【感想・ネタバレ】黒部の太陽のレビュー

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Posted by ブクログ

黒部ダム建設の苦闘を描き切る感動作。登場人物の内面にまで踏み込んだ描写は深く静かな感動を残す。これは読むべき本ですね。

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2014年07月30日

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あの「クロヨン・ダム」を描いた「黒部の太陽」を読みました。ホントは石原裕次郎の映画を見たかったのですが、DVDを買おうとするとボックスセットしかなかったのでとりあえず原作を読みました。
とっても面白かったです。原作は昭和39年に書かれた新聞小説とのことですが、その前年に7年の歳月をかけて完成した黒部ダム建設工事の苦労を書かれたわけですから、当時はたいへんな注目を集めたのではないでしょうか。
当時の熱気がそのまま伝わってくるような文章で一気に読んでしまいました。
books169

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2012年08月14日

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 トンネル工事ってすげー
けどこれドラマとか映画にして面白いんだろうか?記録映画的なほうが面白いんじゃ?
と思わないでもない

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2011年08月11日

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黒部の太陽

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初版が昭和39年です。
一度、廃刊になって、その後、復刊となりました。
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【後書き】
著者が振り返っています。
著者が畏友とする司馬遼太郎氏の祝辞です。

「文学にはすべて原典というものがある。原典を書くということは文学者すべての念願なのだが、木本氏 はそれを本書で果たされた。二〇世紀の神話と謳われる黒四の工事については、後世いろんな文学作品や 著述が生まれるだろうが、その原典として、その人たちは本書を必ずひもとかねばならない。同じ文学の 道にたずさわるものとして、まことにうらやましい限りである」

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【黒四ダム】
工期7年長、総動員数1,000万人。
工事費500億円超。
施主.関西電力の当時の資本金100億円の5倍の規模です。

施工は、大成、間、佐藤工業、熊谷組です。

【工事の始まり】
前人未踏の大工事です。
そのため、施工会社は見積もりすらできません。
施工会社は、関西電力からの申し入れ、嘆願を受け入れ、言い値で施工を開始せざるをえませんでした。

ふもとの村に資材をおくための用地交渉、買い取り。
ここから難航します。
地縁がある地元の人は、土地を手放したくないためです。

【雪との戦い】
過去の黒部第一から第三のダムの工事では、雪崩にあい、宿舎ごと流された痛ましい事故がありました。
そのことを鑑み、頑丈はもちろん、衛生上にも申し分の無い施設をつくり、施工スタッフを迎えよう!という関西電力の気持ちも描かれています。

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【印象に残るシーン】
1.施工会社大成建設
責任者自身が事故、そして1年近くの入院されました。
急死に一生の状況でした。
この方は、その後取締役として、安全面を担当されたとのことです。

2.関西電力の当時の社長
この難工事が社長の揺るぎない信念で支えられていたこともわかります。
また、なぜその信念を持ちつづけられたのか?の背景も理解できます。

多くの難関に対して、一切ひるまず「金は気にするな。安全とそして国民の生活に電力を」の姿勢を貫かれました。

当時の滋賀県、奈良県の全域の電力をカバーする黒四工事。
トップのリーダーシップ、生き様がみてとれます。

3.破砕帯
1秒間に500リットル以上の地下水が吹き出した難所。
この難所に挑んだのが、トンネル、ダムの名施工の笹島組です。
40代の若き親方社長の「突破できる」の信念、そして7か月に及ぶ水抜きがあってのトンネル貫通でした。

映像と違い、文字で味わうノンフィクションの世界。
私は、好きです。

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2022年06月18日

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利益をただ追求するのではなく、日本の発展のために、会社全体で困難な工事に取り組む姿に感銘を受けた。命懸けで頑張ってくれた人がいたからこそ、今の日本があるのだと知った。

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2022年04月26日

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自分のためじゃなく大きなものに突き動かされて、全力どころか2000%の力をもって成し遂げる、漢たちの仕事、ザ昭和である。こんな情熱を傾けられる仕事すごい。。黒部また行きたいなぁ、今度は破砕帯の意味をわかって通り抜けることができるわ。当時は何なんだかよくわからなかったから。その場でパネルを読んでも分かった気にもなれないね。観光として大繁盛の黒部ダムはこんな人々の魂と情熱とによって出来ていたんだなと。

