【感想・ネタバレ】オシムの言葉のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年01月02日

【所感】
読みやすく、オシムの哲学に触れる一冊。サッカー監督の枠を超えた哲学には脱帽

【覚えておきたいポイント】
ミスした選手を試合で使わなくなったら、その選手はミスを恐れてリスクを冒さなくなる。懲罰を与えるのではなく、考えさせる

批判に耐えられないのならば、代表監督になどならない方がいい

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

オシムの言葉は、時に意味深長で、時にウイットに富み、またある時、鋭利な刃物となり、またある時、人の心を強く束縛するほどの力を持つ。このような人物がどのようなバックボーンを持ち、どのようにサッカーと絡み合ってきたか、どのようにチームをマネージメントするのかというようなことを通して、彼の人生哲学とはどの...続きを読むよなものかを浮き彫りにするのが本書である。 オシムのような人物の人生哲学を説明することは非常に難しい。そのため、著者は彼の発言を中心にしたエピソードを解説することで、その代用をする。これによるとオシムの指導者としての特徴は、プロセスを重んじることである。「できる準備を完全にした。それで勝てるかどうかは相手チームに聞いてみよう」との発言はまさにそのことを物語ると思う。 平凡なマネージャーは、結果を重視しすぎるあまり、部下のプロセスを規定する。これは一時しのぎにはよいが、指示待ち人間を大量生産する。しかし彼は、プロセスを重視するからこそ、プロセスを決めるメタ・プロセスを規定するのである。結果ではなく意図。それに加え創意、献身、努力。つまりプロセスを作り上げることができる個を作り上げること、それによる軋轢をものともしない人格の持ち主を作ること。これがオシムのスタイルである。マネージャー、コーチ、リーダーの理想像がここにある。指導者諸氏よ、心して読まれるがよい。 このような人物が一時的にでも日本サッカーのよき導き手となった幸運を感謝する。

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Posted by ブクログ 2017年03月08日

オシム監督すごい…私はサッカーの試合も見たことが無く、サッカー選手もベッカムくらいしか知らない。なのに、この本を読むとサッカー楽しそう!こんな監督とサッカーしたいなぁとか思ってしまう。
選手一人一人をしっかり見てる、失敗しても下げない、周りの野次は気にしない、仕事で後輩の面倒を見る時にも活きる知恵多...続きを読むし。
この本を書いた木村さんもまたすごい。こんな信念のあるジャーナリストが増えますように。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月28日

オシムの言葉2005

サッカーをモチーフに、時に自分の哲学を語る。プレーや試合についての言及が結果として深遠な人生の真理をついている。
旧ユーゴで代表監督を務め、その崩壊過程を全身で受け止めてきた。

稀代のアフォリスト(名言)
・新しい指揮官の第一声は少し長い演説になるのが常。
←自分を理解させ...続きを読むるため
←舐められないため

・2チームに分かれてハーフコートで1:1をやれ。→片方の選手が押され始めても、漠然と見ている選手たちを叱責する。実戦で1:1が5秒も6秒も続くシチュエーションはない。早くサポートに行け!
→言われた通りではなく、相手の裏をかくための創意工夫をしながら練習しろということ

・休みから学ぶことは何一つない

・ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか?準備が足らないのです。

・一般的には、個人プレーが強い人間を人々は好む。しかし、私は一つのチームを作ることをまず考えて、その上で機能する選手を選ぶ。

・これしちゃダメだと人を雁字搦めに縛るだけ。システムはもっとできる選手から自由を奪う。システムが選手を作るんじゃなくて、選手がシステムを作っていくべき。

・サッカーとは戦術が一番と思っている監督がいるかもしれないが、一番強調したいのは、ボールを動かすということ。ムービングこそ。

・夢ばかり見て後で現実に打ちのめされるより、現実を見据え、現実を徐々に良くしていくことを考えるべき

・選手を見極めるのではなく、プレースタイルの幅の広がりや進化の可能性を見据えながら、オプションを常に追っている

・モチベーションアップとは「アメかムチか」ではなく、「選手が自分で考えることに向けてのサポート」

・私の人生は、リスクを負うスタイル
→数学かサッカーかで、サッカーを選択

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Posted by ブクログ 2016年02月01日

読みたかった内容。なぜオシムさんはあんなに安定感があってぶれないのか。それは過ごしてきた過程によるものがやはり影響されているんだと思う。自分にもあの強さが欲しいと思った時やはりリスクを冒してそういった環境に身を置くことも1つの手なのだと思った。

