感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作よりさらに病的になった筆者の「ソマリ愛」が伝わってきました。ワイヤップとハムディのキャラクターもさらに掘り下げられていて、2人を通してソマリをさらに理解することができました。今作は、南部ソマリアがメインで、前作では語られなかった南部の普通の暮らしを垣間見ることができました。また、どの世界も宗教と政治は切り離せないこと、現地民と心を通わせるには、言語を習得することが大切なんだなあと思いました。ただ、南部ソマリアは非常に危険な状況なので、行きたいとは思いませんでしたが…。
Posted by ブクログ
早大探検部出身、あの「謎の独立国家ソマリランド」を著した高野秀行氏による同著の続編とも言える1冊。
アフリカ東部に角のように突き出たかつてのソマリア。ソマリア国は1991年に崩壊し、20年以上無政府状態だったその地域に入っていったのが著者の前著だったのですが、本著は更にソマリ世界の深くに入り込んで、どっぷりと浸かっていく印象。
こうして本として読むとまぁとにかく滅法面白くて、しかもこれはフィクションではなく、著者自身が最前線に立っているノンフィクションなのです。もし自分が著者と同じ状況に置かれたとして、同じ行動が取れるだろうか・・・無理です!
例えば、戦闘が続くモガディショの滞在には、護衛の兵士や車代で、1日あたり$500超を払う必要があるのですが、その街を複数回訪れた上で、モガディショ市内を出たい(当然、市外の方がずっと危ない)と思ってそれを実現してしまう…。
著者がそう思った理由などは本著で良く説明されていて、それぞれの個別の理由は実によく筋が通っているのですが、一見道理が通っているミクロの理由を積み重ねていった結果、マクロ的にどう見てもおかしい/危ない事態に陥っている不思議。
外務省の人からしたらマジギレ案件なのかもしれませんが、ソマリアにはもう大使館無いしなぁ…(ケニア大使館が管轄しているようで)。
著者が無政府状態のモガディショを指して表現した言葉は「(電気・水道やネット、交通までが民営で)本当に何でもあり、ないのは政府くらいだったので、私はここを『完全民営化社会』と名付けた。軍も民営化されていると考えれば辻褄が合う。」という表現。
すっごい的確だと思うんですが、自らが危険に晒されている状況下でこういう謎のユーモア表現が出てくるって、凄い。凄いし、笑えるんですが、どこか間違ってるような感も…。
ただ、著者の表現の的確さは他のところでも存分に発揮されていて、例えば「人間関係を形作る内面的な三大要素は『言語』『料理』『音楽(躍りを含む)』」というのは全くその通りだと思うのです。
こういった洞察と、稀有な行動力が生み出す展開、それを的確に伝える表現力、本著ではこれらが三位一体となって、読みだしたら止まらないくらいの疾走感を生み出しています。
著者に関しては、テーマのある研究よりも、好きなものを、著者が旅する中で自由に見て考察してもらう本の方が、面白いように感じました。
完全な非日常を旅した気分になれる1冊。ただ、かと言って「ソマリア行きたい!」とはなかなかならないですが(笑
Posted by ブクログ
謎の独立国家ソマリランドの続編のような位置づけ。そこで書き残した事や、その後の渡航内容が綴られている。この人のソマリランド愛はすごいなー。ここまで一つの地域を愛し興味を掘り下げる情熱を傾けられる場所を見つけた著者は幸せだ。誰よりも、日本で一番この国を理解していたいと言う希望は、帰国後ビジネスをすると言うアイデアにも行くが、この人は「お金儲け」が目的になってない(イヤそりゃ少しはある)ソマリランド発展に為、そして母国日本と愛するソマリランドとのパイプ作りの為、と言うのが好ましい。
一般的な生活を体験する、料理を習う、郊外を見る等外国人には困難な事を実現させて行くのは、著者の情熱と友好心と出会った人との信頼。最後にちょっと裏切られる展開があるけど、これは真の裏切りじゃない。著者はわかっている。最後の戦闘シーンは度肝抜かれた。
この方の秘境の著は他も読んでみたい。
Posted by ブクログ
謎の独立国家ソマリランドの続編。
前作は歴史的背景など難しいところもあったが、今回はソマリランドの家庭料理、南部ソマリアでの危険地域での旅行記のような内容で非常に読みやすい。
ワイヤッブ、ハムディのその後も気になるので続編を期待。
Posted by ブクログ
なにこれ、抜群に面白い!!
