【感想・ネタバレ】オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノのレビュー

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Posted by ブクログ

オカルトについて、賛成でも反対でもないニュートラルな視線から改めて見つめ直した森氏のルポルタージュ。
世の中なんでもかんでも黒か白かみたいな現代において、森氏のニュートラルな視線は冷静かつ論理的で読んでいて安心します。

山羊羊効果についての考察も面白いし、日本心霊科学協会などの団体のリーダーに直接インタビューする場面はなかなか知的スリルを味わえます。
てゆうかそんな公益財団法人があるなんて!
他にも森氏本人が体験した説明のつかない事象など…

子供の頃超常現象にハマっていろんな本読んだ身としてはこの本でまた考えをアップデートできて読んでる間ワクワクしてとても楽しかったです。

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2021年02月22日

Posted by ブクログ

小野不由美さんの「残穢」とこれが本棚に並んでいると恐怖感がいやます感じがします(笑)
端正な文体のルポですが、だからこそ「ひっ…!」となる箇所がそこかしこにある、心拍数の上がる本でした。

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2021年02月08日

Posted by ブクログ

いつものこの人通り、対象の周りをグルグル回って答えは出ない。でもだからこそオカルトという素材はピッタリハマる。最後の方に登場するメンタリストは、著者の一方のメインテーマでもあるメディアとの関係で捉えても面白そうだと思うけど、どうなんだろ?

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2016年08月20日

Posted by ブクログ

「オカルト」を肯定派/否定派両方の視点から分析する。基本的にどちらにも依らないが(オカルトの失敗もそのまま描写する)、山羊羊効果(オカルトは観測者等の状況如何で発現したりしなかったりする)がこの本での一番の主張である以上はややオカルト肯定のテイストを含む。分析自体は真新しいことはないのだが、オカルト自体のバリエーションの広さを知る上で面白い本だった。

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2016年11月22日

Posted by ブクログ

森達也の視点はいつも刺激的であり、ラディカルである。

「なんだかよくわからない」と、あえて白黒はっきりつけずに、わからないことを受け止めることの大切さ。

世界は、わからないことに満ちている。だから面白い。

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2016年07月17日

Posted by ブクログ

<目次>
開演   「でもオレは結局曲げちゃうよ」”超能力者”はふてくされたように言った
第1幕  「よく来てくれた。そしてよく呼んでくれた】恐山のイタコは語り始めた
第2幕  「現状は、誠実な能力者には不幸でしょう」オカルト・ハンターの返信はすぐに来た
第3幕  「僕たちはイロモノですから」”エスパー”は即答した
第4幕  「いつも半信半疑です」心霊研究者は微笑みながらつぶやいた
第5幕  「わからない」超心理学の権威はそう繰り返した
第6幕  「批判されて仕方がないなあ」ジャーナリストは口から漏らした
第7幕  「当てて何の役に立つんだろう」スピリチュアル・ワーカーは躊躇なく言った
第8幕  「毎日、四時四〇分に開くんです」店主はてらいがなかった
第9幕  「解釈はしません。とにかく聞くことです」怪異蒐集家は楽しそうに語った
第⒑幕  「これで取材になりますか」雑誌編集長は問い質した
第⒒幕  「僕はこの力で政治家をつぶした」自称”永田町の陰陽師”は嘯いた
第⒓幕  「匿名の情報は取り合いません」UFO観測会の代表は断言した
第⒔幕  「今日はダウジングの実験です」人類学者は口火を切った
第⒕幕  「今日の実験は理想的な環境でした」ダウザーはきっぱりと言った
第⒖幕  「あるかないかではないんです」超心理学者は首をかしげてから応じた
第⒗幕  「夢の可能性はあります」臨死体験者は認めながら話し出した
第⒘幕  「わからないから研究したい」科学者たちは当然のように答えた
第⒙幕  「僕らは超能力者じゃありませんから」メンタリストはあっさりと言い放った
終幕   パラダイムは決して固着しない。だからこそ、見つめ続けたい

<内容>
超能力・幽霊・予知・ダウジング・UFO・エスパー・イタコなど、”オカルト”とされる様々な事象や人々を取材して回ったノンフィクション。種本は2012年。けっこうな量があるが、意外と淡々と読める。著者の立ち位置が傍観者的なので、是非を語ることもなく、失敗があっても、本当に不思議なことでも著者の観たままに綴られているのが特徴。また科学者たちにも取材をしていて(大槻教授のように全否定ではない)、彼らのスタンスもよくわかる。そういう点で巷の”怪しい”本ではない。これは読んで損はないと思う。

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2016年07月02日

Posted by ブクログ

オカルトと称されるモノも、量子力学や物理法則を駆使する事で真実のカタチが見えてくる可能性があるかもしれない。しかし、それら全てのカタチが100%判明した世の中は味気ない気がしてならない。

『多くを見せ過ぎると、見せてない事になる。』ドキュメンタリー映画メットガラに出演した巨匠ウォンカーワァイの言葉である。追求すれば、するほどに、オカルトは真の姿を見せようとしないのか?

森達也も本書でオカルトを追求しているが、その境地に辿り着こうとしてないのか?または出来なかったのか?オカルト好きとしては興味深い内容だった。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

オカルト的な現象は確かに存在すると思いつつ、それでも信じきれない・なんだかよく分からないと思ってしまう感じめちゃくちゃ分かるなあ。
霊的な存在や超能力の存在が科学的に証明されたとしても、この掴みどころのなさは消えない気がする。そこからもう一歩進んで技術的に自由にコントロール出来るようになった時にようやく確かにあるものとして実感出来るんだと思う

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2023年03月23日

Posted by ブクログ

(01)
不可思議な現象に出会った人たちを取材し,その不可思議さを文字で再現しようと試みた本書であるが,面白く不可思議なのはその現象そのものではなく,案外,この取材された人たちなのかもしれない.
オカルト現象は,対象に潜むものであったり,対象間の物理的な現象でもないことを本書は苦しみながらも表出しているが,つまりは属人的な現象(*02)であり,もっといえば属人類的な現象であることが読まれる.

(02)
その点で,オカルト現象は,技術といってもよい人間と環境を取り結ぶ何かである.著者が「見え隠れ現象」と指摘しているいわばメタ・オカルト問題,オカルト現象に発生するオカルト現象や,超能力に近いテクニック,タネやシカケ,視覚やコミュニケーションの死角に発生している現象などにも肉薄している.
記録できないこと,再現できないことであるからこそ,証言者にとっては切実な生の問題であることも,本書を通した取材から感じるとることができる.それはもちろん信仰の問題,そして思想や政治や現代社会の問題に接続している.政界や学会からもオカルトが,訝しさも伴いつつも注目されてきたことには,歴史的な意味もあるだろう.

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2018年02月04日

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