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Posted by ブクログ 2014年08月04日

『オシムの言葉』木村元彦(集英社文庫)
私がオシムを知ったのは、ジェフ市原の監督をしていた頃からだろうか、でも本当に記憶にあるのは、テレビによく出始めた日本代表監督になってからだ。サッカーに関しては、それ程熱狂的なファンではなく、ワールドカップがあれば急に「日本頑張れ!」と応援するにわかファンの部類...続きを読むに入ると思う。だから、メディアの露出度が高い選手や、監督には必然的に興味をそそられてきた。しかし、オシムへの興味は違っていた。インタビューで放たれる深い言葉を聴き、彼の表情と視線を目にした時の彼への興味をひとことで言うと、『こういっ人物はどうやって作られるのだろうか?』というものだった。私が大抵人に興味を持つときは、ここから入る。そしてそれが、予め抱いていた想像と異なっている時に、その興味は倍加される。開成高校→東大法学部→財務省主計局局長なんてのは、何の興味も起きない。如何わしい'宗教の教祖'→専業農家の主婦→ガザの生まれ なんて人生の経歴があったら何はともあれ、その宗教に入信してみたくなる。(ここまで、あり得なければ誰でも興味は持つな)まさしく、オシムはそんな私の興味の対象で長い間いた。にもかかわらず、オシムに関す情報は意外と私を遠ざけていた。
やっとその興味を具体的に味わうことのできるチャンが訪れた。それがこの本『オシムの言葉』になる。
私がこの本で知ったオシムの魅力を4つの観点から伝えていきたい。①祖国ユーゴスラヴィアで育まれたオシムという人物、②オシムの求めたサッカー、③日本に与えたオシムの影響、④”憧れのオシム”という4つの枠を敢えて設定して語っていきます。
①ユーゴスラヴィアは「5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字」を内包するモザイク国家、そのその中のボスニア・ヘルツィゴビナの首都サラエボで生まれたオシムは、日本で生まれ育った私が想像すらできない、複雑な社会環境のなかで、生きる術を身につけてきた。実際に勃発した内戦のさなかで、異なった民族の選手たちを抱えてユーゴスラヴィアの代表監督を勤めていた。そんな艱難辛苦の時代にオシムが語った言葉「歴史的にあの地域の人間はアイデアを持ち合わせていないと生きていけない。目の前の困難とどう対処するのか、どう強大な敵のウラをかくか、それが民衆の命題だ。…今日は生きた。でも明日になれば何が起こるか分からない。そんな場所では、人々は問題解決のアイデアを持たなければならなくなるのも当然だ」これが彼のサッカーに向かう基本スタンスだ。余談だか、この本を読む前日に偶然にもアンジェリーナ・ジョリー監督の『最愛の大地』というユーゴスラヴィアの内紛を扱った映画を観ていて、内紛が勃発する前には、仲の良かった同胞が対立してゆく姿を見た、内紛の恐ろしさ、醜さを映像で見せられていただけに、このオシムの置かれた境遇が彼を創り上げた基礎になっていることを確信するに至った。
②私はサッカーの監督としてのオシムの評価をできる程、サッカーに対しての知識をもたない。だから、彼のサッカーに対する想いを中心に、彼にとってのサッカーをこの本の言葉を抜粋して伝えたい。「私の人生そのものがリスクを冒すスタイルだった…。この先、サッカー選手としてやっていけるかどうかわからな状態でも、私はリスクを背負ってサッカーの世界へ飛び込んだ。だから最初から、私はサッカー人としてリスクを背負っている」実はオシム、大学では数学の天才で教授への道が用意されていたにもかかわらず、サッカーへの道を選んでいた。この時、既に彼はサッカーで人生を歩む決意をしていたのである。そして彼のサッカー観を表す言葉「やはりサッカーというもいうのは、すごく美しいスポーツだと思っている。美しいサッカーをするチームがあるのなら、そこは美しいサッカーをするための練習をしているのでしょう。だが、ウチはまだ闘っている状態で、美しさからはかけ離れている。客観的にみたら、ここでは無理でしょうね。だが、それにどこまで近づけるかが大事でしょうね」試合に勝つために闘うが、勝つことだけにこだわらずその過程と先に意義を求める。まさに、オシムの人生そのものだ。
③日本に与えたオシムの影響 Jリーグの中でも運営資金の一番少ないジェフ市原の監督を引き受けたのもオシムらしい。名だたるビッグの倶楽部チームからの招聘にもかかわらず、自分のスタイルのチームを作り上げることができる環境と日本という国が好きということで、決意した就任だった。そしてその実績はスグに現れた。彼のチーム作りのモットーは「(一般的には個人プレーが強い人間を人々は好むが)、私はひとつのチームを作ることをまず考えて、その上で機能する選手を選ぶ。」この考えで、ジェフから日本代表に選ばれた選手も多く生み出している。彼が日本代表の監督をした時の選手たちはオシムの考えていることを忖度しながら、ゲームをしていたといったコメントを残している。それはオシムが日頃の練習のなかで「モチベーションを上げるのに大事だと思っているのは、選手が自分たちで物事を考えるのを助けてやることだ。自分たちが何をやるか、どう戦うのかを考えやすくしてやる。まずは自分たちのために自分たちのやれることをやり切るということを大事だという話しをする」言葉にあらわれている。④私にとってオシムは、直接接することが出来ない、憧れのメンターとしての存在。彼のサッカーの監督としての姿だけでなく、彼の苦悩の人生が彼を創り上げたという私の仮説は、その通りだと思うのだが、逆に同じ経験をすれば、同じ様な深みのある洞察ができる人間ができるというものではない。自らの経験を見つめる自分の目と心を通して真剣に人生に向きあっての結果であることも理解できる。私がオシムに憧れるように、自分の後輩たちにそんな目で見つめられわたらなんて光栄なことだろうと想像してしまう。最後にこの本の『オシムの言葉』というタイトルからこの本をもう一度振り返っておこうと思う、言葉がカジュアルになったこのSNSの普及した社会(実はそれより以前からだが)では、言葉の量に含まれる意味、意義の割合がかなり低下してきているようだ。それ故、本を読んでいても少し古い本やしっかり論を尽くして書かれた本は、難解で読み辛さを感じる位に、その相対的な言葉に含まれる意味、意義のおもさを感じることがある。オシムの言葉もしかり、ぎっしりと彼のメッセージが詰まっている。文章ではなく、会話として放たれる彼の言葉は相対的に更にその重さを感じる。「オシムの言葉」を通して彼を紐解くという発想は絶妙なものがある。
2014.07.25

