【感想・ネタバレ】太陽の棘のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2日でほぼ一気読み。戦後の沖縄、アメリカ人軍医からの目線で進むストーリーが面白い。アートを愛する者同志の心の交流。穏やかでジェントルマンな印象の彼だけに、最後のくだりで思わず胸が熱くなった。実話ベースだと知って驚き、感動した。原田マハさんの本は10冊位読んだけど、その中でも、好きな本上位に入ると思う

1
2022年09月08日

Posted by ブクログ

戦時下及び戦後間もない沖縄で根付く人々の生活と葛藤を、米軍駐留兵の精神科医として赴任した主人公の目線を通して巧みに描写する名作品。あくまで沖縄住民の目線ではなく、米軍医師という外の人間の目線を通して描かれている点が大きな特徴である。アートという媒体を通して、現地住民と米軍の間に存在する大きなわだかまりを融和していく過程を描く。しかし、その過程は不完全に終わるし、タイラやヒガへの悲劇を通じてそれがいかに困難なものであるかを伝えてくる作品。それでもヒューマニズムにはまだ希望があるというメッセージを、作者はおそらく最後のシーンを通して語りかけようとしているのではないか。

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後の沖縄に、
全員がそうではないと思うが、
中には心優しいアメリカ兵もいてよかった。
アートを通じて友情が芽生え、
意地悪された沖縄の友達のために、
同じ軍の人間を殴ってやったところは、男らしかった。
彼らの別れ際、
沖縄のアーティストが友情の印の鏡で、反射させた
アツい太陽光線は、本土へ帰るアメリカ兵の瞳を通じて
ギラリと沖縄での思い出を沸々といつまでもアツいものにさせたでしょう。

0
2023年10月31日

Posted by ブクログ

良かったです。実話ベースと書かれてて、表紙のの肖像画もストーリーに関わってくるだろうなと思ってワクワクしながら読み始めました。表紙の肖像画が登場してからこれがそうかと、本を手に取るたびに少し感慨深くなりながら最後まで読み終えました。戦後の辛い景色の中でキラキラ輝く芸術家たちの生き様がとても素敵でした

0
2023年07月03日

Posted by ブクログ

本当に素晴らしすぎる。周りに積極的におすすめしたい一冊がまた増えた。
原田マハさんは歴史を考える契機を、最も効果的な方法で与えてくれる。
沖縄人のことを理解することが難しいとしても、日本人として、理解する努力を怠ったらいけないと思う。

0
2023年06月06日

Posted by ブクログ

太平洋戦争後の沖縄。
新米精神科医が芸術家村の絵描きたちと出会い、絵の魅力、沖縄の現実を知りながら3年を過ごす。
力強くて面白い。
佐藤優の解説
「私は日本人の書いた沖縄をテーマにする小説で太陽の棘が一番好きだ。」

0
2023年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

GW初日、朝から手にしたのは大好きなマハさんの「太陽の棘」。

沖縄県立博物館・美術館で開催された、スタインバーグ博士所有のニシムイ・コレクションからマハさんが選んだ肖像画が表紙に使われていますが、
(情報が間違っていたらスミマセン)
これまでのマハさんのアートや画家を題材にした作品ではモネ、ピカソ、ゴッホ、ムンクなど世界的にも有名な作品が表紙を飾ってきました。

本作でフォーカスされるのはそんな世界的に有名な画家や作品ではありません。

沖縄戦後に荒廃した沖縄地域の芸術・文化の復興拠点とすべく美術家集団が集まったニシムイ美術村を中心に戦後の沖縄を舞台に米軍従軍医師・エドワード(通称エド)の視点で描かれています。

沖縄戦の悲劇、終戦直後の沖縄の人々とアメリカ人、沖縄の人々と内地の日本人の関係、おそらくどこに視点を置くかで物語の見え方は大きく違ったものになっていたと思います。

