【感想・ネタバレ】「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~のレビュー

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新たな世界観を拓いてくれた書。

インドを旅行した時に、同じような店がずらりと並ぶ。差別化特になし。
なぜなんだろうなーとずっと思っていた。


あとで記載する

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2023年12月28日

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下からのグローバル化=効率化のために労働者を切り捨てず無数の雇用を生み出す、知識や技能を独占せずに共有する、経済が水平なネットワークで動く

常に計画を立てて将来のために今を消費するような生き方は、日本のように整えられた社会だからこそできることで、でも確かにやりたいことをやりたい時にやる、という気持ちを制限している部分があるから、この生き方に縛られなくてもいいのかなと思った。Living for Todayの考え方はアナキズムとも繋がるかもと思った。

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2021年12月03日

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ネタバレ

タンザニアの零細商人を中心に、情報・構成が整理されていて読みやすかった。Living for Today(その日その日を生きていくこと)を基盤に、絶えず試しにやってみて、稼げるようなら突き進み、稼げないようなら撤退する。仕事は仕事。どれかは/誰かは成功することで、その分だけ誰かの余地が生まれる。対面交渉による「信頼」がすべて。失敗しても誰かの稼ぎで食いつなぐ。インフォーマル経済の違法性は「法的な違法性」と「道義的な違法性/合法性」で区別され、人々の受け止め方も違う。後者のほうがNG行為なよう。

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2021年07月17日

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価値観の引き出しがボカンと増える感覚。
鬼のフィールドワークで世界を覗き見る著書。逞しさと賢さに惚れ惚れする。めちゃくちゃ面白かった。

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2020年12月27日

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なんと甘美なタイトルか。ひさしぶりにレビューに★つけちゃっった。

その日暮らしは甘美であるが、Living for Todayになると高尚さすら感じる。

で、そのLiving for Todayを実践している人々と社会を教えてくれる本。



いきなり最初に青野春秋の『俺はまだ本気出してないだけ』が紹介される。まあ、あれは漫画だ。かなり痛々しくて、正視できないような焦燥感のある漫画だ。ああなってはならない、ああではない自分の生き方は正しい、というカタルシスを得る漫画だ。



でも、本当にそうか? その日暮らしをベースにした経済は、実はちゃんと成立しているようにも見える。コピー商品とか、まあ一応いけないとされているものでも、まあこのぐらいは許してもらえるかな、みたいな形で、法的にはアウトでも道義的にはなぜか許されている世界がある。Living for Todayの世界では、借りは回すが贈与もある。



なんだ、やさしい世界じゃないか。いまの社会に疲れている人は、身の回りにゴマンといる。僕もその一人だと思う。いやあ、魅力的だぜLiving for Today。だが一人ではなかなか難しい。社会の変革が必要だ。

レビューでは片鱗しか書けなかったが、濃密なLiving for Todayの世界が描かれている。いま読まれるべき本、と思った。つうか身の回りの人みんな読んで、こういう社会に進んでほしい。他力本願。

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2022年06月01日

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朝日新聞出版の「一冊の本」に連載されていた「無条件の条件」で著者の視点がユニークだったので、本書を紐解いてみたが、大いに楽しめた. タンザニアのインフォーマルな交易に携わる人たちの独特の生き方が紹介されているが、この国ではそのような人が6割以上存在している由.試しにやってみる行動形態、変わり身の早い態度 など先進国の経済状態からすると理解できないものだが、彼らは生きている.中国への買い付けも行っており、タンザニアにも中国からの商人が増えてきている.下からのグローバル化という表現が何度も出てくるが、新自由主義の新しい形態になるのかもしれない.コピー/ゲリラ商品を主体とする山賽の紹介もあったが、中国人らしい発想には驚きより戦慄を感じる.

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2023年10月05日

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職業の選びかたも仕事の仕方も、ニセモノの位置付けも、私たち日本人が常識と信じている価値観を覆され、その社会の中で生き抜くための知恵としなやかさを持つことの大切さを改めて感じさせられる。
既存の価値観にとらわれない先生のフィールドワークは、普通の人にはなかなかできるものではないですが、素晴らしいです!