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Posted by ブクログ 2014年02月19日

鉄人と賢者を掛け合せたような世界的名監督のオシム氏の通訳を務めた人物が書いた著者。民族問題を抱えた代表チームを率いたときや突然の紛争で家族と離れて暮らすことになったときでもクラブ監督としても驚異的な成績を残した同氏。来日してジェフの監督を受けることになったいきさつやその指導方法を超えた人材育成などに...続きを読むついても触れた国内サッカー本として最高の一冊。

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Posted by ブクログ 2013年10月31日

[一言に、人生が宿る]ユーゴスラビアと日本という2つの国のサッカー代表監督を務め、それぞれにおいて数字だけでは表すことのできない多大な足跡を残したイビツァ・オシム。「オシム語録」として注目を集めた彼の言葉の裏には、祖国の興亡や家族の離散という悲劇の渦に呑まれながらも、サッカーに人生を捧げ、前を向き続...続きを読むけた男の歩みが投影されていた......。ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞作です。著者は、ユーゴスラビアのサッカーならこの人の右に出る日本人なしとも言える木村元彦。


生まれながらにしての指導者とでも評せば良いのでしょうか、とにかくその視野の広さと洞察力の鋭さ、そして人間に対する敏感すぎるほど鋭敏な感覚にしびれるばかりです。ピッチ上では見ることのできない、聞くことのできないオシム氏の興味深い側面は、知れば知るほど惹き付けられます。会ったことないですが、きっと変な磁力みたいなものを側にいれば感じてしまうのではないでしょうか。


