【感想・ネタバレ】北斗 ある殺人者の回心のレビュー

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Posted by ブクログ

本の厚さが嘘のようにすらすらと2回読みました。
感情移入が激しく、泣きじゃくりながら読みました。
読んでいるときは本当に辛いですが、なぜかもう一度読み、北斗くんに寄り添いたくなります。

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2021年01月14日

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ネタバレ

色んな思いが交差し言葉でどう表現すればいいか不明。
罪のない人を殺したのは本当に間違いで、綾子が復讐を求めるなんて、どう考えてもおかしい。北斗の幸せを一番に願ってるにきまってる!と思うのが自分が普通に育ってきたからだろうか?!

幼少期から裁判の判決までとても丁寧に描かれていた。
そして、ページの量!読み応えあった。

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2020年08月13日

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人の心が激しく揺れ動く様子をここまで細かに表現できるものなのか、と感嘆した。
虐待や病魔、詐欺などの暗い出来事の間に、人の温かさを感じる瞬間があった。特にラストで北斗の心の声が出た場面で泣いた。

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2020年07月16日

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ネタバレ

重い。

こんなにも衝撃的な内容とは思ってもいなかった。

両親から虐待を受け育った北斗の視点で描かれた作品は幼少期からの虐待をリアルに描き、その中で自分の生存本能と親子関係の中で生きるために重ねた重い鎧。

そんな鎧を着た北斗に人としての温もりと、家族としての温もりを与え、短くも北斗が人として過ごす時間と場所を与えてくれた里親である綾子。

ようやく1人の人間として生きる機会を与えられた北斗の幸せは綾子の死と、気がつけば綾子の為に関わってしまった医療詐欺によって再び奈落の底へと突き落とされる。

負の連鎖によって引き起こされてしまった殺人(理由がどうであれ、人を殺める事を肯定してはいけない)と、殺人犯となった北斗に寄り添う綾子の元で里子として育った血縁関係のない姉の明日実、国選弁護人の高井。

物語の後半は自ら初めて己の心に向き合い、鎧を脱ぐ北斗の心情と裁判という緊迫感を加害者の視点で見事に描ききられていた。

そこには単なる殺人事件ではなく、殺人を犯した加害者のみならず、徹底的に北斗の心の中をリアルに感じることが出来た。

リアルに伝わったが故に衝撃も大きく、非常に重たい一冊でした。

ここまで心の中を描ききる事が出来る著者の作品は今後も読み進めていこうと思う。

説明
内容紹介
両親から壮絶な虐待を受けて育った少年、北斗。初めて出会った信頼できる大人を喪ったとき、彼の暴走が始まる……。孤独の果てに殺人を犯した若者の心に切り込む、衝撃の長編小説。(解説/黒川祥子)
内容(「BOOK」データベースより)
両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。第8回中央公論文芸賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石田/衣良
1960年東京都生まれ。97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞を、06年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞を、13年『北斗―ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2020年04月15日

Posted by ブクログ

すごい。さすが石田衣良さん。
今まで出会ったどんな本よりも濃い。
生きる意味 死ぬ意味 生かされる意味
リアルな殺しの瞬間と
リアルな主人公の気持ちの動きと
全ての情景から世界の素晴らしさが感じられる。
話が進むごとに鳥肌が立つ。
誰の立場に立ち、その時何を思うべきか
考えさせられる。

北斗と一緒になって涙を我慢したけれど
裁判最終日、泣いてしまった。

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2020年04月03日

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あまり明るい話ではありませんでしたが、主人公の育った環境や背景、それ故の思い、考え、行動が文章から痛い程に伝わってきて、最後は本書を読みながら涙してしまいました。

結構長編で、終始深く重い話が続く作品ではありましたが、読んで良かったと本当に思います。

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2018年12月09日

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WOWOWドラマきちんと見ておけばよかった。裁判のシーンはすごい名シーンだろうなぁ。

北斗くんの物の考え方、捉え方、たまに屈折してるところはあるけど、しっかりしている。もっと良い出会いがあればこんなことにはならなかったのに、、、
わたしが救ってあげたいとも思えるくらい人間味がある魅力ある人です。そんな人物像を描ける石田衣良さまさすがっす!

