【感想・ネタバレ】たまさか人形堂物語のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

3人の個性がおもしろく、主人公の葛藤が手に取るように分かり引き込まれた。
津原泰水っぽい毒も少々加味され、ページ数年は少ないが読み応えはあった。

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2023年01月25日

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古い人形屋。綺麗で変わり者の青年に、訳ありの職人。そして店長。
すごく好きな要素がつまってる。
少し暗い、ドロドロした人形を巡るミステリー。

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2013年07月07日

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主人公がおじいちゃんから受け継いだ人形修復屋さんを舞台にいくつかの短編。
それぞれの物語もおもしろかったし、人形に関する蘊蓄も興味深かったし、終わり方も途中で読めたけど希望どおりの結末で☆4つのうえに、出てくる男性陣がみんな変人でそれぞれにいい男だっていうとこでさらに☆1つ追加(笑)。芸術家でもあり職人でもありって、もう私のツボに入りまくりでしょう!!

この作者の本を他にも読んでみようっと。

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2012年09月15日

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 祖母の形見の人形店を継いだ主人公。
 人形マニアと、凄腕の職人の三人で、修理専門の人形店として営業中。

 修理として持ちこまれた人形とそれを取り巻くミステリー短編集。
 *毀す理由
 *恋は恋
 *村上迷想
 *最終公演
 *ガブ
 *スリーピング・ビューティ

 一口に人形といっても、様々でそれに対する知識というか、含蓄に圧倒される。といっても、それが嫌みではなく、本当に人形が好きなんだというその気持ちになごむ。が、それを引きだしているのは、押しかけ従業員で人形マニアの富永くんなんだが。
 店主である澪はリストラされたOLってことで、祖父母の思い出は大事にしてるけど、だからといってそんなに人形が好きではない。
 この温度差が、かけひきの面白さになっていると思う。

 そして、二人の温度差を一気にフラットにしてしまう人形職人師村。
 人形は、人の形であると、その重さは決して揺るがない。

 まぁ、とにかく面白かったのだ。
 なので、「ガブ」から「スリーピング・ビューティ」の展開に、びっくりしたり安堵したり…。

 続編をぜひお願いしたいですm(__)m

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2011年10月10日

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ネタバレ

佳作。
少しだけコメディ、少しだけハートフル、少しだけブラックで、少しだけ温かくなれる。
人形は怪異という観念だけではなく、それ以前に工芸品だということを忘れてしまいそうになる自分に気づいた。
しかし津原氏は、本当にそつなく文章を仕上げるな。まさに職人。

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2016年07月14日

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ネタバレ

祖母の形見の零細人形店を継ぐことになった澪。押しかけ従業員で人形マニアの冨永君。謎の職人師村さん。
「あきらめてしまっている人形も修理します」という広告をみて、傷ついた人形を抱えた人々が「たまさか人形堂」を訪れる。

日常ミステリーの雰囲気を持つ一冊でした。
人形がテーマの小説って、思えば本当に少ないかもですね。津原さんの作品も初めてです。少しわかりにくく感じる文章もありましたが、おもしろかったです!
人形についてかなり詳しく書かれてあって興味深かったです。
冨永君というキャラクターがかなりツボです。「恋は恋」で一番感じた、(他の章でもちょいちょい感じる…)冨永くんの持つ陰の性質。これから明かされていくのでしょうか。気になります!

ひょうひょうとした冨永君も穏やかなシムさんも何かしら影があるようなのですが…澪さん、冨永君、シムさんのやりとりがとても楽しいです。澪さんがとても苦労人。
そして誰もつっこまないのだけど、シムさんがテディベアのことを熊ちゃんと普通に呼ぶのがとてもかわいいです(笑)

「毀す理由」
「恋は恋」
「村上迷走」
「最終公演」
「ガブ」
「スリーピング・ビューティ」

の6つの短編が収録。テディベア、創作人形、ラヴドール、竹田人形、大浜人形、人形浄瑠璃の人形、マリオネット…いろんなタイプのお人形が出てきて、勉強になります。「最終公演」の作風が他のものとは少し違っていて、それもまたおもしろいです。

最後はどうなっちゃうのだろうと思いましたが…、とりあえず、冨永くんぱねぇ!(笑)
続編がないと少し消化不良に感じる終わり方でした。
ので、続編が早く読みたい!

