【感想・ネタバレ】三酔人経綸問答のレビュー

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Posted by ブクログ

お馴染みの洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人がヘネシーを飲みながら経綸について語り合うという本を現代語に訳したもの。100年も前の話だけど、中身はまだ舞台を現代にしても通じるんじゃないだろうか。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

1.この本を一言で表すと?
平和主義と武装主義の議論を対話形式でまとめた本。

2.よかった点を3~5つ


2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・なぜ対話形式の内容になっているのだろうか?
・立憲制と民主制を区別しているのはなぜだろうか?
・洋学紳士は「狂暴な国は決してないことを知っています。」(p73)と言っているがそんなことはないということは明らかだ。
・豪傑君の理屈は現代社会では通用しない。
・欄外の「眉批」はどのように捉えればいいのかわからなかった。

3.実践してみようとおもうこと


5.全体の感想・その他
・最後の南海先生がまとめた内容は当たり障りのない内容で意外だった。
・解説を読んで大事なんとなく著者の言いたいことはわかった。19世紀後半の日本において日本がいかに生き延びるかをよく考えた結果なのだと思う。
・この本が書かれた明治20年頃にブランデーがあったのは知らなかった。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

明治時代に、このような知識人がいたということを知れただけでもまず読む意味があった。
大正から令和の時代の今までの歴史を振り返ると、その慧眼に驚く。

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

大酒飲みの南海先生の家に、自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略をと激する豪傑君がやってきて、それぞれの主張を述べて南海先生も持論を述べ、夜が明けて紳士君と豪傑君が帰るまでの話。
物語が書かれた時代というところをイメージできた方が、それぞれの主張の背景みたいなものがリアルに感じられて面白いのかも。
2人の対極な、でも極端であることは共通している主張も、のらりくらり話を聞いていた南海先生の話す2人よりマイルドな持論も、それぞれなるほどなと思う部分もあるし、現代はこうなってるよって3人に教えてみたい気持ちにもなった。

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2022年01月13日

Posted by ブクログ

翻訳が分かりやすくてすいすい読めるし、想像以上に書かれている内容が今読んでも古びておらず面白い。(これが明治20年(1887年)時点で書かれていた驚き…)もちろん原文も収録されてます。
豪傑君、西洋紳士君、南海先生の3名による正解のない議論(あえて読者に「そこ」を考えさせる構成)に加え、脚注と解説で補足された事項を踏まえ、もう一度ゆっくり咀嚼して読み直したい1冊でした。

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2019年08月18日

Posted by ブクログ

中江兆民 「三酔人経綸問答 」

明治時代に日本の未来像を考えた本

戦争を放棄して民主制か、アジアに侵略して欧米と戦うか、二項対立式な論述だが、民主制も侵略主義も実現困難とし、進化を待てとする 著者の結論は 歯切れが悪い

論争の中から 自由民権運動や征韓論の問題点を洗い出しているように思う


南海先生=著者の結論
*洋学紳士の説=全国民が一致協力しなければならず実現困難
*豪傑君の説=君主宰相が独断専行しなければならず実現困難
*我々は進化を先導してはいけない→ただその行くところに従ってついていくだけ

進化(スペンサー)
*自由放任主義により進化する→ 進化は 自由と法則を持つ→進化は理義の一つ
*地球上の生命、社会、政治〜単純なものが順次の分化を経て複雑なものに至る=普遍的な法則

中江兆民
*理義=真偽、善悪について同一判断をするための普遍的なもの〜民権や自由平等は 理義→力は正義(勝てば官軍)への批判
*力の政治は安定しない→力が強ければ逆転するから→平和で安定した社会秩序はない→ルソー 社会契約が必要

豪傑君=兆民のアジアナショナリズム、侵略主義
*世界は弱肉強食〜国家間に戦争は不可避
*弱小国は 軍備を整えて アジアに進出して大国となるべき
*自由=したい放題すること
*平等=例外なく なぎ倒して 平らにすること

洋学紳士=兆民のフランス流の民主主義
*民主制は 最も完全〜世界が採用するだろう
*弱者国は 民主制を取り入れ、軍備を捨て、学問を盛んにし、強国が いつくしむほかない 存在(国そのものが精緻に彫刻した美術品のように)になればいい.
*自由こそ人間社会の最高の価値〜歴史は それへの進化の過程

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2019年07月14日

Posted by ブクログ

南海先生、紳士君、豪傑君の三者による対談形式。分量の半分以上は原文や解説なので、新訳の本編自体は短い。

洒落のきいた文章と、単純簡潔な構成(ヘーゲルの弁証法的?)でさっと読ませるが、中身は大問題に真っ向から取り組むもの。現代の憲法九条に関する議論もほぼこの本で語られていることにすっぽり収まりそう。

解説にもあるが不戦条約により建前だけでも戦争が不可になるのは1920年代になってからである。

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2019年04月29日

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