【感想・ネタバレ】さよならを待つふたりのためにのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一言で言えばすごくいいストーリー。

実は、途中まで読んでいた時

ペラペラ最後らへんのページを

見てしまった時

衝撃の言葉が書かれていて

私の予想してた人物とは逆でビックリしながら

なんで見てしまったんだと思いながらも

それはそれで気になった。

内容は重いと思うけど

重いだけじゃないものを感じるほうが大きかった。

しばらく放心状態になった。

いろいろ感じたことがあって

本当はもっとたくさん感想書きたいのに

頭の中でごちゃごちゃになってるから

すべてをうまく思い出せない。



はじめて2人が出会った日

タバコを口にくわえたオーガスタスにたいして怒ったヘイゼルに言った言葉。

『火をつけたことはない。これは象徴なんだ。自分を殺す凶器を歯のあいだにくわえて、だけど殺す力は与えない』

オーガスタスが亡くなって

棺を前にヘイゼルがタバコの箱を棺に入れた時に言った言葉

「火をつけていいよ」

「もう怒らないから」

この文を読む前からかなり泣いていたけど

もう病気と闘う必要がなくなったんだと

思ったらさらに泣けてきた。

アイザックの両目が見えなくなった次の日

ガスが言った

「おまえはこれからずっと続く幸せな人生を送るんだ。おまえが想像もできないような、すごいことやヤバいことがいっぱい起きるぞ!」

わたしはここでも泣いてしまった



そして最後のこの言葉がかなり心に残った。

『この世界で生きる以上、傷つくかどうかは選べないんです。でも、自分を傷つける人を選ぶことはできる。おれはいい選択をした。』



基本、わたしはハッピーエンドが好き。

だけど今回はべつ。

もしかしたら

読む前からどちらかが最後に死ぬんだろうと思っていたからかもしれない。

だけどガスがヴァン・ホーテン宛に送った

「至高の痛み」の続きと思われる手紙が

実はヘイゼルの弔辞だった。

最後の最後で最高の手紙をヘイゼルに残していたんですね。

はじめはいやいや行っていたサポートグループで出会った2人。

フィクションだけどそんなところもよかった。

ヘイゼルは「たとえ死に邪魔されなかったとしても、オーガスタスと私の愛は永遠に続かなかったんじゃないかと思いはじめていた。だから1日に夜明けが訪れる/輝かしいものはいつまでも続かない。」

そんなことをオーガスタスが亡くなったあと思っていたけど

この2人にとって間違いなく最高の時間を過ごせたと思う。

こんなに泣けた本ははじめて読んだ。

いままで本を読まなかったのもあるけど

本でも映画のように感動して涙を流せるのだと思った。

もしわたしが夏休みの読書感想文を書かなければいけない年齢なら

間違いなくこの本を選んだ。

1
2016年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時間はいくらでもあると思い、愛する人をぞんざいに扱ってしまうなんてことをしないようにしよう、と思わせてくれる本。
いつか必ず終わりがくる、命も愛も、時間は有限で、それは人間に限った話ではなくこれは宇宙レベルでそうなのだ。大げさで極論的な見解だけれど、まぎれもない事実。誰かとの関係の始まりは、終わりのはじまり。愛する人とあと何年、何日、何時間一緒に居られるかなんて、本当に分からない。終わりは突然訪れる。だから、今こと瞬間を大事にしようと思う。

0
2020年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きっと、星のせいじゃない。

難病モノはある程度先が読めてしまう、という人こそ読んでほしい。そうじゃない。死を思うこと、愛すること、自分の生きる意味を考えることは、生まれてきた人すべてに共通することだから。

甲状腺がんが肺に転移して酸素ボンベが手放せないヘイゼル。骨肉腫で片脚を失ったオーガスタス。彼女と彼の家族、がんのサポートグループのメンバー、がんではない友人、元小説家など、それぞれの登場人物が精一杯、不器用に生きている。

ヘイゼルの愛読書『至高の痛み』の作者ピーター・ヴァン・ホーテンが印象的。あれほど自分に寄り添ってくれる物語の作者だから人格者だろう、作者は読者の期待に応えてくれるはずだという思い込みをぶち壊す。ヘイゼルはずっと知りたかった登場人物たちのその後を教えてもらえなかった。つい、ヘイゼルには時間がないのに、と思ってしまったが、それは別にヴァン・ホーテンには関係ないことなのだ。そして彼が『至高の痛み』に託した苦しみや悲しみが明らかになる。不安や絶望は比べられるものではなく、一人ひとりが自分の辛さを抱えていくのだ。

