【感想・ネタバレ】ぼくが死んだ日のレビュー

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Posted by ブクログ

通勤時に丁度いい文庫だと思った。

「みんなの話を聞いて」 忘れられた墓地で 十代の十人の子どもたちが語る 彼らの生きた証から死ぬ瞬間までの物語。

十人の子ども達が話す物語の中で私が特に心に残ったのは「ジーナ」の話。

シカゴの名前はないが固い絆で結ばれた地域で「うそつき」呼ばわりされているジーナ。しかし、ジーナはぱっと浮かんでくる物語を語っているだけ。そんなジーナは転校生のアントニーと出会い、本当の嘘つきというものを知る。

ヤングアダルト小説といっても奇想天外な死のストーリーの数々に引きづりこまれページをめくるうちにいつの間にか駅を乗り越してしまう危険性があります。

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2017年11月10日

Posted by ブクログ

夜中車を飛ばしてた少年マイク。
偶然道で拾ったメアリアンに導かれ彼が辿り着いたのは、十代の子供ばかりが眠る忘れ去られた墓地。
マイクはそこで幽霊となった子供たちが語る死に際に耳を傾ける事に……

ジュブナイルなテイストのゴーストストーリー。文章は読みやすく茶目っけがきいている。
一遍ごとに語り手が交代する連作短編集で、語り手の生前の境遇は勿論のこと時代背景や舞台設定なども各自異なっており、人喰いモンスターが巻き起こす騒動に兄妹が巻き込まれるB級パニックものから精神疾患の少年のグロテスクな妄想を扱ったサイコホラー、確執を抱く正反対の双子の姉妹が不思議な鏡に翻弄されるゴシックホラーまで、多彩な趣向で楽しませてくれる。
幽霊や悪魔など超自然的なモノから人の心の闇を扱った話までよりどりみどり。「猿の手」や「黄色い壁紙」など、古典をオマージュした話をさりげなくもぐりこませる演出も憎い。

既に死んだ子供たちが忘れられた墓地で話す物語というシチュエーションは、好きな人にはぐっとくるのでは?
子供たちが死んだ年代は100年程遡る昔から2012年の現代まで多岐に渡り、彼らの語り口からその時代ごとの価値観が透けるのも興味深い。
ド直球のホラーではなく、子供たちのユーモラスな語り口やコミカルな日常のエピソードにくすっとしたあと背筋がぞくっとするような感じ。
昔NHKで放送していた「グースハンプス」を思い出した。

ほぼ傍観者に徹するマイクの存在に疑問を呈す向きもあるが、そも彼という一夜限りの「聞き手」が存在しなければ「語り手」も存在しえないので、物語を成立させる重大な要素だと思った。
生きた聞き手を得て初めて物語は完結し、過去にスポットライトがあたるのだ。

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2017年08月24日

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ネタバレ

怖い。ホラーは読みやすいほどに怖いと思うのだけど、作者は児童向けの物語も書いていると知ってなるほどなーと思いました。
ラストでスコットが綺麗にまとめた感あるけど、エドガーだけは…モンスターはどっちかっていうと…
あ、マイク死ななくて良かったね!

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2017年05月28日

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深夜のシカゴ郊外を自動車で飛ばしていた16歳のマイクは、突然現れた少女に導かれ、うち棄てられた墓場に辿り着く。怯えるマイクの元に、早すぎた死の物語を聞いてくれと霊たちが続々集まってくる。そこは十代の子どもばかりが埋葬された墓地なのだった。古今の物語をマッシュアップしたヤングアダルトホラー。


面白かった!枠物語はジェントルゴーストものだけど、墓地の子たちの来歴はちょっとワルい話しが多くて、例えるなら『チャーリーとチョコレート工場』で脱落してった子たちの話を本人視点で聞くような感じ。
語り口の書き分けが上手で、思いっきり現代のティーネイジャー口調の子もいれば、ことあるごとにシェイクスピアを引用する子、古典的な怪奇小説を思わせる独白をする子もいる。最後のパターンに属する「エドガー」はその名の通りポーのオマージュなのがわかるけど、話の筋自体はサキやビアスに近い。ホラー映画のオマージュもたくさん。「デイヴィッド」はグレムリンすぎる。
〈因果応報〉という言葉は出てくるけど、特に反省を促すような教訓話になっているわけではない。「エドガー」の終わりでマイクがすっかりエドガーの肩を持っているところなど、この墓地特有の倫理観に呑まれていて笑える。
後ろのエピソードほど面白く、特に最後の「トレイシー」にでてくるヴィオラ叔母に関しては、この人の一代記で長編一本書いてほしいと思うくらい、派手なモチーフがてんこ盛りに詰め込まれている。問わず語りのように見えて各話にテーマ的な繋がりを持たせていたり、幽霊たちの生前の暮らしぶりからシカゴの歴史を浮かび上がらせていたり、小ざっぱりしているがセンスの良い作品だった。

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2021年02月07日

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ネタバレ

冒頭のキャロルアンの話がないじゃないか!というか出版社の公式あらすじだとメアリアンになってるじゃないかどうした!