どちらにしても辛く苦しいイメージが強くなりがちですが、やはりマハさん。

辛いシーンも確かにありましたが、絵画を通じてそんな時代の心温まる物語。

最高です。





結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エドワード(エド)・ウィルソン。幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる、心優しき男だ。心ならずも軍医として厳しい研修ののち沖縄に派遣されたエドは、父にねだって送ってもらったポンティアックを操って、同僚の友人たちと荒廃した沖縄の地をドライブすることだけが楽しみとなっていた。
だがある日、彼らは美術の桃源郷とでも言うべき、不思議な場所へと行き着く。そこで出会ったのは、目を輝かせた画家たち。セザンヌや、ゴーギャンのごとき、誇り高い芸術家たちであった。
その出会いは、エドと画家たちの運命を大きく変えていく――。

内容(「BOOK」データベースより)
終戦後の沖縄。米軍の若き軍医・エドワードはある日、沖縄の画家たちが暮らす集落―ニシムイ美術村に行きつく。警戒心を抱く画家たちだったが、自らもアートを愛するエドは、言葉、文化、何よりも立場の壁を越え、彼らと交流を深める。だがそんな美しい日々に影が忍び寄る―。実話をもとにした感動作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田/マハ
1962年、東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。商社勤務などを経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2006年、『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し、作家デビュー。12年、『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

0
2023年05月03日

Posted by ブクログ

すごく良かった。
ニシムイの人たちの絵を実際に見てみたい。
マハさんの本はいつもそういう気持ちにさせられる。

0
2023年03月03日

Posted by ブクログ

一人の精神科医が、兵士を診るために赴いた沖縄で、画家たちが営むアトリエと出会い、絵を通して交流を深めていく物語。
アートの美しさがより戦争の残酷さを際立たせている。
主人公の絵に対する熱量と画家たちの作品に向き合う熱量がぶつかっている。
マハさんだからこそこういう物語が書けるんだと納得

0
2022年08月29日

Posted by ブクログ

さすが、原田さんの作品。
のめり込むように一気に読みました。

戦時中ってあまりいい印象はないけれど、こうした交流が実際にあったと考えると、芸術は人種や国を超えて世界共通なんだなって思いました。人の価値観によっても作品の見方が違うように双方を理解し合って戦争をしないように出来たらいいなって思うけど…これは理想論ですね( .. )

0
2022年05月30日

Posted by ブクログ

面白くって、一気読み。
戦後の沖縄を舞台に、駐留米軍医師から見た現地の画家たちのお話。
疾走感があって、原田マハさんらしさを感じた。

0
2022年02月23日

Posted by ブクログ

前後まもなく沖縄米軍基地に派遣された精神科医エドと同僚、そしてニシムイ村の画家たちの交流の話。当時の米軍基地、彼らから見た沖縄、沖縄の人たちから見る米軍の描写がとてもリアルでわかりやすいと思ったら、実際にあった話を小説化したそう。ニシムイ村のことを全然知らなかったので、これを機にもっと知りたくなった。一気に2日で読んでしまった。やっぱり原田マハ氏はすごい。

0
2022年02月01日

Posted by ブクログ

表紙の肖像画が印象的な、原田さんのアートフィクション。

終戦直後の沖縄へ軍医として派遣された、若き精神科医のエドワード。
ある非番の日、島内を同僚とドライブしていたエドワードは、〈ニシムイ・アート・ヴィレッジ〉という画家たちが暮らす集落に辿り着きますが・・・。

冒頭で「アート“フィクション”」と書きましたが、この作品は実話がベースとなっているとのことです。
表紙の肖像画のモデルとなった、スタンレー・スタインバーグ博士と、この絵を描いた玉那覇正吉さんをはじめとした〈ニシムイ美術村〉の芸術家たちとの交流が実際にあったということが、この物語の内容に深みを与えているように思います。

