感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読みやすく、舞台も国内・海外と様々なので飽きることがなかった。
現代の建築と、以前の建築の違いも面白いし
地域を活かす手法も楽しめた。
中でもアフリカ集落での
レンガで円形に囲むだけの家から
プライバシーとセキュリティに特化した
今の「家」が貧しいものだと思えたのはいい発見だった。
この本を読んで、何より彼が携わった建築に触れてみたい・体験したいと感じた。
Posted by ブクログ
すごい建築家の隈研吾氏、すごい経歴で挫折なんてなかったんだろう、と勝手に思ってたけど、失敗や葛藤を繰り返し、文化を守り新しい文化を作っていこうと奮闘してる隈研吾氏だった。宮城の復興を建築の力で支えてくれています。隈研吾氏の建築物、みて回りたくなります。TEDもおすすめです。
Posted by ブクログ
隈研吾さんの自伝的な仕事論。大変面白いし、彼の真摯で柔軟な、そしてパワフルな姿勢に感動する。
海外に飛び出すんだ!という叱咤激励も身にしみる。
そこにどうやって行くか、だと思う。
Posted by ブクログ
ほら ご神体は「鏡」だし
建物の材料は 全て「木」と「土」で
できあがっているでしょう
そうなんですよ
最終的には 全てが自然に還っていく
それが 本来の「神社」なのです
と 知り合いの宮司さんから
教えてもらった話を思い出した
本書は何気なく手に取って
さほど、思い入れもなく
なにげなく読みだたのだけれど
これが とてつもなく 面白い
単なる「建築」の話にとどまらない
その場所にどうあるべきか
その時代にどうあるべきか
それを どうとらえるのか
それを どう考えるのか
まるで 一人の哲学者のお話を
聞かせてもらっているようでした
反ハコ、反コンクリートの建物を
なぜ そういうふうに
なぜ そう考えるか
なぜ そうなっていくのか
世界各地に国内に
創り続けておられる
一人の建築家の
一人の思想家の
軌跡がこの一冊です
Posted by ブクログ
安藤忠雄はあまりにも有名だが、ひとつ上の世代。それに対して隈さんはリアルタイムで活躍してる建築家である。
とは言っても、初めて認識したのは太宰府のスタバなので、最近なんだけど。(そんなに建築家に興味が無かっただけです。すみません。)
でも時々ネットやマスコミの記事でお見受けしてて、そうしていると、ザハで話題になった新国立競技場を設計されることに。一躍時の人になられて、どんな人物か気になってました。
建築をアカデミックに学んだ戦後第4世代だからこその、反コンクリート志向。世界の国々や歴史と対峙しながら、ブランドに留まることなく、現場にこだわっておられる。バブル期の挫折があったからこそ、90年代の日本の谷での仕事があり、またそこから世界で活躍するに至った様は本のタイトルどおりでした。
別の著書も読んでみたくなりました。
もちろん建築も見に行きたいです、出来る限り。
Posted by ブクログ
徹頭徹尾、隈研吾の現場主義と現実主義が表出している自伝的一冊。建築とは人の生活の提案である、という一貫した姿勢には感銘を受けるし、奮い立たせられるものがあった。
Posted by ブクログ
某テレビ番組で、林先生が引用していたのが印象的で読む。
超有名な建築家、時の人の自叙伝。
普段、この手の話を読むと自慢たらしくて嫌になることもあるのですが、
これがめちゃくちゃ面白い。
日本人の問題、建築の問題、
どれも「なるほど」とうなずいてしまうことばかりで、
あっという間に読んでしまった。
建築家に憧れる生徒はたくさんいるので、彼らにぜひ読んでほしいもんだ。
Posted by ブクログ
モダニズムに対峙して、優しい、場所や自然に溶け込み、生命のサイクルを感じさせるような建築に取り組んできた隈研吾のエッセイ。デザインを職業として真剣に取り組んでいる人の精気が満ちていて、元気が出る。
世界の建築現場を見渡した時、意外に中国では環境負荷にフォーカスしているとか、韓国の建設ビジネスのアグレッシブな活躍ぶりとか、アメリカのディベート教育の不毛とか、組織の中での報告に求められる厳しさなど、面白い話題が満載。
Posted by ブクログ
隈研吾を知らなくても、彼の設計した建物を目にした人は多いと思う。近い所では目黒のスタバ。凄い行列が出来てた。そして国立競技場、根津美術館。マスコミの寵児とされた安藤忠雄氏から遅れてるが凄い登場!