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2015年05月27日

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人形の修理屋さんが舞台。


富永くんや師村さんなど個性あるキャラクターです。とにかく、人形についてかなり詳しく書かれており、初めて知ることが多かった。

なかなか面白い。

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2015年05月09日

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人形、という題材に興味を惹かれて手に取った一冊。
こういった、丁寧な仕事をしたいと思う今日このごろ。時代が早すぎて、窮屈だと思うことがある。

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2014年11月03日

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元少女小説作家さんらしい作品。少女小説というジャンルは(控え目に言うと)どちらかといえば好きなジャンルなので、あとがきに、次回作をにおわせるニュアンスがあるのはとても嬉しい。

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2013年04月10日

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もともとホラー畑からこの作者に入ったが、むしろこういった作品の方が断然面白い。
短編連作としての上手さが光っている。

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2013年03月01日

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ネタバレ

他の津原さんの作品とは趣きが異なる内容で、
ほのぼの感がある平和なお話(人死んでたりしますが・・)でしたが
とっても面白かったです。

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2012年05月12日

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悲しい、つらい、そこはかとなくマイナスな雰囲気を漂わせつつも、
とても後味のよい、胸に抱きしめたくなるような短編集。

後書きに、続編を考えているというような言葉がありました。
読むのがとても楽しみです。

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2012年04月16日

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お仕事小説というか人形小説?

3年前に広告代理店をリストラされた澪は、30代後半。
入院した祖父に、世田谷区の玉阪人形店を生前贈与された。
祖母が市松人形を作る店の跡継ぎで、祖父は職人の入り婿。
祖母に可愛がられた澪は、思い出のある店をやっていこうと思うが、特に人形に詳しいわけではない。

社員第一号の富永くんは、人形マニア。
気楽な勤めぶりだが、その代わり給料は安くていいという~お金持ちのボンボンらしい。
富永くん作のテディベアも人気を博すようになる。
「あらゆる人形を修復できる方」という募集に応じた職人・師村に助けられて、次第に良いコンビになっていくが…?
修理をメインにやっていくことにしたため、持ち込まれる人形にまつわるエピソードは多彩。

昭和初期、アメリカから親善のために贈られたという、いわゆる青い眼のお人形。
実は「青い眼の人形」の歌は、親善使節を送る企画よりも前に作られたので、キューピーのことだった。
親善のために贈られたのは、アメリカで募金により購入された一万数千体にのぼる色々な人形だから、青い眼には限らなかったそう。
といった豆知識も色々。

「毀す理由」
顔だけがひどく毀れた人形を持参した若い女性。元の写真と、持ち主の顔はそっくりだった…
30年ぐらい前の古い人形なのに、何故?
しかも、毀したのは本人らしい。どのように修復すべきなのか?

「村上迷想」
村上市での雛祭り。
旧暦の雛祭りの日まで一ヶ月飾られている伝統ある雛人形をめぐって。
旧家のミステリ。

「最終公演」
チェコの人形芝居の名人の話。
大国に支配された時代でも、人形芝居は母国語での上演が許されたので盛んだったとか。
パラフ劇団を主催するパラフ氏は奔放な想像力を駆使して、自由な公演を行っていた。その最終公演とは?

「ガブ」
人形浄瑠璃の人形の頭をめぐって、師村の過去が…?!
ああいう人形って、着物の下には身体がないんですね…
彫刻と人形との違いといった話題で、たとえば彫刻家は耳を量感で捉えるので耳には穴がない。人形作家は耳を生身に似せるので耳の穴を作る、とか。師村氏の語る仲の良い人形作家の弁なのですが。

「恋は恋」
富永くんが友人から預かったのは、ラヴドールという等身大のドール麗美。
ウェブサイトで一目惚れして貯金して買ったそうだが。
友人はカメラが趣味で、ちゃんと恋人もいるという。
亀裂の修理を依頼した所、メーカーのキャプチュアから束前という社長がやってくるが、この型は基本姿勢を誤った失敗作なので直せないという。
まだ開発途上なのだ。
新しいタイプのボディに交換することは出来るが、安くはない。