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2017年09月13日

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ネタバレ

虐待描写が生々しく長く続き、途中まではまるで呪いの様だった。主人公の北斗の両親の思考と行動が恐ろしすぎて読むのをやめたくなるほど。

でも、そのしつこい描写が後半の魂の劇といわれる法廷劇で効果的になっている。
ある事件の被告人となった彼の人生、そして彼自身が法廷で丸裸にされていくのだが被害者と被害者遺族の心境を鑑みても、彼が披虐待児として生きてきた事を強く痛感させられ彼の人生に寄り添ってしまう。

裁判が進んでいき様々な人間が北斗を語る。
その中で遺族の息子の乱暴と思われる北斗への言葉に胸を打たれる。その息子は、母親を殺した憎むべき相手だというのに対等の人間として北斗に言葉を放つ。橋爪北斗さん、と彼は確かに言った。
北斗は対等な人間として見られた機会が少ない。だから北斗は彼の事を永遠に忘れないだろう。
立場が違えば友人になっていたかもしれない、という一文に切なさがこみ上げた。

又、虐待をし、又させた北斗の実の母親の登場場面も衝撃的だ。更に衝撃なのはその証言内容。
愛とは何なのかを考えさせられた。また、どんなに歪でも愛は愛だという愛の難しさを感じた。

そんな裁判で気づく。人を救うのは法律ではない。法律を作った未完成な人間が必死にその法律を使っているにすぎないことを。
法律上で親子と認められようがそのままにしてはいけない親子がいるように。

北斗は様々な証言者の言葉を聴き、仕事の立場以上に自分を思ってくれる弁護士や裁判官に出会う。それが自己肯定感のない彼の心を揺さぶっていく。そして同じ披虐待児童で同じ里親の子供であった女性の存在と、彼女の「生きて」の三文字が裁判の最後まで彼を支えることに。

独房で1年間、北斗は時に寝ずに自身の心と対話をする。裁判も終わりに近づき死にたくないと恐怖にかられた彼に全力でほっとした。

彼は今まで殺されかけ生き伸びてきたにすぎない。本当の意味では、一度たりとも生きていないのだ。今まで披虐待児童であったがゆえ心を殺してきた彼から出た些細な欲望を叶えてやりたくなった。
生をと…。独房の外で鳴く鳥の名前を調べるといった、平穏な時間をと…。

判決の主文の文字を見た時、声を押し殺して泣いてしまった。真夜中でなければ声をあげていただろう。そして、改めてこの裁判の弁護士と裁判官が彼らで良かったと天に祈るような思いにかられた。神様はいるのかもしれないと思わされた。

そこまで北斗を見守る気持ちになれたのは、作者の主人公の心理描写が巧いからに他ならない。
特に証言台での生きた言葉、北斗が初めて見せる本音には魂が揺さぶられる。
遺族への誠実な自省の言葉に回心とはこの事か…と唸らされた。  

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2017年04月12日

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凄惨な児童虐待を受けて育ち、里親に出会えて初めて人として、普通という幸福を感じられた北斗が、がんになった里親の為、医療詐欺にあい復讐の鬼となり転落し、裁判を受ける中で回心していく話。 虐待の事実、被虐待児の心情、裁判、どれも内容が充実し、引き込まれて心が動き、沢山泣きました。これだけ余すとこなく充実感を味わえるのは小説だからこそだと思いました。心に残る1冊です。

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2017年04月05日

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ノンフィクション書くような人じゃないけど、これは本気でノンフィクション化と思うほど。凄くリアル。
作者、石田衣良らしい要素も沢山ありました。たとえば裁判の広さの表現、裁判官の発言のたとえ、などなど。
この本を通して、やはり虐待というところが焦点でしょうか。虐待が与える影響は本当に残虐極まりないなと。

感情を殺さないと生きていけない。
それはある意味私と同じなのかなと。
別に私は虐待とかそういうの何も無いんだけど、看護学生なので、勉強の山だらけ。感情にいちいち振り回されてたら何も手がつけられないことが大にあるんです。だから感情殺して、気にしないふりして平然と生きているんです。なんか、ちょっと共感しました。