勿論、アメリカ軍人と沖縄の芸術家たちとの単なる“友情物語”という綺麗ごとだけでなく、太平洋戦争の本土決戦で焦土化した沖縄の人々の厳しい現実(“食べていく”為に、米国軍人相手の商売をせざるを得ない等・・)も書かれています。
物語の中で、ニシムイの芸術家の一人でアルコール依存症になってしまったヒガが“ヤマト(日本)とアメリカ”への怒りを吐露していたように、沖縄の人々からすれば“ヤマト(日本)とアメリカが勝手に自分たちの土地(沖縄)を戦場にしてこの美しい故郷をボロボロにされた”といえるわけで、その心中たるや察するに余りあるものがありますね・・。
このような複雑な背景がありながらも、“アートを愛する心”という共通の思いが言葉や文化、そして立場をを越えて両者を結びつけていく展開に胸が熱くなりました。

読後感も清々しく、本書によって沖縄にこのような、アーティストたちのコロニーが実在したということが知れて良かったな、と思いました。

0
2024年04月24日

Posted by ブクログ

終戦直後の、アメリカ支配下の沖縄が舞台。
米軍精神科医のエドやその同僚と、首里の丘に「ニシムイ美術村」を作って寄り集まって住んでいる画家たちの交流が主なストーリー。

謝辞を読むと、実際にサンフランシスコ在住で沖縄米軍基地で精神科医として戦後過ごした人物に取材して書かれたようなので、実話をもとにしたものだった。

支配するものされるもの、勝ったもの負けたもの、、、そういったものは芸術を前にした交流においては意味をなさなくなる。
また、沖縄は確かに日本の一部なのに沖縄人はまるで日本を憎んでいるかのようであり、犠牲者をたくさん出したアメリカのことを解放者として受け入れている節がある…との文章に、沖縄の複雑な立ち位置が垣間見えた。

0
2024年04月23日

Posted by ブクログ

戦後すぐの、まだアメリカだった沖縄。芸術は、言葉も価値観も飛び越えることがよくわかる話だった。
また、戦後すぐとあって、なかなか折り合いをつけることが難しい現実を生きていた人たちが、芸術という自分の中で譲れない「業」を通して、何とか生きていく描写が良かった。

0
2023年10月30日

Posted by ブクログ

戦中戦後の沖縄の様子、そして、戦争によって勝った方も負けた方も傷つくことが心に伝わります。沖縄との別れのシーンには胸を打たれる。

0
2023年08月02日

Posted by ブクログ

戦後沖縄に駐在していたアメリカ軍精神科医のスタンレー・スタインバーグさんが、交流のあった沖縄のニシムイの画家達の作品を保存していた
それを沖縄県立美術館に里帰りさせるというTV番組「日曜美術館」の特集を観ていた原田マハさんが、彼の承諾を得てニシムイの思い出を小説にし、90歳を越える彼の元へ送るという奇跡の様な話!

物語は実話ベース
肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、独自の創作活動をしていたニシムイの若手画家たちと、戦後間もない沖縄に送り込まれたアメリカ軍精神科医エドことスタンレー・スタインバーグさんとの友情が描かれている

沖縄の人にとって憎いアメリカ軍
米軍人にとっても民間人を殺してしまったというトラウマ
しかし芸術は言葉や国境、人種の垣根を越えて、人と人を結びつける力を持っていた
主人公エドと画家タイラを結びつけたものはアートだった
強い絆で結ばれた二人
そんな事が実際あったなんて凄い
そんなある日、ある事件が。。。

同じ日本にいながら、沖縄の事をあまり知らないと気付いた
沖縄の人の気持ちはこの作品を読んでもわからないが、せめて沖縄の歴史をもっと知る努力をしなければいけないと思った

カバー画は、ニシムイの日本人画家タイラこと玉那覇正吉さんが描いた、アメリカ軍精神科医エドことスタンレー・スタインバーグの肖像画である
インパクト有り

0
2023年05月27日

Posted by ブクログ

時代背景が想像できるのでしっかり物語に入れるけど重すぎない
濃厚なのに長くないのでサクッと良い物語に浸かることができて充実した時間が持てた

0
2022年09月10日

Posted by ブクログ

読み終わってから史実を元に書かれていたことに驚いた。

話の内容とは少しズレるが、「シャンパングラスの中の泡さながらに、その場にいる誰もが弾けていた」という表現が好きだった。

個人的な感情でいうと、最後の解説の内容はあまり好きではない。

0
2022年05月26日

Posted by ブクログ

ここ数年、朝ドラを観たり、異国の地に滞在したりしたことによって、自分の国への意識が擦り込まれた。

本作は沖縄、戦争、軍を扱っていても「うざさ」がなくて何より良かった。

0
2022年05月07日

Posted by ブクログ

表紙がイカツイので読むのに躊躇していました。しかし、しかし、読んでみるとなほど!さすがマハさん!この本の表紙はこれでないとダメですね。
沖縄終戦直後の苦悩に満ちた中でのアメリカ兵との運命的な出会い。感動作です。

