【感想・ネタバレ】花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選のレビュー

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Posted by ブクログ

眠狂四郎シリーズの中からミステリチックな21編を収録した短編集。
密室殺人、消えた凶器、書類の紛失など不可能犯罪もあるが、週刊誌連載だったせいか波乱万丈なストーリーに謎解き要素を加えたという感じで、同じく創元推理文庫から出ている木枯らし紋次郎の作品集よりミステリ度は低い。
シリーズの中のセレクトなので、ときどき言及される人物と狂四郎の関わりが飛び飛びで気になる。
大坪砂男がトリック提供をしていたというのは驚いた。

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2020年06月24日

Posted by ブクログ

先日読んだ、木枯らし紋次郎シリーズのミステリー傑作選がなかなか良かったので、たまたま見つけたこちらの作品も読んでみた。

初めて読む眠狂四郎シリーズ。
円月殺法くらいしか知らなかったので、どんな男かと思っていたら、紋次郎とは真逆のキャラクター。
編者あとがきによると、作家さんが当時流行っていた正統派時代物ヒーローとは真逆にしようと、眠狂四郎というキャラクターを作り上げたらしい。

水野忠邦の側頭役・武部仙十郎の依頼で様々な事件の解決に取り組むことが多いものの、武部に飼われているというわけでもなく、好奇心のままに事件に首を突っ込むこともある。
何より女好き。気ままに女に情を掛けておいて気を持たせたり突き放したり。それでもモテるのだからよく分からない。
女だけではない、狂四郎と何かとコンビを組むスリの金八まで懐いている。天然の人たらしなのか。

信仰を捨てた『ころび伴天連』の父と、父に襲われて自分を産んだ武家の娘である母との間に生まれた狂四郎。
作品集の中では父に復讐の刃を向けるシーンもある。
さしたる故なくとも刀を振るう、生きる凶器のように感じる場面すらある。
だがそういうダークヒーローを徹底したから人気があったのかも知れない。

ミステリー傑作選という割には一編が短いので、謎解きをする間もなく終わってしまうものもある。
それと、結構艶っぽい話が多い。現代のような生々しい描写はないものの、大人向けだろう。
ただ凶器や物の消失、密室殺人、花嫁の首が斬られ代わりに罪人の首が繋ぎ合わされているという、横溝先生の作品のような話もあってワクワクした。
しかしやはり一話が短くて、あの人は、あのことはその後どうなったのか置き去りな感じがちょっと勿体無い。

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2019年12月12日

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