この夏のクリーンヒットです。
これを読んで「ソマリアに行きたい」とは全く思わないけど、世界の広さを感じさせてくれる、視野を広げさせてくれる逸品です。
Posted by ブクログ
おろしれー。これ読んだらソマリア行きたくなる人8割。カートやりたくなる人5割。けど、やっぱり行く勇気無いなの人が9割9分でしょうね。
高野さんじゃないと無理だよ… 人間性、楽天性、語学力、文化への好奇心
ソマリアと言えば、アフリカの角、海賊、くらいのイメージしかなかったけど、自主的な民主化とかできたとは全く知りませんでした。(たぶんみんな、知らない)
ソマリランドでの一種牧歌的な生活から一変、南部ソマリアでの取材(ある意味軟禁?)はおもしれー、と読んでたら帰り道で一変して命の危険にも晒されるんだけど、なんかそれも面白く感じてしまう。
そして、ハムディを日本に呼ぼうとしたら… のオチもスケールがでかい。
冒険ができないからこそ、冒険記を読むのは楽しい!
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。
なんとディープな本なのでしょうか。そもそもソマリランドって何ぞやという「謎の独立国家ソマリランド」でかなり突っ込んでその成りたちから、観光案内から、政治情勢から、現地の人達との交流と盛り沢山でお送りしていたのに、さらに奥があったとは全くもって驚き。料理を含む女性達の普段の生活がふんだんに書いて有って、どれだけ現地の人々の心に食い込んだのやらと呆れる程です。
今回はソマリランドよりも、ソマリアの剛腕美女のハムディの気高さ美しさにやられて読んでいるだけで恋してしまいそう。高野氏もソマリア以上にハムディに恋している野じゃないのか?と思う事しきりです。
TVでも見ましたが、ゲリラに襲撃されるくだりは分かっていてもドキドキしました、フィクションではなくて本当に体験した事ですからねー。
Posted by ブクログ
謎の独立国家ソマリランドに続けて読破。
この度は南部ソマリアの村の暮らしまで体験しているので、「ソマリランド」ではなく「ソマリア」というタイトルになったのかな。わずかな期間で社内の様子が激変したテレビ局を例に、民主主義になった方が宗教色が濃くなるなど、ははぁなるほど…と勉強になる個所がしばしば。やはりただの旅人ではなくジャーナリストの著作。
ソマリ人はもともと遊牧民なので、気楽に海外で暮らすし難民申請にも抵抗がなく、異国でもソマリ人同士でコミュニティをつくって暮らしているというのもなるほど…と唸るしかない。
Posted by ブクログ
日常と戦闘が隣り合わせのソマリア南部。
そこで暮らす人々の意外なほど素朴な暮らしぶりや文化の違いは非常に興味深い。
なぜ外国人ジャーナリストが狙われるか、
ということの理由もソマリアの内部にいることで見えてくることがある。
あまりにも衝撃的な、戦闘に巻き込まれたエピソードをはじめとして脳裏に焼き付く鮮烈な物語が満載。
Posted by ブクログ
超異文化交流。
人間としての通じ合えるところ、違うところを熱意をもって探究する高野さんがすごい。
世界で最も治安の悪いソマリアに行き、現地の本当の姿を体当たりで体験する。高野さんにとって現地を本当に体験するのは、「言語」「音楽」「料理」である。外国人にとって、現地の料理(ふつうの家庭料理)を楽しむのは実は至難の業であり(特にイスラム文化圏では女性と接触する、家の中に入るのはほとんど難しい)、高野さんはその壁を越えようと果敢に挑戦し、ついに家庭料理を一緒に作ることに成功する。
治安の悪い、危険な地帯に行っているはずなのに、終始ほんわかしており、文章も読みやすく、どんどん読み進められる。
高野さんがテレビで、本を書くにあたって、仲の良い友達や、家族へむけて、話しているように書いていると言ってたが、本当にその通りの文章。
親密で、気さくで、落ちがついてて、笑える。
最後の銃撃戦のシーンで一転現実に戻され、身が引き締まるような思いになる。
