【感想・ネタバレ】沈黙のひとのレビュー

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Posted by ブクログ

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別の女性と再婚し、パーキンソンに罹った父親の死後、遺品などから離れて暮らしていた時のことを知る娘。決して称賛できるものではないが、その生き方を理解していく。

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2020年10月23日

Posted by ブクログ

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2016年の4冊目です。
小池真理子という作家の作品を読んだのは初めてでした。
久しぶりに、ずっしりと心に応える作品を読んだという気持ちです。
自分と母を捨て、若い女と結婚し家庭を持った父親が、難病であるパーキンソン病に侵され意志の伝達も難しくなって介護施設に入居してからの、娘の父へ向き合う心情が描かれている。老いて壊れていく父親の姿を見て悲嘆にくれたり、過去を思い返し冷淡な感情に支配されることも無く、父親の身勝手な娘への偏愛を、冷静に受け止め、それに対処する自分をまた冷静に見つめている気がする。それは、幼い子供時代に父と過ごした満ち足りた気持ちにへの、気を許すと落ちていくような速度で没してしまいそうな自分の回帰を畏れているような気さえします。
この小説の中で描かれる父親は、別れた妻、再婚した現在の妻、単身赴任時代に知り合った女性と3人の女性と愛し合うダンディーでカッコいい男性です。一方で、介護ホームで息を引き取った後の遺品の中からは、ポルノビデオや性具が出てきます。パーキンソン病で体が自由に動かせなくなっていた父親がそのようなものを購入し所有していたことに、娘は汚らわしさよりも、憐れみを感じていたように思えます。設定では、この時の娘の年齢は50歳過ぎぐらいなので、そういった思慮分別があるということかもしれません。父親に対する偶像視はありません。それが世間では一般的なのかもしれません。表題「沈黙のひと」は、パーキンソン病の進行で、声を自由に出せず、キーボードも打つことができなくなった父親のことです。

私も娘と何れこのような関係性に身を置くのか。
何れ、沈思せねばならぬことだ。

吉川英治文学賞受賞作品です。

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2016年02月13日

Posted by ブクログ

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小池真理子が、父を題材にした本とは珍しい。亡くなった筆者のお父様に捧げた小説だそう。
自分が年を取ると、当たり前だけど両親も同じく年を取る。元気のまま老衰できれば一番良いのだろうけど、苦渋の決断の結果、24時間看護のホームに入れなければいけない場合もある。まだまだ軽いが、うちの父もパーキンソン病の気がある。両親の介護と亡くなった後に知る父の姿。読んでいて衿子が自分自身と重なった。なんだかすごく、両親に会いたくなった。
それにしても手紙っていいな。間に出ていくる歌もいい。小池真理子の文章って、ほんと雰囲気がいい。

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2015年05月26日

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