感情タグBEST3
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まるで自分の、そして娘の中二病時期を見せつけられているようで、とても辛かった。
その時期を理解してあげられなかった母親としても、辛かった。
ちなみにこの本は、娘から奨められたので、仕返し?...とすら、感じてしまった。
でも、違ったね。
中二病を乗り越えて、いろんなことに折り合いをつけられる、大人になったんだね。
私も、きみも。
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解説の大槻ケンヂさんの「中二病同士の初恋」という表現に、
読後、それだぁ~と大納得。作中あまりにも重たい空気だったけれども
思い返してみれば結局そういうことなんだよな、とても良い表現。
女子中学生たちの一瞬で移り変わる人間関係や
学生時代に訪れる猛烈な反抗期があまりにもリアルで、
アンがどんどんと自殺に本気になっていく気持ちが痛いほどわかってしまった。
アンは自分が特別で、周りの女の子たちとは違うと思っていたんだろうけど、
恋人や友達とのイザコザに巻き込まれ学校で泣いちゃってる私、とか、
先生に親しく話しかけられて気に入られてる俺、とか、
きっとみんなが自分を何かしら「特別」だと思っている。
アンも徳川も、結局は健全な中学生の一人だったんだ。
(徳川に関しては、一歩間違えると危なかったけど…)
河原でアンに出会った時、徳川は一体何を思ったのだろう。
『悲劇の記憶』ノートの残り何十ページのイラストを、
徳川は一体どんな気持ちで描き続けたのだろう。
猛烈に徳川視点の本作を読んでみたい。
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最初はだらだら読んでたけどタイトルの伏線が回収されてからは読む手が止まらなくなった。
女子の怖くてかつ中学生の少し幼稚な人間関係がリアル。厨二病らしさも最高。
展開とか細かい伏線は多少わかったけど徳川の恋愛が大っぴらにならないのはよかった。徳川の『殺さない、殺したくない』が切実すぎて刺さった。スクールカーストを気にして話さなかった2人だけど最後に『友達』って言えるようになってたのはいいな。
全部知ってからもう一回読みたくなる。
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鬱屈とした人生を最高の形で終いたい中学生の女の子のお話。
彼女は自分を終わらせたい。美しく終わらせたい。それを叶えてくれるクラスメイトの存在に気付いた。スクールカーストの最下層にいる彼を見つけた。
彼女の家庭やクラスで様々な問題が起こる。 彼女は全てにイラつき否定する。 これらに復讐する為に死を選ぶ。 しかし、自殺ではない。殺人される。
彼女の計画の過程で起こる事件が思春期独特のものと片付けられない思考が表現されていて読み応えがありました。
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今自分のいる環境が世界の全てであると感じてしまう中学2年生。
1番難しい年代を美しく描いていました。
スクールカーストなどから起こる無視やハブを読んでいる私までもが辛くなるような、読んでいる内容の景色がそのまま映し出されている、文章で読んでいるのに映像で見ている感覚でした。
胸が痛くなる部分もありましたが素敵な作品でした。
辻村さんの作品はどのジャンルも私好みで好きです。
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題名からしてもっと軽い話かと思ったら、100ページ程読んで、もうやめようかと思うような重くて気持ち悪くてイヤな気分になる話だった。
ところが読み進めて行くうちに、沼にハマっていくみたいに止まることができず、長い話にもかかわらず一気に読んでしまった。
最後はさすがに殺しておしまいではないだろう、じゃあこの長い話が無駄にならないように、作者はどうケリをつけるのかと思っていたら、そこは辻村深月さすがだなと思うと同時に、でも丸く収めるにはあのような結末になるんだろうなと思った(偉そうだけど…)
共感するのとも違うけど、人には言えない闇を抱えた少年少女は、前代未聞のオリジナルな事件を起こして、人に認めてもらいたかったんだろうと思う。
長いのに全く飽きない、読み応えがあるすごい話だった。
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一見殺人事件の小説なのかなぁ?と感じてハラハラして読み進めていたのですが、青春小説とも捉えられます。次々変わるストーリー展開も良かったし、ラストはなんだかじんわりとこみあげてくるものがありました。
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この小説が発売してすぐ、主人公と同じぐらいの年齢の時に読んだ。
大人になった今読み返すとなんだか恥ずかしくなるぐらいの厨二っぷりだと思うけど、当時はとても共感できた。すごく面白い作品でふと読み返したくなる。
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主人公のアンは、母の考え方や友達や
