【感想・ネタバレ】放蕩記のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ここまで自分をさらけ出して書けるってすごい。
さらにそれを読者にも受け入れられるという。
正直、ありのまま過ぎてドン引きなエピソードもたくさんある。
周りにこんな人いたらぶっちゃけ怖いしどう付き合ったらいいかわからない。
そのような、重くてかなりヤバい自身の半生、母と闘い反抗した歴史を赤裸々に綴っている。
エンターテイメントに着地しているのはこの人の腕というか、自伝「的小説」の匙加減か。

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2023年05月12日

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母との確執とおいて認知症になる中、自分の人生を振り返る主人公。人間の暗部をさらけ出し、特殊なことなのに普遍化している作品

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2022年12月31日

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最初はよくいる母、どこが毒親なのか、、と思っていたが、違った。

この小説はかなり奥深い。
一度読んだだけでは本質を捉えるのが難しいかもしれない。

大嫌いな母親の、血を引いている自分。
同族嫌悪だとは分かっている。けれども受け入れられない。
そんな母親譲りの気質を使って、母が一番嫌うことをこっそりとやってのける。
それが【放蕩】であり、夏帆による母への復讐である。

しかし、その復讐が、まさか…。という展開になる。それでは困る。復讐にならないではないか、と。

しかし終盤、兄からの「おまえが母を愛せないのは、当然だった」という一言は、彼女にとって救いになっただろう。

なにせ、夏帆は母を愛したいのに、愛せない。という葛藤をずっと抱いていたのだから。


娘と母というのは本当に複雑。
心から憎むだけ憎んで、簡単に縁を切れたらどれだけ楽なんだろう。と似た毒親を持つ私は思う。

とりあえず母になり切れない、いくつになっても女を捨てられない女っているよね。

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2022年07月06日

Posted by ブクログ

自立していながらも母親との記憶に縛られ続けている様がリアルだった。心の一番深い部分を掻き乱されるようで読み進めるのが本当に苦しかった。忘れられない一冊。

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2021年09月30日

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またしても美紀子のなかに自分をみた。
それほどキョーレツではないが、母らしく装ったり、大げさにすると子どもが喜ぶといったところ。痛々しいくらいにわかる。
他の本でもあったな。私ほどあなたのことを思う人間はこの世にはいないって。
口に出すとくさいけど、ほんまのことやからしゃーないやないか。
子どもたちにトラウマになっていないことを祈る。
もっとおおらかに、安らげる家庭を。

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2016年07月01日

Posted by ブクログ

前から気になっていた本。まさにビンゴ!
母と娘の微妙な確執。長年胸の中に巣くっていた思いを見事に表現してくれた。たぶん、突きつけられそうな気がして中々この本を読むのを躊躇していたのかも・・
この母ほどではないけど、ソーソーとうなずく場面が多かった。いい年をして未だに母の呪縛(私の思い)にビクビク、イライラしている自分を嫌がっている自分、他の親子と比較している自分、その思いを誰にも伝えられず悶々としている姿の主人公に、アーこんな思いは私だけではないんだと共感。そして年老いた母との関係の変化は自分と合わせても悲しい。母娘って・・・

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2016年05月31日

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私が生まれ育った家も、結婚してから持った家族も、
この物語のそれとは異なっていたが、グイグイ気持ちが引き寄せられる物語だった。

一つに、この物語の主人公である夏帆と自分に共通する部分が多かったこと。
自分も自分の意見を裡に秘め、人の顔色ばかり窺う人間だったように思う。
何時の間にか主人公に感情移入してしまう場面も多かった。

村山先生と言えば、青春物語だと思っていたが、数作前からタッチが変わってきたようだ。
青春物語も楽しく読ませてもらった記憶があるが、最近のタッチも実に魅力的だと思う。私は40代になったばかりだが、同世代の同僚にもおすすめしたいと思った。

