【感想・ネタバレ】赤と黒(上)のレビュー

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Posted by ブクログ

読んでみないと、ちゃんと最後まで読まないと、その凄さがわからない、この一言に尽きる。
長いし、時代的背景が詳しくないから、読むのに時間がかかったが、後半まで読むと、読みながらすでに再読を検討していた。よくいる面白いか、面白くないかで評価するような人には到底理解出来ないとは思う、そんなすごい作品だった。やはり、さすが、名著ってやつ。

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2023年07月02日

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60年前に桑原武夫訳(河出書房)で読んで以来の再読。後期高齢者になって読んでみて気づいたこと。①若い時読んだ文章はそのまま記憶に保存されている。当時何度も読み返したせいか、デルヴィール夫人の(この美少年、ほんとうにいけないまねをする!)とか、「まあ!かわいい小さな司祭さま」という料理番の娘のセリフとか。ということは、17,8歳の私はこの小説を恋愛小説として読んでいたのだ。②だから、パリの社交界の描写とか政治的陰謀とか地位や金を求めてのかけひきなんかはぼんやりとしかわからなかった。今、読んで気づいたことは、木挽き商のせがれジュリヤンの悩みや野心は60年前の日本でも田舎の有能な青年が抱えていたものと似ているということだ。みんな東京へ行きたがっていた。そこで成功して東京の才気煥発なお嬢さんと恋愛したがっていた。やがて田舎でも東京でも人間の本質は同じだと思い知らされるのだとしても。この小説が今でも心を打つものがあるとすれば、痛ましい青春の姿がありありと描かれているからではないかと思う。

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2023年02月22日

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スタンダールの代表作。フランス革命後から七月革命前までのフランスが舞台。成り上がりたいとの欲望に燃える主人公。

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2024年04月04日

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ネタバレ

舞台はフランスのヴェリエールという町から始まり、出世したいという強い野心に燃える若者ジュリアンが、町長レーナルの子供達の家庭教師として雇われ、そこでレーナル夫人と出逢う。
年齢はジュリアンは十九くらいで、夫人は三十くらいで、さらに百姓の息子と貴族という大きな身分の違いがある。最初は野心から夫人を誘惑をしたのの、互いに激しい恋に落ちていくのであるが、そこで描かれる恋の駆け引きや言動で慌ただしく両者の立場が逆転する心理描写が面白い。
特に主人公の中にある野心と恋心と自尊心が頭の中で噴き上がったり沈下したりと忙しく、冷めたと思ったら愛し始めたりする。僕自身もそうだが相手の一つの動作や言葉が気になったり、魅力的に見えたり幻滅するのは皆もあるはず。そのあたりがジュリアンに共感できると思う。
何より、愛するというのは身分や年齢差なんて関係ないと思わせてくれる一冊だ。

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2021年01月31日

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文句なしに世界の5本の指に入る恋愛小説である。どんどん昇進していく主人公のさまとともに大きな読みどころだ。愛ゆえの挫折と最後のシーンは他の作品にはほとんど見られない特上の終わり方だ。素晴らしい一級の素晴らしい不朽の作品である。

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2015年01月14日

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高校生のときに読みました。
衝撃的な印象が今でも強く残っています。
感受性の強い学生さんに読んで欲しい名作です。

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2012年01月23日

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高校時代から何回読み返しただろう。
主人公のジュリアン・ソレル(一生忘れられない名前だろうね)はまるで自分のようだと思った。
中学時代は「白い巨塔」の「財前五郎」という人に憧れたけど、高校時代はジュリアンだったなぁ。
こりゃ名著中の名著だよ。

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2011年07月16日

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初めてこの作品を読んだ時は、高校生。
作品のボリュームや作品に描かれている歴史的背景に
圧倒される、というか苦戦しながらも、内容が面白くて
なんとか最後まで読んでしまった。

この時自分が主人公ジュリヤン・ソレルに対して抱いた感想は
「自分の野心達成のためには手段を選ばない、
女の心を弄んだり、その愛を己の出世のために
利用するひどいやつ」であり、野望ぎらぎらな彼に対し
「最低男」のレッテルを心の中で貼っていた。
不倫相手のレーナル夫人に対しては
「利用されちゃったかわいそうな女性」
といった同情すら覚えた。

