【感想・ネタバレ】湿地のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原作は2000年、日本語版は2012年、そしてこの文庫が2015年。そこから約10年経って読んでいる。なんか勝手に歴史を感じる。

でもまあ、舞台が2001年のアイスランドなのはなにか理由があるのかと思ったら単に書かれた時期だったというのが分かったので、調べて良かった。

アイスランド文学を読んだのは初めてかもしれない。翻訳自体はアイスランド語 > スウェーデン語 > 日本語らしい。アイスランドとスウェーデンがどのくらい違うのか似てるのか知らないが、通貨であるクローネはアイスランドとスウェーデンどちらでも通用するので、英語とかよりはニュアンスがキープされやすいのかもしれない。
あとがきにもあったが、著者自身もスウェーデン語翻訳のクオリティは高いのでそこから翻訳されるのは良いことだと喜んだらしい。

ミステリー小説ではあるが、大どんでん返しとかあっと驚く展開とか、刑事と犯罪者のライバルとかそういうのが出てくるわけではなく、中年のタバコを吸いまくる刑事が、同僚に皮肉や文句を言われ、麻薬中毒の娘と喧嘩をしながら淡々と着実に調査をしていき、しっかりと結果をあげていくという作品。
この著者の作品は安心して読めそうだな。

というわけで本編ネタバレ感想。

アイスランドが舞台なので、登場人物の名前がかっこいい。シグルデュル、エーレンデュル、エリンボルク…
ただ、地名も名前と似たような響きに聞こえて、地名なのか名前なのかいまいちわからないときが多い。

死体のそばに置かれていたメモに書いてあった3つの単語、という、作品の根幹を為す重要キーワードに思えたが、最後が「あいつ」というだけで他がわからない。なぜ隠す?単語自体がネタバレになってしまうとかかな?
それとも自分の読み方が単に斜め読みすぎて読み飛ばしたのか?と何度か最初あたりを読み直したが、やっぱりなくて、真ん中あたりでようやく出てきた。「おれはあいつ」。3つじゃねーじゃねーか!まあ、そこは翻訳なのでしゃーない。
というか、確かにこの単語は色々と彷彿させてしまう。

犯罪者が山ほど出てくるが、保険金詐欺と殺人に関与して刑期4年とか、なんか短い気がする。他の犯罪者もなんか処罰が軽いし、女性被害が泣き寝入りというのが多い模様。これが00年代のアイスランドだったということか?そしてあとがきにもある通り、女性への暴行描写がやたらと詳しい。いや、やり方とかではなく、心理的に。でもこれは著者があえてやっていることらしい。こういうやり方をすること絵、問題定義も含んでいると。女性たちが救われるわけではないが、主人公はとにかく大事に丁寧に対応していて、逆にクソ男どもにはそれなりの対応をしてくれるので読んでて安心する。

ちょうど半分くらいでタイトルの「湿地」が出てきた。が、最後まで読んで思い返すと、あんまり事件には関係なかったのではという感じ。でも、この事件自体がなんか湿度高めというかじゅくじゅくしているニオイがするので、良いタイトルなのかもしれない。

合間合間で主人公とその娘さんの、全く穏やかではない日常が挟まれるので、この娘さんも実は事件に関与があるのか…?と途中までは思っていたが、単に主人公についての深堀りをさせるためだけの存在なんだろうなというのが途中でわかった。でも麻薬中毒で、悪い奴らと付き合いがあり、借金もしているこの娘さん、なぜか憎めない…
そして主人公自体もタバコ吸いまくりでずっと真顔なイメージがあり、部下が言う通り確かに事件と全然関係なさそうな調査ばかりさせてる感じはしたけど、どの調査も外れがなく、着実に真実に突き進んでいるため、少なくとも読者側としては信頼度がバンバン上がっていく。ただ、もうちょっと部下に説明はした方がいいんじゃないかな… 市民にはだいぶ優しいけど、部下との会話では突然話を終わらせてどっか行ったり、上から命令を押し付けたりしがち。危うい。
まあ、そんなのが吹き飛ぶくらいの悪徳警察官も出てくるから気にならんけど。

