【感想・ネタバレ】ブッダのことば スッタニパータのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年04月11日

・「犀の角のようにただ独り歩め」異国情緒と含蓄に溢れるとても良い言葉だ。
・今の日本の仏教のように「仏に縋り、仏に祈る」というのは随分と原型から離れたもののように感じた。
ただ、インドにおける仏教の発生がインドの風土と風俗に沿ったものであるなら、日本の仏教の発展もまた日本の風土と風俗に沿ったものであ...続きを読むるのか。

・「二度とこの世に生まれることがない」のが最良だど幾度と唱えているが、これは反出生主義とどう違うのか誰か教えて欲しい。

・「自分で自分のことを言いふらすのであるから、かれは「下劣な人」である」は、各種SNSヘビーユーザーに刺さる言葉だな。
・執着するから、愛着するから苦しみが生まれるのだ、という意見はよく分かる。
それでも私は清濁併呑の人生もまた悪くないとも思う。

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Posted by ブクログ 2021年12月01日

とても良かったです。確かに初期の頃は教えが煩雑でなく、今の五戒や十二支縁起説のもとになっただろう言説が簡潔に書いてあります。でも、簡潔な分サラっと説明してすぐ次の話題に行くので追いつくのが大変でした。常に頭の中で整理しながら読むと読みやすいと思います。

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Posted by ブクログ 2021年04月25日

今の日本の葬式仏教とは何なのだろう。
ゴータマ・シッダールタの言葉とはかけ離れた姿。
哲学なきところにあるのは、金と欲のみ。

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Posted by ブクログ 2014年10月10日

初めて原始仏典を読んだが、そこには公案のようななぞなぞも、密教のような呪文も無く、ひたすらシンプルに世俗に背を向けて煩悩を捨てることが繰り返し繰り返し説かれていた。人の死を悲しむことすら煩悩だと言い切る「矢」や、自説の正しさを主張することの愚かさを説いた「並ぶ応答」など、印象深い言葉が多かったが、や...続きを読むはり白眉は「ただ独り歩め」と説き続ける「犀の角」。

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Posted by ブクログ 2014年04月22日

数多い仏教書おうちで最も古い聖典といわれているのがこの「スッタニパータ」であります。
現在の仏教とは少し違う原始仏教のことを知りたくて、もっともブッダの発言に近いといわれているこの本が前々から読みたいなぁ~って思ってたんだけど、難しそうだなぁ~って思ってなかなか手をつけれないでいた。
きっと難しいん...続きを読むだろうと思い、気合を入れてエイヤーっ!っと読み始めたら、これがなかなか読みやすい。わかりやすい訳のおかげなんだけど、読みやすいし、これがおもしろいかった。
個人的に最も感銘を受けたのが「蛇の章 八、慈しみ」の中にあるこんな言葉です。

いかなる生物生類であっても、怯えているものでも、強剛なものでも、悉く、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生きるものは、幸せであれ。

この万物に向けられたた慈しみの目。いやー、すばらしい。この心は大切にしなければなりません。

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Posted by ブクログ 2013年10月02日

「実に欲望は色とりどりで甘美であり、心に楽しく、種々のかたちで、心を撹乱する。欲望の対象にはこの患いのあることを見て、犀の角のようにただ一人歩め。」Tha blue herbに同名の曲がある。自らの意思を研ぎ澄まし道を切り拓く人たちにこそ必要な最古の極めて実際的哲学者のことば。人生の必読書。

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Posted by ブクログ 2014年01月08日

仏陀が大きな教団を作る前に説いた人生の道標。

人は生まれによってバラモンとなるのでなく、行為によってバラモンとなるのである。

理法に従って道を歩む「信仰」(saddha)が大切とされる。

チュンダに語った四種の修行者の話でソクラテスやイエスの言ってたことと本質的には一致するのではないかと...続きを読む思いました。



「疑いを越え、苦悩を離れ、安らぎ(ニルヴァーナ)を楽しみ、貪る執念をもたず、神々と世間とを導く人、──そのような人を<道による勝者>であると目ざめた人々は説く。

この世で最高のものを最高のものであると知り、ここで法を説き判別する人、疑いを絶ち欲念に動かされない聖者を修行者たちのうちで第二の<道を説く者>と呼ぶ

みごとに説かれた<理法にかなったことば>である<道>に生き、みずから制し、落ち着いて気をつけていて、とがのないことばを奉じている人を、修行者たちのうちで第三の<道によって生きる者>と呼ぶ。