ところが2回目、20代の時に読んだ時は、
そんな身勝手なジュリヤンの個性が魅力に変わった。
「大いなる野心を持った、その心の冷たささえも
魅力的なハンサムな青年」、
そんな彼と恋に落ちるレーナル夫人の気持ちも
わからなくはないような気がして・・・。
彼が成功への階段を駆け上り、そしてそこから
あっという間に転がり落ちた「華麗なる出世物語」に
大いにわくわくしながら読んだ。

そして3回目の今回。読み手の私は33歳。
悲しいかな、自分が年を取ってしまったのか。
貧しい百姓の子せがれ、ジュリヤンが英雄ナポレオンに憧れ、
「いつか自分も!」と野心を持ち、色々と奮闘しながらも、
身分の壁に苦しめられたり、いつの間にか誘惑した
女性を本当に好きになってしまったり、
野心と良心の板ばさみになり苦しみ悩む姿に
彼の若さや人間づきあいの下手さというか不器用さを
見てしまった気がする。

読む年齢によって違った感想を抱き、長編であるにも関わらず、
最後まで大いに楽しみながら読むことの出来る本作品は、
それだけ内容の濃い名作と言えよう。

19世紀に書かれた恋愛小説なのに、内容は今の日本の
昼時のドラマの原作に取り上げられても
おかしくないくらい濃厚な恋愛劇、そして登場人物に対する
繊細な心理描写、訳者のわかりやすく、読みやすい訳が、
現代にも十分楽しめる名作と通用する理由だろう。

上巻のラストは、読み終えた後に
「この後どうなるんだろう!」と
すぐ後巻を手に取って読み始めたくなる位、勢いがある。

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2012年02月12日

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読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。ナポレオンに憧れて立身出世の野心に燃える青年が主人公なのだが、ページのほとんどを地方の名士の奥様である人妻相手に恋愛の駆け引きを楽しむ描写で費やしている。心理描写らしいモノが皆無に近い現代日本の小説に慣れていると、心内文の長い本作に面食らうかもしれないが、今でも一読の価値があると思う。

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2019年07月19日

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ジュリアンとレナール夫人、ジュリアンとマチルダの恋愛が描かれるが、3人3様の心理が面白さの焦点。レナール夫人は子供が複数いるのに恋愛には初心で3人の中では一番純粋に相手を愛することができる人。マチルダは地位と金、若さと美しさ全てを持っているが退屈で持ってないのは幸せだけ、という人で、恋愛を人生ドラマの道具立てにして自分の中で盛り上がる人。ジュリアンは貧乏な平民の生まれのコンプレックスから自尊心を満たすために高いポジションの女性を征服することが動機となっているが、その時々で相手を愛する気持ちが生じて揺れ動く。200年近く前に書かれた小説としては、ジュリアンとマチルダの心理戦がきめ細かく描かれていて、ジュリアンが最期に冷めていくところなど古さを感じさせない。
赤と黒のタイトルについて。情熱の赤と人間を欲望で操作する力の黒、と私は思った。

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2019年05月25日

Posted by ブクログ

ナポレオンをひそかに敬愛する出世欲と潔癖さと情熱の溢れる若者の話。
スタンダールは名言集などでよく見かけたので読んでみた。
やはり最初のほうは取っ付きにくいが、後になって登場人物がへってきてからはスラスラ読めだす。
あっさりした描写だったけどたった一年で教え子に忘れられたジュリアンがなんかリアルでいやw

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2018年12月01日

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(上下巻通しての感想です)

読みやすいか読みにくいかと問われれば、個人的には読みにくいほうの部類に入る作品です。
中盤以降のジュリヤンとマチルドのやり取りは読んでいて正直かったるかったですし、肝心な場面の描写がさらりと書き流されていたり、逆に似たような心理描写の延々記述が繰り返されていたりして、もしかすると現代の小説に読み慣れてしまっているせいかもしれませんが、読み手に対する配慮やサービス精神に欠ける印象を持ちました。
比較するのもアレですが、同時代のフランス人作家デュマの作品は相当読みやすかったなあと今更ながら感心しました。

