【感想・ネタバレ】東京帝大叡古教授のレビュー

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ネタバレ

結末の種明かしを読んでうなりました。これはすごい。夏目漱石や日露戦争などの歴史上の人物や史実と、叡古先生という架空の人物をうまく織りあわせて、すばらしいミステリーになっている。主人公・藤太の一代記のようにもなっていて、最後、泣いた。思い返してもゾクッとする種明かしだった!
ウンベルト・エーコが亡くなり、夏目漱石没後100年、そして戦争を起こそうとしているようにも見える現政権。なんというタイミングで文庫化されたんでしょう。舞台は明治~昭和初期だけど、そのまま現代への警告のようにも読める。

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2016年04月25日

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日露戦争の終結間際の頃、日比谷界隈は、東京帝国大学は、徳富蘇峰や、桂太郎や原敬は何をしていたのだろうか。未来の日本のエース外交官は何をしていただろうか。ああ、こういう絵柄だったのかもしれないな、と門井の「画力」に賛嘆。

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2018年11月12日

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ネタバレ

実在の人物と、創作した人物が登場する物語。もちろん叡古教授は後者の方ですが、中々生き生きと描かれています。

ですが、それよりも、この物語の語り部の正体が驚き。話自体は創作ですが、語り部は実在の人物、重光葵なんですよねぇ。ビックリ。そう言う設定ですかと。この物語の頃は、明治時代ですが、後年の昭和。重光葵が、外務大臣として連合国への降伏文書に署名したことは周知のこと。そんな人物を使うとはね。ビックリです。

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2016年10月21日

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連続殺人事件に遭遇した東大教授宇野辺叡古が、事件を推理し、犯人を明かすまでを描いた直木賞ノミネート作。
時は、日露戦争前後の物情騒然たる近代日本。
架空の人間と実在の人物とを見事に融合させた歴史ミステリー。
事件の容疑者に夏目漱石が疑われたり、当時の著名人が次々と出てくる。
徳富蘇峰、原敬、桂太郎、嘉納治五郎、野口英世、森鴎外、西園寺公望等々、錚々たるメンバーが。
語り手は、阿蘇藤太なる人物。
そして最後に、この人物の本名が明かされると、近代日本史に興味ある読者は、アッと思うこと間違いない。

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2020年09月20日

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奇想天外に見えて実は緻密な構造のもとに描かれた歴史ミステリー。それほど劇的な結末とも思えず、格別な面白さも見いだせず、直木賞を逃したのも詮方なしといったところ。ただ他の作品を読んでみたくはなった、そんなきっかけをくれた作品。

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2020年08月14日

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日露戦争前後。
ポツダム宣言受諾に調印した重光葵の話。
日露戦争、ポーツマス条約、日比谷焼き討ち事件、帝都大学教授殺人事件。
フィクションではあるが、史実に限りなく近い。さすが、門井慶喜氏。相変わらず、その博識ぶり、徹底ぶりには舌を巻く。
彼の作品はどれも、学ぶこと、知ることの楽しを教授してくれるものが、実に多い。
本作は前知識なくても、まぁ面白いが、歴史が頭に入ってる方が何倍も楽しいだろうな。

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2018年03月28日

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歴史とミステリが融合していてまさに本当に起こった事件であるかのように思えるのは解説のとおり。しかし、ミステリとしてはちょっと雑なので歴史とサスペンスつて感じで読む方が面白いかも。
藤太の正体には、まったく気がつかなかったので、おおっとなった。さすが。

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2016年12月11日

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日露戦争終結前後の時代を舞台に、歴史上の人物も登場するミステリー。
短編連作みたいな形式だが、1つの長編として楽しむ小説。帝大教授と書生のやりとりがいい。そして、藤太が誰なのかという種明かし。歴史を背景にした壮大な話だ。

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2016年06月21日

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最高学府で連続殺人! 謎を解くのは天才哲学者「ウンベルト・エーコ」ならぬ天才政治学者「ウノベ・エーコ」。他を圧する「知の巨人」が開示していく事件の真相はまさに予測不能!

直木賞候補にもなった作品。佳作であることはわかるけど、読む人を選ぶ作品ではないかと…。特に私のように日本史に疎い人間には、クライマックスで明かされる重要人物の正体に全く反応できずに困惑するのみで、作品の本当の魅力を理解できなかった。
(C)

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2016年05月20日

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シャーロックホームズのつもりで、東京帝大の政治学教授の殺人事件の犯人を捜す藤太と、いいように藤太を使う叡古教授のやり取りが愉快だ。
すっとぼけながらも事件の裏の裏まで解き明かす叡古教授は、全体を俯瞰しすぎていて現実味がないが、コメディーと思えば許容の範囲。
そして叡古の娘さくら子と藤太の仲は...と思わせておきながらのどんでん返しは、さすがのすっとぼけと唸らせる。

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2016年05月19日

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