0
2022年04月25日

Posted by ブクログ

私は本屋で実際に表紙を眺めて買うか買わないかを決めることが多い。
私の好みからすると本作はジャケ買いすることは決してなかったはずで、原田ハマさんの作品であったからこそ手に入れた作品であった。
本作は実話に基づいた作品であり、戦後の沖縄で米国人とこんなにも温かな交流があったなんて知らなかった。この作品を通じて知ることが出来て良かった。

0
2022年02月16日

Posted by ブクログ

沖縄戦のことは高校で勉強してたからよく知っていた。すごく酷くて悲惨な戦争。しかし戦後にこのような美術の交流が行われていたことに驚き、心が温かくなった。実話を元にした作品というのがまたいい。とても読みやすかった。

0
2022年02月13日

Posted by ブクログ

ちょっと話が綺麗すぎる(出来すぎている)感じは否めないですが、それでもすごくいい話でした。
沖縄の美術館とニシムイアートヴィレッジに行きたくなります。

0
2024年05月09日

Posted by ブクログ

ニシムイ美術村、ゴッホが作りたかったのもこういう集落だったのかね。
沖縄県立美術館、ぜひ行ってみたいものだ。

0
2023年10月23日

Posted by ブクログ

ニシムイって本当にあったと知ってびっくり。戦後間も無くの沖縄で美術で生計を立てていた人がいたなんて思いもしなかった。生きるために描く絵と、描きたい絵、そのバランスを取れると上手く生きれるのかもだけど、描きたい絵しか描かないひともかっこいい。

0
2023年10月08日

Posted by ブクログ

自分の顔をまじまじと見る勇気。それを作品として他者に送れる。そういった感覚が無いので読んでて良い体験になりました。

0
2023年08月23日

Posted by ブクログ

沖縄県立博物館・美術館に行って、ニシムイ芸術村の思いに触れてみたいですね。
沖縄戦の辛い歴史と体験してないメンバーの自責の念を描いたヒガの絵を見てみたいと思います。
また、日米地位協定に守られた米軍の人権侵害行為は、耐え難いものであり、この状況が一刻も早く変わることを強く望みます。沖縄が真に解放されて欲しい。

0
2022年09月24日

Posted by ブクログ

太陽の棘。読後感にピッタリのタイトルだった。沖縄の暖かな空気が漂う中、棘のように鋭く心に刺さる。終戦後の沖縄に精神科医として従軍するエドとおきなわのニシムイのアーティストたちの交流と友情。その間には友情だけでは語れない大きな背景もある。生きるために正義だけでは語れない状況があって。でも、アートが心をつなげてく。相手を思うからこそ苦しくもあって。結果として離れることとなるけど、その後、棘が支えにと、なりかわっていたらよいな。その後再会しても、変わらぬ友情が続いていることと思う。

0
2022年08月15日

Posted by ブクログ

太平洋戦争後、アメリカ領となった沖縄で出会った、米軍軍医とニシムイの画家達の交流と友情を描く。
本来なら交わることがなかった立場の者たちを、アートが繋ぐ。

画家たちと交流し友情を深め、もっと沖縄に居たいという思いは強まるが、「沖縄のためには自分たちはこの島から去らなければいけない」という矛盾。「占領側」と「被占領側」という自分たちではどうしようもできない関係性が切ない。
こういう状況下だからこそ出会えたと思う反面、もっと違った形で出会ってほしかったとも思う。

読み終えてから事実を元にした小説と知って驚いた。

0
2022年05月09日

「小説」ランキング