ま、世界的名作らしいので、きっと私が読解できていない美点がわんさかあるのでしょうが、ひとつ間違いなく言えるのは、恋愛小説の体裁を纏った社会批評としてはなかなかよくできているという点です。
貧しい出自であるジュリヤンが、様々な駆け引きや誘惑、そしてありったけの情熱によって、レーナル氏やラ・モール侯爵から妻や娘を奪い取ってしまうところは、堕落した旧来の支配階層に対する痛烈な皮肉であり、一方であまりにも自由すぎたジュリヤンの最後は、過剰な自由主義の行き着く先を暗示しているように思えたのでした。

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2018年09月30日

Posted by ブクログ

フランス王政復古時代
ナポレオンの倒れた直後で
革命以来、ふたたび貴族が息を吹き返していた頃の話
製材小屋の息子ジュリアン・ソレルは
片田舎の少年にしてはかなりの美貌の持ち主であったが
末の息子であるゆえに、絶えず父親からの虐待を受けていた
しかし非常に読書家だった
ひとり学問を養いつつ、ひそかにナポレオンを崇拝していた
才能だけでのしあがる夢を見ていたのである
そんな彼にチャンスのめぐってきたのは18だか19のころ
町長レーナルの家に、住み込みの家庭教師として雇われるのだが
そこの夫人と恋におちたことで
街を訪れた国王の
臨時警備隊員に推薦してもらえる運びになったのだった

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2017年09月07日

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大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心が異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。
 フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しました。
 もう一度じっくり読み返してみたいです。人間描写の巧みといいましょうか、それも含めて時代描写の傑作であると思います。

15.07.23 - 15.10.18

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2017年03月04日

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ネタバレ

「だが、真の情熱は利己的である。」


製材小屋の子である主人公は、そのひ弱な肉体ゆえに父、兄からいじめられていた。しかし、その心には傲慢な野心が隠されており、いずれはナポレオンのもとで出世をしたいと願っていた。

ひょんなことから家庭教師として村長の家に住むようになり、その夫人を誘惑する。結果、踏み台のはずの夫人にはまり、神学校で学ぶことを余儀なくされた。出世のため、と言いつつ、最後まで冷静、冷徹でいられない主人公のもろさが、土壇場でその成功への近道を断つ。

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2014年11月27日

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野心に燃える田舎の若者。
恋も知らずに、女性に慄いていたにもかかわらず、ある有力者の家に家庭教師として住み込み始めた途端に豹変!

その家の夫人を誑かし、身も心も手に入れようとして…

聖職に就いて出世しようと企みつつ、人妻を翻弄する若者ソレル。欲深いくせに司教に取り入ったり。

確かにかなりいい年まで奥手だったオイラだし、女を知ってからというもののかなりの変貌を遂げたのは事実である。
これはオイラの物語なのか??
相手の心がわかる前は、内心ビビッているのに、自分に気があるななんてわかった途端、強気に出たり。
みんなそうなのかな?
なんか汚いよな…なんて過去の自分を思い出したり。
汚れた男ですよ、オイラは。

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2013年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとも複雑な心理描写。
なかなか、主人公に感情移入できない。
以前から気になっていた本ではあるけど、今の自分が読んで良かったのかも。
誘惑される夫人の気持ちはわかるから。
身分制度のない時代に生きているので、それがもたらす人格の歪みがイマイチ理解できないけど。
以前、修道院の話を読んだので、神学校のくだりはすんなり入ってきた。
貴族に対する僻みみたいな曲がった根性から、悩まされるハメになったレーナル夫人が気の毒だな。

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2013年01月06日

Posted by ブクログ

その時代背景をよく知っていればもっと楽しめたのだろうが、そうでなくても物語として十分楽しめる。金持ちへの反発、野心に燃えた主人公ジュリアンのときおりみせる矛盾した行動、二面性、不安定さが若者の精神状態をリアルに捉えているように思う。

