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第一次大戦後のドイツ、タウトは貧困にあえぐ労働者のための集合住宅を華やかに彩り、「色彩の建築家」と呼ばれた。しかしナチスの圧迫を逃れて来日、白木の建築に感銘を受けて、日本美の紹介に努めた。その後トルコに招聘され、新しい様式の建築を展開した。激変する環境のなかで変容を重ねる作品を紹介しつつ、妻と秘書の二人の伴侶、建築家であった弟と子供のことなど複雑な人間関係を解明し、五八年の生涯を辿る。
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Posted by ブクログ 2014年12月28日
本書の最大の魅力は、日本文化の顕彰者としてあまりに有名なタウトの意外なエピソードに触れることができる点。特に、彼の余りに奇矯な結婚観を紹介する際に、桂離宮と日光東照宮に対する彼の評価のギャップに触れる下りには思わず吹き出してしまった。また、タウトのゆかりの者を尋ね歩き、彼らの墓所までも突き止めてしま...続きを読むう著者の思い入れにも脱帽。 終章で筆者が表明する懸念にはやや唐突感はあるが、タウトの平和主義を別にしても、彼が高揚と不遇を経験した戦前の日本の状況と現在のそれを引き比べれば何ら怪しむ所はないようにも思える。当時、日本文化を称揚したのはタウトのような外国人であり、それ自体は純粋な評論であったはずだが、本書にあるように結局は当時の政体によって国威発揚に利用されたのだった。
Posted by ブクログ 2012年07月18日
ナチの迫害を避けて来日、日本の美を「再発見」し、その後、トルコへ渡る--政治に翻弄されつつも常に前進する「色彩の建築家」の初の本格的評伝。著者自身が建築家で「現存するほぼすべての作品を訪れた」というから、作品と人物を丁寧に繋ぎ、描いている。
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ブルーノ・タウト 日本美を再発見した建築家
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田中辰明
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