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Posted by ブクログ
保健婦としてセンターに勤める工藤公恵は、日々、たくさんの母子と接してきた。そんな中、検診で自分の子供が病気ではないのかとしつこく迫ったという、渡井敦子・弥音母子のことを同僚から聞く。そしてある日なぜか公恵はその渡井敦子から名指しで電話で助けを求められることになる。
保健婦として母子の様々な問題に対応する日々を送る一方で、自分の子供・美香との関係をうまく築けず、時には虐待に近い行動をとってしまう公恵。だからこそ、渡井親子の問題に自分達を重ね合わせて深入りするようになるのだが・・・なんとも最後までいたたまれない。美香に対する公恵の、なんともいえないどす黒い感情・・・これが本当に辛い。子供を虐待する気持ちは正直わかりたくはないが、残念ながらこういう親も多数存在するのだろう。
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文章が分かりづらく、テンポよく読めなかったので時間がかかりましたが、一風変わった作品でそれなりに興味深かったです。ただ、公恵もかなり重大な問題を抱えているので、それがちゃんと消化された感じがせず、ラストなどもう少し良い終わり方にしてほしかったかなと思います。
Posted by ブクログ
読んでいて、首を絞めあげられているかのような苦しさを感じた。
少し読んでは本を置き、読んでは置き。
夏の、じっとりとした暑さ、しかし体の芯と末端が冷える冷たさに終始包みこまれた。
MSBP(代理ミュンヒハウゼン症候群)がテーマ。
ドラマ化もされている。
霊より人間がやはり怖い。
Posted by ブクログ
保健センターに勤める保健婦の工藤公恵は、渡井敦子という若い母親からの異常な電話を受けた。ただならぬ様子を察して駆けつけた公恵が目にしたのは、敦子の三歳になる長女・弥音が血まみれとなった姿だった。幼児虐待―そう直感し、渡井母子を注意深く見守り続けるが、事態は意外な方向へ…。平凡な家庭に潜む地獄図を描いた問題作。第1回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞
Posted by ブクログ
児童虐待・・何とも傷ましい事件がテーマとなるこの小説。
心を病んでいる母親のダークな描写に、何とも「どんより感」が漂っている。
しかし主人公である保健婦:工藤公恵も、清廉潔白なわけではない。
スーパーで万引きするし、自分の娘も虐待している・・・
タイトルである「鬼子母神」は、母でありながら他人の子を捕えて食べてしまうため、釈迦は彼女が最も愛していた末子・愛好を隠して子を失う母親の苦しみを悟らせ、仏教に帰依させたという。
このような鬼の面と菩薩の面の二面性を持った神(鬼子母神)が、工藤公恵と似ているところがあるという意味なのだろうか。
断っておくが、エンディングはハッピーエンドではない。
だからこそ「世の中には、こういう人もいるんだろうなあ・・」と、かえってリアリティがある。
名作とは言えないホラー小説だけど、何だか癖になりそうな感じ。