【感想・ネタバレ】沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史 上のレビュー

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Posted by ブクログ

著名なジャーナリストである佐野眞一が沖縄を余すことなく取材した結果をまとめた本。

 上巻では、①(昭和)天皇や米軍を巡る沖縄県警の動向、②沖縄ヤクザや密貿易といった沖縄におけるアングラ勢力の動向、そして③國場組といった沖縄経済四天王や米国留学組、などをまとめている。
 文献的な調査もさることながら、キーパーソンに対する詳細な取材が裏付けるリアルな沖縄が垣間見えてくる。
 沖縄に関わる場合、必読書。文句なしに5つ星。

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2018年09月13日

Posted by ブクログ

沖縄の近代史を豊富なインタビューで構成した力作。警察、暴力団関係者、空手家、右翼、政治家、右翼、ソープランド経営者、実業家、ジャーナリストなど、戦後の沖縄の姿を作っていった人々から聞きだすエピソードは、それぞれが濃い。沖縄ヤクザの複数回にわたる抗争の歴史の話、与那国が米軍占領時代の一時期に密貿易の拠点となった話、奄美大島が沖縄本島に先立って日本復帰したのちに奄美出身者が沖縄で受けた差別の話、ジョン・カビラの曾爺さんが琉球王朝の日本語通訳だった話、ブセナテラスのデベロッパーでもある大手ゼネコン國場組の隆盛と衰退の話、などなど。。。

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2011年09月03日

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2011/8/12
感想は下巻を読んでからにしますが、書名の『誰にも書かれたくなかった』の主語は“沖縄”か“佐野さん”なのかどっち?

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2011年08月12日

Posted by ブクログ

上下で購入しました。いつ文庫になるのかな?と思っていましたが。単行本プラスアルファで書かれています。佐野眞一さんは好きな作家の一人なのです。ノンフィクション大賞設立のときにも、聴きにいったなあ~というくらい。改めてゆっくり読みます。

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2011年07月22日

Posted by ブクログ

「テンペスト」購入に合わせて、というか並行して読んだらどうなんだろうなと思いました。
上巻も少しで終ります。
テンペストと並行して読もうと思ったけど、ついこちらのページをくる方が早くなる。思わず眉に唾したくなる程、凄いエピソードが続く。

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2011年07月28日

Posted by ブクログ

沖縄だれにも書かれたくなかった戦後史
佐野眞一 集英社

分厚くて重たい本
表紙の写真が印象深い

グローバリストによる傀儡政治が
最も深く根差し長く続いているのが
ニホンの本土であり
更にこのニホン本土が虐げてきたのが
沖縄であり
沖縄が差別搾取してるのが
奄美大島であるという
第二次世界大戦では
天皇の盾とされ尻尾とされてきたのが
沖縄なのである
読み込むほどに重たくなる内容に
あっとうさr

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

ノンフィクション作家による、月間プレイボーイに連載されていたコラムに一部追加して文庫版化されたもの。取材を基に書かれているため、内容が細切れになっているが、それぞれのテーマについてよく調べられていると思う。沖縄の裏の部分の一端を理解することができる。
著者に政治的な意図はないにしろ、やや狭史眼的な記述があり違和感を感じる点があった。

沖縄経済を裏で支配しているのは軍用地主。p385
過剰なまでの保護政策によって、沖縄が公共投資依存体質になってしまったことも、また厳然たる事実である。p403
東シナ海のノド元に突き刺さった沖縄は、日本にとって依然、絶対に欠かせない軍事防衛上の要衝である反面、金ばかり食う厄介な南の楽園となっている。p403
ライカムとは、在沖米軍を統括する琉球米軍司令部(Ryukyu Command=RYCOM)の略称。p467
平和=共産党=悪魔という時代、平和と言っただけで、すぐに共産党だとやられる。p471

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2018年10月30日

Posted by ブクログ

 戦中戦後に国全体で負わなければいけなかった負担を、沖縄に押し付けてしまった。だから本土の人間として沖縄に謝りに行く、という姿勢で進歩的文化人などによって語られてきた沖縄。本土=加害者、沖縄=被害者。多くの日本人も、この認識をもとに沖縄を捉えてきた。でもすでに戦後70年。戦後沖縄がたどってきた長い歩みを、いまでもこの凝り固まった歴史認識をもとに見ても、本当の沖縄は見えてこないのではないか。

 といった問題提起から書かれた本。


 悪漢小説のように悪い奴、図太い奴がたくさんでてきる。法になんて従ってられない。生きるか死ぬか、体を張って生きている。被害者というイメージだと弱弱しい、枯れた花みたいで、ここに登場する沖縄人のイメージと合わない。向日葵かな? 違うな。皇帝ダリアかな。他を押し退けて、俺が!、俺が!とグングンくる感じ。


 戦後の密貿易での繁栄。富を蓄え頭角を表す財界人。ヤクザの抗争。革新勢力の拡大。警察の汚職。などなど。
 法に縛られず、生き方は自分で見つけ出す、という強い意志を感じる。


 沖縄本島と奄美の間に「離島差別」というものがあったことは初耳だった。本土から差別されてきた沖縄。差別される辛さを知っているから差別しないというのは、どうやら幻想のようで、蔑まされたら、その憤りを他に向ける。それが奄美などの離島だった。人間の悲しい性とでもいおうか。


 本のタイトルの「だれにも書かれたくなかった」という意味がよくわからない。猥雑でパワフルな沖縄戦後史だから? 
 