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2023年04月11日

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一口に資本主義経済といっても、根底に流れる価値観(文化・宗教・自然等など)によって、どのように受け入れられるか(利用されるのか)は異なることを知る。とても面白い。

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2022年02月20日

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すごく面白かった。
タンザニアでのフィールドワーク等、人類学的なアプローチで(ときには露店商をやり)検討される、いわゆるインフォーマルセクター、本書で言う「Living for Today」の経済活動。「なぜ共同経営しないのか?」「なぜ未来のために貯蓄しないのか?」「なぜ貸した金を返してもらわないのか?」「なぜコピー商品を作るのか、買うのか?」などが、当事者の言葉で語られ、なんとなくちょっとわかった気がする。いまの20代〜30代の一部にも(自分を含め)相通じるメンタリティがある気がする。山寨企業の原動力、強み、市場への向き合い方は、アジャイルの究極なのかもしれない。

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2021年10月04日

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常識が揺さぶられる一冊。
タンザニアを舞台に「インフォーマル経済」のあり方を観察したレポートなのだが、現在の日本社会(の主流)とは全く異なる原理で動いているので、スムーズに読み進まなくて頭がムズムズする。
サブタイトルの「もう一つの資本主義経済」というのは、確かにその通りなのだけど、いままでは規模が小さいから見逃されていただけで、2つの資本主義が並立したり主導権が入れ替わるかはよくわからない。
最終章で触れている、スマホを使った送金システムの普及によって社会(我々とは異なる原理で動く社会)が変質し始めていることを示唆しているし。

一応、現代日本とは異なるというスタンスで述べてきたが、1970年代末頃の日本でも偽ブランド品が割と普通に受け入れられていた(abidasの靴とかネタ交じりで履いていた)ことを思い起こすと、「全く別」は言い過ぎかもしれない。

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2021年04月14日

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ルポとしての面白さは『チョンキンマンションのボスは知っている』の方が上。でも、比較文化的な観点から日本を考えるためには参考になる。また、海外ビジネスを考えている人は読んでおいて損はないと思う。

本書を読んでいると、杉浦日奈子の描く江戸庶民の暮らしが思い出される。例えば、タンザニアの人々の購買活動には計画性が欠けていて場当たり的だという指摘は、「宵越しの銭は持たない」という江戸っ子気質に重なるものだし、その時々の状況に合わせて職を点々として生きていくという点もまた、江戸の下層市民に見られるもの。何より、貸しと借りの感覚の(いい意味での)ルーズさは「金は天下の回り物」と言い切って、深く考えずに金を貸し借りしてしまうのになんだかんだで誰かに助けてもらえる、江戸の街がかつて持っていた懐の深さを彷彿とさせる。戦前まではこの空気は残っていたらしい。食い詰め者がホームレスとしてあからさまに排除されるようになったのは、街が焼け、江戸が根こぎにされた後のことだと語る人もいる。

ーー目標や職業的アイデンティティを持たず、浮遊・流動する人生はわたしたちには生きにくいものにみえるが、タンザニアの人びとはこうした生き方がもたらす特有の豊かさについて語る。それは職を点々として得た経験(知)と困難な状況を生きぬいてきたという誇り、自分はどこでもどんな状況でもきっと生きぬく術を見出せるという自負であり、また偶発的な出会いを契機に、何度も日常を生き直す術であった。(p.217エピローグより)

同様のことを杉浦日奈子は『百日紅』で葛飾北斎の娘・おえいに喋らせている(筆と箸二本あれば、おれと鉄蔵はどこだって食っていける、だったかな)。画業で名を成した故の自信に裏付けられた発言、というよりは、浮草の身を気にもかけない、飄々とした彼女の人柄を一言で言い表したセリフだった。彼らは家に他派の絵師が上がり込むのも気にかけない。タンザニアの零細商人たちが後続の同業者に惜しみなく自分の手管を教えてしまうように。
ただ、タンザニアの彼らと日本人とで決定的に違うことが一つある。『チョンキンマンションのボスは知っている』で言及される、独立自尊の気風だ。タンザニアの零細商人には、これが極めて強い。徒党を組むことを潔しとしない。「寄らば大樹の陰」「長い物には巻かれろ」という空気(同調圧力とも言う)が微塵もないこと。実は、「開かれた互酬性」を実現するにあたって最も必要かつ日本社会に欠けているのはそれなんじゃないかという気がしてならない。

