常に計画を立てて将来のために今を消費するような生き方は、日本のように整えられた社会だからこそできることで、でも確かにやりたいことをやりたい時にやる、という気持ちを制限している部分があるから、この生き方に縛られなくてもいいのかなと思った。Living for Todayの考え方はアナキズムとも繋がるかもと思った。
でも、本当にそうか? その日暮らしをベースにした経済は、実はちゃんと成立しているようにも見える。コピー商品とか、まあ一応いけないとされているものでも、まあこのぐらいは許してもらえるかな、みたいな形で、法的にはアウトでも道義的にはなぜか許されている世界がある。Living for Todayの世界では、借りは回すが贈与もある。
なんだ、やさしい世界じゃないか。いまの社会に疲れている人は、身の回りにゴマンといる。僕もその一人だと思う。いやあ、魅力的だぜLiving for Today。だが一人ではなかなか難しい。社会の変革が必要だ。
レビューでは片鱗しか書けなかったが、濃密なLiving for Todayの世界が描かれている。いま読まれるべき本、と思った。つうか身の回りの人みんな読んで、こういう社会に進んでほしい。他力本願。
すごく面白かった。
タンザニアでのフィールドワーク等、人類学的なアプローチで(ときには露店商をやり)検討される、いわゆるインフォーマルセクター、本書で言う「Living for Today」の経済活動。「なぜ共同経営しないのか?」「なぜ未来のために貯蓄しないのか?」「なぜ貸した金を返してもらわないのか?」「なぜコピー商品を作るのか、買うのか?」などが、当事者の言葉で語られ、なんとなくちょっとわかった気がする。いまの20代〜30代の一部にも(自分を含め)相通じるメンタリティがある気がする。山寨企業の原動力、強み、市場への向き合い方は、アジャイルの究極なのかもしれない。