【感想・ネタバレ】ブルーノ・タウト 日本美を再発見した建築家のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ナチの迫害を避けて来日、日本の美を「再発見」し、その後、トルコへ渡る--政治に翻弄されつつも常に前進する「色彩の建築家」の初の本格的評伝。著者自身が建築家で「現存するほぼすべての作品を訪れた」というから、作品と人物を丁寧に繋ぎ、描いている。

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2012年07月18日

Posted by ブクログ

本書の最大の魅力は、日本文化の顕彰者としてあまりに有名なタウトの意外なエピソードに触れることができる点。特に、彼の余りに奇矯な結婚観を紹介する際に、桂離宮と日光東照宮に対する彼の評価のギャップに触れる下りには思わず吹き出してしまった。また、タウトのゆかりの者を尋ね歩き、彼らの墓所までも突き止めてしまう著者の思い入れにも脱帽。

終章で筆者が表明する懸念にはやや唐突感はあるが、タウトの平和主義を別にしても、彼が高揚と不遇を経験した戦前の日本の状況と現在のそれを引き比べれば何ら怪しむ所はないようにも思える。当時、日本文化を称揚したのはタウトのような外国人であり、それ自体は純粋な評論であったはずだが、本書にあるように結局は当時の政体によって国威発揚に利用されたのだった。

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2014年12月28日

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