高熱隧道との対比でこちらは読みやすい。人間のうごめく感情とかはなく、真っ当なドラマ、どなたかの言葉を借りれば人間讃歌。衝撃度では高熱隧道。

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2021年11月16日

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黒部第4ダム(クロヨンダム)の建設工事のドキュメント。映画にもなっているんですよね。困難を乗り越えてダム完成に至るまでが、建設作業員が抱えるプライベートでの困難とともに語られる。第3ダム建設を扱った「高熱隧道」(吉村昭)とともに、ダム建設の様子を今に伝える作品。「高熱隧道」は、吉村昭の筆の力によって、よりドラマチックな作品になっていますが、こちらもドキュメントとしては貴重な作品といえるのではないでしょうか。

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2018年05月27日

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「高熱隧道」を読んだ後に本書「黒部の太陽」を読んだ。高熱隧道の方が、読んでいて引き込まれる作品だったので、本書は星3つ。
※映画(黒部の太陽)は見てない。

今や、立山アルペンルートには、誰でも気軽にアクセスできるし、ダムを見に行く観光客でいつも賑やかだ。
難航時に向き合った先人達がいることを肝に銘じたい。

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2022年11月13日

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黒部渓谷に黒部ダムを建設するまでの苦闘と決死の作業についてまとめられたノンフィクション小説。
竣工から建設まで7年の月日が経っているがこの本ではダムを造るための初めの1、2年に焦点が置かれていてトンネルを通す際に障害となった破砕帯を約7か月かけてどうにか切り抜けるところがこの物語における中心となっている。
どれだけの人が動き、その間に幾人もの方々が犠牲になっていることを話を通じて知ることができたのはよかった。

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2021年08月01日

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古い時代に書かれた本だし、黒四ダム・発電所工事の全貌を知るには適切な本だと思うのだが、どうにも中途半端な書きぶりだ。関係各社の幹部たちの立派さは否定しないが、せめて、下っ端の労務者のインタビューを行って反映するとかぐらいした方が良かったのではないか?

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2018年08月24日

購入済み

黒部ダムの偉大さ

黒部ダム建設が大変だったことは知っていますが、具体的な状況や当時の雰囲気が知りたくて購入しました。
当時の大変さが伝わる良い作品でしたが、小説としてはまあまあかな…

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2020年03月19日

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あの有名な黒部ダムを作るお話。
メインはトンネル工事の話。
昔の技術者は休みもなく家族にも滅多に会わず仕事のために力を尽くしていたようです。
それが当たり前でそんな人たちが今の日本を築いたのでしょう。
今後の日本が不安です。

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2017年09月13日

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ネタバレ

高熱隧道の後に読んだのですが、文学作品というより関電トンネル掘削のドキュメントといった感じでした。ちなみに黒四は、七年余りの歳月と、当時の金で513億円の巨費と、延べ990万人の労働力と、171人の殉職者によってなし得た事業でした。

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2017年07月29日

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小説仕立てではあるが、著者は当時新聞社の編集委員で、登場人物たちもすべて実名であるというから、脚色されたノンフィクション、といった趣か。
派手な演出や凝った技巧などはまったく見られないが、それ故に素朴な事実の記録に近いものとして感じられる。

タイトルにもある"黒部"の名がついた黒部ダムが一般的には有名だが、本書で描かれているのはダムそのものの建設ではなく、それに先立つトンネル掘削工事の顛末。
今の時代に読むと、私などは「かけがえのない自然に挑み、それを歪めてまでしてこのようなものを造らなくても…」と思ってしまうが、黒部ダムと黒部川第四発電所の建設が計画された当時にとっては、これこそが誰も疑義を挟まない、唯一絶対の解だったのだろう、という想像はつく。
日本全体が戦後の復興に取り組み、それを高度経済成長という形をとって実現しつつあった最中。
そういった背景の中、文字通り命を賭して黒部峡谷の秘境にあれだけの巨大施設を造り上げてしまった人間の力の大きさというものは、心からの賞賛に値すると思う。