ヘイゼルの母が、オンラインで大学の講義を受け、ヘイゼルの死後にできることを考えていることがわかったところ、そしてそれを喜ぶヘイゼルのシーンは光が射したよう。ヘイゼルはずっと知りたかったアンナの母のその後を知れたのだ。娘を亡くした後、母がどうなるかを。そんなヘイゼルの愛に心が揺さぶられた。そんなヘイゼルを的確に描写した、オーガスタスの弔辞。

生きていくうえで何を大切にするか、誰を愛するか、何に苦しみ、何に喜びを感じるか。生きている証を残したい、と、誰も傷つけたくない。軽やかに生き、宇宙に気付き、愛したい。相反する、繊細で、途方もない願い。

0
2020年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 がんを患う若い二人、ヘイゼルとオーガスタスの恋物語。ていうか、二人の恋愛を通じて、生きること、死ぬこと、愛すること、なんかについて書かれた本。
 感動の話を期待していると、どんでん返しがいくつかある。でも、いわゆる奇跡は起きない。
 私は自分自身や身近にがんを患う人がいないので、がん患者のリアルがどういうものかよくわからないのだけれど、この本は結構、そのリアルにこだわっているように思う。たとえば、がん患者のトロフィーとか(いかにもアメリカらしい)、ウイッシュ(これは日本でもある)とかについて、文句なく素晴らしいものとしては描かれない。当事者はそれらについて、うさん臭く思っている話が出てくる。あるいは、葬儀でよくあるスピーチ「故人は最後まで希望を捨てずに気高く云々」なんてのもウソで、病みおとろえて自分で出来ることが減っていくのはみじめなことだし、子供のように泣いてキレることもある。いい話的なステレオタイプに逃げず(だって、実際に逃げることなんかできないし)、つらい現実のなかで生きていくときに何が起きるのか、そこにはつらいことしかないのか、そういうことが書かれている。
 一つの主要なテーマとして、残された人の悲しみを生み出す自分の死をどう考えれば良いのか、ということが問われる。これについては、ヘイゼルに「君に傷つけられるのは僕の特権だ」というオーガスタスが最高にクールだと思った。人は生まれて死ぬ、その間に傷つけ合ったり愛し合ったり何もしないでいたりする、それがオーガスタスの考え。でも、それって要するに人の日常だし、リアルだよね。そこに価値を見出すということは、がん患者のトロフィーやウィッシュみたいな特別なことじゃなくて、病気をしててもしてなくても、いつもの日常の中にこそ価値があるということなのかもしれない。
 いろいろなエピソードの中でいちばん私が好きなのは、ヘイゼルと母親がわだかまりを解くところ。ヘイゼルが死んだ後の希望について、ヘイゼルと両親が口に出して話すことが、ヘイゼルにわくわくするような喜びをもたらす。よかったなーと思った。

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2015年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

甲状腺がんの16歳のヘイゼルと、骨肉腫で片脚を失っている17歳のオーガスタスとの恋の物語。

一時は死の危機をさまよい、奇跡的に生きながらえたヘイゼルだが、がんは消えたわけではない。自力で呼吸できないから、酸素ボンベをカートに乗せなくては外出できないヘイゼル。
母親の薦めで、癌患者のサポートグループに参加したヘイゼルは、そこで、片足を失ったオーガスタスと、目を摘出することになっているアイザックと出会う。
病気になって以来、恋なんて出来ない、しないと思っていたヘイゼルだが、オーガスタスに惹かれて行く。

ともすれば、お涙頂戴もしくは、まじめくさった闘病物になりがちな設定。けれど、シニカルに、コミカルに、時にストレートに苦しみを吐く。

二人が好きな本『至高の痛み』のラストに納得いかず、続きが知りたい二人は、作者・ピーター・ヴァン・ホーテンを訪ねて、アメリカからオランダへゆく。
が、そこでも予期せぬ結果が待っていた。
急激に病状を悪くするオーガスタス。
死と、死にゆく人と、それを看取る家族の気持ちが、丁寧に描かれている。

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2014年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読まなくても良かった。どちらかというと。村山聖を読んだ後になって書いている感想文なので仕方ないとは思うのだけど。作者に「その後」をせまる姿勢も個人的には粋美でない様に思うし。透明感は好きでした。少し泣きました。でも「聖の青春」との並列読みはせずが吉。と思う。

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2014年07月19日

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