【感想・ネタバレ】樹上のゆりかごのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「これは王国のかぎ」の続編と聞いて読んだ。今回はジンとしての冒険を半ば忘れて現実世界のお話、寂しい思いもあれど現実に根をはってたくましく頑張ってるひろみの姿が嬉しくもある。超青春!みずみずしさがあふれてる。
大学が同じように男:女=8:2くらいだったので「名前のない顔のないもの」の存在、非常によく分かる。その中で誰かの付属品以外のものになろうとすれば、夢乃のように「男」として振る舞うか、ひろみのように距離をとるか、近衛さんのようにゆりかご自体を破壊しようとするか、になる。
声にすればたちまちニュアンスが失せ、否応なしにフェミニズムと非難の表情を帯びてしまう。優しい気遣いの結晶がぱっと砕けて境界がより一層はっきりするのが悲しく、結局は沈黙する。
だから最後に近衛さんが瀕死で外に飛び出してしまい、ひろみがよりいっそう距離を取り、夢乃がなんだかんだ役割を演じ続けるのはすごくリアルなんだけど、現実すぎてなんとなくもやもやするところもある。
本当はこんな話じゃなくて、あなたと隔てるものなく向き合いたい、話がしたいという話なんだけど、すごく難しい。私の中の女の子に負けたくないのかも、という夢乃に胸が痛くなる。これを逸れることなく書き表すなんてすごいな、と思った。

近衛さんのサロメを自分に重ねて一心不乱に踊りを磨くところとか、ひろみとの会話とか、かなり好きだな(メンヘラの上犯罪者になっちゃったけどね)。高校生の時に読みたかった小説。

0
2019年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

20210420
「これは王国の鍵」の主人公ひろみが、高校生となり過ごす高校生活。未来への不安と期待、不安定で多感な高校生の青春と閉塞。
年を取りすぎたからか共感ができなかったのかと思いつつ、有理は高校生というか、メンヘラを超えた狂気としか言いようがない。多感な時期だからでは済まない狡猾さがある。

0
2021年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の舞台の辰川高校のモデルである立川高校と同じ学校群だった高校の出身のためもあってか、旧制中学以来の伝統を誇る辰高に反発を感じた(特に女子を祭り上げる一方実事にコミットさせないところ)。最初主人公の親友に見える夢乃がボーイッシュな外見と裏腹にそうした性差別的構造をマイノリティ側から支えるタイプなのだが、途中から勝手にすねて後景に退き、代ってそうした学校の在り方にプロテストする近衛有理が主人公と親しくなるので、反発を感じるのは物語的にも順当な反応なのだと思いきや、結局有理が犯罪者で自殺未遂をはかるという結末(ではないか。ミステリ要素における結末)で、ものすごくモヤモヤした。しかも、途中、有理は夢乃に根拠なく犯人の嫌疑をかけられるのだが、そうした場合、いわれない疑いは冤罪だったというのが通常の物語の定番なので、肩透かしをくらったとともに、結局本当に犯人だった(らしい)ことで、いわれなく人を謗ることが正当化されたようで不快だった。

0
2017年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

続編と思いきや、主人公が同じ設定という・・・
あれれ?と思いながらも、コバルト的で楽しい。
割り切れないもどかしさとか、いいねえ、青春。

0
2016年07月03日

「小説」ランキング