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2021年03月20日

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■著者が扱っているメインテーマ
その日暮らしの文化を通じて、私たちの生き方、経済、社会のしくみを問い直す。

■筆者が最も伝えたかったメッセージ
その日暮らしの生き方は、未来を企図することを難しくさせるが、その時に可能な行為には何でも挑戦する大胆さを生み出す力がある。

■学んだことは何か
未来のために今を犠牲にする私たち日本人の生き方は、安心を手に入れる事でもあるが、そのために、未来という時間に縛られた不自由な生き方を選択している事になる。
未来を考えず、今という生を謳歌する生き方は、不安定だが、自由で人間らしいペースで生きる事である。

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2021年03月06日

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かつての戦後日本のような貧しくダイナミズムに溢れたアフリカ社会。経済成長と共に日本人が失くしたものが分かる気がして読んでましたが、日本人とは違うと、違和感を覚えたのは商売における信用についてでした。

相当昔、近代化以前の江戸時代でも、信用を重んじて割と誠実な取引を好んだように思いますし、貸し借りには几帳面です。

やっぱり日本は世界のガラパゴス、特殊な人たちなのでしょうか?

これから経済的にはますます貧乏になり、人口も減っていくと、どういう社会になるのでしょう。アフリカ的なliving for todayとは少し違う感じです。少なくとも今よりみんなが幸せを感じられる社会になって欲しいですね。

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2020年08月07日

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ネタバレ

例えが多くて分かりやすい内容です。


特に、私は、本書で書かれているタンザニアの人の、製品(売り物)に関する概念が気になりました。
私見をもとに書いてみます。

ーその場で必要な物を、必要な時だけ使えればいいという考えー
 本書にある例は、雨が降ったら傘を買う、ことと、興味深くて欲しいけどすぐ飽きそうなものは安くて壊れやすくてもいいから買う、というもの(うろ覚え)。

 自分の中にある、長持ちするものなら少し値が張るものでも買うという考えとは異なる。
また、高品質で、高いものも多いメイドインジャパンを好む人ばかりじゃないのだなと知った。


 

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2019年10月20日

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“日本製は高いけど長持ちするから長い目で見たら日本製の方が割安だよ” この理屈、Living for Todayの人には響かない。彼らはすぐ壊れると分かっていても安い中国製を選ぶ。その日暮らしの論理とはそういうもん。

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2019年04月15日

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計画性や予測可能性を前提としない社会や経済でサバイブしようとすれば、我々のような文化規範を持った人間からは「テキトー」「いい加減」「いきあたりばったり」と映る行動原理が高度に戦略的で合理的だということが僕にはすごく新鮮で。

僕らは、「努力する(意識の及ぶ範囲の自分の時間やリソースを未来の自分のために投資する)」≒「我慢する」を美徳としサバイバル戦略に多く採用している。

・将来のために勉強する
・将来のためにスキルを磨く
・将来のために働いて貯蓄する

その「将来のために」のために「今を犠牲にする」自制心や克己心が無い人間のことを僕らは「怠慢な人間だ」と評価する。

だけど、違う国や違う文化や違う歴史にあればそうじゃないことだってたくさんある。

変化が大きく、そのスピードも速い環境において線形の思考回路や計画、段取りを重んじる行動原理は決して効果的ではない。本書で取材されている人たちは、例えば商品の仕入れはスケールメリットを追求せずに分散せるし、短期間で商いをどんどん変えていく。契約や約束ではなく、人との出会いや同郷のつながりを大事にする。信用はルールを守る人にではなく、「騙しあい」をうまく処した人間に与えられる(商売の人的ネットワークが強いので犯罪的な抜け駆けをする人間はきちんと淘汰される)。