事件自体は最初の方の流れでは想像できなかった、遺伝子欠陥の話で、最後で一気に回収される。すんなり理解できて読書体験的には気持ちいいが、真相はとても切ない。小さい子が病気で亡くなるのはきついよー。

主人公と娘さんの関係性は良くなったっぽいが、続編でまた悪化してたりしそうだな。

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2024年05月19日

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ネタバレ

ネットで見かけて。

北欧ミステリーの現在、らしい。
アイスランドは寒いのに火山の島だということぐらいしか知らない。
アイスランドのミステリーを読んだこともない。
典型的なアイスランドの殺人、と言われても何のことやら。
それなのに、なぜか懐かしさを感じるのはなぜだろう。

北欧ミステリーに分類されるがゆえだろうか。
ドラッグの蔓延、若者の失業、伝統的な家族の消失が、
他の北欧の国々と共通しているからだろうか。
それは日本の行く末でもあるのだろうか。

湿地の半地下室で老人が殺された。
2時間ドラマをほうふつとさせる重いガラスの灰皿で。
汚くて無意味で証拠を消すこともない、
不器用な典型的なアイスランドの殺人らしい。

死体に置かれたメッセージには三つの単語、
「おれ は あいつ」。
最初、それが書かれていなくて読み飛ばしてしまったかとあわてた。

殺された男は若い時にレイプ事件を起こしていたことが分かったが、
被害者はすでに亡くなっていた。
殺人の動機は復讐ではないのか。

主人公エーレンデュル捜査官は離婚で息子と娘を失い、
娘は戻ったが麻薬中毒で荒れた生活をし、妊娠中。
だが、一緒に暮らして、少しづつ歩み寄れたし、
胸の痛みが病気ではなくてよかった。

あと、かつての指導者で引退した警察官の存在が謎。

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2022年11月08日

Posted by ブクログ

主人公の刑事と一緒に、複雑に張り巡らされた人間関係を紐解いて行き、真相に1ページずつ近づいて行く感覚が最高に良かった。

この感覚こそ日本でもアイスランドでも面白いミステリー小説と言われる要素なのかも。
この本の帯にも書いてあった通り「(国境も人種も関係なく、)警察小説の普遍性を証明した作品」であった。

アイスランドの、ジメジメと暗い気候が「性暴力」という今作のテーマ合わさり作品通してとても重苦しい印象だった。
ただし重苦しさ以上に真相に近づいて行く爽快感の方に手がとまらず、半日で一気に読み終えられた。

次作の「緑衣の女」も是非読もうと思う。

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2022年03月16日

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「”アイスランド”の犯罪ミステリー。って言われても、何も浮かばない(^^;???」
そこが良かったのかもしれない。
物語の先は常に濃い靄に包まれているようで、次に何が待ち受けているのかが分からないのがイイ。
事件の奥に、また事件が判明し、その向こうに繋がりが見えてくる。
小さな章建てで進む物語は、まるで連続ドラマのように、一章ごとに始まり、「つづく」で完結する。
300ページ余りを45の章で組み立てているが、とても読みやすかった。
それぞれの章が、まるで映画のワンシーンの様に繰り出されていくのだが、読者はその構成に乗せられるように、次々とページをめくっていけるのだと思う。
実際、本作は映画にもなっているので、早くそちらを見たいと思う。
ーーーー
ここからは、チョットネタバレになるが。
物語が暗闇を手探りで進む中、急展開を見せるのは、『遺伝子研究所」の話しだろう。”アイスランド”と言えば、国民全員の遺伝子解析をした国として記憶にある。
「そうか、ここにつながるのか」
と思った。と同時に、ここからまたページをめくるスピードが加速した。
こういう展開の妙を隠し球にして、物語のアクセルを踏み込んでいくのだな。
面白さの秘訣はこの辺に在るのだろう。