楽しいだけでなく、どこの世界にも共通するぐじゃぐじゃした世界も垣間見た。
Posted by ブクログ
隈研吾という人が何故木にこだわっているのか
少しだけわかった気がする。
建築は詳しくないし好きーって訳でもないんだけど
作品を見てまわりたくなるね。
Posted by ブクログ
2020.5.9
隈研吾の自叙伝
戦前から戦後、現在にかけて徐々にグローバル化した世界においての経済、文化、政治と建築の関係について隈研吾の思想が読み取れる。
ここに出てきた建築家たちについてまた勉強したい。
隈研吾は「コンクリート」「サラリーマン」を皮肉たっぷりに批評している。
だが人間は自然という親から生まれてきたからこそ、工業化という形で自立したい、親離れしたい、気持ちは分からなくない。
だからこそ一通り反抗した人間が「元いた場所」に戻ってくるのは当たり前で、それこそ隈研吾が受け入れられ、成功した理由なのではないか。
太宰府に一人旅した時に一際目を引いたスタバは隈研吾のデザインだったらしい!熱海の水ガラスと愛媛の展望台、石の美術館はぜひ見に行きたい。
Posted by ブクログ
この本は、隈建築の中から、おそらく建築家としての転機となった、印象深い(苦労した)建物の話を中心に、20世紀の建築、主にモダニズム建築への批評とそれに替わる建築を追求していく、隈氏の思想・思考的な話を絡めながら、各章が展開していきます。
語られる氏の建築に対する思想・思考や仕事の流儀を読むと、場所や施主、そして人々との協調性を重視する姿勢が、今の時代にマッチし、それが多くの仕事の依頼につながっているのではないかとの思いに至ります。
最初の出版は2013年で、少し古い本です。当時、隈氏が手がけた「アオーレ長岡」や「歌舞伎座」が完成した時期とほぼ同じで、それらのプロジェクトについても語られています。
Posted by ブクログ
本書を読んで、「昔はよかった」と回顧する大人にはなりたくないと強く感じた。
また、「何かが生まれるプロセスを、真剣な思いの人たちと共有する楽しみ」を自分も体感できるようになってみたいと感じた。
Posted by ブクログ
変わったタイトルの本ですね。今回の東京オリンピック開催にあたっての新国立競技場の設計者としても有名な著者の自伝的エッセイです。
建築家に至るまではオーソドックスなキャリアを辿り、主な経歴や実績だけを辿ると順風満帆のようにみえる著者の半生は、それこそ「走り回った」山あり谷ありの様相だったようです。
Posted by ブクログ
初めて読ませていただきました、隈研吾さん。面白かったです。特にコンクリートをキーワードに展開するアメリカの文化史。戦後の日本の復興の裏側に流れるアメリカ思想を、建築というレンズを通してクローズアップし、とってもわかりやすく説明してくださっています。そして、そのモダニズムに対する氏のアンチテーゼ的な建物。紹介された地方の建造物に足を運びたくなるのは、私だけではないはず。死ぬまで訪れたい場所がいくつも追加されてしまいました。
Posted by ブクログ
清野由美が隈研吾から聞き取り、書かれた本なので、
話し言葉がメインになっているので、わかりやすい。
隈研吾の本音がよく出ていて、面白い。
確かに、隈研吾は、世界を駆け巡っている。
建築家としての世界的にブランドが確立されている。
日本人の建築家のブランド力はすごいが、常に現場に行き
ナマに話し合うという姿勢を崩していないのは重要だね。
「コンクリートに頼ってできた、重くて、エバった感じの建築が大嫌いだ」
「エラい建築家が作った、エライ建築」ということをはっきり言う。
現在では、隈研吾が エライ建築家になっているのだが。
弱い日本に生まれざるを得なかったがゆえに、悩みや迷いがある。
結局は、建築という制約の中で、格闘せざるを得ないということだ。
中国は、「理不尽な命令に対しても、冷静に応えられる人間だけが生き延びていける」「理想と現実の間、理想と欲望の間をうまくバランスさせようとする」と評価し、その上で「相手の価値の中に、自分の価値をきちんと位置づけて、相手のメリットを約束する」という交渉力ですね。