善く誓戒を守っているふりをして、ずうずうしくて、家門を汚し、傲慢で、いつわりをたくらみ、自制心なく、おしゃべりで、しかも、まじめそうにふるまう者、──かれは<道を汚す者>である。 」


輪廻の思想や、仏陀に問いかけをする神神、惑わす悪魔など、文章から見ると壮大な背後世界を全く肯定しているような気もするが…。


中村元スゲー

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Posted by ブクログ 2013年01月14日

カテゴリの中に新たに「仏教」を追加した。

本から
 五蓋 ― 貪欲、瞋り、心の沈むこと、心のそわそわすること、疑い
 眼ある人 ― 一般に仏の異名

諸々の邪まな見解にとらわれず、戒を保ち、知見を具えて、
諸々の欲望に関する貪りを除いた人は、決して再び母体に
宿ることがないであろう。

この世では...続きを読む信仰が人間の最上の富である。徳行に篤いことは
安楽をもたらす。実に真実が味の中での美味である。智慧に
よって生きるのが最上の生活である。

愛欲にともあって起こる、清く見える外形を捨てて考えよ。
(身は)不浄であると心に観じて、心をよく一つに統一せよ。

汝の第一の軍隊は欲望であり、第二の軍隊は嫌悪であり、
第三の軍隊は飢渇であり、第四の軍隊は妄執といわれる。
汝の第五の軍隊はものうさ、睡眠であり、第六の軍隊は
恐怖といわれる。何時の第七の軍隊は疑惑であり、汝の
第八の軍隊はみせかけと強情である。

善い人々は最上の善い説を説く。これが第一である。理法を
語れ、非法を語るな。これが第二である。好ましからぬことばを
語るな。これが第三である。真実を語れ、虚妄を語るな。
これが第四である。
自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ。
これこそ実に善く説かれたことばなのである。

若い人も壮年の人も愚者も賢者も、すべて死に屈伏してしまう。
すべての者は必ず死に至る。かれらは死に捉えられてあの世に
去っていくが、父もその子を救わず、親族もその親族を救わない。
見よ。見まもっている親族がとめどなく悲嘆に暮れているのに、
人は1人づつ屠所へ引かれる牛のように連れ去られる。
このように世間の人々は死と老いといによって害われる。
されば賢者は、世のありさまを知って、悲しまない。汝は来た人の
道をしらず。また去った人の道を知らない。汝は(生と死の)両親を
見ないで、いたずらに悲泣する。迷妄にとらわれ自己を害している
意図が、もしも泣き悲しんでなんらかの利を得ることがあるならば、
賢者もそうするがよかろう。泣き悲しむことによっては心の平安は
得られない。ただますますかれには苦しみが生じ、身体がやつれる
だけである。みずから自己を害いながら、身はやせて醜くなる。
そうしたからとて、死んだ人々はどうにもならない。泣き悲しむのは
無益である。憂いを捨てない人はますます苦悩を受けることになる。
亡くなった人のことを哭くならば、憂いに捕われてしまったのだ。
また自分のつくった業にしたがって死んで行く人々を見よ。
かれら生あるものどもは死に捕えられて、ここに慄えおののいている。
ひとびとがいろいろと念願しても、結果は意図とは異なったものとなる。
期待に背くこと、このとおりである。世のありさまを見よ。
たとい人が百年生きようとも、或いはそれ以上生きようとも、
終いには親族の人々から離れて、この世の生命を捨てるに至る。
だから尊敬さるべき人のことばを聞いて、亡くなった死者を見ては、
「かれはもうわたしの力の及ばぬものなのだ」と悟って、悲しみを
嘆き去れ。