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2012年12月07日

Posted by ブクログ

ある青年の屈折した情熱が発露する物語。という印象でした。序盤のジュリヤンは野心を抱いているものの明確な目的がなく「育ちのいい人」たちへの嫉妬心から来る憤りに流されているようにも思えました。他人を蔑みながらも事あるごとに心変わりを見せるぶれ具合は、読者としては振り回されるのですが若者らしいとも言えます。復古王政期のフランスにおける様々な愚かしさを描く事もテーマのひとつとしてあると思うので、その知識があればもっと別の見所も得られたのではと感じますが、青年が成長するお話として読んでも続きの気になる第一部でした。

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2012年11月26日

Posted by ブクログ

沸き起こる感情の前には信仰も無意味。そんなメッセージを感じた。
僧侶達の多くが金銭欲に駈られた卑俗な存在として語られていて、宗教(カトリック)への不信感が作品ににじんでいるのが印象的。

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2012年08月20日

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ネタバレ

ダメだって知っているのに!忙しいときに限って、古典を読みたくなる気持ちが抑えられない。。

ナポレオンに心酔した才気ある青年。赤と黒とは何を表しているか。古典小説を読むと感情の激しさに驚かされる。
刺激に慣れると、完成が鈍るのだろうか。

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2011年11月05日

Posted by ブクログ

難しい話でした。
二人のいけない恋愛が周囲をも巻き込んでいく。どの時代も感じることは大きくは変わらないんだと思った。
下巻も読みたい。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

フランス革命ののち目まぐるしく変わる政情の中で、軍人から聖職者を目指す若く美しい青年。
野心家というか自尊心の塊というか。
貧しい製材屋に生まれ、この貧しさから抜け出したいと思いナポレオンを心の支えに生きていた。
時代はレミゼラブルと少し重なる。ABCカフェにいた若者達にどこか似ている。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

ナポ1敗北。ルイ18復古王政。シャルル10、王党派貴族を優遇。昔の絶対王政・貴族の息苦しい時代に逆戻り。▼貧しい若い男。身分は低いが、いつか出世したい。頭はいい。町長の家に家庭教師として雇ってもらい、そこの夫人と不倫。次にパリの侯爵の秘書になる。侯爵の娘と結婚。玉の輿成功。しかし町長の夫人が侯爵に「こいつはひどい男」だとチクる。男は夫人に発砲する。▼身分の低い者が身分社会に挑戦して破滅。赤は共和主義/貧しい男、黒は復古王政/貴族。スタンダール『赤と黒』

スタンダール『パルムの僧院』

バルザック『人間喜劇』

うち解けすぎると尊敬を失い、気安くしすぎると馬鹿にされ、むやみに熱意を見せると食い物にされる。バルザック『谷間のゆり』

偶像に触れてはならない。金箔がはげて手に残る。フロベール『ボヴァリー夫人』

世界は鏡である。しかめ面をすれば、それはこちらをにらみつける。笑いかければ、こちらに笑いかけてくる。▼成功は滅多になく、ゆっくりと訪れる。破滅はたやすく、あっという間に訪れる。サッカレー『虚栄の市きょえいのいち』

背表紙や表紙のほうがはるかに優れている。そのような本がある。ディケンズ『オリヴァー=トゥイスト』

上機嫌は社交界に着ていける一級品のドレスである。サッカレー『洋服仕立てと化粧について』

難しいのは信仰のために死ぬことではない。信仰に従って生きることだ。サッカレー『ヘンリ・エズモンド』

笑い方を知らない人は尊大で自負心が強い。サッカレー

ディケンズ『二都物語』

家族愛の中に祖国愛が芽生える。ディケンズ『骨董品』

青春は過ぎてしまったが、老年はまだ訪れていない。希望に似た哀惜と哀惜に似た希望の時期。人生のうす暗い黄昏。トゥルゲーネフ『父と子』

トゥルゲーネフ『猟人日記』

女の愛を恐れよ。この幸福を、この毒を。トゥルゲーネフ『初恋』

苦しみと悩みは、偉大な自覚と深い心情の持主にとって必然である。ドストエフスキー『罪と罰』1866

人間は自分の姿や心に似せて悪魔を創り出した。▼良心の自由ほど魅惑的で苦しいものはない。▼民衆の中には忍耐強い無言の悲しみがある。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』1880