隈研吾は、そのことを、見抜いている。実に、したたかである。
東日本震災に対する隈研吾の感想と思いは、実に重要だね。
日本の行政のお金に使い方に関して、住民の意見を聞いて、組み立てるようになるには時間がかかるのだと思う。ポストポストモダンの建築の今後のあり方が、どう示されていくのかが楽しみでもある。
Posted by ブクログ
建築に全く疎いのですが、新国立競技場をデザインした人ということで、手にとってみる。
建築家、走る。
この題名が、本文を読むと、競走馬としての建築家、実際の土地と物を見に世界中をタフに泥くさく走り回る著者をうまく表せているなと思った。
バブル崩壊後の日本での建築需要が減り、建築家もなかなか世知辛い話だけど、その中でいかに自分の求めていくものを見つけるか。この人の作った建築物をカラー写真で見て、さらに現地に行きたくなりました。歌舞伎座や石の美術館とか、能楽堂とか。
反ハコモノ、反コンクリート、土着の繋がり、人が、素材が、土地が見えるもの。そこにしかそこでしか生み出せないもの。美しい古び方。限られた中で、面白いことを。
ただ、ある意味建築って哲学的だなと。空間やモチーフのコンセプトを聞かないと表現されるものが分からない。(その場に行けば違うのかもしれないけれど)その点、丹下さん等昔の人のは視覚的にグッとくる良さがないでもない。。。
Posted by ブクログ
建築(家)の歴史と変遷、現場での在り方、などなど。コンペと違って弱音のような部分もそのまま語り下ろし、というコンセプトもあってかリアルさが良い。
中国での作品「竹の家」の話一つとっても、設計費の具体的価格から、素材がカビやすいという弱点から、OKが出た理由には材料費の安さが見込まれていたんじゃないのかとか、割に合わない値段を提示されて開き直る心づもりができたという話とか、うーん率直だなー。と。笑
Posted by ブクログ
世界に誇る日本の建築界第四世代の旗手・隈研吾が、直近の大作「歌舞伎座」に取り組んだ際の苦労や、20世紀の建築界の潮流と21世紀の建築の目指すべき方向について、自伝的に語った、聞き書きによる作品である。2013年に出版され、2015年に文庫化された。
著者は、建築に関わる人類史を大きく変えたのは、1755年に発生し5~6万人もの死者を出したといわれるリスボン大地震で、こうした災害から人類を守るために「対災害システム」としての「文明」が大きく発達し、その中核を担ってきたのが「建築」であるという。即ち、中世において人の命や人生を規定していた「神」に代って、「科学」という新しい知恵を用いて強い建築を作り、弱い自分たちを守ろうとしたのである。
しかし、東日本大震災を経験した著者は、「3.11は、リスボン地震後の「近代建築」の無力というものを決定的にさらけ出したと思います。防潮堤やコンクリートの埋め立て、護岸など、「強い」建築をそこら中に建てることで、災害から人間を守ろうとする建築依存型の思考回路が役に立たないことを、ついにぼくたちは知ってしまったのです。近代という時代は合理的で強い建築を作るために進化し続けた、といっていいものでしたが、人間が頭の中で作り上げる合理性など、自然の前では圧倒的に無力だった」と語り、自分が建てたいのは、「死」というものを思い出させてくれる建築、即ち、自然を怖れる建築であると思い至ったのだという。
日本の建築界をリードする著者の思い・考えが語り尽くされており、建築という切り口からの我々の自然との関わり方、そもそも建築(物)とは何なのかを考える上で、多くの視座を与えてくれる一冊である。
(2014年3月了)
Posted by ブクログ
建築は景気先行きの先端に関与する。読み物としても面白かったが、表紙の神楽坂ラカグの建築は人に優しくなくて好きではないので☆四つにした。
Posted by ブクログ
隈研吾さんが肩を並べ語りかけてくるようなインタビューベース卜エッセイ。予算百万の案件を半ば投げやりにやった、とか、利き手を怪我してかえって開放感を得た、みたいな話がよかった。隈さんの建築、いやそもそも建築自体をなんにも知らない人でも、近代建築代表作やご本人の建築を写真つき時代背景解説つきなので楽しく読めます。