殺害に及んでいたり、はたまた悪い男にそそのかされ、クスリに手を出していたり、と彼女たちの切実な事情が見えてきた。
二人は受刑者たちとは個人的に接してはならないという禁を破り、あっと驚く方法で解決に乗り出してゆくが……。

「受刑者は私だったかもしれない――
そんな想像を読者に抱かせる本書を
心からお勧めします」
村木厚子さん(元厚生労働事務次官)
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香織先輩に聴診器を託す摩周湖、ルミ子、そして同意する笹田部長
今までは香織先輩はガラの悪そうで常識外れではあるけど、人の気持ちやらはわかっているような感じだったけどね

最初は罪を犯した囚人たちを偏見を持って見ていた香織
逆恨みされたり、いきなり襲われたりといた心配をしていたが、実際に診察してみると受刑者たちは罪を犯すのにそれなりの事情があり
また服役後の生活も決して易しいものではない事を知る

万引きを繰り返し、最後は総額四百三十円のお惣菜の窃盗で懲役二年を課せられた清子 (きよこ) 62歳
夫のDVが子供にまで及びそうになったために刺殺した美帆 40歳
男にそそのかされて覚醒剤に手を出してしまった山田ルル 26歳
自殺した孫の原因であるいじめを隠蔽した教育委員会委員長の家に放火した秋月梢 80歳

そして、香織が神田川病院に戻ってからの後日談と届いた手紙

マリ江が言うように、やはり香織はいくら非行の時期があったとしてもいいとこの子ですよねー
まぁ、受刑者に対する偏見は私も似たようなものを抱いていますが
皆が皆決して許されない罪を犯しているわけではなく、止むに止まれぬ事情があったり
加害者でありながら被害者でもあるという事情があるというのもわかる
でもなー
やはり一線を越える人とそうでない人の明確な線引きはあると思ってしまう

彼女らの抱えている問題の解決方法は相変わらず滅茶苦茶で非現実的
普通は刑務官もそんな事認めないだろうし、塀の外の事情にも他の人を巻き込んで踏み込んでいるのは明らかに現実的ではない
でもまぁ、垣谷美雨さんの物語だし という事で納得してしまう

受刑者達の再犯率も男と女で違いがあるし
その再犯に至る事情も違う
出所してから適切なサポートがあれば防ぐことができるけれども、そこまで手が回っていないからこそ負のループができてしまう

理屈はわかるけれども、でも実際に自分の近辺に犯罪を犯した人が居るというのは、まったく何も知らない状態よりは身構えてしまうのも確か
これって、誰が、何が悪いのでしょうね?
社会復帰には社会の手助けが必要なのに、その理解が得られないという状況がある


何だかんだ言いつつ、物語の中では四人とも順調なその後を歩んでいるようでよかった
ってか、香織とマリエはこの4人以外も何かと首を突っ込んでいそうな気がするけどね

女性の受刑者に関しては、山田宗樹さんの「嫌われ松子の一生」を読んでいたので、ちょっとした知識はある
美容理容の資格取得に関する事情とかね


解説は元厚生労働事務次官であり冤罪事件で拘置所に長期間勾留された事がある村木厚子さん
確かに、事情が違えばこの方も同じように刑務所に収監されていたわけだし
元々小説で語られるような女性たちに関するお仕事もしていたわけで
解説に生々しさがあった

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

相手の考えていることが分かる不思議な聴診器。これを使って女子刑務所に服役中の受刑者の、罪を犯すまでの切実な事情を読み取り、彼女らの未来に希望を持たせるためにアレコレと策を考える女医(元暴走族のお嬢様)。設定や主人公の現実離れ感はあるものの、コミカルなお話を通して、現在の女子刑務所の問題、受刑者の事情などなかなか知り得ないことを知ることが出来た。

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2023年12月14日

Posted by ブクログ

『後悔病棟』『希望病棟』に続くシリーズ第三弾。
シリーズの中で一番読み応えがあり面白かった。

今回、“心の声”が聴こえる聴診器を手にしたのは、金髪女医の太田香織。
看護師の松坂マリ江と共に女子刑務所に派遣され、そこで受刑者達の心の声を聴く。

ファンタジーな設定ではあるものの、徹底して描かれているのは社会問題。

万引き、殺人、覚醒剤、放火と其々の罪は重いが、犯行に至るまでに彼女達に何があったのか、その真実を知ると加害者でありながら一方では被害者であると思える。

会話のテンポも心地良く、極上のエンタメとして楽しめる一冊。

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2023年12月04日

Posted by ブクログ

犯罪の裏には、その人が抱える様々な事情がある。その背景にある社会問題に目を向け、向き合うことの大切さを教えてもらった。

私は教員をしていますが、生徒にも同じようなことが言えると思った。問題行動の裏にある生徒を取り巻く様々な環境、心の内に抱える感情を観察することの大切さを改めて感じた。表面に捉われず、見えない心を大切にして人と接するべきだなと思う。笑ってるけど心は泣いているということはよくあること。ルールを守らせたり、問題行動を罰することが大切なのではなく、生徒の内面に迫ることを心がけたい。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

柿谷美雨さんは面白おかしく物語を進めながら、現代社会の問題を明るみに出していく。そうだよね!母子像の批判には私も本当にそうだそうだ!と思いました。出所した人たちを福祉が繋いで社会復帰することが考えられ始めているけど、まだまだだなぁと感じました。

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2023年11月20日

Posted by ブクログ

医師である香織と看護師のマリ江が女子刑務所へ派遣され、魔法の聴診器を通して、様々な受刑者たちの心の声を聴く。

読みやすくてスラスラと読み進めることができた。

女子刑務所の様々なリアルが描かれていて、さらには香織とマリ江が受刑者たちを更生への道へ、医療の範疇を超えて進めていくところは、興味深かった。女子刑務所の様々な問題点にも考えさせられる一冊だった。