デイヴィッドとリッチ以外は自業自得か必ずしも良い子でないからまあいいか、という気持ちに。

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2018年12月29日

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「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女、メアリアンに導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。(背表紙)

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2017年10月26日

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ネタバレ

TLでなんとなく評判を見た+甲田学人の新刊読んでホラーを読みたい気持ちが高まっていた結果、手を出した本。
若くして死んだ人々、それもミステリ的、ホラー的、あるいはSF的な死を迎えた者たちの、死に様を描いていく連作短編。
要望には十分応えてくれた。登場人物が割りと気持ちいい人物が多い+何かに立ち向かい、時には勝つエンドも多いので、後味が悪くないのも特徴か。エドガーの話とかは別だけど。

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2017年06月12日

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不幸にして十代で死んでしまった子供たちの幽霊が、自分たちが死ぬに至った物語を順に語っていく連作ホラー。リアルに恐ろしく悲しいものや、どこかしらシュールながらやはり恐ろしいものや、さまざまなテイストが楽しめます。そしてその物語を聞き続ける少年マイクがいったいどうなってしまうのか、というところも読みどころです。
さまざまな怪奇小説の要素がたっぷり含まれているのもまた読みどころです。「サルの手」なんかはあまりにわかりやすいけれど。それ以外にも、ホラー好きならぐぐっと引き込まれるガジェットがいっぱいでした。
お気に入りは「ジーナ」。これが一番やるせなくてつらいなあ。リアリティという意味ではもっとも恐ろしく感じた一作でもありました。逆に「デヴィッド」は、現実感がなさ過ぎてシュールで、でもだからこそ実際に起こったら恐ろしいだろうなあ、という物語。あんな死に方は嫌だ。

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2017年06月10日

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真夜中、ティーンエイジャーのみが埋葬される墓場に足を踏み入れたマイク。幽霊たちが、死んだときの話を語る。
モンスターあり、怪奇現象あり、運命のいたずらなのか不運なのか、精神異常も。

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2017年04月30日

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ステキな表紙。可愛いゴーストストーリー。
導入に引き込まれる。
「猿の手」とシェイクスピアのミックス少女版「リリー」が気に入りました。

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2017年03月26日

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真夜中に少女に導かれて墓場に来たマイク。そこに眠る10代の子どもたちの幽霊が自分の死んだ時の話を語り出すのを聞く。皆、自らの行為のせいで死んだ子たち。

生きていた年代は様々で現実離れしたSFチックなお話もある。
ゾッとするのもあったが、ホラーというほど怖くはなく、ちょっぴり切ないノスタルジックな怪奇小説だった。
表紙の絵も素敵。

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2023年10月04日

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日本のホラーがじわじわくるのに対して、物理的な恐怖や未知の「生物」に対しての恐怖が多い。
目に見えないものに対して恐怖を抱くのか、目に見えるものに対して恐怖を抱くのか。
恐怖にに対して考え方が違うのかとしみじみ思う。

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2019年02月21日

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10代で死んだ子供たちが埋葬されてる墓地で語られる、彼らが死んだ理由。

語るのは、死んだ本人。
聞き手は、不思議な力によってその墓地に連れてこられた若者。

ミステリー? ホラー小説なんだけど、あまり怖くなく、アメリカンノスタルジー。

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2019年01月15日

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毎日夜遅く帰ってくるマイクは、母親から今日こそは日付の変わらないうちに帰ってくるように言われていたが、今日もギリギリ。真っ暗な郡道を車で飛ばしていると、突然びしょ濡れの女の子が現れる。かろうじて車を止めたマイクは、女の子・キャロルアンを家まで送っていく。ところが、キャロルアンは、脱いでいた靴を車に置きっぱなしだった。マイクが、キャロルアの家に届けると…。

十代で亡くなった少年少女たちのそれぞれの死んだ日を集めたゴーストストーリー集。19世紀から21世紀までのシカゴでの若者たちの一面をのぞかせつつ。
怖い~!

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2017年07月31日

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ネタバレ

一人ずつの話が短くて面白い。けどちょっと不思議現象でしんでしまうものが多かった。もっと人間のひどさみたいなものが死の理由なのを期待していたから。

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2017年06月13日

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可愛らしいさかたきよこさんの表紙画とゴーストストーリー!ということで即買い。怪奇小説へのオマージュあり、19世紀から20世紀のシカゴの歴史にもなぞられていたりと様々な時代のゴーストストーリーが楽しめました。良い意味で予想を裏切られたのは、クラシカルな怪奇ものばかりだろうと思いきや、とても魅力的なモンスターも出てきたりと、なんともアメリカ的!YAブックではありますが、大人でも充分楽しめました。

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2017年05月18日

Posted by ブクログ

シャーリイ・ジャクスンみたいな奇妙に厭な物語を予想して読み始めたが、もう少し軽く、YA小説またはラノベ的なオムニバス作品である。ちょっと違うが高橋葉介の軽めの怪奇漫画に近いかもしれない。翻訳も相応に読みやすい。ジェイコブズ「猿の手」をはじめとして「黄色い壁紙」など古典ホラーへのオマージュが埋め込まれているようだ。

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2017年03月21日

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