感情タグBEST3
Posted by ブクログ
テーマは不倫というありきたりかもしれないけれど、真理子さんの何とも言えない比喩表現がふんだんに使われていてとても読み応えがある作品でした。
今この瞬間の持続さえあれば、それでよかった。
が、追い詰められていることの表れすぎてとても苦しくなった。
Posted by ブクログ
序章と終章以外は,志麻子,正臣という2人の主人公の名前が章の見出しになっている。
読むのが辛かった訳ではない。
志麻子,正臣と読むと,ちょっと休憩したい。
同じところをぐるぐる回っているような感じ。
読後感として,赤川次郎の「杉原爽香」シリーズが思い浮かんだ。
赤川次郎の理想の女性像に対して,男性のだらしなさ。
小池真理子理想の男性像として,どんな状況でも自分のことに一途になって欲しいという気持ちが垣間見える。女性の行動は生き方としての美学が赤川次郎と違う。
何が美しいかを主張したくて,長くなっているのだろうと推測した。
辛くはないが,ぐるぐる感が残った。
そうか,志麻子,正臣という2人の主人公の名前が章の見出しになっているから仕方が無い。
中国での筆談で,「有没有落花生?」「全工程多少?」「冷房小」は通じたとの話は面白い。
解説を伊集院静が書いている。
Posted by ブクログ
別に不倫を美化するわけでもないし、肯定する気もないが、本作における志摩子と正臣の、常識や世間体に対して真っ向から抗う「本気」の姿勢には、或る種の潔さが窺え、四十路を過ぎて尚、まるで10代の若者みたいにストレートな気持ちで人を愛せるふたりがとても羨ましく思えた。彼らのベクトルが、死を選ぶといったネガティヴなものではなく、ポジティヴな生のパワーに満ち溢れていたのが特長的で、それを象徴するかのようなラストシーンは印象深い
密かな関係が段々と露わになり、やがてお互いの家庭へと波及していく様子はとても生々しい。志摩子の存在に惹かれ溺れる正臣の言動が実にリアルで、小池真理子が男のサガを描ける数少ない作家であることを改めて実感させた