世に名とし姓とし附せられているものは、通称にすぎない。
(人の生まれた)その時々に附せられて、かりに設けられて
伝えられているのである。

人が生まれたときには、実に口の中には斧が生じている。
愚者は悪口を語って、その斧によって自分を断つのである。

害心なく清くして汚点のない人を憎むかの愚者には、必ず
悪がもどってくる。風に逆らって微細な塵を散らすようなものである。

独り坐すことと道の人に奉仕することとを学べ。聖者の道は
独り居ることであると説かれている。独り居てこそ楽しめるであろう。

世間における種々なるかたちのあらゆる苦しみは生存の素因に
もとづいて生起する。実に知らないで生存の素因をつくる愚鈍者は
くりかえし苦しみを受ける。それ故に知り明らめて苦しみの生ずる
原因を観察し、素因をつくるな。

われは(昔さとりを開こうとした時に)愛執と嫌悪と貪欲(という三人の
魔女)を見ても、かれらと性の交わりを行いたいという欲望さえも
起こらなかった。大小便に満ちたこの女がそもそも何ものだろう。
わたしはそれに足で触れることさえも欲しない。

―安らぎを固執することもなく。

世の中における種々様々な苦しみは、執着を縁として生起する。

愛欲と憂いとの両者を捨て去ること。沈んだ気持ちを除くこと。
後悔をやめること。

ゴータマ・ブッダの説法 前約428年-383年

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Posted by ブクログ 2012年10月19日

朝、コーヒーをいれながらぱらぱらと読んでいるだけで、背筋が伸びる。
むだのない、力強いことば。
ことばの発しているエネルギーの質が違う感じ。

見た目よりも、ずっと分かりやすいことばでつづられていて、
おすすめです。

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Posted by ブクログ 2012年06月27日

 ちょっと大変だったけど精霊さんなどの話もあってよかった。
 お釈迦様のお考えになった一端が感じられてよかった。
 学者さんのお書きになられた本なので学術的なところが信仰している人にはぴんとこないかもしれませんがきっと伝わるものだと感じます。
 がんばりましょう!

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Posted by ブクログ 2012年04月29日

内容はもちろん良いのですが。本のかなりの分量を占める中村元さんの脚注を読むと、常に読む人を想像して書いたであろう誠実な姿勢が伝わってきて感銘を受けます。脚注をひたすら読んでしまいました。

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Posted by ブクログ 2012年04月06日

感激の連続でした。
執着が起きる仕組みをあらかじめ別の本で学んでいたので深く理解できましたが、初学だと上滑りしていたかも。
ダンマパダをもう一度読み返したくなった。

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Posted by ブクログ 2012年03月13日

絶対的な存在は無い。
主体的な存在は無い。
全ては相対の中にある原因と結果の連鎖でしかない。

無いものを有ると妄想し
いずれ滅びるものに永遠を望む所に
苦が生まれる。

という事を訴える、原始仏教の最も古い文献。

煩雑さも難解さもなく、それはまるで詩のようにリズミカル。

宗教というより、寧...続きを読むろ音楽や哲学の領域。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

正直なところ、自分には文章が難しかった。
全体の1/3も理解できただろうか、とも思うが(自分にとって)難解であるこの本を読み切ったという体験はとても掛け替えのないものになった。
とにかく読みづらかった。

この本を「わかりやすい内容」と紹介しているところもあるが、本当だろうか…わかりやすいと思って読...続きを読むんでる人は相当博識な人ではなかろうか…

ただ、全てがわからないということではなく、「おそらくこういう事を言っているんだろうな」というのを頭ではなく心で感じながら読んだという体験だった。

弟子たちからの質問にスイスイと答えを出す仏陀。
自分にもこんな存在が欲しいと素直にそう感じた。

なんとなくの雰囲気で全体像を感じ取ったので、岩波文庫版で挫折した人におすすめという下記の本へ避難することにする。

今枝由郎 訳
スッタニパータ ブッダの言葉
光文社古典新訳文庫

こちらも読み終えたらレビューを書き、再び岩波文庫版を読み返すなどしたい。

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Posted by ブクログ 2023年01月10日

ブッダのことば(スッタニパータ)
つまり、仏教のもと。
ひたすら、欲を捨てよと話している。
金持ちになりたい、健康でいたい、あれも欲しい、これも欲しいと煩悩の塊の自分はバラモンになれそうもないなぁ。なまぐさだなぁ。

