【感想・ネタバレ】隠密包丁~本日も憂いなし~ 4のレビュー

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Posted by ブクログ

時代劇×料理+人情な、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』
最後まで憂いなきまま、見事な終幕
終わっちゃって残念だなぁ、そう思える事は、良い漫画である証拠
今とは異なる感覚、けれど、根幹は同じだ、と感じさせるセンスで作られる料理がどれも美味しそうである事も、この『隠密包丁~本日も憂いなし~』の持ち味だが、その好さを引き出しているのが、やはり、宮村惣右衛門の主人公としてのキャラクターだったんだろう
男も女も関係なく、魅かれ、惚れ、敬える人間が宮村だ
甘い部分もあるが、他人に対して優しいだけでなく、厳しく接する事が出来る強さを持ち合わせている彼は、真の武士だ
すずとの恋路はしょっぱい形になってしまったが、ここにも、宮村の無骨な男らしさが現れているな、と感じた。彼女は大切と思える相手、だからこそ、時に危険な事態に飛び込まねばならぬ身である己の傍にいてはならない、と身を引く潔さ、泣けるぜ
自分の生き方を曲げぬ宮村は、新たな役職を得て、己の知らぬ世界を見る旅に出る
現時点で十分にカッコいい宮村が、旅の中で見聞を広め、未知なる味に感動していく中で、どれほど男を磨くのか、まだまだな私には想像もつかない
花形先生と本庄先生の次回作が楽しみだ
どの回も、宮村のカッコ良さが光っているものばかりだが、個人的に推しなのは、やはり、[最終話]新たな任務、だ。父と子の絆を回復させた見事さも推す理由だが、料理人としてあるべき姿勢を貫いた点も天晴。食べる相手が誰であろうと、リクエストを受けようと、相手の体調を見抜き、今、相手が何を食べるべきか、を考え、それに適する料理を作ってこそ、本物だ
この台詞を引用に選んだのは、くどいようだが、ホント、宮村のカッコ良さが滲み出ているからだ。自分に自信を持つのも、生きている国に誇りを持つのも大事だ。その一方で、己がまだ足りぬ者と思い知り、挫ける、その経験も男の人生には必要だ。男は、自分らしさを貫きつつ、新しいモノを恐れず、素晴らしいモノは素直に認め、受け入れる姿勢を取れてこそ、成長が始まる。この時、宮村は自分の殻に、己で亀裂を入れたのだろう

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2016年08月09日

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