これって一周して、進んでいる。シュンペーター型競争に適合できずに苦しんでいる僕らに学ぶことはすごく多い。

僕らがコミットしなければならないのは、経済指標やデータやお上や上司から言われたことじゃなくて、めくってみれば目をそむけたくなる日本社会のリアルだったり、街を歩いてすれ違う人たちの年齢や国籍や会話の中身だったり、中華料理屋のオムライスがなんであんなに美味しいのかの驚きだったり、自分や親の健康だったり、中学校の同級生との世間話だったり、そういうものだと思う。

備えても憂いばかりと悲観するより、意思決定や行動のタイムスパンをもっと短くして、今ここにいる自分や周りの人たちの幸福についてもっと心を動かしてみるべきだろう。

だから僕は、頼んだことをやらない、フォローを入れても無視する、次にどういう行動に出るか予測できない、これまでのパターンを織り込んで先手を打ってもそれを軽く乗り越えてくる、そもそも普段なにやってんのかわからない今の上司を、温かい目で見ることにした。

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2019年04月15日

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タイトルから、今流行りのヒュッゲ!な生活とか、そういう、無理なく気楽に今を楽しく!みたいな生き方を推奨してくれるライトな読み物だとばかり…、読めば冒頭から学術論文さながらの大真面目な人類学論が展開されて、思わず怯む。怯みつつも読み進めていくとやっと面白さに気づく。そんな本。
 中国の山寨や、タンザニアの都市部に暮らす人々の「その日暮らし」という生き方は、一見すると怠惰で計画性の無いものに映るが、それも読み進めるうち、インフォーマル経済下というその「特異な」状況を生き抜くための逞しい知恵なのだとやがてわかってくる。
そして後半、彼らの人間関係の根幹を成す「貸し」と「借り」の考え方、そしてエムペサという新しい時代の送金システムが絶妙に、その貸し借りの関係性を壊さない程度に変容させながら溶け込んでいく様のレポートは見事で、これは著者が現地で地道にリサーチを重ねたからこそ捉えることのできたリアル、なのだろう。そんなわけでグイグイ引き込まれて最後まで興味深く読んだ。
  ところで、だ。私たちの多くはこの人類学論を、遠いお空の異国の地の話、発展途上国における「特定」の状況下の「異」文化という認識で読書を終えるだろう。私も直後はそう思った。
が、そう遠くない未来、日本においても、この”L i v i n g f o r T o d a y”という生き方を(無計画にではなく)「戦略的に」選択する人々が一定数現れるのではないかと、ふとそんな考えが湧く。
今のところ、我が国では、明日の為に努力して身に着けた知識が無に帰すなんてことはない。(たぶん。)
でも、インターネットのおかげで、専門的な情報や知識が汎用化するサイクルはどんどん短くなっていってる。
何かを学び習得しようとしても、習得しているそばからその知識が陳腐化していくとしたら?
始めから学びを放棄し、その時々自分が出来ることで稼ごうと思うかもしれない。
小学生のなりたい職業ランキングの一つにYouTuberが台頭した。大人達は、刹那的に楽して儲けたい表れだと一蹴した。でも、子ども達は、もしかしたら、一つの組織に属し一分野の知識を努力し蓄積させていくことが是とされる従来型の働き方の限界を機敏に感じ取っているのかもしれない。
大人達は言う、「真っ当に生きなさい」と。「努力しないとろくな大人になれないぞ」と。
でも、今の子ども達が現役世代となった時、努力することよりもYouTuberのように時代の潮流を軽やかに渡り歩く柔軟な姿勢が尊ばれる時代になっていないとも限らない。いや、現になりつつある今、本書に登場する狩猟採集民ピダハンやタンザニアの彼らの生き方がよりよく生きる為のヒントになるだろう。