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Posted by ブクログ 2022年03月01日

最古の仏典のひとつとされるスッタニパータ。
それゆえか実にシンプルな内容で、一部はもはや生活の知恵の延長にあるような身近ささえ感じる。
バラモンとは生まれによってなるものではなくそのふるまいによってなるものだ、という教えはやはり大切なものだ。大切なのに人は看板に惑わされ、またそれに固執してしまうのは...続きを読むなぜなのだろう。

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Posted by ブクログ 2022年02月11日

私の好きな言葉です。

周囲に惑わされず、自分の心に従いなさい

心・体を健全に保ち
どんな時も友だちに誠実に

健康であるかどうかは、自分の「心」が決めている

過去に囚われてはいけない
未来を待つだけでもいけない
ただ、この瞬間に集中すること

自分を変えるのは自分だけ
どんなに大きな変化も
...続きを読むべてあなたの一歩から

大空に東も西もないように
あなたの心も内側と外側で
境界を設けてはいけません

隠し続けることができない
3つのものが存在します
太陽、月、そして真実

他人の過ちを指摘する前に
自分の欠点に気づくことです

心を強く保つには、
体が元気でなければ

心で思うことは実現します
正しい心の持ち主には、
幸運がついてくるものです

他人にばかり頼らずに、
道は、自ら切り開いてこそ

感想

私は無宗教ですが、人間の生き方としては、共感できます。
1人でも多く共感できれば、争いが少ない世の中になるのだろうと思ってます。

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Posted by ブクログ 2014年10月22日

仏教の現存最古の仏典の翻訳本です。

内容は、ほぼ戒律と教えばかりで、詩的表現をもちいて、対話形式で書かれている。

形式が決まっていて、同じ内容を反復しているうえに、ページ数の多くが脚注に割かれているため、見た目ほどに分量はない。

原始仏教の本なので、時代は全然違うし、文化も当然違う。
そのため...続きを読む教えは納得できるものもあれば、そうでないものもある。

常識として押さえておくにはいいかもしれない。
だが読み物としておもしろいかと言われると、答えに窮する。

だが、現代に通じる内容もあり、日々の自分の生活を省みながら読むならば、意義のある書物だと思う。

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Posted by ブクログ 2014年06月25日

現存する仏典のうち、最古といわれる『スッタニパータ』の日本語訳(原典はパーリ語)。
最古ゆえ、ゴータマ・ブッダその人に最も肉薄している仏典といえる。

この世の苦しみの源、煩悩から離れて心の平安を得るということ、空の思想、涅槃に至る方法などを易しい言葉で繰り返し説く。
群れるよりも孤独に沈思せよ、と...続きを読む説く姿勢は、教典や教団=宗教を否定するものであり、むしろニーチェの思想に近いものを感じる。
ブッダの教えが「仏教」として高度に発達するより前に書かれているので、難解な理論は登場しない。
同時に、日本仏教がブッダの教えからいかに変質した「仏教」であるかを実感する。

過剰なまでの訳注のおかげで解説書いらず。
本文を読んで「?」と思った箇所はたいてい訳注が解決してくれた。

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Posted by ブクログ 2013年08月23日

何も拘らなくなったら気が楽になっていいよ。

仏教のうちで最も古い経典のスッタニパータの現代語訳。漢訳は部分的にしかされていないのでパーリ語からの翻訳。
煩悩を捨てよ。煩悩を捨てよという事も捨てよ。

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Posted by ブクログ 2013年06月16日

究極の無関心と悟りとの違いをお坊さんに聞こうと思う。
573節〜
594節〜がブッダのことばをよくあらわしている。
修行者は サイの角のようにただ独り歩むべきもの