いろいろな意味でリアリティーのある物語だと思う。
Posted by ブクログ
タイトル「恋するソマリア」には二重の意味が込められています。
ひとつは、ソマリアを振り向いてくれない美人女性に見立て、追えどもつかまえられない片思いの相手として描く。
もうひとつは、実在の若き美女・ハムディ姫への恋です。
わずか17歳にしてケーブルTVの世界に入って、政治家へのインタビューでカネをひきだして支局員を食わせるという政治力・経営力を発揮する。美しく、胆力があり、知的。いったい高野が惚れこんだこの女はなにものなのか。
「私は有名になりたいの。目標は大統領になること」
「有名になりたい」ということばの率直さ、力強さ。さわやかな立身出世主義の到達目標が大統領というのがすごい。
いいぞ剛腕ハムディ姫。統一ソマリアの大統領になった姿をぜひ見たい。
Posted by ブクログ
前作「謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」がおもしろかったので、あ、また続編が出たんだと思い、読む。期待は裏切られなかった。全編ワクワク読み進めたが、終わり近くの襲撃事件でハラハラし、落ち着いたと思ったら、ハムディの難民としてのノルウェー行きと続き、衝撃?のまま終わった。
日頃、日本の価値観、常識の中で、生活しているので、それを基準として考えてしまうから、異国の常識、価値観、過酷な現状を知ると、自分の世界観がぐるっと回ってしまう。
平和な日常に慣れきってしまって、生命の危険を感じながら、厳しい環境でジャーナリストとして生きている22歳の女性ハムディの姿を、寝転びながら読んでいる自分って・・・
筆者の高野さんに異世界に連れて行ってもらった数時間だった。
自分で行動して、体験する世界は限られているから、せめてこういう本を読み、自分の世界を広げ、自分の立っている場所を俯瞰できるようになりたい。
Posted by ブクログ
“謎の独立国家ソマリランド”の続編の位置付け。
前作は、氏族の詳細説明など複雑で中々頭に入ってこない部分も多かったが、今回は冒険譚として読みやすかった。
ソマリ女子とやりとりしながら家庭料理を体験する場面ではほっこり。イスラム過激派が跋扈する“南部ソマリア”の旅路では、危険な場面と抱腹絶倒場面の、緊張と緩和の落差が半端ない。
著者の行動力と表現力にはただ感服するばかり。
“ハムディ”のその後が気になるなぁ
続編を期待!
Posted by ブクログ
恋するソマリア
著者 高野秀行
集英社
2015年1月30日発行
早稲田大学探検部出身のノンフィクション作家、高野秀行氏のソマリアもの第二弾(たぶん)。探検家でノンフィクション作家の角幡唯介氏の、早大探検部先輩にもあたる人。
「アフリカの角」と言われるソマリアは1991年以降、無政府状態となって、海賊たちが通過する船を襲っているという印象がある。アメリカが介入しようとしたが、悲惨な戦いとなって撤退。その壮絶なる様子はリドリー・スコット監督の映画「ブラックホーク・ダウン」で観た人も少なくないだろう。
しかし、そんなソマリアは、実は今、実際には3分割されていて、そのうちの一つがソマリランドという複数政党による「謎の民主主義国家」になっている。ただし、国際的には認められていないため、グーグルマップなど普通の地図にはソマリアは1つの国として描かれている。
北のソマリランドのほか、角の部分プントラントは海賊の国、南部ソマリアでは暫定政府軍とイスラム過激派の戦闘が続いている。国際的社会での首都は南部ソマリアにあるモガディショだ。
ソマリ人は、これら3分割された国と、隣接するジプチ、エチオピア、ケニアの一部にも住んでいる。著者が最初に訪問したのが2009年、次が2011年。ソマリアに魅せられ、人脈も掴んできた2回目の帰国後、著者は必死にソマリ語のネイティブを日本で探した。ソマリ語は非常に難解で、フランス語やアラビア語ですら文法構造が単純に感じるほどだという。やっとの思いで早稲田に留学している兄妹から習えることになった。