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2016年04月12日

Posted by ブクログ

母と娘の激しい物語。
幼い頃は母からの誉め言葉が嬉しくて仕方なかった夏帆。
しかし、成長に合わせて母への憎しみが深くなっていく。
何に関しても厳しい母。
学生時代には、友人との付き合いにも支障をきたすほどのことも。
そんな母がひたすら恐ろしいのに、歯向かうことが出来なかった。
大人になってもその溝は埋まらない。
そんな娘の気持ちがわかるような部分が、私には少なくともあった。
最後は胸が苦しくなる場面も…
母と娘の物語では、かなり深くまで描かれた作品だと思う。

2018.12.18

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2018年12月18日

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どこまでが村山さんの自伝なのかは分からないけど、少し特殊な家庭環境があったが故と夏帆自身の情欲と感性が独自のモノがあったために、性や生に深く纏わる人間の欲望がリアルに描けるのだと改めて思いました。母の存在は言うまでもなく
理解者としても父の存在もこの上なく大きく感じました。

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2023年06月02日

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著者の自伝的小説ということで、気になって読んだ。
殆ど事実みたいなので、色々衝撃的なお母さん(そしてお父さんも)と育ち方をされたんだなと驚いた。

私もあまり人には言ったことがないけれど、母親に対しては一言では言い表せない気持ちを胸の内に抱えながら生きてきたので、正直とても共感できる場面ばかりだった。自分の周りには仲の良い友達親娘ばかりで、このような思いを抱えているのは自分だけなのかな、いけないことなのかな、とよく思っていたので救われる思いがした。
自分の親世代の老いを意識するのはもう少し先のことだと思うけど、そうなってくるとまた別の感情が入ってきて、混ざり合って自分の思いも変化していくんだろうと思った。

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2021年06月20日

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我ながら1日で読み切ったのはちょっとヘヴィだった…。ミルクアンドハニーに繋がる、それこそ作中に出てくる「作家にとって同棲親との確執は鉱脈」そのものの作品。読み返すにもパワーがいるけれど、親と確執があった10代の頃に出会いたかったかもしれない。

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2021年02月19日

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母である美紀子は、今で言う「毒親」になるのだろうか。
家族であるから許し合える、
家族だからこそ許せない、
そんな事が沢山あると思う。

でも、家族だからこそちょっとしたきっかけで良い関係性が作られると思う。

コロナウィルスが蔓延していなかったら、今週末実家に帰ろうかなと思った作品。
伊知郎の口調がシリアスになりそうな雰囲気をユーモラスにしてくれていたのが良かった。

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2020年03月13日

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抉られるような小説だった
気がつけば昔に今に、過去と現在が入り交じりながら、話が進む
懐かしい風景、母と娘、確執
読み終わってどっと疲れるけれど、忘れられない本になった

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2023年07月19日

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4.0 4日で一気読み。ダブルファンタジーを別の面から見た物語。家族との関係がつくる自分の生き方。父親が亡くなった時ちゃんと泣けなかったことと重なる。それでも自分を形づくったのは、父との関係であるとラストシーンで思った。

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2019年09月25日

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作者が過去書いた作品と思われるものも、主人公を通して作中にちらほら出てきて、あの作品はそんな中から生まれてきたんだなあとかも思い出した。過去の作品ももう一回読み返したくなった。

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2018年05月25日

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自伝的小説とのこと。
「的小説」と付きはしても、少なくとも心の部分では、向き合い確かめながら、できるだけありのままに書こうとされたんじゃないだろうか。

毎日の生活の中で、固く積もり重なってゆく母親への嫌悪感。
それはそのまま自分への否定感にもつながってゆく。

ビクビクというかトゲトゲというか。
母親という存在が、意識せずともあたりまえに愛情の対象である人が多い中、知識や情報は増えても、感覚的なところでどれくらいわかってもらえるだろうと思っていた。
それでいいのだった。少なくとも私にはとても自然に、旧知の日常を見ているかのようにするすると入ってきた。

