【感想・ネタバレ】新装版 間宮林蔵のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

かなり面白かった。歴史物で文章が頭に入りづらいこともあったが、間宮林蔵と海峡について知識を得ることができ面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年12月27日

間宮林蔵といえば、樺太の地図作った事くらいしか知らなくて、「ひたすら歩いて測量して地図作ってる、クソ地味な男」くらいに思ってたけど、これ読んでほんともうすみません、って思った。
めっちゃ気合い入ってる漢でした!!
そーいえば樺太って昔日本領だったもんねーだから地図書いたのね〜とか思ってて、ほんとそれ...続きを読むもすみません…。笑
「江戸の文化」として、ただ人名を丸暗記してただけだけど、江戸後期の異国船対応を迫られた時代や政治の中で彼の人生が動いていくのが、臨場感あっておもしろかったなーー。
幕末までいかない、揺れ動く江戸後期の話も面白い。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

吉村先生、記録文学はハードボイルドです。主人公の心情を抑えながらも乾いたと言うより客観的文体で、人物を追います。北方先生が題材【林蔵の貌】にしたのもわかります。凄い日本人がいました。もっと知られて良いですね。NHKでドラマにして欲しいです。

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Posted by ブクログ 2018年05月11日

間宮林蔵といえば、江戸時代、樺太を調査し、世界で初めて樺太が島であることを発見。その功績で「間宮海峡」という地名を後世に残した。というのが、教科書的説明。本小説でも、林蔵の樺太探検は詳細に描かれ、当時の乏しい装備で死を覚悟して赴く林蔵の覚悟が伝わってくる。

しかし、間宮林蔵がアドベンチャーというの...続きを読むは彼の一面に過ぎない。彼の人生の真骨頂は樺太探検後、豊富な地理の知識と行動力が認められ、スパイや政治アドバイザーとして幕府に貢献したことだ。

何よりも、林蔵は正義を重んじる。若き頃、日本領土にロシア人が侵入したとき、徹底抗戦を主張する。樺太探検のために異国のユーラシア大陸にまで足を踏み入れてしまったことが鎖国政策に反するのではないかと、苦悩する。また、その鎖国政策では外国人との交流が禁じられており、突然のシーボルトからの贈り物を開封せず、奉行所へ提出する。など、幕府に従順で慎重だ。そして、そんな冷静な判断がその後の彼の評価をより高めた。真っ当に生きれば、どこかで報われるものだ。

また、鍛えた脚力で北海道から九州まで歩き回り、隠密行動も苦にしない林蔵は幕府からの信頼を得、出世街道まっしぐら。

が、そのおかげで、妻も持たず、子孫も残さず、両親の死に目にも会えなかった。家族とのくつろぎとは無縁の人生だった。今でいえば、仕事一筋で、忠実なCIA調査官といった感じか。その点が生涯を地図作りだけに捧げた伊能忠敬とは異なる。

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Posted by ブクログ 2012年05月05日

スリリングで緊張感のある展開、面白かった。日本の領土問題の原点。江戸後期、北方沿岸に頻繁に出没するロシア船の脅威が日に日に高まる中、ついに択捉島の集落が襲撃される。世界地図で唯一不明となっていた、樺太が中国東北地域の東契丹と陸続きかどうかを確かめる必要は国防上の最重要課題となった。百姓から立身した林...続きを読む蔵は、樺太の探検を命じられる。

間宮海峡を発見したとして、歴史の教科書で必ず名前が出る人物だが、当時の江戸日本が置かれていた外交上の背景は教えない。ただ、行って見てきただけのような教え方も手伝ってか、彼の業績は過小評価され過ぎの感を禁じ得ない。

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Posted by ブクログ 2023年06月12日

感情的に盛り上げることなく淡々と客観的に綴る文体だからこそ、林蔵の執念というか情熱が強く強く伝わってくるような気がした。
断片的な史料を想像で繋ぎ合わせた部分が大きいって後書きには書いてあったけど、普通に細かな手記とか残ってたんじゃないかって思ってしまうくらい端々に「実際の出来事らしさ」を感じた。
...続きを読む
周りの人々やシーボルトを題材にした物語や伝記にも触れて、多角的に味わってみたいな……。

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Posted by ブクログ 2023年05月18日

いやこれはまた重厚な本なのですよ。
基本的には間宮林蔵がどこで何したかとか書いてるだけ、っちゃあだけなんけどね。
とりあえず樺太を探検した人って感じの認識だったんで、半分ぐらい読んで探検終わって、あれどうなるんじゃろって思ったら、残り半分は隠密の旅だった!
というわけで、3へぇ。

しかし欧米の奴ら...続きを読むは勝手にやってきてクジラを殺しまくってしかも油だけ取って捨ててしまうとか酷い話ですよ。しかも陸地に上陸して薪とか要求してって何様なんだこれ。いや流石であるよニンニン。

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Posted by ブクログ 2020年02月22日

マミヤ海峡の発見者として世界地理に名を残す江戸時代の冒険家、間宮林蔵の生涯を、若き日の樺太冒険だけでなく、幕府隠密として過ごした後半生やおりきと暮らした最晩年も含めて描き切った一冊。史料に基づきつつも、まるで見てきたかのような人物の生き生きとした描写は吉村昭の真骨頂。

