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Posted by ブクログ
『後悔から抜け出すきっかけを求めて…ハライへ』
様々な悩みや後悔を抱えた人達が、一歩前に踏み出そうとするきっかけとして、10月31日6時にレストラン・ハライを予約するまでを描いた6編の短編集。たとえ誰かが足りないとしても、前に進もうとするきっかけとして…
Posted by ブクログ
全体的にもう少し描写が欲しいと思った。
予約5の一節が印象に残った。
『思い出せるしあわせだけではない。思い出せない無数の記憶によっても人は成り立っているみたいだ。』
Posted by ブクログ
まさか最後までハライの料理を食べないなんて…
裏表紙に「同じ時に訪れた6組の客の物語」とあるけど、「同じ時に訪れようとしている」だった。
それにびっくりはしたけど、文章が綺麗で好きです。
Posted by ブクログ
何年か前に読んでいた、再読。忘れてたのもあるが、それでも楽しく読めた。
最後にハライの描写が出てくるが、あっさりしたもの
どんなに美味しい料理が出てくるかと思ったけど、まあ料理なし
さまざまな登場人物が実在のようになんとなく感じられた。
後味は良いです
Posted by ブクログ
『誰かが足りない』、ミステリーのような面白い題名で興味をそそる。
十月三十一日にレストラン『ハライ』に予約を入れた、誰かが・何かが足りない、様々な事情を抱えた人々の予約1から予約6までの連作短編小説です。
「ふと、おかしな考えが頭をもたげる。
誰かが足りない。いつからか私もそう思っていた気がする。それが誰なのかはわからない。知っているはずの誰か、まだ会ったことのない誰か。誰なんだろう。いつ会えるんだろう。わからない。ずっと誰かを待っていることだけはわかっているのに。」
予約1、内定の会社が倒産、以来深夜のコンビニ勤務、恋人にも去られた「僕」。壊れかけた心を取り戻して行く。
予約2、認知症になったようだけど、得意料理をつくるときは、ちょっと「元通り」になるわたし。孫・子の気遣いはありがたいけど・・・やっぱり、「おとうさん」「おとうさん」⁈
予約3、同僚たちの中からなぜか女の私ひとりが係長になったけど、「要するに尻拭い要員」。元彼は残業しないで帰るかわいくて要領のいい子と!
そんな時、隣の家の幼馴染のヨッちゃん(義晴)が帰って来た。
予約4、三年前、シングルマザーの母に発病したと笑顔で告げられた僕。
母の病気以来、人の顔が信じられない。
ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない。
妹の友だち(篠原さんもある事情が)との関わりにより僕の心は変化して行く。
予約5、ホテルのブッフェレストランのオムレツ係の俺は、淡い恋をしている。
予約6、鼻の奥の奥がひりひりするような、酸っぱさと、焦げ臭さと、ほんの少しの甘さがまじったような匂い、失敗の匂いを感じてしまう留香。
「誰かの失敗を、なんでもないことのように扱ってはいけない。当事者でないからこそわかることもある。この人は、きっとだいじょうぶだ。この失敗でだめになってしまうようなことはないだろう。」
十月三十一日当日、レストラン『ハライ』にて、
「今、この店にも濃淡のある匂いが渦巻いている。だけど、絶望じゃない。ただの失敗なのだ。どんなに大きな失敗をしても、取り返しがつかないほどに思えても、いつかは戻る。」
「誰かが足りない。
そう思えるのは、もしかしたらしあわせなことではないだろうか。足りない誰かを待つことができるから。満たされる日を夢見ることができるから。
アーチ形の扉を開けて、誰かが店に入ってくる。店にいる誰もが、期待を込めてゆっくりと振り返る。誰かの、足りなかった誰かが、今、現れる。」
で、物語は終わる。
様々な苦しみ、事情を抱えた人々のお話だが、読後は、優しく肯定してくれるような温かさを感じた。
Posted by ブクログ
予約1*地元に帰らずコンビニで働く青年
予約2*旦那さんが亡くなり痴呆の始まった老女
予約3*係長になったクミちゃんと幼馴染の不良だったヨッちゃん
予約4*母を亡くし引きこもりから脱しようともがく兄(ビデオカメラを通してなら会話ができる)と妹といじめられた篠原さんの日々
予約5*オムライスを作る青年と少しでも眠りたい女優の卵
予約6*失敗の匂いを嗅ぎ取ってしまう女性
レストラン ハライ(どこかの言葉で晴れの意)のある町で起こる連作短編集。
ハライはみんなの憧れのレストラン。
食事のシーンは一切出てこないが同じ様に憧れてしまう。
宮下奈都さんの優しい視点は好きだが、もう少し暖かくなる展開が欲しい。
Posted by ブクログ
どの話も、一歩踏み出した後をもう少し読みたいと思ってしまい不完全燃焼気味。。
予約4の兄妹+妹の友達の話はそこが解消されているのでよかった。不器用が3人の関係性がこの後も微笑ましく続いていってほしい。