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Posted by ブクログ
きっとこれを読んだ読者はみんな、ガストンさんはどうなったんだろうと思うんじゃないかな。
昔、おバカさんは一度読んだ。
いい本だったとずっと心には残っていたけど、ラストがずっと思い出せなくて、もう一度読んでみた。
読んでみて、何でラストを思い出せなかったのか納得いった。
人を信じること、傷ついても信じること、これってどんどんできなくなっていってるんだろうな。
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この作品を読んで思い出した、いつかどこかで読んだ遠藤周作の言葉↓。
神も仏もないというところから信仰は始まる。
私が神を捨てられないのではなく、神が私を放してくれない。
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再読だがすっかり忘れてる。昭和34年に朝日新聞連載とあるからリアルタイムでも読んでいるはず。軽快なノリの小説で当時の風俗を楽しめる。いや私などものすごく郷愁を感じてしまった。
『おバカさん』ことガストン・ボナパルトは『わたしが・棄てた・女』の主人公森田ミツの男性版。すなわち悲しいほどお人よしで純粋、バカみたいな不思議な人。
彼がフランスから日本にふらりと来て、しでかす椿事にまきこまれる隆盛と巴絵の兄妹はごく普通だから、その落差をまず楽しめばいい。
あまりにもドタバタ劇を繰り広げてしまうガストン、なんで日本に来たのだろう?それもこの物語のポイント、作者の意図のひとつ。
ガストンと絡まる殺し屋の名が「遠藤」作者と同名。わざと命名したのだろうか。この「遠藤」にしろ、「隆盛と巴絵の兄妹」にしろ読者にちかい。とても「ガストン」のようにおろかにはなれない。
しかし、この普通ということがいかに「悪」かということも露呈してしまう。
そしてやがて哀愁に満ちたラストで、自分はなんて不純なのだろうと思う。なんてことないのだけれど読後ズーンと響いてくるから。