オシム氏が若き日にたどった、激動という言葉が生温いくらいの人生にはもはや言葉を失うばかりです。そして、そんな中でもチームを鼓舞し、選手を平等に扱い、そして守り抜いた姿勢には衝撃すら覚えました。サッカーを知らない人にも、というより知らない人にこそぜひ本書を入口にしていただき、野球もそうだけどサッカーもまた人生であることを感じていただきたいです。

〜サッカーと人生がこれほどまでに折り重なった監督はいない。〜

木村氏の取材力にも頭が下がります☆5つ

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Posted by ブクログ 2013年10月25日

何度目かの再読
ボスニア・ヘルツェゴビナのワールドカップ進出で久々に表舞台にあらわれた、名将オシム。思い出し再び本書を手に取る。
日本に突然やって来た世界的に有名なサッカー監督は独特な指導方法でチームを戦う集団にしていく。
歴史に翻弄されたユーゴスラビア代表での壮絶な体験が克明に描かれ、スポーツ伝記...続きを読むものでありながら、歴史を考えさせられる良作。
リーダーに是非、読んでいただきたい。

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Posted by ブクログ 2013年05月27日

なんとかビッチのビッチとは、息子という意味があるらしい。

読んでいる最中は、『ビッチ、ビッチ、読みづらいなぁ〜』と
思う章も正直あった。
でも読み終えて思う。きっと世界中にオシムの息子は
いるのだろう。ビッチが名前に付かなくても、
彼を師や父と慕う才能豊かな息子たちが
今日も世界中のサッカーの常識...続きを読むを変えているんだろう。

そして本書を読んだ者たちも、オシムの言葉に
耳を傾け、オシムの息子になるんだろう。

名著でした。読んで良かった。

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Posted by ブクログ 2013年01月15日

ジェフ千ユナイテッド市原や日本代表監督も勤めたイビツァ・オシムについて、本人へのインタビューやその半生をつづった本。監督就任後、脳梗塞で倒れてしまい惜しまれつつ監督の座を降りてしまったが、この人がそのまま監督をしていたらどうなったか?非常に残念で仕方がない。間違いなく、今の日本サッカーの躍進に貢献し...続きを読むた人である。この本を読んでそれを感じざるを得なかった。
とても含みのある、そしてユーモアにも長けた言葉がひとつひとつ心に響く言葉。日本とは対極のような国で生まれ育ったからこそ培われたその意志。サッカーへの並外れた愛情。
自分の中にあるサッカー魂にも火がつきました。

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Posted by ブクログ 2012年08月23日

含蓄のある言葉が詰まっている。
歴史の不条理に対して真摯に向き合い、自分自身とも常に戦ってきた方だからこそ吐ける言葉だ。
特に「狼に追われているウサギが待ってくれというか」はしびれた。
しんどい状況におかれた時、いつもこの台詞が浮かんでくる。
その度に不思議と胸の奥からモリモリと力が湧いてくる。
...続きを読む当に強い言葉は身体に響くのだ。

人間の成長をベースに組織を設計するリーダーの基では、部下は考えるくせがつき、のびのび動ける。
確かに大変だが、「走る練習が多いことに対し、走らないでできるサッカーがあるなら教えてくれ」というように、考え責任をもって行動することは生きるベースと思う。
常に意識しないと、つい誰かの意見に寄りかかって楽をしようとしてしまう。

厳しくも温かい眼差しを持ち、その自立を支える大人がいる社会はいまどのくらいあるだろうか。
自殺者年間3万人という社会もサラエボほどではないが、戦場と言って良いと思う。
この社会を生き延び、そしてまともな大人を増やし、より良い社会をつくるためにも、オシムの言葉は今の日本に必要と思う。
厳しいが深い人間洞察に基づいた、真に温かい、人を救う言葉を吐ける大人に私はなりたい。

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

サッカー、というかスポーツ全般に興味がない。
オシム監督の名前は聞いた事があったけど、
具体的な事はほとんど知らなかった。
脳梗塞を起こして外国に電話して救急車呼んだ人、
ラジオCMで脳梗塞後の速やかな救急搬送の重要性を伝えていた人、というイメージの方が強い。
祖国が崩壊して家族を人質に取られた様な...続きを読む状態でサッカーチームを指揮し、結果を出していた、とか、
選手一人一人を見て公平に接する教育者の様な一面は本作で初めて知った。