登場人物の名前も、地名も、少し取っ付き辛い面は否めないのだけど、このリズムのもつ魅力は他に無いのかもしれない。
さすがに、ベストセラーなハズですね。

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2021年09月20日

Posted by ブクログ

ミステリ。警察小説。
『声』『湖の男』『厳寒の町』は既読。
この物語を面白いと言っていいのかは分からないが、とにかく素晴らしい。
犯人に迫る過程の意外性、深い真相、丁寧な心理描写など、優れた点ばかり。
特に、この事件の真相は、あまりに悲しい。
文句なしの傑作。

シリーズ1作目だと思っていたが、実際はこれが3作目。1・2作目は翻訳されていないらしい。
というか、『厳寒の町』の発売から約2年間、日本で著者の新作が発売されていないのか…。

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2021年09月06日

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読書友達がすすめてくれていたのだけどずっと読んでいなかった小説。

ラストまで一気読み!おもしろかった!!
もっと早くに読んでおけばよかった~

アイスランド・レイキャヴィクのアパートで殺害された老人。そして残されていた奇妙なメッセージ。杜撰な手口から犯人はすぐに捕まると思われたのだが…
明らかになる被害者の過去、そして事件の真相とは…

読んでたら生々しいバイオレンスな表現に思わず顔をしかめてしまった
いやもう、ホルベルクもサイアクな人間だけど
ルーナルもサイアク!
いやいや、でも日本でもこんな人いるよね。
被害にあったのに「女が誘ったんだろ」って決めつける人
あ~いやだいやだ。
読んでたらなんかもう色々ムカムカしてきた~
って、読者をここまでムカムカさせる著者の描写力…すごいわあ~

って、なんかもう私の中では北欧といえば珈琲とミステリーというすり込みが…
決して、北欧=おしゃれとかムーミンとかのイメージにならないかも
なんせミレニアムシリーズがインパクト大だったし、
この小説もなかなかインパクトあったし

北欧ものといえば…
スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズぐらいしか読んだことなかったのだけど
北欧のミステリー小説ってじめじめした湿度があって好きだわ~
アーナルデュル・インドリダソン、他のシリーズもぜひ読んでみたい!

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

映画を先に見た。小説では何度か泣いた。解説にあるように、章が短くて、次々と展開するので、一気に読んだ。章の多くが印象的な台詞で終わり、琴線に触れる。自作「緑衣の女」も注文した。

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2021年04月11日

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アイスランドを舞台にしたミステリー。
非常に渋く、興味深いミステリーだった。

本書を読む前は、アイスランドと聞いても首都が「レイキャビク」ということくらいしか知らなかったが、この本を読んで非常に興味をそそられる国であることが分かった。

人口は約35万人。国土は北海道と四国を足した程度の広さ。歴史的にノルウェーやデンマークの支配下に置かれていたが、1944年に共和国として独立。
世界でも数少ない「軍隊」を持たない国の一つである。

そんな小国でミステリーであるが、人間味あふれた物語で読み応えがあった。ミステリーというよりも
  上質な人間ドラマ
として完成されている。
次は『緑衣の女』を読んでみたい。

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2021年02月02日

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なんという傑作!アパートで老人が殴り殺された。強盗か、暴発的殺人か。現場に残された「オレはあいつ」というメッセージ。捜査を進めると老人は過去にレイプや脅迫を常習する下衆の悪党だった。レイプによって生まれ4歳で死んだ女の子の遺伝性疾患。その墓を掘り起こすも遺体には脳がない。老人宅に立ちこめる悪臭の謎。一方刑事のもとに別れた妻との間に生まれた娘が帰ってきた。結婚式の最中に消えた花嫁の行方を捜して欲しいと言って娘は失踪。彼女自身、ドラッグに溺れ売春でお腹に父親のわからない子供がいて借金取りに追われていた。ミステリ界が今最も注目するアイスランドの巨人インドリダソンの出世作。血族の復讐と親子再生の物語であり社会の暗部を描くサスペンスフルな警察小説であり、ラーソンの「ドラゴンタトゥーの女」のあの空気感だ。残酷な真相とやるせない結末、そして希望。