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2016年12月15日

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この本は、主人公「北斗」の生い立ち部分、殺人に至る過程、スリリングな裁判劇と、サブタイトルにある「回心」が見事に書かれています。
主人公の北斗は、幼少期に両親から虐待を受けながら育ち、人の愛情を知らない少年に成長します。そんな中で児童相談所から里親を紹介され、一緒に暮らすようになり、ひと時の幸せを手に入れます。
しかし、北斗を引き取ってくれた里親は末期癌とわかり、北斗は知らず知らず医療詐欺にお金を使ってしまいます。
ついに里親は死亡したところで、北斗は自身を殺人者へと駆り立てていきます。しかし不運なことに、医療詐欺の首謀者を直接殺害することができず、無抵抗な人を2人も殺しています。
北斗は、警察に捕まり、取り調べを受け、独居房での生活を強いられ、裁判を迎えます。
裁判はとてもリアルに書かれており、裁判官、検察、弁護人の激しいやり取りも読みごたえのある作品です。

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2016年07月07日

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ネタバレ

主人公北斗の幼少の頃の虐待の描写に心折れそうになったが、久しぶりに一気読みした本。壮絶な児童虐待を受けて育った青年北斗が生まれて初めて信頼することが出来た里親の癌による死と、癌患者やその家族を騙す癌を完治させるという触れ込みの波洞水の詐欺にあったことで、不幸な殺人を犯す。その裁判と北斗の心情が描かれる。幼い頃からずっと本心を人前で表すことが出来ずに育った北斗の最後の意見陳述で見せた素顔に私の涙腺は崩壊した。そしてその判決に読者である私はホッとしたが、もしも自分が被害者の家族であったとしたら、その量刑に納得出来る自信はない。

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2016年06月22日

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タイトル通りの物語。
物心つく頃から両親から虐待を受けていた主人公は、父親の死をきっかけに里親に引き取られ、初めて愛情と人間の温かさを知る。しかしそんな幸せは長く続かず、彼は極刑もありうる殺人を犯す。
彼の苦しい心情が赤裸々に描写され、読み進めるのがこんなに辛い作品に初めて出会った。
ここまで結末に感動した本は久々だった。

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2016年03月07日

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虐待、DVの描写がとてもリアル。
主人公の心理描写もリアルで、
被虐待児の研究をよくしている印象。

主人公か殺人を犯した直後までは、
被虐待児について知りたい人には、
一つの教材となりえる。

後半は、司法についてよく知ることができる。

小説ではあるが、
勉強的な要素も含んでおり、
魅力的な作品であるといえる。

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2022年01月13日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていて、やっと読めた本。
分厚く濃厚な内容、そしてひたすら重い。
果てしなく重い。

家は安らげる場所ではなく、愛を与えられず、抱き締めてもらう事もなく、父からも母からも激しい虐待を受け続けた彼の壮絶な人生は、目を背けたくなり、胸を締めつけられる。
でも、知らないでいる事が一番罪だとも思った。
知らないといけない、知ろうとしなければならないと思った。
人の不幸を目の当たりにして自分を振り返り、なんて幸福なのかとおこがましく思う自分が恥ずかしい。

無条件に受け入れ認めてもらえる事が、誰かに愛された記憶が、その後の人生をいかに豊かにするのか。
不幸の連鎖が取り返しのつかない所までいってしまわない内に、たったひとつの安全基地を見つけられますように。

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2021年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

題名で買ったけど、分厚い本だけど読み入った。
虐待されて、愛を知らず、自分の存在価値も分からずに生きてた北斗が、里親に出会って変わってくれて心が救われた。
そして犯行後の裁判でも、もう死刑でいいと生きる希望を失ってたのに、最後死刑を免れたときに涙を流してくれていて、安心してしまった。
きっといつかしあわせになれる

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

虐待の描写が辛すぎて、凹んだ。
何故ここまで父親は忌み嫌うんだ?
何度もページを閉じて、ため息つきながら読み進めた。
自動販売機に人肌を求める、山道で置き去り、炊きたてのご飯をこっそりすくってマヨネーズ、涙腺崩壊した。