副担任との人間関係に行きづらさを感
じる。
アンは、同世代が引き起こした殺人や
自殺に憧れを抱く。
隣の席にいる徳川にも、同じ世界観が
あることに気づいて、しだいに興味を
持つが、昆虫系と決めつけていて、徳
川に対し、マウントを取るような態度
で接する。
アンは、学校生活で孤立してしまい、
徳川に殺して欲しいと頼む。
最初は、気持ち悪いストーリーかと思
っていたが、徳川に対する気持ちに変
化が出始める。
ラストは、良かった。
匿名
子供の時に感じてた心の内を細かく再現されてるように感じました。
今ならそんな事と、思うような事で人に傷つけられ真剣に悩んだり、人をバカにしたりと、すごく懐かしくて、今こんなにも鮮明に読書に伝えらる作品素晴らしかったです。
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題名が剣呑な感じなのですが、最初からしばらくはザ・中二病、な展開。これからどうなるんだろう、となり、異質なものへの憧れと潔癖な部分と。それも思春期ならでは、なのか。そして、最後に向けての潔癖と絶望感の狭間、そこからのラスト、と前半はこの思春期らしさがデジャヴ感がありすぎてしんどい、けど後半はノンストップ。これが大人が書ける、ってのがすごいですね。。ラストがハッピーなのがまた良いですね。
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中学生時代って今思い返せばすごく世界が狭くて、とっても窮屈だった。
この作品を読んでるとその時と重なって気持ちが沈んでしまうこともあったけど、読み終わったあとでなぜがその時の自分が少し救われた気がしました。
女性なら共感できる部分はたくさんあるのではないかと思います。
読むきっかけは些細なところからでしたが、読んでよかったなと思える作品でした。
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殺されることで世間の記憶に残る事件の当事者になりたい中2のアンちゃんと、学校のヒエラルキーの中で底辺にいるけどプライドの高いクラスメイトの徳川くん。辛気くさい展開が続いて、ラストは駆け抜ける。
解説の「中二病同士の初恋はかくもまわりくどい、という物語」の一言が秀逸!
いじめ、とは少し違うけど、学校でのイヤなことは、時間が経てばなんとかなるよね。
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思春期の友達や親への感情が細かく書かれていて自分もこんなこと考えてたなって懐かしくなった。主人公の思考の未熟さが読んでて痛いって思うことが多々あった。でも、みんな置かれた環境の中で頑張ってちゃんと学校行って偉いなって大人視点で読める自分もいた。最後の章の為の物語だったように思う。
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中二病の少年少女の物語。私の中にも中二病の少女は確実に存在していて、懐かしいような気持ちで読んだ。思春期の心の危うさが見事に表現されていたと思う。
話はラスト数ページで急展開。結局恋愛物語になるのかと、でもそのまとめ方がさすが辻村深月さんだなと思った。どんな最後になるのかすごく期待したので、幸せすぎる終わり方にちょっと拍子抜けした感はあったかな。
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『中2病』…と言ってしまえば簡単すぎてしまう。学校という狭い世界の中でのことをうんざりしつつも通過しなければならない気の毒な時期。そんな世界がよくわかるお話し。いや、これだけでわかったつもりになるなよ、おばさん!と、言われてしまいそうだけどね。
でも、読後は『青春だなぁ』『純粋だなぁ』という感想が湧き上がってきた。不思議な読後感です。
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14歳が生きる世界が瑞々しく描かれている。
自分が世界の中心にいるのに、世界を動かせないあの感覚。
中二病がリアルで、卑下された描写もなく、14歳と同じ目線で中二病を客観視できる
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スクールカースト上位の運動部に所属する小林アンと、文化部陰キャの冴えない徳川の殺人計画。
この2人が中二で、いわゆる中二病なのだけれど、胸中の描写がすごい。見ててドキドキして恥ずかしいしやめてくれ〜!となります。
結局、事件の実行もされずに「良い感じなの?どーなの?という2人の恋愛(未満)関係」のお話と言ってしまうこともできますが、、それだけでは括りきる事のできない中学生のあれこれが詰まっています。
この本に救われる若い子も多いのではないか、自分も中学生のとき出会ってたらアンと徳川により共感したと思います。
大槻ケンヂの解説もオーケンが炸裂してて楽しかった。
Posted by ブクログ
ページをめくる手が止まらず、夜から朝まで一気読みしてしまいました。
スクールカーストが高くても低くても、人それぞれの悩みは重みは違えどあるんだと再認識しました。
「私を殺してほしいの」