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2020年11月16日

購入済み

雨・闇・胸苦しさ

最果ての地、アイスランド🇮🇸から届いたミステリー。現場にしがみつき、昇進を拒む男エーレンデュレ捜査官を主人公に据えたシリーズ第4作目(らしい)。それが謎解きのキーになるのか!?ちょっと持ち込むにはムリっぽくないのか? 等とも感じましたが、アイスランドという特殊な背景においては成り立つという。しかし、そのキーが成立するには、昔かたぎというのか、あまり語ること・説明することを得意としない、と同時に嗅覚・感性を疎かにしない、執拗な(疑問を放置しない)姿勢を持つ主人公がそこにいたからという奇跡になるのかなーーー。主人公の子どもたちがどうしようもない状況に置かれていたり、登場人物の痛ましい過去に紙幅を割いて描写したりと、この当たりが現代的に感じます。謎解きについては、ちょいと都合よくないか?と思う点一ヶ所?結局なんでメッセージを残したわけよ?とかありますが、おおむね「良」だと思います。アイスランドの秋から冬に移り変わる季節、記録的な長雨に見舞われる年、視覚的には映画「セブン」に近いのかもしれません。(^-^)/

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2019年07月19日

Posted by ブクログ

初めはなかなか進まなかったけれど…
気がつけば引き込まれていった。
雨のシーンなど情景が目に浮かぶ。
ただ悲しい。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

昔のアイスランドの伝承文学〝サーガ″(子牛のなめし革に簡潔に書かれたもの)を目指しているそうで、とにかく無駄のない文章で書かれており、一気読みで読み進められます。
作者曰く、「犯罪小説は〝人間の条件″を描く文学、即ち、ある人物が自分や周りの人々の人生を良くしようとしていた事、ないしはしなかったことを描く文学であり、常に自作ではそれを心がけている」とのことで、降り注ぐ雨の中、暗く重苦しい感情を持つ登場人物の生き様が綴られていく。
必ず、次作を手に取りたくなるシリーズである。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2013年版このミス海外編4位。
暗いアイスランドの空(想像です)のような静かな警察小説。但し展開は早く読みやすい。
妻に去られ娘は麻薬中毒というベテランの刑事が部下とともに殺人事件の真相を追っていく。
殺された老人は、レイプで訴えられた過去があった・・・というところから展開していく話で、女性にはつらい部分もあるかもしれない。
過去が明らかになっていくことにより、悲劇が起きたという真相は、痛ましく悲しい。

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

悪意は後に誰かに災いを引き起こす。
悪い人間はそんなことは1ミリも感じないからどうにもならない。持って生まれたものか…その一族の因果なのか…どこかでおとしまえをつけないとね。
正義はどこまで光を信じぬけるかだ!

ぜひ〜

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2023年04月24日

Posted by ブクログ

面白いねェ。
寒くてジメジメした湿地で展開される人間模様。
犯人の心情を思うと切なすぎる。
逃げた花嫁の話は要らないかも

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2023年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに寝る時間を削って読みたい本を読んだ。
主役エーレンデュルはシリーズぽくなってるようなので、この次も読みたい。
馴染みのないアイスランドが舞台なのも自分にとっては新鮮で良い。、

追記
確かホルベルクの悪友グレータル?の内臓が無かったと思うのだけど、その理由を読み飛ばしてしまった気がする。誰か教えてください。

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2022年06月27日

Posted by ブクログ

前から気になっていた作家。舞台はアイスランド。著者の名前からしてそうですが、なかなか耳慣れない名前や地名がたくさん登場。特に意外性がある作品ではありませんが、動機が特徴的な作品でした。全体的に読みやすくて分かりやすいストーリーで楽しく読めました。所々で挟まれる主人公と娘との関係がストーリーにアクセントを効かせていて良かったです。

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2022年05月11日

Posted by ブクログ

友人に勧められました
晴日が少ないアイスランドらしく、暗く重い物語が展開されます
真実の追及に遺伝子がかかわってくるところはこの国ならでわです

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2022年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さらっとおもしろい。

