【感想・ネタバレ】ふさいで~イエスかノーか半分か 番外篇3~のレビュー

以下は3巻についてのレビューです。
(個人的)BL小説界の至宝『イエスかノーか半分か』の番外編です。本編の主人公、国江田計が出演するニュース番組「イブニングファイル」のプロデューサー・設楽と、前回の番外編にちらっと出てきた怖すぎプロデューサー・栄が主人公です! 待ってました!

本編でも謎多きデキる男・設楽Pと、『横顔と虹彩』にて傍若無人っぷりを披露した栄Pの過去のお話です。なぜ設楽は本編直前まで地方に飛ばされていたのか?栄が報道番組を嫌う理由とは?『横顔~』のときの設楽と栄の空気感の謎が解ける……! 
本編の2人とはまた違った、大人な恋愛が描かれた最高の一冊です。読んだ後、栄の可愛さと設楽のスパダリ(?)っぷりにメロメロになること間違いなし! タイトル『ふさいで』の意味にも注目です。
全人類、お願いだから早く読んで……!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めは、この組み合わせなのか。。。
と思ってたけれど、どんどんBLとしてだけじゃなく、物語としてひきこまれた。
設楽、栄、睦人の3人の関係がすごく良くて、それだけにその後の展開が苦しかった。
11年かかったけれど、栄から色々なものが消えて、睦人も今は幸せで、ほんとによかった。
次巻も楽しみ。
の2人を、計、潮、竜起、なっちゃんが知ったら、それぞれ違う反応しそうで、おもしろそう。知ることはないのかもしれないけど。

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あっれ発売日に買ってるのに登録し忘れてる…。

新たなスピンオフ作は設楽Pとなっちゃんの師匠、相馬さん。
横顔〜での相馬さんのダウンから物語は始まり、時間軸は一気に引き戻され、物語は「報道にいた頃の相馬のトラブルと、設楽の地方への左遷」の経緯へと踏み込んでいく。
一穂さんお得意の天才でキレ者な人間的に問題ありな栄の人物造形はああ、佐伯さん…笑
設楽さんは相馬さんの才能になにより魅せられているからこそどんなに苦しくても投げ捨ててしまいたくても辞めないでほしいと願う、その切実さは残酷でもあり、痛々しくもある。

取り替えしのつかない罪にどう向き合い、その後の人生をどう生きるのか」「報道」の果たすべきことは何か。既存の作品でも繰り返し取り上げられてきたテーマが、睦人を含めた三人での「戻らない青春」を交えて描かれるのが痛ましくも煌びやかで目が離せなくなってしまう。
睦人のあの事件に差し掛かったところで口絵のふたりを見てしまうとどうしようもなく胸が苦しくなります。この場面を切り取ったことがあまりに天才的すぎる。
竹美屋先生は作品ごとにイラストでの演出を変えてくるのがほんとうにお上手。

「あの時ああしていれば」の後悔に捕らわれている生き方の痛ましさは母親を亡くした嵐や整の両親の事故に間近で立ち会ってしまった和章を思い起こします。
時間を越えてふたたび自らを壊してしまうほかなかった栄の生き方、そこにもう一度向き合おうとする設楽、ふたりの大人の仕事と人生、恋愛がもつれ合っていくさまがどうしようもなくもどかしく愛おしい。
タイトル…ほんとうにとてもよい…。
二年前に帰ってきた設楽さんがリニューアル立ち上げに関わったのがザニュースで、看板キャスターのそうちゃんとは同期、それがそうちゃんの緊急入院で国江田アナが大抜擢ーー書かれた当初は想定されていなかったはずのパズルのピースがこうしてどんどん埋まっていくのは物語世界の奥行きが広がっていくようでワクワクさせられます。
社運を賭けてのリニューアル番組に抜擢されるほどの腕利きプロデューサーが十年近くも地方局を転々としていた理由、報道部門で設楽と因縁があったことから部署を移動させられたことで「天才・相馬栄」による「ゴーゴーダッシュ」が生まれ、なっちゃんの行く末が決まったこと。
幾重にも重なり合った「これまで」の物語の系譜を引き継いだその先で十年の時を経て「ザニュース」に一同が介するさまはほんとうにドラマチック。