人間には逆境をあえて熱愛するときも確かにある。ドストエフスキー『地下室生活者の手記』

人間とは、いかなるものにも馴れる動物である。ドストエフスキー『死の家の記憶』

自分が不幸なとき、他人の不幸をより強く感じる。ドストエフスキー『白夜』

他人のために自分を忘れること。そうすれば他人はあなたを思い出してくれる。▼金が何よりも卑しく厭(いと)わしいのは、それが人間に才能まで与えるからである。ドストエフスキー

戦争は醜悪である。もてあそんではいけない。▼純朴と善良と正義こそ偉大。▼この無限の空以外はみんな偽りだ。▼ナポレオン戦争。ロシア貴族の没落。ロシア農民の力強く生きる姿。トルストイ『戦争と平和』

幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸である。トルストイ『アンナ・カレーニナ』

深く愛することのできる人だけが、深い悲しみを体験することができる。トルストイ『幼年時代』

自己愛は死の初めであり、神と万人への愛は生の初めである。トルストイ『読書の輪』

すべての人は世界を変えたいと思っているが、自分を変えようとは思っていない。▼恋はロウソクの火。▼逆境が人格をつくる。トルストイ

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写実主義。現実をありのままに描く。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

高校時代授業でタイトルだけは習った本。
フランス文学って恋愛至上主義だなぁと。
当時のフランスの歴史的宗教的背景が解らないと読みづらい。日本史選択の自分には難しく、世界史選択の兄に度々聞いたものの「世界史は世界史でも俺は古代ローマだから」と言われました。
そうか高校時代に読んでたら世界史の先生に色々聞けたのか!と閃くも、高校生じゃこの男女の機微と人間心理は絶対理解出来なかったな…人生はままならない。

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2019年03月14日

Posted by ブクログ

貧民の身にありながらもナポレオンを崇拝し、類いまれなる頭脳と美貌を持つ少年ジュリアンがブルジョワ階級の家庭教師として雇われ、その覇道の第一歩として年上の夫人を誘惑しようとするが次第に恋に落ちてゆく話が上巻の中心。さすが恋愛大国フランスと言うべきか、飽くなき出世欲を持っているはずなのに、それをいとも簡単に投げ捨てて恋の情熱に己の身を捧げてしまうのは恐ろしくもまた魅力的である。ここで描かれるのはつかの間のロマンスであると同時に決して叶わないすれ違いであり、それこそが絶望的なロマンティシズムの美学なのだろう。

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2013年03月25日

Posted by ブクログ

純粋で真っ直ぐなのに野心家の主人公。すぐ感情的になりやすく、思い込みの激しいところもあって、他人を押しのけて上に上がるタイプじゃないのに、成り上がろうという合わないことをしようとするからハラハラする。それはさておき、その背後に描かれている当時のフランスの様子は、現代にも当てはめられることが多くて頷かされる。スタンダールの皮肉にたまにくすっと笑うことも。

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2012年03月02日

Posted by ブクログ

全2巻。フランス文学の代表格の一つ。物語の展開は至って平凡そのものだが、恋愛における駆け引きだとか虚栄心だとかの人間の本質を成す感情や心理についてはストレートだが見事に描かれている。訳の言葉遣いがちょっと微妙な気がした。

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2012年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公ジュリヤンは出身の身分は低いがイケメンで頭が良い。貴族やブルジョアに劣等感や嫌悪・憎悪を強く感じており、また自尊心が非常に強い。うまく町長の家の家庭教師になるが、美しく純粋な町長婦人を誘惑してしまう。

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2012年05月24日

Posted by ブクログ

82/100 No.95「長門有希の100冊」

19世紀フランス文学の傑作。
たしかに面白い、スラスラっとは読めないが傑作ということだけはある。
恋愛心理と合わせて、上昇志向の強いジュリアンの心理描写が事細かに描かれている。
この当りが読んでいて、あきさせないのだろうか。
下巻も楽しみだ。

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2013年12月10日

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