数ページごとに新事実や場面転換があって
映画のようなスピード感があるのがいい。

これは家族の物語のような気がした。
ひとつの家族が破滅していくさまを解き明かし行くうちに
ある家族が再生されていくところがいいなあと思った。

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2022年01月28日

Posted by ブクログ

「その国を知りたければ、その国のミステリ小説を読め」と誰かが言っていた(「あとがき」かな…)。

“アイスランド”
その国の正確な位置を知っている日本人はどれだけいるだろう。
よく見る世界地図ではスカンジナビア半島とは遠く離れているように思えるが、北極点を中心とした地図を見ると、この島から南南東にあるイングランドとほぼ同距離で、東にノルウェーがあることが分かる。
と、同時に「小さく」感じる。

離婚した中年刑事と娘、昔ながらの捜査、性差別・蔑視とレイプ事件、麻薬中毒、これらは北欧と言わず欧米ミステリ小説にはよく見られるが、この物語ではさらに「血」が強調されている。
「住民は遡れば皆どこかで血縁関係にある」という独特の風土が色濃いのだろう。
なんだか横溝正史的で、日本人の何かに共鳴するところかも。

物語はダイナミックな展開でスピード感もあるため、飽きることなく読める。
そして、結末は悲しい、ひたすら悲しい……。

「重い」と「悲しい」は、少し違うんだなぁ。

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2021年11月12日

Posted by ブクログ

アイスランドは
北北西に曇りと往け
ヴィンランドサーガ
北欧神話(これは北欧だし、アイスランドと直接関係ないかも。)
くらいの知識でしか知らないけど、
曇り空の景色と広大な土地のイメージ。

エーレンデュルがどうしても、、と事件を追うと
過去も現在もじわじわと明らかになって苦しい話も、幸せな記憶もどれも染みが広がっていくみたいな気持ちになる。

読んでよかった。

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2021年03月13日

Posted by ブクログ

行ったことはない北欧の様子がよく描かれている。天気の描写で日本海側の地域を連想した作品であった。

人の名前が聞き慣れないので新たな世界に入り込んだ気分になった。
また別の作品も読んでみようと思う。

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2020年12月06日

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レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。

アイスランドのミステリを続けて読む。今まで読まなかったのがもったいないと強く思う。

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

アイスランドのローカル感あふれるミステリー。アイスランドは、アイルランドと間違えたりイメージなかったのですが、寒そうな空気感が新鮮だなと。ほのぼの感もあり。

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2020年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
湿地帯にあるアパートで殺されたホルベルク。ホルベルクの部屋からウイドルの墓の写真を見つける。ウイドルはコルブルンの娘で、4歳の時に脳腫瘍で亡くなっている。
ホルベルクは昔、エットリデとグレータルの3人組でコルブルンをレイプした。現在エットリデは服役中、グレータルは失踪していた。レイプ事件とグレータルの失踪はルーナルという刑事が担当していた。
ウイドルの墓を掘り返すと脳がなく、脳は遺伝子研究所に保管されていた。
ホルベルクの自宅の床を剥がすとグレータルの白骨が見つかる。ルーナルはレイプ事件を隠蔽した。ルーナルに弱みを握られた3人は、汚れ仕事をすることになる。連絡係として選ばれたグレータルが増長し、他の2人に疎まれて殺害された。
ホルベルクはコルブルンの他にもう1人、オルンの母もレイプしていた。オルンは娘のコーラが遺伝子の病気で亡くなった原因を調査するために、遺伝子研究所に入社した。神経線維腫症は女性が発症する病気だった。
オルンの娘が亡くなった理由は、保因者であったホルベルクにあったと分かり、ホルベルクを殺害した。オルンはウイドルの遺体を墓に戻し、銃で自殺した。