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2018年10月23日

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現代日本における労働観を相対化するスリリングな文化人類学研究。
歴史的、地域的にもひろく存在していた「その日暮らし」の行動様式を理論とフィールドから丹念に追うことによって、今特定の人々の間で当たり前となっている考えを問い直している。
これぞ人類学のおもしろさ、といったところ。新書にしては固いが、よくぞ出版してくれました。

アフリカ非都市部のような場所での生き方や金銭感覚に対して、単に遅れたものと言いたくなるようなところも、集団的なリスク対応の面からはある種の合理性が見えてくる。
雇用の安定性が揺らいで不安も出てくる中で、新しい人生観を構築していくために本書は示唆に富んでいるかもしれない。

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2018年08月09日

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副題にあるとおり、日本含む多くの国で前提とされている資本主義に乗っ取った経済をフォーマルセクターとすると、そこのルールでは違法とされる模倣品販売などがなされているタンザニアのフィールドワークを基に、インフォーマルセクターの成立論理、そこに息づく人間関係、人生への向き合い方を描く。

この本で気付かされるのは自分達の当たり前は当たり前でないことと、現在までに適応した考え方であることに気付かされる。
定職につく人の方が少ない、お金は貸し借りありすぎてもはやわからない。持っている人が持ってない人に貸す。金額よりその恩という贈与に意味が持たされる。

屁理屈とも言えなくないが、インフォーマルセクターにもタブーはある。またタンザニアのインフォーマルセクターから見ても中国は良くない詐欺があるという理屈から見える事実もある。悪いことというのは、顔の見える小さな経済圏では、勝手に程度が規制される。しっぺ返しやクレームがくるからである。

一方、携帯や自動送金システムによる利便性向上でタンザニアの人たちの個人主義化、先進国に蔓延する人に迷惑をかけずに生きているという錯覚が起こってきているということもまた、とても興味深かった。

日本含む各国が利便性、効率性の先に幸せや豊かな人間関係を犠牲にしない次の仕組みを作れるか。今がまさに転換期だと思う。

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2022年10月15日

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著者はアフリカ研究を専門とする文化人類学者。
「それぞれの日は似ていない」という言葉をタンザニアでよく聞かれるらしいが、Living for Todayのアフリカの零細商人の生き方を描く。タンザニア人は好機が来るまで耐えて好機が来たときの瞬発力がすごいということを、麻雀の「流れ」が来ることに例えるあとがきに笑ってしまった。非常に納得のいく表現。
同じ著者が著した『チョンキンマンションのボスは知っている』と内容が被っていて、そちらの方が秀逸かも。

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2022年10月09日

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現代の日本では大半の人は忘れているけど、仕事は食べて生きるためにすること。本にも書いてあったけど「仕事は仕事」。
やりがいのある仕事、成長できる仕事は、素敵なことだと思うし、どうせやるなら充実してる方がいいけど、やりがいが感じられないとダメってこともない。
人間はいつ死ぬかわからない。だから将来のために今をすり減らすんじゃなく、もっと味わって生きようと思った。
あと、大きな成功もないけど大きな失敗もない、その日暮らしの生き方はある意味気楽。今日も生きている、それだけで花マル、という考え方ができたら救われる人もいるだろう。
学術書という感じで読みにくいのが難点。

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2022年07月03日

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「その日暮らし」というと不安定さの代名詞のような感じがしてしまうけど、タンザニアでフィールドワークを重ねてきた著者が紹介してくれる事例や見方を知ると、その日暮しが豊かで無駄のないもののようにも思えてくるし、決して無計画なわけでもなくその日暮らしをしていく術のようなものがあることも感じられる。
たとえば著者の知り合いの夫婦。夫が安定した収入が見込める出稼ぎに行っている間は、妻は多少不安定な仕事で日銭を稼ぐ。逆に妻が元手をかけて店をやるときなどは夫は多少不安定なことができる。こないだ言ってたことと全然違うことを実際にはやっていたなんて日常茶飯事なんだけど、そのときそのときのチャンスやタイミングに合わせて柔軟に生活をしていく。その日暮らしの毎日が重なってそれで生きていければそれでいいのだなと思う。将来のためにとかって年金とか保険を払うために転身もままならない生活を近代的でかしこい生き方と思っていてはいけない。
著者はしっかりと研究畑の人のようで、論文調に過ぎてちょっと読みにくいところあり。