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月05日

ブッダのことばースッタニパータ
p17- 「犀の角」のようにただ独り歩め。

「田を耕すバーラドヴァージャ」
農夫「あなたが田を耕すのをみたことがない」

ブッダ「わたしにとっては、信仰が種子である。苦行が雨である。智慧がわが軛と鋤である。はじることが鋤棒である。心が縛る縄である。気を落ちつけること...続きを読むがわが鋤先と突棒とである。
身をつつしみ、ことばをつつしみ、食物を節して過食しない。わたくしは真実をまもることを草刈りとしている。柔和がわたくしにとって[牛の]軛を離すことである。
努力がわが〈軛をかけた牛〉であり、安穏の境地に運んでくれる。退くことなく進み、そこに至ったならば、憂えることがない。
この耕作はこのようになされ、甘露の果実をもたらす。この耕作を行ったならば、あらゆる苦悩から解き放たれる」p24

究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきこと。リスト[慈しみ]p37

「常に戒を身にたもち、智慧あり、よく心を統一し、内省し、よく気をつけている人こそが、渡りがたい激流を渡り得る」p42

[聖者]
世間をよく理解して、最高の真理を見、激流を超え海をわたったこのような人、束縛を破って、依存することなく、煩悩の汚れのない人、ー諸々の賢者は、かれを〈聖者〉であると知る。p49

楠正成「七度び人間と生まれて朝敵を滅ぼさむ」p302

深い学識あり、技術を身につけ、身をつつしむことをよく学び、ことばがみごとであることーこれがこよなき幸せである。p58

ヴェーダ(真理の知識)
強情をなくし謙虚な態度で、時に応じて師のもとに行け。ものごとと真理と自制と清らかな行いとを心に憶い、かつ実行せよ。p69

ラーフラ(羅睺羅)ー釈尊唯一の息子。p71

ウポーサタ(斎戒)p83

(釈尊はなぜ出家したのか)
「この在家の生活は狭苦しく、煩わしくて、塵のつもる場所である。ところが、出家は、ひろびろとした野外であり、(煩いがない)」と見て、出家されたのである。p85

〈メモ・素朴な疑問〉
みんなが仏陀に帰依して、出家したら、托鉢などできなくなる。
このパラドックス。

【竜】p111
世間のうちにあっていかなる罪悪もつくらず、一切の結び目・束縛を捨て去り、いかなることにもとらわれることなく解脱している人ーこのような人はまさにその故に〈竜〉と呼ばれる。
サーヴァッティー市のジェータ林、〈孤独な人々に食を給する長者の園〉p142

「接触にとらわれ、生存の流れにおし流され、邪道を歩む人々は、束縛の消滅は遠いかなたにある。
しかし接触を熟知し理解して、平安を楽しむ人々は、実に接触がほろびるが故に、快を感ずることなく、安らぎに帰している」p162
「従属するものは、たじろぐ」「従属することのない者は、たじろがない」p168

物質的領域を熟知し、非物質的領域に安住し、消滅において解脱する人々は、死を捨て去ったのである。p169

智慧に関しても、戒律や道徳に関しても、世間において偏見をかまえてはならない。自分を他人と「等しい」と示すことなく、他人よりも「劣っている」とか、或いは「勝れている」とか考えてはならない。p180

「『教義によって、学問によって、知識によって、戒律や道徳によって清らかになることができる』とは、わたくしは説かない。『教義がなくても、学問がなくても、知識がなくても、戒律や道徳を守らないでも、清らかにやることができる』、とも説かない。それらを捨て去って、固執することなく、こだわることなく、平安であって、迷いの生存を願ってはならぬ。(これが内心の平安である)」p186

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Posted by ブクログ 2013年04月29日

最古の仏典。

ブッダの思想を最もダイレクトに
伝えていると思われるが、
内容は読みやすいとは言えない。

「必ずしも肉食を禁じていなかった」
「住居を持たずホームレスのような生活をしていた」
などの当時の修行者の生活が窺い知る事が出来、
原始仏教を研究するには最高の書なのだろうが、
人として何かを...続きを読む学ぶには「真理のことば」の方が良さそう。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

