【感想・ネタバレ】EUメルトダウン 欧州発 世界がなくなる日のレビュー

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Posted by ブクログ

ユーロ。得体の知れない通貨統合のテーマパーク。かつてユーロランドと揶揄された。基本的に現実からかけ離れた世界であり、その根底においてそもそもリアリティが欠如している。夢見る少年少女の世界であったのが、財政危機の渦中できりきり舞いになっているギリシャを目の当たりにし、ようやく現実から目を醒まし大人の世界へと立ち戻ろうとしている。恐るべきドイツを封印するため、経済の力学を完全に後景に追いやったツケが回ってきているのだ。今、ユーロはユーロランドからの脱皮が求められている。著者は処方箋らしきものを描いているが、著者自身が消火不良で無謀な机上の空論と言っている。せめて、世界は同じ過ちを繰り返してはならない。世界がなくなるわけにはいかないのである。本書のサブタイトルを骨身に徹して肝に銘じたい。

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2013年03月22日

Posted by ブクログ

ギリシャの問題をもう少し掘り下げて知りたく購入。人口、経済規模、健全性、国民性、全てが異なるEUの諸国が、同じ金利であるユーロを利用すれば、どんな問題が発生し得るのか、足を引っ張るPIIGS5カ国、救済を強いられる優等生ドイツ国民の不満、イギリスが距離をおく理由、小国の参加への苦悩、などよく理解できたと思う。 ただ言い回しがしつこく、内容に集中しづらい。もっとシンプルな文章が好き。著者の本をもう一冊読んでみて、それも同じ言い回しならもうやめる。

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2012年02月18日

Posted by ブクログ

浜矩子・著。
2011年12月初版、142ページ。

EUとユーロのこれまでの歴史と、今後の展望について述べた本。
とりあえず、142ページしかないので、すぐに読める。
そして、相変わらず文章が平易でたとえ話が多いので、読みやすい。

ただ、内容も薄い。
特に、EU・ユーロの歴史や背景の部分への理解が深い人には、
正直読みごたえがない本だと思われる。
最後に提示されている、今後のユーロの在り方についても、
(未来予測なので仕方ない部分はあるが)量が少ない。
また、具体性も乏しい。

ただ、世間的に、ユーロへの絶望感が強い中で、
一応、EU・ユーロの将来的な方向性を提示できていることは評価できるのではないかと。

個人的には、P.117~118の引用で、

「飛翔する自由があるからこそ、その場所に愛着がわき、帰属意識が醸成される。」
「統合欧州という・・・ここに問題がある。統一ルール、単一通貨、共同債券。いずれも、収斂の論理の強要だ。この窮屈感が統合欧州の中を折に触れて非常に居心地の悪い場所にする。自分に最もマッチした動き方が出来ない。・・・」

という部分。
結局、収斂と拡散のバランス、自由と束縛のバランスが、このような統合の際には一番重要なのだろうと思う。
勿論、世界的にも歴史的にも、このような地域統合の試みと言うのは初めてのことなので、すぐにうまくいかなくても当たり前なのだと思うが、改めて考えてみると、このバランスの大切さに気付かされる。


しかし、相変わらず、歴史・背景に関する言及の部分が多い。

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2012年01月21日

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