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2022年06月12日

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タンザニアの商人のように、つねにチャンスに身を開きながら、毎日を生きよう。
来たる好機のために、瞬発力と柔軟さを備えながら。

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2022年04月17日

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以下、メモです。

ピダハンやタンザニアの人が「今、生きていること」を強烈な自信の根拠としてるそうな。
根拠のない自信って無知なだけだと思ってたけど、なんでも根拠になる人もいるんだ

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2022年03月27日

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読み応えのある内容だった。

なぜ、コピー商品が容認されているのかの背景が衝撃的だった。

その日を生きるためが前向きなメッセージとして発信されている社会のキラキラ感に魅力も感じる。

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2022年03月04日

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「夜が沈黙を喋り始めた 明日の自分を想像するのは バカバカしいと思わないか そこから月がよく見えるだろう」 《月がかっこいい》 作詞/作曲 三宅伸治

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2022年02月03日

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「その日暮らしに生きる」社会を見つめ,現代の未来,生産,発展主義的な人間感・人生観を問う本.
よくあるスローライフ礼賛ほんとは違い日本とは全く異なる商習慣や文化を持つ海外を取り上げて日本をはじめとした先進国家的ライフスタイルとコントラストを生み出している.
(海外の方が楽とか,楽しいとか一概に言えるわけじゃないけどね)

日本やアメリカのような社会では,明日のため,未来のために,今を手段化したり犠牲にしたりということを徹底的にやっている.
効率はそもそも,生産機械のための概念.いつもまにかそれが人間や社会にも適用されるようになってしまったようだ.
問題解決機械としての人体には効率化が求められるが,非問題解決機械としての自分には効率という概念を取り入れてはいけない.

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内山節 時間についての十二章

ピだハン

不毛なサラリーマンはトングウェ族

「広告産業が未発達なタンザニアでは、流行がコントロールされていないので…」→言うなあ笑

タンザニアの人たち、飯脆弱性、トライ&エラー、セレンディピティーな働き方。

タンザニアの商人、香港経由で中国に潜入し物資を調達して捌く。アフリカを舞台にした映像で「この人工物はどこで作られて持ってこられたのか」の答えかな。香港は新自由主義が徹底されており規制もゆるく、中国への中継地としても最適。あらゆる条件がこのエコシステムを可能にしている。

タンザニアと中国の間に自分の知らない商流があった

先延ばし思考

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2020年07月26日

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そのうち日本も、その日暮しをする人が出て来るのかもしれない。いや、もう既にいそうだな。根を張らない分自由に変われるその日暮の生活は、1ヶ月先の生活が全く見えなくとも悪くないのではないかと思えた。

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2019年12月26日

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東アフリカ、タンザニアの都市ムワンザに生きる、マチンガ(零細商人)たちの商売のやり方や社会関係をメインに、「living for today」(その日暮らし)の生き方を紹介する本。

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2019年10月13日

Posted by ブクログ

アフリカや中国を中心に、「その日暮らし」=living for todayという考え方を元にした様々な生き方を紹介している本。
海賊版を売る・買う人。職を転々と渡り歩く夫婦。せっかく身につけた仕事のノウハウを惜しげもなく他人に無償で教える商人。お金を貸し合う・借り合う人々。
現代日本ではあまり考えられないが、本を読むと異なる考え方ではあるが、きちんとした理屈によって成り立っているとわかる。

知らない国の考えを知って何になるかというと、知った後に考える。「この考え方は素晴らしい。私もこのように生きたい」、「やっぱり日本の考え方の方が良い」「私の生き方は正しかった」「私の生き方は間違っていた」など、考え方は人それぞれだと思うが、本を読みながら、もしくは本を読み終わった後に考えたことそれ自体が、本を読んで手に入れた財産だと思える。

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2019年09月05日

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