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Posted by ブクログ 2019年08月23日

樺太が島であることを、初めて確認した人物。
間宮林蔵が、類まれなる探検家だということは、知識にあった。
しかし、その後、隠密として暗躍していたことは知らなかった。
己の探究心、プライドのために生涯を捧げた林蔵。
日本各地、そして、己の人生を颯爽と渡り歩いた。

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Posted by ブクログ 2017年04月30日

この人の人生を左右したのは間宮海峡を発見したことというより、むしろシーボルド事件だったのかもしれない。いろんな意味で幕末の日本のカギを握っていたといえよう。

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Posted by ブクログ 2014年10月13日

さすがは吉村昭である。かなり緻密に調べ上げられている。樺太探検の様子が手に取るように分かる一冊である。おすすめしたい。

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Posted by ブクログ 2013年11月10日

史実をベースに、間宮林蔵の生涯を丁寧に追った作品。
困難を極めた極寒の地・樺太探査は勿論の事、シーボルト事件との関わりや幕府の隠密として全国を駆け巡った晩年の様子に興味を惹かれた。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

間宮海峡を発見した人として有名であるが、その発見の旅中の状況が克明に描かれており、まさに命がけの発見であったことがよくわかる。
志を高く、何かを成し遂げようとする偉人伝は時代を超えて学ぶことが多い。
(間宮林蔵は、世界地図の地名に、日本人として唯一人名が刻まれている)
当時は、地図を作るに際して足で...続きを読む稼ぐことが基本にあるわけだが、その測量方法、技術も興味深い。

本著を通じ、当時の蝦夷(北海道)北方における国際情勢を理解することができる。
また、自分自身、知らなかったことであるが、間宮林蔵は後年、幕府の隠密として働いていた。
本著の後段は、その活動について触れられ、当時の幕府の対外方針や各藩の実態など興味深い内容に触れることができた。

伊能忠敬、尚歯会、シーボルト、川路聖謨、徳川斉昭などの人的繋がりを知ることにより歴史を紐解く面白さがある。

以下引用~
・「あなたは、魚が嫌いらしく食べぬが、どうしても口に合わぬなら蝦夷地から去りなされ。この地に来てから病みがちだと言われるが、当たり前のこと。蝦夷人(アイヌ)は主として魚を食い、昆布を口にする。それ故、病むこともなく冬を越す。郷に入らば郷に従え、という。蝦夷地にいたければ、蝦夷人を見習い、大いに魚や昆布を食することです」
・樺太が世界地図の中で唯一の謎の地域であるということを耳にしていた。
・熊は積雪期になると穴ごもりをするが、犬は雪をいっこうにきにかけない。そうした動物の習性から考えて、熊の毛皮は雪に不向きで、それとは対照的に犬の毛皮は雪に順応する性質をもっているのではないか、と思った。
・それでも斉昭は諦めることもなく、蝦夷地経営の悲願はさらにつのっていた。斉昭の蝦夷地についての構想は、林蔵から得た知識によって立てられたもので、「北方未来考」として記録されていた。その概要は、まずは斉昭が隠居し、自ら蝦夷地に乗り込むことを基本としていた。

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Posted by ブクログ 2012年08月23日

城山三郎・平岩外四対談集「人生に二度読む本」に掲げられている一冊、興味を持って読んでみた。世界地図で、唯一日本人名が登録されている間宮海峡を発見した冒険家として知ってはいたが、本書によって幕府老中の信認によって隠密活動をしていたことを改めて知った。前半は、樺太調査に挑んだ林蔵の過酷な探検行、史料と作...続きを読む者の想像力の融合により、血沸き肉踊る冒険譚。後半は、その成功により幕府の信頼を得て、諸国を巡る隠密行。シーボルト事件を筆頭に幕末のさまざまな人物との邂逅があり、対談集の城山氏の言葉では、幕末のオールスターキャストが登場する。確かに、人生で少なくとも一度は読むべき名著である。

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Posted by ブクログ 2023年01月24日

樺太が島であることを発見して海峡に名を残した間宮林蔵の伝記的小説。前半は探検家として、後半は隠密としての半生を描いた作品ですが、個人的には前半に山場が来てしまった感じ。北樺太と東韃靼の探検の場面は神からの使命を受けたかのよう。

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Posted by ブクログ 2021年08月03日

歴史好きな人、男性には楽しめる本でしょう。二部構成の文章だったので要旨が分かりやすいほうでした。前半部、登場する北方民族は素直に「お前マジ関係ねぇっ」と言いたくなる。後半部、江戸趣味が繚乱を飾って読むのが楽しかった。吉村昭さんを単に歴史つながりで本を借りたんですが、吉村さんも歴史も早熟だし奥が深いで...続きを読むすね。

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Posted by ブクログ 2011年11月03日

世界地図に日本人で唯一名を残している間宮林蔵の壮絶な一生を描き、史実の中に林蔵の人となりを浮かび上がらせている。

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