かなりトーンの違う話が入っています。
気分が変わっていいけど、期待と違うと感じる人もいるのかな?
お人形にかける熱意は、一貫していますね。誰がどこに力点を置くかの違いかな。
なぜ、人は魅せられるのか…
お人形は広く大好きなので、面白かったです。
私が特に好きなタイプの人形の話は全く出てきませんけど~確かに普通すぎて小説にはなりにくいと思うけど。
続編もあるそうなので、楽しみ。

この作品は2009年1月発行。
著者は1964年、広島市生まれ。89年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。
97年、現名義で「妖都」を上梓。幻想小説の旗手として注目される。
2006年、自身の高校時代に材をとった「ブラバン」が話題となる。

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2012年04月21日

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「奇譚集」や「蘆屋家の崩壊」みたいな幻想小説の色がかすかに見えるのだが、ほっと心温まる部分もあり、ひとつひとつ楽しんでじっくり読んだ。
店主の澪と職人2人の間の距離に、お互いを思いやる「本当の大人のあり方」が感じられて心地よかった。続編希望。

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2012年03月19日

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津原氏の小説は今作で二度目だ。

前作に漏れず「独特の世界観」を構築する筆力は健在だ。

作品名を読んで大体予想はつくと思うが、本作は人形店が舞台だ。
様々な理由で持ち込まれる人形に纏わる依頼を、ひょんなことからお店を継ぐことになった「澪」を筆頭に、才ある押しかけ従業員富永君と、一級品の技術を持つ謎多き職人「師村」さんの助けを得て解決していく。

人形というのは不思議な性質を兼ね備えているものだ。持ち主の人生や、辿った歴史をまるで「記憶」しているかのようにその身に刻んでいる。
そのミステリー性を十分に生かしつつ、物語に組み込んでいくプロットに読者は魅入られるだろう。

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2012年02月27日

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2011/10/19:津原泰水さんの作品は初めて読みました。小さな人形店と人形に関わる人を巡る短編集。もし続編が出るのでしたら読んでみたいです。

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2012年01月13日

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人形の持つネガティブな面(気持ち悪さ、怖さ)よりも、ポジティブな面(かわいさ、人間性、パートナーシップ)の魅力が満載。たまさか人形堂で働く3人の登場人物を中心に短編形式で物語が進行する。

話が進むにつれ、3人の素性や人となりが描かれるにつれ、どんどん3人が好きになっていく。

短編ごとの読後感が圧倒的に爽やかだったり、水滴の滲みのような不思議な後味だったり、小さい頃の「世にも奇妙なアメージング・ストーリー」や初期の「世にも奇妙な物語」を観た時の「不思議な話を聴き終えた」という感覚が蘇った。

良作だと思います。

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2012年01月06日

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読み終わってあとがきで男性作家さんだと知ってびっくり。
タイトル買い&衝動買いの本はあんまり先入観を持ちたくないので、あらすじをさっと眺めるくらいで本編に入ってしまうので(今回著者名すら注視しなかった…。
しかも出るまで紆余曲折だったのですねぇ。

直前までドールズシリーズを読んでいたので、骨董・アンティーク系の話だと良いなぁと思って手に取ったのが切っ掛けでした。
ううーん、まさかラストでそんなことになるとは!
続きがあるなら楽しみに待ちたいと思います。
この人の本なら他のも探してみようかな。

それからの為に再読。
独特のテンポだよなぁと今更ながらに思うなど。
とっとっとっと、前のめりに読まされてしまうのだけど、そこへあちらからもこちらからもと集まって寄り合わされて…という感じが強いです。

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2016年02月19日

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凄く魅力ある設定です。
主人公3人のキャラクターも良いし、脇役の束前も(ちょっとやり過ぎの感じはありますが)なかなか。何より修理中心の人形店が舞台と言うのが良いですね。
ただ、発生する事件の幾つかはどこかガサガサした感じで、その設定を十分に生かしきれてない様に思えます。最初の「毀す理由」や「恋は恋」はともかく「村上迷想」は狂信の上での殺人ですし、「最終公演」は余りにやり過ぎの感があります。もっとしっとりした抒情的なストーリーの方が、この設定に合うと思うのです。
でも、なかなか良いですよ。
続編も出そうなので、期待します。

