【感想・ネタバレ】移民の経済学のレビュー

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Posted by ブクログ

改正入管法が成立し、外国人労働者が増えることが予想されるが、移民の国と言われるアメリカでその影響について経済学的な視点から分析した書。結論から言えば、意外にも影響はあまりないというもの。日本についてそのまま当てはまるとは限らないが、予断を排して、冷静に判断するための予備知識には最適な書でないかと思う

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2019年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は、一人の人が書いているのかと思ったら、結構いろいろな論者が各章を書いていて、賛否いろいろ混ざっている感じ。でも、基本的に皆移民の受け入れにはポジティブで、その論拠として、主に経済効果の大きさ、財政への影響が小さいと思われること(+でも-でも。)を挙げる。一部、同化のあり方も分析しており、最近は同化度が下がっているため、財政への影響はもしかしたらもう少し上がる(負の方に)かも、という示唆はある。
基本原則は、高技能移民の受け入れ大推奨!というよく聞く論調なのだけれど、理論の話なので、その受け入れの拡大の仕方が、市場メカニズムに基づいたビザの発給(オークション的な)とか、全世界的な国境レス化でどうか、という話になっておりなかなか面白い。
研究の基本はすべてアメリカなので、日本のような特殊世界ではもう少し注意も必要だけれど。

ただし、政策のあるべき論と経済性を求める理論とはまた違う。

最後に代表的な研究者の名前・所属と立場概要を書いてくれてたのは良かったな。

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2017年07月17日

Posted by ブクログ

現在移民は世界の総人口の3%にすぎない。移民の開放で50~150兆ドルの利益がある。
生産要素の自由移動で比較優位の原理が活かされる。
移民で、流出国も人的投資の促進がある。所得の還流がある。
移民による賃金と雇用の減少効果は一時的。
移民の労働は補完的。部分均衡モデルでは、移民によって賃金と雇用が減少。一般均衡的効果を考えるとそうともいえない。

教育は混雑性供給財。
不法移民は失業で国に帰るので生活保護を受ける機会は少ない。
帰国すれば、公的年金に対しては純貢献になる。

移民の子孫は大きなプラスの財政純貢献をする。第一世代は教育などの費用のために貢献が少ない。

第二世代以降は同化し、文化的にも見分けがつかない。

不況によって、メキシコからの流入は減っている。

H2A=農業労働者で人数の制約がない、H2Bはその他の労働者で割当がある。

移民の選抜は市場アプローチで=ビザを乳殺で売る。技能水準が高い人が入国する。
ビザの価格で世界の評価がわかる。
貧しい移民がっ差別されるという批判。

不法移民対策。1000万人以上の不法移民の存在。
既に人的資本の重要な一翼を担う。
子供がいる場合、その扱いにこまる。
不法移民を追放した場合、経済活動が需要側としても停滞する可能性がある。

入国税アプローチ=いくらと決めるのか。
カナダのポイント制度と同じ。行政が決めるのは効率が悪い。

高技能移民は一般に歓迎されるが、大学卒も就職難になっている。

同化は選択肢ではなく必要なことがら。生活の規範は同化すること。同化が進まないと社会が文化によって分断される。

日本にいる移民は日本人より法律を尊守している。

実証データが少ないため移民のプラスマイナスを図ることはできない。

完全な自由ができないとしても、上限は大きく引き上げて、人選は市場に任せるべき。
社会厚生関数のなかの何を重視するかによって、移民の賛否が決まる。
所得の総額をどのように分配するか。社会制度を壊さないか。

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2016年12月22日

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