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2023年11月12日

Posted by ブクログ

いつも通りの垣谷さん。よみやすくてスラスラ読める。
たしかに再犯率の高さとか出所後のサポートとか、いろいろ考えさせられるところではあるんだけれど、ワタシは恵まれた人だからなのか、やっぱり、でもなぁ・・・と思ってしまう。

惣菜を万引きしただけというが、常習だし。
女性の服役者はすべて環境や周りの人のせいで仕方なく罪を犯している・・・とは。やっぱり思えない。
あといつも垣谷さん作品に出てくる男性みんな、女性蔑視などワンパターンすぎて、はいはいってなる。まあお決まりなので読んでいて安心感はあるけれど。

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2023年11月09日

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刑務所に配属された医者が診察した人の心の声が聞こえる不思議な聴診器を使って
受刑者の罪や罪を犯すことになった事情を知り様々なストーリーに発展していく作品。

受刑者ごとにストーリーがわかれているため短編集のように時間に区切りをつけて読み進めることもできるがそれぞれのストーリー内に次のストーリーの伏線が潜んでいたりするので途中で読み返したり、あとから納得できる内容もあり楽しんで読むことができた。

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

連作短編5篇
半年だけ女子刑務所の勤務医となった金髪の女医香織先生と看護師のマリ江が患者の本心が聴こえる不思議な聴診器で囚人たちの真実を知って彼女たちのために奮闘する物語。刑務所の実情が分かり、再犯が多いのにも納得。
香織先生とマリ江の食事を巡っての攻防が面白かった。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

香織先生とマリ江さん素敵でした。

病棟シリーズの3作目。後悔病棟、希望病棟の後に読むと楽しさ倍増します。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

元暴走族の医師・太田香織と、看護師の松坂マリ江が女子刑務所に派遣され、不思議な聴診器で患者の心を知った二人は規則を無視して受刑者に関わり、問題を解決していく…。
概説が元厚生労働事務次官の村木厚子さんで、拘置所に164日間拘留された経験(のちに無罪確定)から、この小説には「罪を犯す人のリアル」「刑務所の中の暮らしのリアル」「世間のリアル」があると勧められています。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

女子刑務所に半年派遣された女医さん(暴走族あがり)と看護師さん。
後輩から送られた聴診器を受刑者に当てると心の声が聞こえてくるという、設定は不思議な話だけど不自然な感じが全くしなかった。
むしろ女子刑務所や受刑者、刑務官の実情がわかってリアルだった。

受刑者も普通の人というのが目から鱗。
振り込め詐欺とか強盗などのセンセーショナルな事件ばかり見聞きするから、犯罪者なんて悪人で同情の余地なしみたいに思ってた。
もちろんそういう人もいるけど、私もDVされたり、離婚や解雇により貧困に陥ったり、生きるのがつらい時に優しくしてくれるのが素行の悪い人だけだったら犯罪に手を出してしまうかもしれないな。

解説は村木厚子さん。文章から賢さが伝わってきた。

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2023年09月10日

匿名

購入済み

読みやすい

読みやすく、おもしろいので、あっという間に読み終えました。
刑務所の内情なども物語の中で描かれていて、興味深かったです。

#感動する #タメになる

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2023年06月23日

Posted by ブクログ

04月-14。3.5点。
病棟シリーズ第三弾。今回は金髪医師が例の聴診器を引き継ぐ。女子刑務所の診療所へ半年間出張、例の中年看護師と一緒。

シリーズで一番面白い。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

結末もきれいに終わってホッとする作品です。読むのに全く疲れません。心身を休めるのにちょうどいい、と思いました。できれば、出所後の展開がもう少しボリュームが欲しかったです。

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2023年12月19日

Posted by ブクログ

解説の村木厚子氏が言った通り、「罪を犯す人のリアル」「刑務所の中のリアル」「世間のリアル」を体現しつつ、聴診器を通して心や声が聞こえる、という荒唐無稽な設定が面白い。
いちいち、誰の視点と題うって話しが進む書き方はあまり好きにはなれなかったが次第に入り込んでしまった。特に夫のDVに苦しめられ殺害してしまった美帆の章はで活躍する清水谷先生のお父さんはアッパレ、すっきりしました。

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズものみたいだけど、初めて読みました。元ヤンキーで金髪の女医さんが、期間限定で刑務所の女性受刑者を診察するっていうハナシ。
社会を知らない女医さんは、最初は偏見で「こわい」「逆恨みされたらどうしよう」などと身構えて赴任するが、実際に診察してみると受刑者たちは皆、やむにやまれぬ事情があって夫を刺し殺したり、万引きしたり、覚せい剤に手を出したり、放火したりした女性たちだった。
垣谷美雨さんを最近読むようになって、本屋さんで目に留まったので買って読んだのですが、ちょうど最近「箱の中」とか、「闇バイト」とか、刑務所の中を描いた作品を読んだところだったので、また「つながってる!」と思いました。
犯罪を犯して服役した人の中には、同情すべき点が多々ある人もいるし、出所してからしかるべきサポートを受けられれば、再犯を防ぐことができる。しかし実際は一度でも罪を犯せば世間からはじき出され、本人だけでなく家族も、社会から抹殺されるような世の中。
この小説ではハッピーエンドというか、受刑者たちの未来が明るいような感じに描かれていたが、実際はもっと厳しいよね。
なかなか興味深いストーリーでした。

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2023年10月15日

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