【感想・ネタバレ】狂おしい夜のレビュー

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Posted by ブクログ

暴漢に襲われ、記憶を失った女性に
次々と「恋人」や「夫」と名乗る男が現れる。
さらに、主人公を婚外子として認知した大金持ちの、
遺産相続も絡んできな臭い話が展開していく...

という粗筋だが、何というか...赤川次郎ばりに
次から次へと「これでもか」と事件が起きる
「怒濤の展開」(^ ^;

これを鯨氏独特の文体で書かれると、
何とも不思議な魅力のある作品に仕上がる。

鯨氏の書く本は、誤解を恐れずに言うと
「粗筋を読んでる」っぽい印象を受ける。

登場人物のセリフがとてもあっさりしていて、
心象の補足や、時にツッコミを地の文で入れる、
という文体がそういう印象を与えるのだろうか。

セリフがあっさりしているので、
登場人物によって微妙な口調や口癖の使い分けもなく、
ある意味「リアリティがない」とも言えるか。
情景描写も「デジタルな」印象で、
繊細な目線や細かい季節感などはあまり感じない。

これだけ書くと「悪口」みたいに見えるかもだが、
この粗筋っぽさは「とても映像化しやすい」
とも言える気がする。
実際に鯨作品はよくテレビドラマ化されてるようだし(^ ^

本として読んでいるときも、あっさりしている分
「読者が勝手に登場人物や舞台を想像できる」余地がある。
「文学として完結いて感動できる」というより、
「読者のイマジネーションを刺激する」読書体験。

これはこれで中々の快感だと思います(^ ^

で、この作品も、「怒濤の展開」で盛り上がると
「ここでコマーシャルだな」みたいに、
いつのまにか脳内で勝手に「二時間ドラマ化」して
読んでいる自分に気づいたりする(^ ^

最後の最後がちょっと強引で、無理繰りまとめた、
という感じがしなくもないので、★三つ(^ ^;

例によってミステリなので、あまり細かく内容を書けず。
あしからず(^ ^;

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2015年06月18日

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