【感想・ネタバレ】「赤ちゃん縁組」で虐待死をなくす~愛知方式がつないだ命~のレビュー

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生まれてすぐ養育親に渡ることが赤ちゃんのためであり、乳児院や養護施設に入れることは子ども達の発達に悪影響であることがよくわかった。

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2022年07月12日

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◯予期せぬ妊娠などで生まれた赤ちゃんを、養子縁組を期望する親とを仲介する取り組みを行なう愛知方式を紹介。
◯不妊治療を行なっても子どもを授からない場合に、養子縁組によって新生児を迎えるということは、自分の頭の中ではリンクしなかったので、なるほど、と思いつつ読んだ。勉強不足を恥じること甚だしく。
◯現政権では不妊治療への拡充が声高に言われているが、こういった取り組みも大変重要であると思う。ただ、治療していた方の思いと、子どもたちや児童相談所などの職員では、考え方が違う部分もあるだろうなと思われる。その点、この本で紹介されている方式は、一見厳しいようで、それぞれの視点を子どものためにという点で統一している。
◯福祉は常々人次第だなと思うが、こういった取り組みを上手く横展開し、スーパーマンに頼らずとも上手く回っていけるようになれば、良い行政だなと思えるのではないか。

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2020年12月23日

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赤ちゃんの虐待死をなくすために愛知県で実践されてきた特別養子縁組のコーディネート実戦の記録。里親との違いは戸籍上も実の親子となること。著者は、慈恵病院のこうのとりのゆりかごと志を同じくしつつも、出自より命が大切であるという理由から産んだ母親の調査をすることには批判的である。特別養子縁組の法改正の背景には菊田昇医師が出生届を偽造してまで子どもの命を守ろうとしたことにある。

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2019年04月15日

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「愛知方式」と呼ばれる特別養子縁組の方法がある。
愛知県の児童相談所では、産みの親が育てることができない赤ちゃんを、特別養子縁組を前提とした里親委託によって、生まれてすぐから家庭の中で育てる取り組みを30年来続けてきた。
かつて一地方公務員の手で始まったこの前例なき取り組みが、今、注目されている。

「虐待死の中で最も多い、0歳0カ月0日の虐待死」
「恒久的な家族の愛情を知らずに施設で育つ子どもたち」
「里親や里子を苦しめ続ける反応性愛着障害という病」

これらすべてをなくすために、公務員でありながら圧力に負けずに新生児の特別養子縁組を断行し続けた矢満田氏、そしてその方式を愛知県に定着させる役割を果たした萬屋氏の半生と取り組みを、二人の熱意の背景にも迫りつつ、多くのエピソードを交えながら紹介する。

どうか、一人でも多くの、予期せぬ妊娠をして苦しんだ女性と生まれてきた赤ちゃんと不妊治療に苦悩したご夫婦が、幸せな道を歩むことができますように。。。

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2017年06月10日

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上司のオススメということで早速購入しました。
今日ポストに入ってて一気に読みました。
正直なところここまでできるかな…とは思います。
でも人それぞれ自分の福祉観を持ってて「あの子のため」と思えるなら間違いではないと思います。
ただ難しいのはやはり日和るというか「この辺でええか」と思ってしまうところやと思います。
でもそこには「あの子のため」という視点は失われてるので間違いになるのかなと思います。

僕個人としては生保でやり残したこともあるし児相にも行っとかなあかんかなと思っています。
将来的には里親制度でもやれることがあるんじゃないかと思いますし児童養護施設でも自分のできることがあるんじゃないかと思います。

まあいつまでも寄り道してたらあかんなと思いましたσ^_^;

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2017年05月11日

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産んでも育てることができないという事情は、若年出産であったり、経済的に困窮していたり、暴力による妊娠であったり、とさまざまです。それなのに、どんな事情があろうと、産みの女性一人に責任を押し付けています。また、「女性は産んで母親になったのなら、子どもに対する愛情が湧き、離れがたいはず」と主張される方も少なくありません。(本文より)
赤ちゃんポストは批判を受け、赤ちゃん縁組は諸外国に比べ日本は圧倒的に少なく、中絶は合法。虐待死の多くは生まれたその日に母親の手により殺められている、という。もしも望まぬ妊娠だとしても、出産まで大切に育てて子どもが欲しくてもできなかった人の、コウノトリになれるのなら・・・と出産し、みんながハッピーになった、というケースもあるという。
この国で、一人でも多くの赤ちゃんが幸せになれるよう奔走している方々の活動が、広く知れ渡り、国の支援も得られるようになれば、と願わずにはいられない。