今回は、2011年10から2012年12月までの滞在を、4パートに分けてリポートしている。一応、ソマリアのケーブルTVの東京支局長の立場をもらい、ジャーナリストとして入国した。平和なソマリランドでの話と、イスラム過激派と暫定政府軍が対立する南部ソマリアでの体験を書いているが、生々しいノンフィクションというより、なにもかも日本と違いすぎるソマリアに魅了され、よそ行きでないソマリアが見たいと思い始めた著者が、結局、皮肉な状況で最後にそれを達成するというドキュメントだ。
クライマックスは、最後。南部ソマリアのある知事が、著者を含めたジャーナリストたちを引き連れて故郷に凱旋する。半日で戻るはずが、知事のそうした気まぐれ、思惑により、何日も引っ張り回され、帰国便にも乗れなくなった。これまでイスラム過激派がいて危険だったが、やっと多国籍軍がなんとか制圧するようになった知事の故郷、そして、さらなる奥地。荷物もなにも持ってこず、着替えも風呂もない。大量の蚊になやまされる。おまけに、現地の人が食べるカート(和名アラビアチャノキ、日本では合法)という弱い麻薬作用のある葉っぱの食べ過ぎにより、極端な便秘に悩まされる。
もう最悪の状態の中、皮肉なことにそこで著者自身が望んでいたソマリアの「素の姿」を見ることができる。
便秘にいいとされるラクダの乳を飲み、上からは下痢、下は岩のような糞づまりで一晩苦しんだ後、ついに「ツチノコのような便」が2つ出るシーンがあるが、読者としてもその瞬間がなんとスッキリ爽快感を感じることか。
しかし、知事の気まぐれが終わってやっと戻れるようになった帰路、イスラム過激派により待ち伏せされて襲われる。著者と知事は装甲車に乗っていたが、防弾ガラスにもひびが入り、頭から血を流した知事が悲鳴を上げて倒れ込んできた。ただただ伏せて待つしかない著者。結局、援軍が来て九死に一生を得るが、難を逃れた後に、ジャーナリスト仲間達が彼を囲み、お前も戦闘に参加したんだ、やっと仲間だと彼を迎え入れる。
そして、頭から血を流していた知事は、撃たれたのではなく、混乱して自分で頭をぶつけていただけだということが分かる。
まるで映画のようなエンディングだが、やはり心打つものがある。
高野秀行氏の本は、たぶん、これまで読んだことない。いや、あるかも知れないけど、忘れている。もちろん、新聞や雑誌では読んだことがあるが。
角幡唯介氏同様、早大探検部出身ノンフィクション作家、とても面白い。
冒険系ノンフィクション、今年3冊目。いずれも傑作。
今、一番おもしろい。
Posted by ブクログ
前著「謎の独立国家ソマリランド」に続き読んだ。前著でラクダ・キャラバンを匂わせていたが、そうではなく、今回は主に南部ソマリアへの旅である。日本に来ているソマリ人留学生と現地南部ソマリアが繋がる様が妙である。著者のお遣いがなんといっても心にくい。
前著同様に著者の行動力には脱帽するが、現地の情勢や人の動向のめまぐるしい変化にも驚く。
ホーン・ケーブルTVの剛腕ジャーナリスト ハムディがあっさり、大学で勉強して母国で政治家として貢献したいという思いで、難民としてノルウェーに行ってしまう行動力にも感服する。若い力を感じるうえに、世界はこんなにも動いているんだ、と感じた。
人間模様が興味深く、単なる興味だけでなく応援する意味で、また続きを書いて欲しいと思う。
Posted by ブクログ
氏族が絶対であり、外に向けての愛想はふりまかず、北欧に行っても同胞だけの世界で過ごす。これだけ聞くと内向的な民族に見えるが、ところがどっこいそんな単純な話ではない。期せずして紛争に巻き込まれた体験記など重い話もあるが、いつも通り軽く笑わせる文体でとても読み応えあり。
Posted by ブクログ
その昔、映画ブラックホークダウンでこの国の事を知り、それ以来なんだか気になってた。
入ってくる情報としては、海賊とか未だ無政府状態なんていう危ない情報ばかりだったが、その内面の一部を垣間見ることができた。
