盛岡の書店で「文庫X」として表紙もタイトルも内容も伏せて販売され、話題となった本作品。書店員さんの手書きPOPで「どうしても読んで欲しい」作品として紹介されていたため、てっきり感動モノの小説と思っていたら、ノンフィクションだったので驚きました。
今まであまりノンフィクションの作品を読んだことがなく、読む前は「完読できるかな?」と不安でしたが、読み始めるとひき込まれるように夢中になって読んでいました。ノンフィクションですが思ったより文章が堅くなくて、とても読みやすかったです。
内容は、衝撃的すぎて、一生忘れないと思います。本作で取り上げられている事件についての知識がほぼない状態で読みましたが、読み終わった後は、同様の事件のニュースにとても関心をもつようになりました。
一人でも多くの人に読んでいただきたい作品です。
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Posted by ブクログ
読み始めたら止まらなかった。ゴクゴク読んだ。そして、お恥ずかしながら、この本の存在を最近知りました。未だ、交番に行けば貼ってある「横山ゆかりちゃん誘拐事件」のポスター。懸賞金もかかり、何年も探されているあの事件の裏に、こんなことが隠れていたなんて、と衝撃を受けました。ちなみに、発行されたのが平成28年で、本が発行されてから7年も経っているのに、まだ真犯人は捕まっていない。事件について検索してみても、この本と大差ない情報しか出てこない。どこの誰だか分かっているのに!一部の人の名誉とか立場を守るために、幼い子の被害が消される…理不尽だと思いました。
Posted by ブクログ
読みものとしては読みやすく、続きが気になってあっという間に読み進めてしまった。
ごく普通の人が、突然に危険人物と決めつけられ報道され、犯人にでっちあげられ、犯していない罪を償うために刑務所に入る。
しかも精度が低めのMCT118法を証拠に逮捕された人の中には、無実を訴えていたにも関わらず、死刑が執行された人もいる。
被害者家族は、捕まった犯人はやっぱり違いましたとの報告を受け、宝物である我が子を失った悲しみだけでも辛過ぎるのに、今も犯人は何もなかったように過ごしていること、改めて捜査をしてもらえないことにも心を乱されなければならない。
清水さんは犯人の目星もつけて警察にも伝えているのに。
間違っていたのなら、間違いを繰り返さないためにも、正しい捜査をすればよいのに。
読んでいてやるせない気持ちになった。
これがノンフィクションであることがショックだった。