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2015年04月23日

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最近よく耳にする子どもの虐待事件。
ニュースなどでは、被害者が生後数か月の赤ちゃんとか、2歳3歳の子どもといった報道をよく見かけるが、実は、最も多いのが新生児の虐待である。予期せぬ妊娠、経済的な理由、若すぎる母親などなど理由は様々だが、新生児の虐待とは、つまり「育てられない」と産んですぐに殺してしまう、または置き去りにしてしまうことだ。
そんな状況を嘆き、どんな理由があるにせよ生まれてくる赤ちゃんには何の落ち度もない、命こそが何よりも大切、と赤ちゃんの養子縁組をライフワークとして取り組んでいるのが筆者だ。

矢満田氏は満州生まれで、その時の体験が自分の現在の活動に大きく影響しているとして、引き上げの時の体験なども詳しく記述があるが、大半は実際に新生児の時点で特別養子縁組を行った実例を紹介しながら、いかに生後間もないうちの縁組が実親にも養親にも、そして子ども本人にも有意なものであるかを説いている。
その実例は実に心温まるものであり、なにより、児童福祉の原点とも言える、すべては子どもの利益のため、子どもの命を守ることが最優先という一貫した姿勢が素晴らしい。また世の中の、過剰ともいえる母親への期待、母親神話のようなものに警鐘を鳴らしている点も評価したい。程度の差こそあれそれに苦しめられている女性がどれほどいることか。ひょっとしたら今の少子化の一因ですらあるかも、そんな風にさえ思えてくる。

何よりもまず、命を守る。
こんな取り組みが広がってくれるといいのに、と願わずにいられない。

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2015年03月12日

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平成23年3月、厚生労働省は「里親委託ガイドライン」を定めて、児童相談所を設置している事自体に通知した。その中で、新生児についても里親委託、とりわけ親の意向がはっきりしてる場合は特別養子縁組前提の里親委託を推奨している。しかし通知はあくまでも「技術的な助言」であるので、まだ目に見えて赤ちゃん縁組は広がっていない。家庭養護を本格的に進めるためには、人や予算を投入することが必要である。
愛知県内の児童相談所での「特別養子縁組前提の新生児里親委託の取り組み」は、現在の制度の中で、特段の人員・予算がない中で30年以上続いている。
親の虐待で死亡する子供の年齢で最も多いのは、0歳児、中でも生まれてすぐの嬰児、新生児である。「予期しない妊娠で、出産後、育てる見通しがない」方が、児童相談所や関係機関につながる方策が必要である。虐待の予防、未然防止には、妊娠中からの切れ目のない支援が重要とされている。その支援の1つが、「新生児の里親委託」である。

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2015年03月11日

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新生児の縁組み「赤ちゃん縁組み」についての解説を通して、日本の社会的養護の在り方に疑問を投げ掛ける一冊。

日本の新生児の社会的養護の9 割が乳児院で行われる。これは愛着障害に至るリスクが高く、国際的にも高い割合であるので「社会的ネグレクト」だと非難されている。

子どもの社会的養護についての知識を持ち合わせていなかった私はこの本の随所で驚かされた。ひとりでも多くの日本人に知って欲しい事実満載である。

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2020年07月04日

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ネタバレ

辻村深月さんの「朝が来る」を読んで、参考図書にこの本の題名が載っていたのをきっかけに手に取りました。
実際に本書を読んでみると、有川浩さんの「明日の子どもたち」も思い出さずにはいられませんでした。

児童福祉と銘打っているにもかかわらず、子どものための福祉ではない現状。そのことにいち早く(なんと福祉も全然進んでいなかった昭和から!)気がつき、常にできることを即断即決してきた矢満田さんの頭の回転の速さとフットワークの軽さには脱帽しました。そして常に子どもの、家族のしあわせを願う姿にきっとたくさんの人たちが心を動かされてきたのだと思いました。こうのとりってたまに人の姿をとることもあるのだなと思わせてくれます。

昨今話題となっている同性婚も、生物の法則に反すると発言した人がいました。それと同じ匂いをこの「血のつながりのない家族」を批判する人からも感じます。「夫婦だって血はつながっていないのに家族である」という当事者の発言は本当にその通りだと思いました。

日本人は「普通」が大好きな民族だから、きっとどんなことでも「普通でないこと」が広まるのに時間がかかるのでしょう。そして当たり前にならなければなかなか受け入れてもらえないのも、日本人の残念な習性だと思います。
少しでもこの活動が広まって、様々なかたちの家族が当たり前のように暮らせる世の中になればいいなと思いました。

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2016年02月24日

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特別養子縁組、英: 反応性愛着障害、英: Reactive attachment disorder ; RAD

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2019年05月17日

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「赤ちゃん縁組」を初めて知りました。
あとになって当然のことも、時代の流れよりも早く気付くことが、周囲から厄介扱いされる部分が印象的です。
反論できない赤ちゃん側に立った行動が、摩擦を生んだことは間違いありません。
けれども、やはり、他人を、母親を、安全なところから責めるばかりでは何にもならないことを実感させられます。

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2015年07月16日

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