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2020年02月13日

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差し込むような、あるいは叫びたいような、もしくはそれを抑えるような苦しさ。
当初、タイトルやイメージからテンポの遅い退屈な作品かもと覚悟していたけれど、そんな心配は無用だった。
捜査の狙いを探るのもおもしろかった。
この捜査はどこへ向かい何を求めているのか。
作中にもそんなセリフがあって、自分の鈍さのせいだけではなかったとほっとする。
どんどん知りたくなる。
なるほど、そうつながるのか。

他の作品も読みたくなって、さっそくほしいものリストに追加。
それにしても覚えにくい名前だな(笑)

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2019年08月22日

Posted by ブクログ

かつてレイプ魔だった男が死体で発見され、主人公の捜査官が男の過去をさぐり、そこから殺人犯を追う話。登場人物のキャラもあまり描かれずにストーリーがたんたんと進む感じ。内容はまとまってて、結末も結末にいたるまでの流れも納得。

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2023年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミス海外編2013年度3位。
アイスランドの作家が書いた刑事ものの推理小説。不良娘を持つシングルファーザー刑事が主役。不規則な生活で身辺が荒れ放題、海外の刑事もので良く見るような設定。ボクはサッカーが好きでW杯2018ロシア大会でのアイスランドの活躍とバイキング・クロップスが記憶に新しく、そこを舞台にした小説は過去に記憶がなく興味深く読めた。
ただ、全体の流れがあまりスムーズでなく読み進めるのが少ししんどかった。そんなに長くない小説なんだけど全体的に冗長な感じがあり、事件が進展するところはご都合主義的な部分があってうまく興味がつながっていかない感じでした。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

 アーナルデュル・インドリダソン、アイスランドの推理小説作家です。一度や二度では発音出来ないし、覚えにくい名前です。
 舞台は、アイスランドってあまり馴染みが無いです。ノルウェーとグリーンランドの間でイギリスの北西にある北海道と四国を合わせた大きさの島国です。

 事件は、首都レイキャヴィクのアパートで老人ホルベルクが撲殺された。強盗か怨恨か、
レイキャヴィク警察のエーレンデュルは現場に有った墓碑の写真から被害者が40年前に強姦罪で訴えられた事があり、写真の墓碑は当時強姦された女性の子供だと判明した。

 その女性は子供が亡くなった3年後に人生を悲観し自殺していた。また被害者ホルベルクは強姦魔だった。

 エーレンデュルは被害者の関係先を徹底的に調べ上げる中で''脳腫瘍''という以外な共通点を見つける。

 アイスランドという最北の小さな国で起きた殺人事件、被害者で強姦魔でもあった老人
の関係から犯人を割り出すのに、地道な聞き込みや物証集め等、派手なアクションや銃撃戦、カーチェイス等は一切登場せずに静かでもの悲しい雰囲気が漂って来る。

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

アイスランド発の警察小説。首都レイキャビックで起きた殺人事件。死体のそばに残された謎のメッセージからただの殺人事件ではないことを物語る。私生活に謎を抱えるベテラン捜査官が事件の解決に挑むが、そこにはいくつもの悲しい事実が隠されている。悲しい事件ゆえに全編を通して暗鬱な雰囲気が立ち込めていて、読んでいてなかなか重かった。正直もう少しメディアとの絡みが欲しかった。けどこの次も出てるみたいだからまたの機会に読んでみる。

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2020年08月25日

Posted by ブクログ

アイスランドを舞台にしたミステリー。
レイキャヴィクのアパートで男性の死体が奇妙なメッセージと一緒に発見される。被害者の過去を調べるうちに、彼がレイプ犯として訴えられた事があり、その被害者が妊娠して産んだ子どもは幼くして病で亡くなり、被害者の女性も自殺して亡くなっていた事がわかる。怨恨による殺人なのか?他のレイプ被害者による怨恨なのか?

操作をする中年の刑事は離婚して、麻薬中毒の娘がいるという設定なのだが、そのせいもあって、全編暗い。一方で『臓腑をえぐる真相」という宣伝文句だが、そこまですごい感じもしない。
面白いけど、平均点かなあ

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2020年05月17日

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