そんな事、本にして大丈夫なのか?? と思いながら手に取った1冊でしたが、色んな人に読んで欲しくなった1冊でした。
とても楽しく読むことが出来ました。
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とにかく厨二病なお話。小学生よりもいろんなことが見えたり感じられたり敏感になっているけれど、生きている世界は狭く、それが世界の全てのように感じてしまう中学生という難しい年頃。
大人と子どもの中間故の息苦しさ。
そこから殺して欲しい、まで行き着いてしまうとは人間の考えを侮れない。
最初のネズミの死体の描写がグロテスクで、こんな話がずっと続くのか…最後まで読めるかな…と不安になったけれど最後の伏線回収は徳川とアンのこれからの人生を応援したくなりました。
一方で、教育の大事さを考えた。徳川が思いとどまらなければ決行されていたかもしれない事件。知能が発達しているけれど経験値が圧倒的に少ないが故にまだまだ判断力の乏しい少年少女に、倫理観ある行動を学ばせることの重要さが説かれていたようにも思えます。
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GWで少し時間ができたので本を読もうと本棚から手に取った辻村深月さん。
この私が分厚い小説を1日で読めてしまったことに驚き。
最近は原田マハさんを読んだり、仕事柄教育書を読んだりすることが多く、辻村深月さんのゾッとするミステリアスな表現に懐かしさと心臓をギュッと掴まれる怖さを思い出す。しかし、その表現で掴まれた心臓は「心を掴まれる」にも相当するのだろうと思う。それくらい、一気に読んでしまった。
これは、誰でも思ったことがあるのではないかという「死ね」と「殺したい」をとても軽く、そしてどこまでも重く、捉えた中学生の話。
共感する気持ちも多かったが、引く気持ちも多かった。気持ち悪いと思えた私は、この2つのキーワードを軽く見ていたんだと思う。だからこそ、簡単に口にしてはいけないと思う。
Posted by ブクログ
中2って難しいお年頃、って一言で言うのは簡単だけれど、実際は様々な要因が絡みあっていて、当事者も心のコントロールが出来ないのだろう。主人公の心も複雑で、なんとも私には理解できない部分が多かった。明後日、中学の入学式を迎える娘が、中2になった時、こんな感じだったらどうしよう、って怯えながら読み進めた。終盤はハラハラしながらも最後はホッとした。全体を通して、読んでいて寿命が縮みそうだった。
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中盤まで主人公や周りの人間に共感できなかった。周りの目や学校内でのヒエラルキーを気にするところ、自分と異なる感性をセンスが無いと言いこき下ろすところなど、典型的な中二病だと思ってしまった。
しかし、終盤は主人公が過去を振り返ってちゃんと成長しており、安心しました。
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わたしの好きなタイプの作品だったが、あまりにも結末が綺麗で拍子抜けした。現実はこんなに綺麗にまとまらない、小説だからこそこんな風に綺麗に描けるだけ。
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自殺願望のある中学生とそれに加担しようとする同級生。自殺したいほどのエピソードを挿入する必要があることから自ずと重たい内容となるのは仕方ないとして重たい部分が長過ぎて読むのが辛かった。
詰まる所、読者の興味は自殺を決行するかしないかであって、途中飛ばして結末のみ見たくなる衝動を抑えつつ読んだ。深い思考を丁寧に描いており思い込みにハマっていく様は説得力がある。思慮の浅さ、客観的な思考にかけるところは中学だからとも言えるが、自殺未遂願望のある人は総じて私立が浅くなるものかもしれない。
自殺決行日の翌日以降についてもう少し読みたかった。自殺幇助の徳川の塩対応ぶりとそれでも頼っていく主人公に若干理解が追いつかない。
そもそも読み手は主人公に自殺を留まってほしいと思う人が大半だと思うので共感しにくいのではとも思う。
Posted by ブクログ
題名が物々しいし、読んでても、いわゆる危険思想、というか、中二病の域を出るか出ないかの微妙なラインの思想を持った二人の殺人計画だから、最初はこわいとか、くだらないとか客観的に読んでいた。ある意味、結末が全く読めなかったし、ハッピーエンドのビジョンはあまり見えなかった。
でも、最後、なるほどそう来たか、と感じた。二人の危うい関係に変わりはないんだけど、お互いをお互いに支え合っているという自覚を持つことで救われるというのは、現実的で、救いのある結末だったと思う。
Posted by ブクログ
厨二病を扱った青春小説。とにかく主人公の女の子が「アイタタタ…」ってくらい痛い。特別に憧れて、特別になろうとする女の子は、大人になって読むと痛さがとても刺さる。読む年代によっては、共感できてしまうんだろう。思春期真っ只中の主人公たちの決してカラフルではない1年間のお話。辻村さんの描く女の子同士のやり取りの描写が、少し読むのを躊躇うくらいにはリアル。
Posted by ブクログ
話自体は嫌いな部類です!
