感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ホラー傑作集。阿刀田さんは、このちくりと毒の感じられる作品が非常に好きです。
お気に入りはやはりこの名作、「屋上風景」でしょう。個人的にはこれに勝る作品はないよなあ、と思うくらい大好きです。恐怖感はあまりあからさまではないのだけれど、妙にぞくぞくっとさせられてしまいます。少しコミカルに思えるラスト一文も、考えようによっては怖いし。
ラストは予見できるけれど、「真夜中の料理人」も好き。どんどんつのるサスペンス感がたまりませんね。
Posted by ブクログ
菊の香り 冷たい関係 無邪気な女
夜のアスパラガス ちらし鮨 真夜中の料理人
赤い音屋上風景 心の旅路
妖虫 西瓜流し 恐怖の研究
さすが傑作短編集だけあって、ハズレなし。今回はホラー系の短編集。「夜のアスパラガス」や「西瓜流し」はなんとなくオチが読めてしまったが。
「屋上風景」は意外性ではなく飛び降り自殺者の些細な思いの拾い方が怖くてゾッとした。
「ちらし寿司」はラストシーンが予想外でニヤリとしてしまった。なるほど。
「恐怖の研究」にある通り、人はやっぱり、優れた「怖い描写」より「想像させられる怖さ」の方がグッと来るんだなぁ。
雅文
普通にあるよく見知った日常の中にある影の部分のおそろしさ。『夜のアスパラガス』なんかは題名は意味深だけど、読み終わった後、果たして貴方はアスパラガスを食べられるか?!全12編、後堪能あれ!
Posted by ブクログ
阿刀田高傑作ホラー短編集。
不倫してる男女、デジャヴ、の話が多くて、そういうコンセプトでまとめられた短編集なのかな?ホラーの中にも皮肉なオチがついてたりブラックだったりするところが面白い。
プラスチックを食べる虫を発見して、ごみ処理で一儲けしようとたくらむ男の「妖虫」がお気に入りです。オチに笑ってしまった。なるほどそういうこと…。
「恐怖の研究」怪異がその姿を現した途端に怖さは半減する、というのに同意。海外のホラー映画とかで化け物がバーンと出てくると一瞬ヒッと驚くけど、後を引く怖さではない。直接的には書かれていない影の部分、そういう恐怖に惹かれます。