スピンオフなだけあって、後半の旭テレビを舞台にした大立ち回りでは皆川くんやなっちゃん、国江田アナももちろん勢揃いで登場。
彼らの裏の顔を知っていると「仕事をしている時の顔」を異なった視点で見られるのがまた楽しいし嬉しいです。
国江田アナは期待を遥かに上回る結果を必ず残す逞しい王子で皆川くんは底抜けに明るいアホの子、(褒めている)なっちゃんは歪みなくかわいい。楽しそうなおっちゃんたちの様子もイキイキしてていな〜〜。
スピンオフなら出番はあるよね? あるよね? と期待して待っていたところ、あくまでも露出の量は抑えられながら大きな見せ場を掻っ攫う国江田アナの作中での役割の素晴らしさにブラボー! の拍手喝采をしたくなりました。
『国江田計』を演じ切り(映画にあった鏡の前で「化けきるか」っていうシーン大好き)常に期待を遥かに超える結果を出すための愚直なまでの弛まない努力や覚悟を設楽さんはちゃんと見ているんですよね。
表向きの『貌』は勿論作ってはいても国江田計として発する言葉には少しも嘘がなくて、そこに込められた信念や覚悟、いままでわたしたちに見せてくれた「仕事」に向き合う生き方や成長がもたらしたのであろう驚くほどの行動力とそこから導き出す結果にわたしたち読者も計の仕事を見守っているはずの潮もどうしようもなく胸を打たれてしまう。
この【国江田計】の物語上での役割が本当にすごくてすごいとしか言えない。
「なりたくてなったわけじゃない」からこそ負けないための愚直すぎるまでの努力を重ねてきたけれど、理不尽な重圧にはひとりではとても耐えきれない、という局面を何度も潮に救ってもらった計にとっての「テレビに出て仕事をすること」はいまではそう簡単に取り上げられてたまるか、という不屈の闘志を燃やせる仕事で、天賦の才能×弛まぬ努力×仕事にかけるプライドと矜持は設楽さんを圧倒させ、「楽しくやっている」皆川くんのプライドを引き出し、ここまでの闘志とポテンシャルを発揮させているんですね。横顔で設楽さんの采配により「負かされた」ことがこうして生きてくるんだな。
ふたりの共闘関係を見張る設楽さんのまなざしが良いですね。
それにしても仕事描写をここまで臨場感を出しながら生き生き描けるのは本当にすごい。これだけ魅力的に動いてくれる演者たちがシリーズで続々集まってきたこともあれど、作家として更に何ランクも上のステージに行きつつある証なのだろう、と唸らされました。
ストのためにかき集めてきたおじいちゃん連中の大活躍に、欠かせない脇役として大きく活躍してくれる錦戸のおっちゃんと相馬さんの十年越しの再会、CGトラブルを受けての国江田アナの技術と皆川アナの機転とユーモアが昇華されるホワイトボードでのやり取りの盛り上がりは張り詰めた空気に程よい抜け感をくれる楽しさで、このバランス感覚が魅力だなぁと思います。
(この後めちゃめちゃ怒ってる計が目に浮かぶね…笑)
師匠が現場に戻ってきて否応なしにテンションのあがるなっちゃん、フロアがなっちゃんなのでますます張り切っていたであろう皆川くんの回しのテクニック、国江田アナとの絶妙なバランス感覚での共闘プレーが文句なしにカッコいい。
これは「おまえは二流」と横顔で相馬さんに切り捨てられたことへの鮮やかな逆転になったのでは。
『相馬栄の作るものが見たいから現場に立ち続けてほしい』というエゴとも言える感情、設楽さんが惚れ込んだものが、二度現場を追われた相馬さんをそれでも半ば無理矢理に呼び戻したことでみるみるうちに溢れ出していくさまが堪らない。
(劇場版の作画があまりに美麗でびっくりした。笑)設Pのシリーズ通しての存在感や厄介さ、「欲しいものは手元に置かないと気が済まない」貪欲さを見せつけられたよう。
官能描写の豊かさ技術力の凄い作家さんですが、二人の関係性が発揮されたベッドシーンがちゃんと展開されているのである意味安心とも言える。
「おまえの男にしてくれ」の殺し文句がヒリヒリするほどかっこいい。

海燕座での睦人との再会によって「あの日」で止まった時間が動きだすさま、新しく繋がれたいのちである宗太との出会いが描かれるところにじーんとしました。
加害者少年のその後を追い続ける睦人は痛ましくもありますが、許さないし忘れない、風化させない。それでも生き続けるということが弟に出来る唯一のことだという決意表明のようにみえます。

設楽さんの計らいにより相馬さんが「ザニュース」につく事でお話が終わる、ということはまだシリーズが続ということですね。
にくい終わり方だ。

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2019年04月07日

匿名

ネタバレ 購入済み

えっくっつくの?と意外な組み合わせ。本編が大好きなので、シリアスな感じは別にこのシリーズでなくても…というかLの展開があまり納得出来なかった。でも、計がちょくちょく出てきて嬉しい。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イエスかノーか半分か、設楽さんと栄のお話です。
スピンオフだし、今回もコメディちっくな楽しいノリで読めるのかな?と思ってたんですけど、取り扱ってる内容があまりにも重すぎてしばらく落ち込みました……。
重い……つらい……。今までと全然違うやんけ。

しんどかったし、綺麗なハピエンではないかもしれないけど、睦人くんのことで苦しみまくった栄が、ラストで幸せになる道を選べるようになったのは良かったと思った。

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2021年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現実の生活と物語の何かが呼応する。

読む時期が違えば 違った感想になりそうだ。

栄は好きではないタイプ、 でも気持ちが解る。 
今 解る。
栄は 聞こえすぎる人(聴覚過敏)と同じで 塞いでないと見えすぎ感じすぎになるのだろう。


物語はめでたしめでたしでも、悲惨でしたでも 幕を閉じてから次が始まる。

『ふさいで』は
現実では 終わらないうちに プチッと断ち切られること
 次が始まっていることを思い出させてくれた。

奥はもう一人の栄かもしれない。
朝焼けの中のシルエットと 華やかでも一瞬で着得る花火。

一日限りのP…。
助っ人のじじいズが面白い。 今 話題の5G!(すぐに死語になってしまうかも)

ON AIR前の慌ただしさにどんどん追い込まれる感じに きっと起こるであろう何かにどきどきする。

そして
我が道を行く 栄が
皆川や国江田に巻き込まれていく感じが面白い。
結局は彼らの力が無くてはできなかったことだけど。
いつか「対決」のときが来るのを期待する。

辞令!
したたかな奴ばかりで 栄が可愛らしく思えてきた。




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2021年03月09日

ネタバレ 購入済み

なかなか

作家買いしている先生の作品です。重苦しい内容でしたが、なかなかよかった!できれば恋愛色一色の物語も見てみたい!

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2020年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

意外な組み合わせ。栄が思ったより若いのも意外だった。 二人の過去、忘れられない共通の友人、重くて辛かったけど、後半のシリーズらしい痛快なドタバタ劇と愛らしいじじいレンジャーとのコミカルなやり取りに救われた。最後からしてこちらも続編があるのかな?

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2018年12月23日

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