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2019年11月27日

Posted by ブクログ

読み応えのあるものだった。ボリュームも内容も。一つ一つ丁寧に書かれ、一つ一つしっかり伝わってくる。自分一人で考えた場合の思い。自分以外の人の意見を聞くことでそれが少しずつ変わってくる、心の動き。一人で考え行動するのではなく、もっと早くからできていればなと思った。

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2019年06月23日

Posted by ブクログ

これは悲しい・・・。
人が激しい虐待にさらされた果てには何が待っているのか。
親はなぜ我が子にこんな仕打ちができるのか。
人はどこまで人を許せるのか。
今、大人に突きつけられている厳しい問いがこの一冊にある。

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2019年02月10日

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ネタバレ

主人公の幼少時からの虐待のくだりから里親との生活まで生々しく丹念に描かれるやがて殺人、殺人後の裁判のくだりも半分ほどあるので、サスペンスというよりはドキュメンタリーのように感じられた。

1点作者の癖というか同じ描写をしている箇所があり、妙に心に残った↓
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【生田友親の描写】
『~最も印象的なのは、外見ではなく穏やかな話し方だった。(中略)それは揉め事が起きた小学校のクラスを平静にさばく副校長のような態度だった。』

【平岡裁判長の描写】
『白髪の平岡裁判長は、地方の小学校の副校長のようだった。穏やかで野心はなく、その地位のまま静かに引退していく。』
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おそらく白髪で物腰軟らかな人物の印象が『副校長』なんだろうけど、生田は親の仇で平岡は裁判長なんで人物的には正反対なんですよ!

たぶん『大型犬のような穏やかさ』みたいな描写だとふーんで済んだ話ですが、副校長がいる学校に通ったことがないため「え?副校長?」と引っかかった。副校長はメジャーでないと思うんだけど。

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2018年01月08日

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ネタバレ

序盤、あまりにも残酷で目を背けたくなるような虐待描写に、読んではいけない本を手に取ってしまった、と思った。読むのを止めようかとも思った。初の石田衣良だったにも関わらず。
里親との出会い、死、詐欺、そして殺人。後半はほぼ裁判。裁判シーンの描写の細かさは見事。裁判官、裁判員、弁護士、検察官、被疑者の心情が上手い。映像を見てるかのよう。孤独だった北斗が犯した罪を裁くのは、やっぱり人なのかな。この判決によって、北斗は報われたのかな。

これをドラマ化したのかあ。見たい反面、ちょっと怖いな。

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2017年05月16日

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ある青年の虐待の物語。
この世に生まれ落ち、幼稚園に上がる前から、虐待を受ける。平手ではなく拳で。
愛を知らず、優しさを知らず、恐怖と暴力の中でのみ育ちゆく。
父親からの殴る、蹴るは当然で、また母親も子をかばえば自分が殴られる為に、父親以上に子を虐待する。固く捻られた針金のハンガーで執拗に叩き殴り、腫れ上がった傷口の間に更に叩き込む。ミミズ腫れに身体が変形してゆく。そこから冬の寒空に裸で外に出される。
そんな幼少期から、小中高生と事細かに、虐待の連鎖が描写されてゆく。
主人公が高校生になった時、父親が精神を患い入院、さらにそこから病死。
父の死により一時的に虐待の嵐が止むも、暴力に依存していた母親が、今度は虐待されていた子供に虐待していた夫の役を望むようになる。
このままでは、いつか母親を殺してしまうと児童福祉司に相談する。
結果、主人公は養護施設に預けられ、ある里親に出会う。当初は、大人を信頼できず、里親を試す行為に走るが、心通じ、愛や温もりを知る。
不幸は突如やってくる。穏やかな時間は続かない。そんな信頼できる初めての大人が悪性の癌を患う。懸命に介護をする最中、里親の友人が、縁戚の胃癌が治ったという胡散臭い水を持ってくる。
薬の投薬でもの食べれなくなり、口に出来るのは水だけになり、中でもこの水だけは美味しい気がすると里親は欲する。
一本数万円の水を。里親はその値段を知らず、主人公は里親が自らの大学資金や生活費に充てる為の資金を切り崩し、水を購入してゆく。金も底をつき始める。
ある時、その水が医療詐欺だと気付いてしまう。
不幸の連鎖はまだ続く...
と、ここまでが半分手前くらいなんだが、この後の堕ち方が壮絶。