私は無宗教と自認していますが、最も影響を受けた宗教と言えば仏教だと思います。恐らく、多くの日本人も同じではないでしょうか。
特に、哲学的な観点からの仏教には、壮年になるにつれて関心が高まり、本書を手に取りました。様々な会話の中で、お釈迦様が発したとされる言葉が収められています。

真理に辿り着くとい...続きを読むうことは、妄想や執着から自由になることと同義であり、私のような、市井の俗物からみると、かなりストイックな姿勢が求められるのだと改めて感じました。その中でも、特に印象に残った言葉としては、

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人が「これはわがものである」と考える物、ーそれは(その人の)死によって失われる。われに従う人は、賢明にこの理を知って、わがものという観念に屈してはならない。
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という言葉です。私の座右の書の一つである、エーリッヒ•フロムの「生きるということ」は、正にこの考えに焦点を当てたものですが、自身の体でさえ、結局は土に還さなければならない借物であり、所有という考えは全て錯覚であるということは、非常に大切な考えであると改めて思いました。全ての妄想や執着を払い、真理に辿り着くなど、私には望むべくもないですが、少なくとも、「わがものという観念に屈しない」ように生きていきたいものです。

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Posted by ブクログ 2021年11月02日

ちょっと専門でない人があまり必要としない注釈が多すぎるような気がします。注釈は読み飛ばした方がいいかもしれません。

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Posted by ブクログ 2019年10月09日

やっと読み終わりました。仏教のような小難しく堅苦しいものでもなく、元々は語り言葉で伝承されたものなんだよね。とにかく、「犀の角」の章には圧倒された。

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Posted by ブクログ 2015年09月04日

初期仏教の時代を生きた人々が、まったく違う世界観、価値観の元に生きていることを実感。
この差は一生かかっても埋められないのだろう。
現代にあって解脱を目指す意味とは?

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Posted by ブクログ 2013年06月30日

釈尊本人の教えに最も近い聖典。パーリ語から翻訳されたもので、分かりづらい部分は多いが、素朴で分かりやすい部分も多い。結局は自分次第ということ。何度も読み返したい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月05日

仏教の始祖である、ブッダの教えの中で最も古いものらしい。ブッダの言葉を詩の形式にしたものを、さらに翻訳している。
詩の形式になっているところが、面白い。昔は文字の文化というよりも口伝だったのだろうか。ここから、お経になっていったのだろう。
お経って詩なのか、そういう意味ではキリスト経にも讃美歌があっ...続きを読むて、繰り返し唱えるためには、詩にして韻を踏むと覚えやすいという効果があるのだろう。
内容は繰り返しの部分が多いが、生活を正して、欲や執着を排除し生活せよということに尽きる。
完全に欲や執着を排除するのは難しいが、日々イライラすることが多いので、役に立つ部分もありそう。
但し、修行者が何も生産せず、施しで生きることを良しとしている点はちょっと参道しかねる。労働によって、糧を得て、それで生活するのが、健全だと思う。

自身への戒めとして、粗食を旨とし、荒々しい言葉や他人を苦しめること、争論を好むのを慎もうと思う。

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Posted by ブクログ 2011年12月03日

私的最強睡眠導入本。
なんでかページを開くともの凄い勢いで睡魔に襲われる。
睡魔の「マ」はマーラの「マ」…なんて。

基本的には「欲望、執着をなくせ」ということだと思うのですが、これ、もし全ての人が実践したら社会というものが成り立たないと思うのだが…。
人類の緩慢な自殺?
まあ地球には優しいかもしれ...続きを読むませんが。

なかなかに衝撃だった一文。
「〈われは考えて、有る〉という〈迷わせる不当な思惟〉の根本をすべて制止せよ。内に存するいかなる妄執もよく導くために、常に心して学べ。(916)」
すごい…デカルト全否定。

それにしても、本当ブッダの『仲間にする』コマンドは最強。

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