一番の感想としては、人間逞しいという事。
先頭が未だ続いているものの、そこに人が日常生活を送っているという当たり前の事を改めて認識させられた。
本著は作者の書き様から(というよりは性格?)日本では考えられない様な世界ながら、明るい面にスポットが当たってるのでとても読み易い。
読みながらクスッとする場面も多々。
カート(麻薬?)、氏姓制度など普段馴染みの無い世界観も著者の正に身を呈した取材で面白おかしく書かれているのが良いね
Posted by ブクログ
よくこんな所に潜り込めたな〜という感想がまず出てくる。
ソマリの伝統を前に、現地の人々の暮らしを間近に知ることは今回は出来ないのかなと思っていたら、その強固な扉をスルッと抜けて、気付いたら寝室にまで入り込んでいたのにはニヤリとしてしまった。ドルが通じない所まで行ってしまったことも、いよいよ本領発揮といった感じで面白かった。
無茶苦茶だけど爆走する車で帰るクレイジーな仲間たち、ちょっとカッコいいなと思ってしまった。こういう人がよく事件に巻き込まれるんだろうな〜と思っていたら本当に狙われていて、よく死者が出なかったなと。
頼もしいジャーナリスト、ハムディが22歳ということに驚きを隠せない。そして彼女のフットワークが軽くて凄い。迷いなく突き進む美しい若き姫は、誰の目にも眩しく映るだろうな。
恋するソマリア。ソマリアというか、ハムディへの恋みたいなものかな。
Posted by ブクログ
アフリカの角とよばれる地域にあるソマリアは南ソマリアと北のソマリランドに分断されており南ソマリアは現在も内戦が激しい地域である。
その非常に治安の悪い地域に単身で乗り込み、現地の文化に触れ現地ソマリ人たちとの交流や取材内容がリアルにレポートされていてとても面白かった。
著者はその国の「言語・音楽・料理」を大切にしており、実際今回の旅でもその3つを知ろうすることでどんどん現地の人たちと溶け込んでいく様子も楽しく読むことができた。
自分で行こうとは到底思えない危険な地域のことを、こうして本で読むことで少し触れられた気がした。
ソマリアは自分が住んでんいる世界とはかけ離れていて、世界には様々な価値観が溢れているのだと実感した。
Posted by ブクログ
「謎の独立国ソマリランド」の続編
ソマリをより深く知ろうという著者の情熱はつきない。
美人ジャーナリスト ハムディーへ恋慕の念もつきない。
カートを食べて、ソマリランド人と和みたい。
ソマリランドに対する熱情が 意味もなく高野さんを突き動かす。
行ったことのない地方もみる。できるだけ現地の生活を
体感する 料理をならう。など
なんとかこじ開けて 入り込んでいく。
その執念が実り 最後は テロの標的に・・・・
なんとも 凄まじい異文化体験。
全くちがう 文化でも 同じような考えがあったり
なかったりで、納得したり、驚いたり、恥じ入ったりしながら
高野さんは 人類の営みについて より深く
体験したのでした。
Posted by ブクログ
「謎の独立国家ソマリランド」の続編ともいうべき本書。既にこの本を読んだ方には、続編として必須。前回は、ソマリ人の国家、特にソマリランドを中心にその国家政治体制や社会構造など、さらに海賊で成り立っているプントランドの経済などの社会科学的著書だったが、こちらは庶民の生活を中心にしたソマリ人の生態?を紹介した本。
Posted by ブクログ
語学の天才による最新作。海賊の国・ブラックホークが墜ちた国・無政府の国というイメージしかなかったソマリアにここまで入り込んた彼の功績は大きい。前作「謎の独立国家ソマリランド」の続編的な本。写真も多く挿入。よくぞここまでトンデモない旅をするかと半ばあきれながら、ページをめくる手がとまらなかった。2015年1月第一刷。
Posted by ブクログ
「謎の独立国家ソマリランド」に続く、高野さんのソマリア本第2弾。