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2016年10月11日

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黒部ダム建設を、関電トンネルの貫通に焦点を絞って描いた作品。

以前に吉村氏の高熱隧道を読んでいたので、黒部でのトンネル堀の大変さは理解していたが、男達の壮絶な闘いに胸をうたれた。

しかし、それにしても、いわゆる日本型労働のバカバカしさには時代を超えて?を感じた。


自分も50を超えているので、こういう頑張りが、高度成長時代を支えたのはそれなりに理解はできるが、黒四に殉じた人は本当に幸せだったのかな。いろいろ考えさせられた。

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2015年08月16日

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最近とっても黒部ダムが気になって。硬派なドキュメンタリー。軟派な業界で働く身としてはこのオトコのシゴトっぷりに胸がアッチッチ。途轍もない情熱。そして犠牲。信じられる社会善、他己利益の為に全身全霊かけて働けるって、幸せなことですよね。いや、嫌味とか皮肉じゃなくて。ホントに。

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2013年08月31日

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ソフト化されてないので原作を引っ張ってきましたが、
テレビ放映された石原裕次郎の映画を観ました。

三船敏郎の存在感がすさまじい。

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2012年06月11日

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高熱隧道の後で読んだのだが、読む順番を間違えたかもしれない。
黒部の自然の過酷さや、技術者と労働者の見えない隔たり、そういった緊張感がほとんど感じ取れなかった。ダム建設への情熱、知恵と技術、困難、家族愛が衒いなく描かれている。良心的で善意的な人間賛歌としての黒部開発。
勿論、作者がそこを焦点にしているのだから、これはこれで良いのだと思う。
だが、高熱隧道の後だと、どうしてもぼやけた現実感のない印象になってしまう。
水温摂氏4度水量毎秒500リットルの湧水、トンネルを押しつぶそうとする地球の力、黒部の自然……恐ろしい難工事だと思う。なのに少しもその恐ろしさ・過酷さが伝わってこない。
それは多分、労働者の様子が少しも描かれていないからだ。技術者や各社の偉い人たちしか描かれていないからだ。
せっかく、こんな素晴らしい大事業を題材にしたのだから、もう少し広い視野で描くことはできなかったのだろうか?

つくづく、読む順番を間違えたと思う。

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2010年10月10日

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黒四こと黒部第四発電所のダム建設にかかわった男達と彼らを支えた家族の物語。後に映画化、ドラマ化されている有名な作品だが、どうも僕はこの手の「有名作」が苦手なもので、今に至るまで未読だった。

案の定、本書自体はあんまり楽しめなかった。文中に佐藤工業の林が回想する黒三(戦時中に軍命で、数百名とも言われる犠牲者を出して強行建設したダム)の話の方が悲壮そうなので、「高熱隧道」も読んでみよっと。

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2010年02月15日

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黒部ダム建設は、昭和31年に始まり7年余りの歳月と、当時のお金で513億円という巨費と
延べ990万人の労働力をかけて行われた偉業である。
そしてその間に171人の尊い命も失っている。
本作品は、黒部ダム建設最大の難関である「大町トンネル貫通」について、大湧水と戦う苦労を描いたものだ。

1968年、石原裕次郎と三船敏郎主演で発表された同タイトルの映画は、
ビデオ・DVD化されていないので幻の作品となっているが、
来年、香取慎吾と小林薫主演でドラマとしてリメイクされるらしい。
スケールの大きい大工事をテレビでどのように表現するのか楽しみだ。

昭和30年当時、電力は大飢饉時代で日に何度も停電していた。
このままでは電気が危ない!!と、関西電力が想像を絶するリスクを背負って工事に踏み切ったのだ。
次々と犠牲者が出る現実を前にして、作者は大成建設の大熊部長にこう語らせている。

人間が人間のために何かを打ちたてようとする時に、どうして犠牲が、
いつも目的そのものの中に内在するかのようにあるのだろう。
人間全体の生活や将来に、何かをプラスするために、同じ人間が、自分の尊い生命を、
どうして捧げねばならないのだろう。・・・幾ら考えても割り切れない矛盾だけれど、
それはまた、酒用のない現実でもあるのだ。


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2009年10月04日

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