哲学者であり、経営者であり、教育者である名将。
祖国を失ったけれども、民族の誰からも好かれるコスモポリタン。
こんな素晴らしい人が同時代にいたのに知ろうとしなかったのをもったいないと今更ながら思う。

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

東欧の民族問題をおうジャーナリストの書籍。ユーゴスラビア代表監督として、W杯ベスト8の栄光と祖国崩壊という惨劇を経験したオシム監督。戦争により最愛の家族の会えない中でも、真摯に監督業を勤めながら、自分の信念を貫いた半生がそこにある。

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Posted by ブクログ 2022年05月13日

改めて読み直して、愛に溢れた方だなという思いに至った。そして、祖国での悲しい出来事に今を重ねてしまう。この素敵な方がいた時代を共に出来たことをこの本を通して感じた。

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Posted by ブクログ 2022年05月02日

「オシムの言葉」木村元彦

加筆があったので単行本→文庫買い直ししたもの。
通訳をしていらした千田さんの本や、Numberもどこかにある。
これはすぐ出るところにあるのでした。

一時期ジェフ千葉を応援していたのは、ひとえにこの方のおかげで、成長していく選手やチームを見ているのがとても楽しかった記憶...続きを読むがあります。

2000年代の日本人に何かしらを残した人じゃないかなあ。
バブル後様々なことがグローバル化していく中、
"日本人が自覚すべきこと"を、
サッカーに留まらず社会全体へ示してくれたような名将でありました。

今年は、どのような思いでいらっしゃったのかしらね。

ご冥福をお祈りいたします。

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Posted by ブクログ 2021年03月23日

オシム氏がどのような人か、事実のみで再現されていて、丁寧に、粘り強く、取材をされていたのが見て取れる。
人物ルポの鑑の一冊。

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

・作り上げることは難しい,でも作り上げることの方がいい人生だと思いませんか?
・モチベーションとは考えることの手助けだ.
・君たちはプロだ.休むのは引退してからで十分だ.
・リスクを冒して攻める
・ライオンに追われたウサギが逃げ出すとき肉離れをするか?準備が足らないだけ.

など至言多数.

祖国分...続きを読む裂・人種対立など,現代日本で生活していると想像できない環境下の
中サッカーを続けてきたその精神力.脱帽.

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Posted by ブクログ 2015年09月11日

ノンフィクション本。ミズノスポーツライター賞の最優秀作品を取ってるらしい。
読んだきっかけは施川ユウキ先生の『ド嬢曰く』で紹介されていたからなんやけど。。

面白かったです。凄かった、という表現の方がしっくり来るかもしれない。

オシム元監督について述べる時、どうやらサラエボの内戦などの世界情勢と切...続きを読むり離せないようなのですが、そういった歴史や世界各国に散らばっている関係者への取材を含め、圧倒的な情報量に驚かされます。
これらの背景を踏まえるがゆえに、オシムのインタビューや会見の問答にもより一層の深みが増しています。
単純に意味深な言葉を面白がるのではなく、それらを通してオシムの人生を描き出したい、という筆者の思いが伝わってきました。

登場人物の名前がややこしいこともあってか、とっ散らかってちょっと読み難い文章だったようにも感じる点はありましたけど、とにかく「オシムすげー、カッケー」「サッカーやっぱりおもしれー」と素直に思わせてくれる良書でした。

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Posted by ブクログ 2015年07月08日

サッカーに詳しければ、より一層楽しめたんだろうとは思うけど、出てくる名前を殆ど知らなくても、監督の言葉だけでも十分味わい深かった。ネガティブな発現の引用が一切なかったから(本当にないのかもしれないけど)、良い点しか見えてこないという難点はありそうだけど、それを差し置いても、示唆に富む発現をたくさんし...続きを読むているんですね。カリスマ性が垣間見えて、勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2014年04月20日