書き上げられてから数年経って、何か変わってこられただろうか。
できれば今の思いをうかがってみたいと思った。

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2017年07月30日

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まるで僕自身の物語なのかと思うほど共感した。辛辣と言われる主人公の言動にも当然だと思えてしまう。何よりも強い絆であるがゆえに、その関係は繊細で難しいものなのだ。
あらすじ(背表紙よる)
厳しい母親を恐れながらも、幼い頃は誇りに思っていた。いつからだろう、母を愛せなくなってしまったのは―。小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発を抱えながら生きてきた。反抗の果ての密かな放蕩、結婚と離婚。38歳になりあらためて母娘関係と向き合う夏帆に訪れた、衝撃の真実とは。愛と憎、最も近い女同士の、逃れられないつながり。母を持つすべての人に贈る、共感と感動の自伝的小説。

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2017年03月27日

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初の村山由佳作品、おもしろかった。ストーリー展開は結構ウッてなってしんどいんだけど、無意識に読み進めてしまう。文才ってこういうことだと思う。

しかしどこまでがリアルなんだろう。最後まで救いようのない悪役でしかない母親…、に思えてならなかった。これが全て現実だとしたら子どもは相当辛い(実際ありえない話ではないしこういう人いるよな…って感じ)。

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2016年11月04日

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トリッキーな母親を持つと娘は屈折する。は、言い過ぎにしても。あんたのため。と、過剰な押し付けをし、やたらと干渉する母。憎むことができればどんなに楽か。と、思いながらも憎みきれない夏帆。いい年をして。と、笑いとばせれば楽かもしれないが、母にかけられた呪縛とも言えるような数々のあれこれ。肉親であるがゆえに、あきらめられない何か。同性だから余計に鼻につき、過剰に嫌悪してしまう感情。あえてわざわざ嫌な思いをせずとも。とは思うが、そうしきれない生真面目さ。「家族ではあるが家庭ではなかった」は妙に納得した。

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2016年04月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 昔「天使の卵」を読んだが合わず敬遠していた作家。
 本屋にて目に飛び込んできた「母を愛せないのは私の罪なのか」という帯に無性に惹かれたのは、自分にも似た気持ちがあったからなのか。

 夏帆の母、美紀子は感情的で理不尽な教育を夏帆に施す。一つ一つは何気ない言葉だし、人が見れば特別異常とも受け取れないものが多い。演技過剰に見えるのも、夏帆自身の思い違いという可能性もある。が、それらは夏帆自身に痛いほど刷り込まれ、長く続く苦しみの原因になってゆく。
 美紀子の口から飛び出すのが関西弁というところにも自らの母親と重なる部分があった(口調がまじで似てる!)。頭の中では自分の母の声に変換してしまう。
 母×娘というのはややこしい。「お母さんだってあんたくらいの歳のときはな、」と、自分に張り合ってるのか?と感じるような発言にうんざりしたのは1度や2度ではない。こういうことを言えば、こういうことをすれば、母親がどういう反応を示すか手に取るようにわかるからこそ、母の前では求められる姿を演じなければならなかった部分はわたしにもあった。夫に、「お母さんの前だといつものわたしじゃないね」と言われてハッとなった。
 でも30歳になった今、自分がどんどん母親に似ていることに気づく。常々息子がほしいと思っていたのは娘を育てる自信がないからなんだ。
 夏帆の境遇は確かに異常だけど、大好きと言える父親が側にいるのはうらやましい。そして、「おふくろは、お前のこと、ちゃんと愛せてなかったよ」とちゃんと見てくれてる兄がいるのがうらやましい。家族は選べないし逃げられないからこそ問題を抱えやすいけど、救いをあたえてくれるのも家族なんだと思う。

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2016年05月24日

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著者の自伝的小説。ところどころに過去の作品のヒントがが出てくるので何だっただろうと考えるのもひとつの楽しみでした。