主人公はイタすぎる厨二病ビンビンで、しかめ面になりながら読んでました 笑
しかし辻村さんが描く人物描写と言いますか、なんともリアルで…あの女子の関係性とか…うわぁと…引いちゃうくらいリアルでした。
Posted by ブクログ
中学2年生の私、小林アン
猟奇的なものや人形の美しい死が好きで自分もそうなりたいと思っている。
赤毛のアンに憧れつけられた名前。かわいいのに世間知らずなママ、よくわかんないことで無視したりいつも通りになったりするグループの芹香とそこにくっついてる倖、芹香の彼氏の津島、元カレの河瀬、そして隣の席の昆虫(主人公グループがヒエラルキー上位だとした時の隠キャキモグループ)系であり学校の先生の息子である徳川(ショーグンJr.)
ある日徳川がネズミ?を袋に入れ蹴り飛ばしているのを目撃。袋からは血が出ていた。それに惹かれ私も殺してほしいと頼むアン。
これは悲劇の物語である、から始まる徳川とのオーダーメイドの殺人が始まる。
後ほど追記、一旦スタート
Posted by ブクログ
◾️record memo
生きてるうちに身体の一部を失うのは、きっととてつもなく痛く、狂おしいほど残酷だ。
目の前の体育館の光景が、映画でも観ているように感じられた。人のストーリーに紛れこんでいる私は、ここに居場所がない。
いい子すぎるところが玉にキズ、と二年では嫌っている子も多いけど、私は素直にかわいいと思っていた。
三人組の女子のうち、誰か一人が席を外したら、途端にこうなってしまう。
外されたときの教室や部活でも一人の気まずさを知っているから、きっとそうせざるを得なかった。だけど今は、たった数ヵ月のそんな気持ちが嘘のようだった。来年の今頃、私は多分、ここにいない。みんなが流されるコースから、降りる。
チャイムが鳴り、息がつまるような時間から解放される。
芹香は強く、何ごとに対しても躊躇いがない。恋愛も部活も、友達関係も、芸能人に騒ぐときも、どれだって全力投球だけど、一つ一つがイベントに過ぎず、結局いろいろ持ってる分、どれもそんなに大事じゃない。
だけど、私は早川さんのことなんて全然知らないにもかかわらず、あの眼帯の下に、普段通りの健康な目がきょとんと見開かれていたところで、許してあげようよって思った。芹香はできるから、きっとわからない。
一人の女の子から最大の武器になりうるものを奪い、へし折る。芹香はそういう、女の子だった。
世の中には、まだまだ知らないことがたくさんある。しかし、本の中に引用された私好みの本の題名や作家名を見て思うのは、自分は一生かかっても、こういうものを全部読み切ることができないんだろうっていう絶望の方だ。
確認する途中で思いきって「全消去」を選択すると、大きくて旧式なこんなデジカメでも生まれ変われるんだって思って、急に愛しくなった。
倖たちが観に行くという映画のタイトルは、私や徳川みたいな人間だったら絶対行かないなって思う邦画だった。
彼女をこうまで変えてしまう男の力って、何なのだろう。津島を手に入れて怖いものなしになった倖は、彼と別れてしまったらどうするつもりなんだろう。倖と津島に、すぐに別れて欲しくなる。
私に手を振り返してくれた河瀬の気持ちまで踏みにじられた気がして、自分の中の発言検閲システムがショート寸前だった。
私、この教室で空気女子になりたい。徳川にも芹香にも倖にもママにも、今の姿を、誰にも見られたくなかった。
私が思う、本の中の清潔な世界はどこにも存在しない。
もう、芹香たちの目なんて気にしなくてもいい。感性や感覚を変だって言われるのも、今だったら怖くない。
やり損ねた「悲劇の記憶」を、私たちはずっと抱えながら、これから先、その余生を死ぬまで生きるのだ。認めて、腹をくくって、諦めて。なるべく楽しく、精々、生きるのだ。