 沖縄をひとくくりにする現知事の発言のおかげで、県民性に興味をもって読み始めたのだが、けっしてひとくくりにできるような県民性じゃないことがわかっただけでも読んでよかった。

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

興味をそそられるタイトルに表紙の写真。しかも佐野眞一著となれば読まないわけにはいかないでしょう。

しかし、読み始めはちときつかった。
だって沖縄ヤクザの抗争なんてまったく興味がわかないんだもの。しかも読み始めたのはハワイの空の下。リゾートしながら読む題材ではないわね。能天気な観光客の知らない裏社会にはドロドロの世界もあるんだということはわかったけど。

ただヤクザもんの中で「海燕ジョーの奇跡」のモデルとなった日島稔の話はおもしろかった。組の汚名をはらすため、相手のかしらの首をとった日島は15年の刑期を終えてカタギの仕事についている。おとうさんが行方知れずのフィリピン人という出自や、成績は抜群にいいのに進学できず、ヤクザの道に入ってしまったという生い立ち、そして最期は仕事中の海難事故と数奇な運命をたどっている。時任三郎主演で映画化もされたらしい。見なくっちゃ。

話がヤクザから離れると俄然現実味を帯びて興味深くなってきた。奄美大島出身の人は沖縄でひどい差別を受けていたというのも驚きだったけど、それが1953年奄美群島本土返還という米軍からのビッグプレゼントを境に、非琉球人となった在沖奄美人は更なる差別を受けたという。本土から差別を受けた沖縄が、弱い立場の奄美を差別する。今はもうそんなことはないと思いますが、ひどい時代でした。
その他、鳩山民主党による飛行場移設問題による裏切りや、首里城の王朝尚家の寂しい最後、尖閣諸島の所有者の話、安室奈美恵は輩出したけれど、その後続かない沖縄芸能等々話題は盛りだくさん。
せっかく育てたタレントを本土のプロダクションがスカウトに来てさらっていってしまうという悲劇に象徴されるように、沖縄人は人がいいのかバカなのか(ごめんなさい)…。地場産業にしても重きを置くところを間違っていて(サトウキビばかり保護するあまりせっかくの畜産業が発展していかない。)観光客に出している食材のほとんどが本土産らしい。特産物のはずのゴーヤにしても、本土へ出荷できるように18年がかりで害虫を壊滅させ、いざ出荷できるようになると、本土の家庭でも簡単に栽培できるような食材になり、もはや沖縄特産とは呼べなくなってしまった。
基地返還問題も、初めて知ったのが返還先が国や県ではなく個人だということだ。現在その借地料で生活している人も多く(沖縄最大の軍用地主は竹野一郎で、年間借地料は200億円といわれている。)、いきなり返されてもその土地を有効利用するためには農業開発事業などが必要となり、少なくとも20年はかかると思われる。
いちがいに米軍に出て行ってもらいたい人たちばかりではないんだと驚いた。

戦争や米軍占拠ばかりではない沖縄のかかえる悲劇に目が離せなくなり、ハワイ旅行の途中で一度は放り出そうかと思った本をしっかりとにぎりしめて、ハワイ島からオアフ島へ移り、それでも読み切れなくて日本に戻ってから京都まで連れて行って、やっと読破しました。

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2014年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単行本で読んでるので、ちゃんとしたレビューは全部読み終わった後に。
でも、上巻だけでも、報道だけでは絶対にわからない沖縄の黒い部分がよくわかる。
沖縄は単なる犠牲者じゃない、
犠牲者という枠組みの中に本土がはめ込んでいると教えてくれる一冊。

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2012年12月28日

Posted by ブクログ

沖縄の暴力団の歴史、奄美に対する差別、沖縄四天王といった財閥の成り立ち。沖縄のための各種特措。沖縄の戦後サイドストーリーのルポルタージュ。

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2013年05月15日

Posted by ブクログ

沖縄の戦後史について知らなかったことがこんなにあるんだなと思った。しかし、どこまでが真実?なのか疑問符がつくところも多いが読み物としてはおもしろい。

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2011年09月28日

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