以前、単行本で購入したが、読みやすさ重視で文庫本を再購入して読んだ。文庫本にはオシムさんが日本代表監督のとき、倒れた後の話も追記されている。オシムさんのインタビューの内容も書かれているが、オシムさんのサッカーの背景が自分にとって大きく印象に残った。1991年から始まったユーゴ紛争。つい20年前の出来...続きを読む事だが、この本で知って、あのころ、こういうことが起きていたのかとショックを受けた。

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Posted by ブクログ 2014年02月28日

サッカーだけじゃなくて、メディアの報道の仕方、切り取りかたも勉強になった。

ユーゴスラビアのことももっと知りたくなった。

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Posted by ブクログ 2013年11月29日

「シュートは外れる時もある。それよりもあの時間帯に、
ボランチがあそこまで走っていたことをなぜ
褒めてあげないのか。」


「作り上げることより崩すことは簡単なんです。
でもね、作り上げることのほうがいい人生でしょう。
そう思いませんか?」

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Posted by ブクログ 2012年10月25日

人への指導のやり方が、素晴らしいと思った
目的を持たせること、責任を持たせることが、成長に必要なんだと思った
「しょうがない」と、言ってるうちは、だめなんだ

オシムJapanのワールドカップは、見てみたかったなぁ

日本サッカーに貢献してくれたことには、感謝です(^-^)

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Posted by ブクログ 2012年08月25日

皮肉も含んだ名言の裏に、個々の選手に対しての愛情の広さがわかります。人を見る、ということとそのスケールを考えさせられました。

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Posted by ブクログ 2022年10月05日

オシムの人となりが詳しく書かれててとても興味深かった。
伝記的な事柄よりもジェフや日本代表の事がもっと知りたかった。
当時、今までとはアプローチの違うサッカーを目指してたのは見ててよくわかって面白かった。
走るサッカーは当時画期的だった記憶がある。
あのまま日本代表監督を続ければどんなチームが出来た...続きを読むのか残念でしょうがない。

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Posted by ブクログ 2022年01月06日

実は、アンチオシムだった僕。
日本代表にスターを誕生させないオシムに批判的だった僕。その考えは変わらないけど、「オシムさん、ごめんなさい。僕、浅はかでした。何も知らないのに語ってごめんね。」って思わず心の中で謝りました。
復活してほしいね。

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Posted by ブクログ 2017年02月11日

★3部作、最後は薄味に?★サッカーを切り口にユーゴを描いてきた著者にとって、オシムの来日は興奮する出来事だっただろう。オシム語録が話題になれば、取材のスタートラインも全く違うだけになおさらだ。内戦の際にサラエボに戻れず、国外でサッカーチームの指揮を執り続けた心中はいかほどだったか。実情を知る著者だけ...続きを読むにオシムの言葉の背景を伝えるのに最適だろう。

ただ前作と比べると、どうも密度が薄く思える。こちらが読み慣れてしまったのか、平和な日本でのオシムの言葉が中心にあるからなのか。
通訳がオシムから信頼を得るために、ギャグはギャグとして伝え、重複する記者の質問は訳す前に遮る。通訳の話が面白かっただけに、オシムを呼んできた祖母井氏の話も欲しかった。

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Posted by ブクログ 2014年12月24日

単なる「語録集」ではなく、オシムの言葉を通して彼の哲学が垣間みられた。オシムジャパンがW杯(予選)を戦うところを見てみたかった気持ちが甦ってくる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年12月07日

「レーニンは『勉強して、勉強して、勉強しろ』と言った。私は選手に『走って、走って、走れ』と言っている」p31

「言葉は極めて重要だ。そして銃器のようでもある。私は記者を観察している。このメディアは正しい質問をしているのか。ジェフを応援しているのか。そうでないのか。新聞記者は戦争を始めることができる...続きを読む。意図を持てば世の中を危険な方向に導けるのだから。ユーゴの戦争だってそこから始まった部分がある」p44

「サッカーとは戦術が一番だと思っている監督がいるかもしれない。しかし私はムービングこそが、最も重要だと思っている」p140

「同時にサッカーにおいて最も大切なものもアイデアだ。アイデアのない人間もサッカーはできるが、サッカー選手にはなれない。でもアイデアは練習だけでは身に付かない。鍛えられない。バルカン半島からテクニックに優れた選手が多く出たのは、生活の中でアイデアを見つける、答えを出していくという環境に鍛えこまれたからだろう」p323

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