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

実に濃厚、濃密な、家族の物語。そして母と娘の物語。
作者の人物描写や心象表現が、なんと言うのだろう、とても文学的、小説的で、物語そのものに惹き込まれるのみならず、作者のそんな技巧に魅了されながら文字を追う楽しさも味わえたのが良かった。
ただ、物語も中盤を過ぎ、舞台が主人公の高校時代に入った途端に、個人的には、それまでの物語とプッツリ「断線」したような。「あれ?オレ寝惚けて数ページ読み飛ばしちゃったかな?」あるいは「知らぬ間に主人公のキャラクターが誰か他の人と入れ替わっちゃったな?」と思えたほどの「不連続」感。そう感じたのはオレだけ?
思うにたぶん、物語の「その時点」を境に、同じ主人公が紡ぐそれ以降の物語に本当に感情移入できるか否かを、読者自身の経験値や感性、価値観に挑んで来るかのような、ある種の「位相転換」を作者が企図して描き込んだような気さえした。
そして残念ながら、そこまでのキャパシティを持たない自分にとっては、この「転換」を容易に連続して乗り切ることが難しかったように思う。
しかし同時に、そんな自分自身に向けた印象や感想もまた、本書の物語の「理解」の仕方の一つでもあるのかも知れない、とも思った。

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2023年10月03日

Posted by ブクログ

「自伝的小説」とあるけど、自伝なのではないかと思うほどリアル。母親との関係に悩む人は一読の価値あり。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

前半はただただ痛々しい。私の語彙が乏しいのか、相性が悪い親子と思いながら読んでいたが、後半は思いがけない夏帆の奔放な男性遍歴にちょっと辟易。
長編(しかも長年読みたいと思っていた)の割には感動するものではなかった。

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2021年05月14日

Posted by ブクログ

母と娘の物語で自伝的なお話とのこと。

子供時代を大人になってから振り返るような形で現在と過去を交互に書いてあり、作家というのは正に身を削るようにして文章を紡ぎ出しているんだろうな、と思った。

それ故に、作家の痛みのようなものがひりひりと伝わってきて正直、重たくてしんどくなるような部分もあった。
読み手それぞれの母との関係性によるものかもしれないと思った。

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2021年05月11日

Posted by ブクログ

共感する部分が多かった。母と娘の関係性をうまく言葉で表せることがすごいと思った。あまり思い出したくない、向き合いたくない過去であり、今はまだもう一度読みたいと思えない。性に関する話が苦手で他の本を途中で断念したことがあったけれど、いろいろ印象が変わったのでもう一度読んでみようと思う。

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2020年02月01日

Posted by ブクログ

子どもの頃は自慢だったはずの母親が憎悪の対象、疎ましい存在になってしまったのはいつからなのか。
母の捌け口になっても愛されていると信じていられたのは、いつまでなのか。
大人になり結婚して離婚して、改めて向き合った母と娘の物語。

母と娘であり、女性同士であり、その関係性は人それぞれ。
要領よく逃げる妹と違って、すべて受け止め苦しんでいる様子は、ただただ痛々しい。
この母親は、親になりきれていないというのか、親になることに向いていないというのか。
愛と憎しみは紙一重。

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2019年12月23日

Posted by ブクログ

作家の夏帆、同棲している年下の大介。ボケ始めた大阪弁の母美紀子、面倒を見る父伊智郎。子どもの頃は大好きだったのに、今となってはもう、あの母のあれやこれやが厭わしく思えてたまらない。

裏表紙に、衝撃の真実とは、とあったのでがんばって最後まで読みました。あまり衝撃ではなくて、流れとしてはそれもありかな、と。でもお陰で最後まで読めたかもです。作家ってすごいです。

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2019年04月14日

Posted by ブクログ

厳しい母親を恐れながらも、幼い頃は誇りに思っていた。いつからだろう、母を愛せなくなってしまったのは―。小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発を抱えながら生きてきた。反抗の果ての密かな放蕩、結婚と離婚。38歳になりあらためて母娘関係と向き合う夏帆に訪れた、衝撃の真実とは。愛と憎、最も近い女同士の、逃れられないつながり。母を持つすべての人に贈る、共感と感動の自伝的小説。

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2017年05月22日

Posted by ブクログ

母の言葉ひとつひとつに気分悪くなり、途中から夏帆の言動にも嫌悪感わいた。母への恨み節と自己正当化だらけでイライラしてきて集中して読めなかった...けどラストの涙でやっと、少し優しい気持ちになった。最後のページでやっと。

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2016年06月26日

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