【感想・ネタバレ】リンバロストの乙女 上のレビュー

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Posted by ブクログ

赤毛のアンの翻訳者、村岡花子の名訳が光る作品。赤毛のアンが大好きなので、すっかりはまってしまった。
ストーリーもさることながら、リンバロストの森の自然の表現が素晴らしい。また、蛾の羽化の様子が本当に美しく描かれている。
主人公エレノアの美しい心とリンバロストの自然に囲まれ、私も浄化された思いがした。
下巻の梨木香歩の解説は、一読の価値あり。

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

美しい少女のエルノラが高校に入学するところから始まる。
入学する、しかし母はお金は一切出さない。
前半は母との戦いで、母がお金を出さないので自分で稼がないといけない。
エルノラはそんな状況にも負けず、近所のおじさん、おばさん、鳥のおばさんの協力を得、同級生に囲まれながら成績優秀で卒業する。

前半は赤毛のアンとシンデレラを掛け合わせて割ったみたいと思ってしまう。

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2015年10月25日

Posted by ブクログ

翻訳者、村岡花子さんと言えば「赤毛のアン」シリーズだが、この物語は知らなかった。グリーンの森と黄色い帝王蛾が描かれた上巻から読み始める。

「骨折り仕事だけで、無知のまま一生を暮らすのはいやだ」リンバロストの美しい森に母と住むエルノラは、町の高等学校へ進学した。
初日に教科書もなくみすぼらしい身なりを笑われた彼女は、授業料がいることを聞き呆然となる。なぜ母は知っていたのに、学校行きに賛成しながらも話してくれなかったのか…。

娘を冷遇する母親にも辛い過去がある。
夜の沼に向かい、溺死した夫を「返せ」と叫ぶ姿は壮絶だ。エルノラに愛情深く接するマギーおばさんとウェスレイおじさんがいて良かったと思う反面、終盤で明かされる"夫の死因"をなぜ本人に言わなかったのだろう…。

「勉強をしたい。できれば大学にも行きたい。」賢く努力家のエルノラは、収集した蛾や繭、インディアンの石器を鳥のおばさんに買ってもらい学費に充てる。

立派に成長したエルノラは、送別式の夜ついに母の仕打ちが許せなくなる。
頑なさを捨てられず、人と張り合いながら自分の正当性ばかりを主張する母親。娘が自分を必要としていないことを知り、初めてエルノラに赦しを乞う気持ちになれたようだ。母と娘の関係はこれからどう変化していくのだろうか。下巻を読むのが楽しみだが、思わぬ展開も待ち受けていそうで怖くなる。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1909年に出版されたアメリカ小説。女性作家ジーンポーターは生物学者としても優れていたが、この小説は彼女ならではの作品となっている。
(ネタバレ)
主人公エルノアは虫愛ずる姫君。蛾の収集オタク。シングルマザーに育てられるが、その母親が鬼母。愛する夫をなくしたことから立ち直れず、娘を可愛がれない。ドのつくケチで娘にお金を使いたくない。エルノアは高校に行きたいがお金がないので、インデアンの遺跡や蛾の収集でお金を稼いで、けなげに生きる。
最初はボロを纏って髪の毛も洗わず、クラスメイトに軽蔑されていたが、自分で稼いだ金で近所の人に服を縫って貰い、ついにはみんなの人気者に。
沼で溺れかけている夫を助けようとした時に産気づいたらことがきっかけで娘を恨んでいた母親は、夫が浮気をしていたことを知って急に娘に対する態度を改める。そして一緒に虫の収集を手伝うようになる。さらに虫の収集で知り合った金持ちのイケメンと最後はめでたしめでたしとなる。

このストーリーには突っ込みどころがいっぱいある。
美しい主人公は「蛾の収集オタク」。
自然愛好家でナチュラリスト。知識も豊富だ。でも知識をひけらかすし、思ったことをはっきり言う。
次に動物虐待のシーンが時々ある。二匹の猫の足を縛ってぶら下げる子供や、犬にいたーをかぶせて乗る場面など。いたずらっ子にさせるにしては残酷だ。

当時のアメリカ社会や価値観がよくわかって面白い。「ありえない」とわめきながら読むと楽しい。

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2015年01月11日

Posted by ブクログ

少女の頃、何度も繰り返し読みました。
懐かしいです。
今になって、きれいな新刊で、しかも村岡花子の訳で読めるなんて、朝ドラ効果に感謝します。

今読んでみると、母親がちゃんと娘を愛してるんだと分かる描写がそこかしこに或る。
母親も頑固ですが、娘もたいがいだと思う。
『うちはお金無い!』と言われたら、学校は諦める子だっていると思います。
そこを押しとおす根性がすごい。
しかも、自分でお金稼いで。
そして、いい意味で“分をわきまえる”事をせず、ブルジョワジーなお友達と、遊びも着る物も引けを取らないようにと頑張るのだから、我の強さは筋金入りだと思う。

母は母で、16年も、間違った思い込みで(知らないというのは恐ろしい事です)娘を恨み、その心が時とともに解けることもなかったというのもすごい事。
秘密を知ったとたんの手のひら返しっぷりも。

シントン夫妻や、鳥のおばさんががいい人過ぎて、それが救いでした。

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2014年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔、何かでタイトルを見て読みたくてたまらなかった小説。
いいですよねこの『リンバロストの乙女』って邦題。
イメージ的には表紙のまんまです。

が、可憐な乙女は虫を集めてました…。
そりゃまぁ、日本には『虫愛づる姫君』という超ぶっとんだヒロインが千年前にいましたけどね。
この可憐な乙女はそれをドレスやら教科書代に替えるわけです。
たくましすぎる可憐なヒロイン。
父親の死のせいで、娘に対しひどい仕打ちをする母親。
シンデレラの継母なんか尻尾まいて逃げ出すような行状です。
周囲はそんな母親に怒り乙女をかばいますが、ヒロインは自力で何とかしようと努力を重ねます。
そしてまぁ母親が心を入れ替えるんですけ・ど・ね

ちょーまて、手のひら返しすぎじゃないっすか!
かーちゃん!

いっそすがすがしいまでの愛憎の配分の逆転に口空きました。

面白かったけど……私の憧れはこっぱみじんに砕かれましたとさ

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2014年12月23日

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