一冊の半分後半は、裁判について。

一冊を通して虐待について、どう思うとかではなく、善と悪そのもの、法律、裁判制度、被害者、加害者、一体何が正解なのか、答えなんか無くて、人間社会が勝手に作り出した概念で、、、なんて、頭が混沌としてゆく。
あくまでもフィクションではあるが、限りなくノンフィクションに近い重厚な一冊でした。

長編だけども、久しぶりに読むのを途中で止められなかった。
我が子がいる人はどういう感想を持つのだろうか。

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2017年05月14日

Posted by ブクログ

両親から激しい虐待を受けて育った北斗の物語。前半のリアルな虐待描写から後半の緊迫した裁判シーンまで見事な展開で読み応えがあった。こんな社会サスペンスはもうWOWOWでしか映像化されないんだろうな。ドラマが楽しみ。

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2017年03月26日

Posted by ブクログ

幼い頃から実の両親に虐待され、やっと自分を大切にしてくれると思った里親は癌で病死。しかも里親は死の間際に癌に利くと言われて飲んでいた水が詐欺でしかも馬鹿高いものだったと知って安らかに死ねず。。

水については本人が利くと思って飲んでたんだから、死ぬ間際に知らせにきたお友だちは本当に余計なことしてくれたなあ、と私ならそっちを恨んでしまいそう。水を持ってきたのも同じ友人だし、本人に悪気がないだけにたちが悪い。

それにしても人に愛されたいと願う欲求がある人間って生き物は本当に厄介だなぁ、と思う。多分人間以外にはそういうのないよね。

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2016年04月01日

Posted by ブクログ

現実にこんなひどい話はないと信じたいほどの虐待を受けて育った子が、初めて愛を教えてくれた人のために殺人を決意したもの、結果的には本意を果たせぬままの無差別殺人犯になって、裁判で裁かれる話

人を殺すことはいかなる理由があってもとか、被害者の立場に立つと・・・とかあるけど、割り切れない。ページを捲るのが辛くなるほど重かった。


(2016/2/5)

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2016年02月24日

Posted by ブクログ

読んでいていろんな感情が湧いてぐじゃぐじゃしたけど、読んでよかったと思える最後だった。石田衣良の子供を描く本が好き。

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2016年02月18日

Posted by ブクログ

とにかく悲惨な不幸スパイラルで、主人公の救いのない人生が読んでいて辛すぎる。
後半の大部分を占める裁判シーンはさすがと思わせる描きっぷりですが、読書の主目的が気分転換である自分には不向きだったな。

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2017年01月23日

Posted by ブクログ

前半は順調に読み進んだけど 半ばくらいから なかなか進まなかった。やっと読み終えました。
里親のお母さんをなくしてからが、長くつらく何度も読むのを放棄しそうになりました。あまりに重くつらい物語。

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2017年06月10日

Posted by ブクログ

石田衣良さんの作品で今までにも重いテーマの作品はいくつもありましたが、これは本当に重いテーマです。作者の言葉の選びは重たいテーマでもやっぱりおしゃれです。全体的に少し冗長かなと思います。もう少しテンポよく展開したほうが、インパクトが残せたかなと思いました。

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2016年08月18日

Posted by ブクログ

【するりとぬるりと死は私を支配した】

北斗は死ぬつもりはなかったが、生きているのも嫌だった。

まだ、うまく言葉にできなくて、答えなんかなくて。北斗は私で、美砂子は私で明日実だった。悲しいとか嬉しいとか正しいとかじゃなくて、まだ20歳なんだという絶望に似た希望に魅せられた。変わるには十分すぎる時間と、戻るには途方もない時間。与えられた手足を失ってもまだ生に縛られている。諦めることはもしかしたら、何かを諦めないことよりも難しいのかもしれないってそう思った。

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2016年02月12日

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