「内戦が続いているソマリアで平和な独立国家があるってどういうことなん???」という色んな謎や疑問点、そして今まで映画「ブラックホーク・ダウン」と「何か海賊?がおって日本の石油とか積んだ船が通られへんらしいで?」というイメージしかなかったソマリアという国が少しづつ明かされて行く過程が面白かった前作とは違い、今回はソマリアに関する知識がそこそこある状態で読み始めたので、インパクトはトーンダウンしてるんやけど、ワイヤッブやハムディの後日談として楽しく読めたと同時に、日々変わりゆく情勢を見るに少し寂しい読後感もありました。
高野さんが終盤イスラム勢力のアル・シャバーブの待ち伏せをくらい九死に一生を得るところでは、それまで中東へ行きイスラム過激派の人質になったり、命を落としたりするジャーナリスト、ボランティアの方たちのこと、自分からは遠い世界のニュースだとぼんやり思っていたのですが、高野さんもソマリアで命を落としてニュースになる可能性もあったんやな〜と思うと急に身近な話に感じられて、よくある危険だと分かっていてなんでそんなところにどうしても行かなければならない必要性もないのにわざわざ行くのか、という批判が何だか的外れなものに感じました。また、アル・シャバーブの勢力が落ちてきてモガディショの街が復興しつつあるのと同時に今度は政府批判を繰り返すジャーナリストたちが(アル・シャバーブとの戦闘が激しかったときよりも)命を落とす危険にさらされている、というのも衝撃的でした。
そんな、しんみりすることも多かった「恋するソマリア」ですが、一般ソマリ家庭におじゃましてソマリ料理を習ったり、ソマリ女子が美白に夢中になってたり、はたまたソマリNo.1のミュージシャンにインタビューしたり、ほのぼのエピソードも健在で楽しい1冊でもありました。
Posted by ブクログ
現地の本当の生活(食)へと入りこんだり、銃撃戦まで遭ってしまったり、理解も緊張も更にアップした一冊。ニュースでは分からない情勢も分かるけど、国民性はちょっと無理かな…。決して自分では足を踏み入れたくない場所ですが、もっと読みたいとは思ってしまいます。情勢的に難しくなってると思うので、命を優先に考えるとできれば、という思いですが。
Posted by ブクログ
ソマリア語を習得しようなんて、凄い。ソマリア愛も普通ではない。自分をしっかり持ち、目的に向かってがむしゃら。しかも、こんな本を出す文章力。語学力。凄すぎ!ソマリア面白いが、危険過ぎ!
Posted by ブクログ
人々を知る上で、言語・音楽・食、が大切だ、と何度も書いてあったが、ものすごく納得した。どの国にいてもその3つを披露するととても盛り上がる。
高野秀行に感化されてるのか何なのか、私も旅する際はその3点を無意識に大切にし、現地の人々の生活、様子を学んでいる。
ソマリ人はプライドが高く、取っ付きにくそうというイメージが形成された。
20年以上続く紛争のため政府がないが故にすべてが民営化され、ソマリア内でもソマリランド・プントランド・南部ソマリアという国を成しているのが面白い。
Posted by ブクログ
ソマリにいくら恋しても追いかけても報われない。
片思いながら少しずつソマリの全貌が見え始めた作者の情熱が伝わってきた。
本当の意味で命をかけて書いた本だからこそ、ここまで面白いのだろう。
一つひとつの描写に作者の一喜一憂やソマリへの愛が感じられる。このまま潜入を続けてほしい。
なにか大きな成果が出る気がする。
Posted by ブクログ
今のソマリアの現状を書いたルポドキュメントというか、旅行記というか、そのようなもの。
どうやら別の本の続編のような扱いになるようだが、これだけ読んでも面白い。
ライターでもカメラマンでもある著者が、ソマリアに知人を作り、ソマリ語を勉強し、「ソマリアの日常・普通を知る」ために奮闘するエッセイ。
現状のソマリア、ソマリ人の特徴、政治のあり方、ソマリアでのイスラム、そして著者の念願でもあった家庭料理を学び、食べるレポート、モガディシュ以外の南部ソマリアへの旅。
知ることのできないソマリアを知ることができる。
想像すらできなかったソマリアを知れて面白い。