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2016年07月30日

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潰れかけの祖父の人形店を継いだ主人公。
そこになぜか腕利きの職人と人形マニアが住み着き、様々な人形にまつわる謎が引き寄せられてくる…

人形といえば、澁澤龍彦でハンス・ベルメールを知り、四谷シモンへと続いていくのが自分としてのひとつの流れ、それとは別にたまたま個展へ観に行ったのが三浦悦子。この人は、ベルメールの直系だろうか。かなり精神的にしんどい表現ではあったが。
もうひとつは内田善美。漫画家で現在は既に活動していないが、この人の「草迷宮・草空間」は市松人形が主人公。

自分としては人形はどうにも重たく、身近には置きたくないけれど、人形に関わる本は結構読んでしまう。この本もタイトルに惹かれた部分があるかも、津原泰水はこれまで2冊ほど読んでいるが、面白かった記憶がある。「セントルビナス探偵団の憂鬱」「赤い竪琴」など、どちらもおすすめ。




この作家の本はこれまで2冊ほど読んでいる。

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2011年08月16日

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人形店を継ぐことになったとはいえ、澪はド素人。
そこに人形マニアの冨永君がやってきて、更には
謎の職人の師村さんも参加して、人形の修復業として
なんとか店を続けることができた。
人形の薀蓄もさることながら、そこに込められた思いを
敏感に感じ取りながら修復を試みる。
まさにプロの仕事。
こういう修復師の話って結構好きかも(o^o^o)
続編の文庫落ちを待ちます♪

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2014年05月18日

Posted by ブクログ

零細人形店を継いで、人形修理店を始めた主人公。タイトル通り人形がテーマで短編6話。想像してたよりミステリー色が強く、登場人物のキャラも立ってて面白く読めたけど、文章が時々わかり辛かったな〜。続編あるみたいなので気になる。

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2014年05月11日

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ネタバレ

■祖母の形見の零細人形店を継ぐことになったOL澪。押しかけアルバイトの人形マニア、冨永くんと謎の職人、師村さんに助けられ、お店はそこそこの賑わいを見せていた。「諦めてしまっている人形も修理します」という広告に惹かれ、今日も傷ついた人形を抱えたお客がやってきて澪たちは東奔西走することに。チームワーク抜群の3人の活躍が始まる。■


津原泰水はバレエ・メカニックしか読んでいない。なので壮大で残酷な幻想劇を書くというイメージしかなく、このようなあらすじを読んでまずびっくりした。

内容としてはキャラクター・その関係性がとても心地良く感じられた。何気ない問答からそれぞれに起こる事件にまで、見え隠れする人形への造詣が興味深い。和やかな空気感は、絶えず緊張感を強いられたバレエ・メカニックとは裏腹で、頁を気軽に捲っていった。

その分、殺人が起きたときには驚いた。非現実感に落とされるような結末にも。おそらく僕の期待の仕方が間違えていたのだろうが、僕はこれらを"不穏"と受け取ってしまい、思うように楽しむことが出来なかった。

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2011年10月30日

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【祖母の形見の零細人形店を継ぐことになった澪は、押しかけ従業員で人形マニアの冨永くんと謎の職人、師村さんに助けられ、なんとかお店を切り盛りしている。「諦めてしまっている人形も修理します」という広告をみて、今日も傷ついた人形を抱えたお客さんがやってくる。人形と大事な思い出を修理すべく澪たち3人の活躍が始まる。】

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2011年10月08日

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登場人物たちのキャラが立っていて、特に年齢や見た目を気にする女性店主の心情や店員との会話にはくすりとさせられます。話もほのぼのとしたものや少し毒のあるものもあり、合間に挟まれる人形の雑学なんかもなかなか面白いです。

お気に入りは謎に包まれた人形職人の素性が明らかになってくる『最終公演』『ガブ』そして人形店の顛末が描かれる『スリーピング・ビューティ』

人形劇が少し見てみたくなりました。

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2011年08月12日

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