【感想・ネタバレ】「菜根譚」が教えてくれた 一度きりの人生をまっとうするコツ100のレビュー

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Posted by ブクログ

3年前から中国語の勉強を始めましたが、復習も兼ねて、ラジオとテレビ講座を活用しています。テレビで中国語の聴講は2年目になりますが、この講座でメインの日本人講師の助手をしている中国人講師である、段女史が書かれた本です。

この本の帯に書かれている通り、確かに「可愛い」女性ですが、このたび、菜根譚という素晴らしい中国の古典に出会いました。この菜根譚は合計360の「人生訓」から成り立っているのですが、著者は、これを全部読みこなした上で、人生に役立つ教えとして、100個を選んでくれています。

菜根譚とは、中国人が暮らすうえで影響を受けている、儒教と道教に対して、仏教の教えを踏まえて、アドバイスをしたもので、私達日本人にも大変役立つことがあると思いました。

その難しい古典をここでは非常にわかりやすい言葉で解説してくれています。菜根譚に興味を持って、全文を解説している本を読み始めた時に、彼女の凄さがわかりました。

以下は気になったポイントです。

・本書では全部で360条ほどある中から、筆者が特に心を動かされた100条を抜粋した、「よりぬき菜根譚・バリバリ現役編」である(p3)

・「菜根」とは、堅い菜根をかみしめるように苦しい境遇に耐えれば、多くのことを成し遂げられる、という故事に由来している(p3)

・正しい生き方のせいで不遇な目に遭っても、それは一時的なもの。不遇な目に遭っても生き方を変えてはいけない(前集1、p15)

・世の中に良い影響を与えない意識の低いビジネスはいつか枯れてしまう(前集57、p19)

・日本では「腹八分目」を理想とするが、「五分」を目指してうっかり超えてしまったくらいが「八分目」なのかもしれない(前集105、p27)

・辛いときには成功した姿をイメージできる想像力が大事と言われるが、その逆も同じくらい重要。早いうちからピンチやリスクを予想する(前集185,p34)

・大事を成し遂げたいなら、賢さや才能を必要以上に振りかざさないこと(前集198、p41)

・男の人がはまりやすい3つの落とし穴、1)荒れ狂う嵐を見るために外に出る好奇心を抑える、2)綺麗な場所(花、柳)では目を一段と高いところにすえて見る、3)危険な道は深入りしない(前集209、p44)

・本当の成功者は、ライバルに勝つよりも、ずっと大きなものを目指す(前集213、p48)

・人が夢中になるものに、必ず終わりがくる儚いモノ・コトがあるが、しらける前にさっさとおいとまするパーティのように、長持ちする本当の価値のあるものに人生の時間を費やすべき(後集10、p56)

・身辺がゴチャゴチャしていると忘れぽっくなる、静かでさっぱりしていると、忘れたことを思い出せる。余計な用事をキャンセルして静かな時間を作るべき(後集37、p60)

・幸運をものにできる自分になるために自分を磨く努力する、努力する価値はそこにある(後集126、p68)

・人の品格は環境に左右されるものではない、きちんと身の回りの整理整頓をして品格を磨く(前集85、p86)

・順調な時ほど浮かれずに将来を心配しておく、新しい芽は草木が枯れた時にすでに生まれているので不遇な時ほど耐えてチャンスを諦めない(前集118、p92)

・謙虚に反省できる人は、いい体験もつらい体験も、そのすべてを人生の薬や栄養にできる。その逆をする人と、違いは天と地ほど差がつく(前集147、p94)

・成功と失敗、生と死はセットになっていることをちゃんと理解できれば、成功や生への固執がほどかれ、悩みや憂いはもっと減る(後集61、p112)

・お金は大事だけれど、心ほどではない。心が病んでいると幸せを感じられない(後集114、p116)

・喜びと悲しみ、心配事と喜びはウラオモテなので、2つを別々に考えすぎない方がいい(後集119、p120)

・自分の身に起こることはすべて「原因」の結果で、ある日突然やってくるのではない。だから良い結果を求めるなら良い原因を積む。悪い結果を避けたいなら悪い原因を積まないこと(前集49、p128)

・幸福は求めて得られるものではなく、楽しみや喜びの心を養った時に自然にやってくるもの、災難は避けようとして避けれるものでない。殺気立った心を無くした時に自然に避けられるもの(後集71、p133)

・小さいことだからとなおざりにせず、人が見ていないからと誤魔化さず、どん底だからと自暴自棄にならない。これができて英雄(前集115、p138)

・優れた人とは、寛容である(人のミスを責めない包容力)こと、賢くいる(テストの点数ではなく、ものごとの本質を見極める力)こと(前集145、p142)

・旧友と交わるときは心を新たにする、人目につかない場所で物事を進めるときは、心を公明正大にする。どん底の人と接するときは、恩と礼を盛んにする、これが心のバランスのとり方である(前集163、p146)

・仕事も勉強も耐えるから達成でき、達成した喜びほど自己肯定感を高めてくれる。耐えるのは自分のため。(前集180、p148)

・倹約も度を超すとケチで卑しい、謙虚も同様に卑屈に見える。心を磨くことを忘れた途端に、倹約も謙虚もおかしくなるので注意する(前集199、p154)

・深呼吸、息を吐くのが先、心が鎮まるまでゆっくり繰り返す(前集204、p156)

・人の失敗を責めるときは、あえて失敗のない部分を探せが角が立たない、自分の場合は逆。失敗がないはずの中から失敗を探し出して反省することで心が向上する(前集219、p160)

・心を磨く方法は、特別な場所に行かなくても、家の中にあったりする。家の中を片付けるだけでスッキリする(後集5、p162)

・自分にとってラクで都合のいい道が、ベストの結果をもたらす道とは限らない。これは、有名人のお薦めを鵜呑みにすべきでないという教訓も隠れているだろう(後集91、p170)

・料理によって、ふさわしい火力が異なるように、人に合わせて厳しさも調節すべき。さらに余熱調理も考慮すべき。(前集23、p182)

・できる男は出来の悪い部下にも愛情を持ち、社長を前にしても堂々としている(前集36、p184)

・「受けた恩」と「かけた迷惑」をたくさん思い出すべき。してあげた親切や恨みは、さっぱり忘れるべき(前集52、p187)

・3つの持つべきマナー、1)ささいな過失を責め立てない、2)隠し事を暴き立てない、3)過去の失敗をいつまでも覚えていない、人に対してこの3つの心がけができてば、自分の徳を養えるだけでなく、災いを遠ざけられる(前集106、p193)

・才能を隠すくらい拙く振舞い、知識を隠すためにおろかに見せる。清さを隠すために俗に振舞い、身を伸ばすために身を屈める。このような身の処し方は、世間の荒波をわたるための浮き袋、安全な隠れ家にもなる(前集117、p197)

・短所をあげつらっても、それは短所を短所で直そうとしていて無理。短所は丁寧に、頑固さには根気よく。欠点には長所をぶつける(前集122、p199)

・失いたくない大切な仲間と一緒に成功をおさめたら、おいしいところを全部譲るくらいの気持ちで丁度良い(前集142、p203)

2015年7月26日作成

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2015年07月26日

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