【感想・ネタバレ】功名が辻(二)のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

本書を読む限り、山内一豊は武も無い、知も無い、凡将としか映らない。
千代がいてこその、山内一豊。
千代と結ばれていなければ、どうなっていたのか。
今後の千代の手綱さばきに注目していきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年11月16日

木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。信長が本能寺で斃されたのである。跡目をねらう諸将の中で、いち早くとび出したのは秀吉であった。伊右衛門にも運がむいてきた。四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった、わずか二万石の…。

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Posted by ブクログ 2013年08月31日

さくさくっと読めた。この時代の司馬遼太郎作品は、楽しくて楽しくて仕方がない。
読んでいてためになりそうな箇所がたくさんあり過ぎ、付箋がいっぱいになった。まるでビジネス書、啓蒙書である。
その中の一部を引用してみたい。

・運。人は手軽に考える。秀吉は運が良かったから英雄の名を得たのだと。しかし、...続きを読む運というのは英雄の最大不可欠の条件である。憑いているものを英雄という。才能器量があるだけでは、英雄の条件ではない。
→運も実力のうち、というが正にこのことなのだろう。確かに私も今までの勝負所では運が良く道を切り拓いてこれた。もちろん、私は英雄ではないが(笑)

・秀吉が雨中行動を戒めたのは、将士の健康を考えた訳ではない。足軽衆めいめいが携行している煙硝に水気が含むことをおそれたのである。雨中突進しても、いざ合戦で弾が打てなければなにもならない。
→本能寺の変後の中国大返しの一節。当たり前のことだが、鉄砲が雨に弱いことは周知の事実であるが、この判断で勝負が分かれるのだ。

・疲れほど人間を無残にするものはない。光秀は彼の最も重大な時期において、叡智は枯れ、果断心はなくなり、彼だけでなくその兵は疲労しきっており、火薬さえなかった。
→対する明智光秀。本能寺の変後は運も尽き、判断力も尽きた。英雄にはなれなかったということである。

・「乱軍の中でも光秀殿の馬印は見えたでございましょう」
「見えたとも。それを目当てに我々は全軍押して行ったのだ」
(馬鹿なこと。皆、阿呆のように光秀の本陣をめがけて押して行ったとは何て馬鹿であろう。)
「いざ敗軍となれば光秀殿はどこにお逃げなされます」
「知れたことよ。近江坂本か、丹波亀山かだろう。」
「いずれにしても、京は通れませぬ。小栗栖の間道を通るのはちょっと考えても分かることではありませぬか。なぜ、先にかけてその間道を抑えませなんだ。されば土民に光秀殿の首を取られずとも、旦那様の手で取れたはずでございます。戦は人の波と共に駆け引きしていては、名は立てられませぬ」
→山崎の戦い後、功名を上げられなかった伊右衛門と、それを冷静に分析する千代の会話。確かに、わぁーっと何の思慮もなく対象物に群がるより、行き先を察知し先回りしたほうが功名を立てられるのだろう。

・確かに伊右衛門には軽微な不運が続いていた。しかし、これを不運と思うのは愚者である、と千代は考えている。運、不運は事の表裏に過ぎない。裏目が出ても、すぐいい方に翻転出来る手さえ講ずれば、何でもないことだ。
→このポジティブさ、見習いたい。

・徒歩で逃げた。千代が買ってくれた十両の大馬は、乱軍の中で置き忘れた。馬を探そうとしたが、探していては命が危ない。ちっ、捨てた。伊右衛門はカブトも具足も捨てて逃げた。
→あらら、あの素晴らしいエピソードの馬をこんな簡単に失うとは…。しかし、伊右衛門は馬を失ったとは言え、名は歴史に遺したということか。

・あっ、と思ったのは、北政所が10歳になるよね姫の存在を知ってくれていたことである。会う前にお調べあそばしたか、と思ったが、それにしても心憎いほどに人の心の捉え方を知っている。この点、秀吉夫婦の特技といって良かった。
→人と会う前にその家族について調べておき、さりげなく話題にする。これぞ人たらしの極意か。

「北政所さま、私のような者が、返事に困るようなことを申されてはなりませぬ」
北政所は千代の受け答えの機敏さに、すっかり満足している。
→なるほど、答えに困る質問にはこう答えるのも手である。

・千代にすれば、伊右衛門に大局的な頭の働かせ方を期待している。出陣、戦う、だけでは、いつまでも単なる侍働きではないか。天下の政治、天下の軍事を頭において自分の与えられた小さな部分の仕事をする、という具合でなければ、ついには大をなさない。
→全体の流れを考えながら、目の前の自分の仕事をせよ、ということか。

・人間、物の言い方一つでずいぶんと無用の手傷を人に負わせるものだ。
→豊臣秀次を評した記述。大河ドラマでは成宮寛貴が演じ、幼い頃から山内夫妻に預けられ、最期は非業の死を遂げた貴公子といった感じで描かれていたが、原作では嫌な性格。山内夫妻ともに嫌うこととなる。

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Posted by ブクログ 2013年08月31日

山内一豊公もついに大名に!後半は豊臣政権の衰退が始まっていく。豊臣秀吉も一時の英雄の姿がなくなり、自身とその一門の繁栄自家製考えることが出来ない人になってしまった。

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Posted by ブクログ 2012年04月09日

 超下っ端の武士が家来のため、妻のため、死にものぐるいで出世街道をよじ登っていく。歴史的な良妻に乗せられたりしつつ。
 成り上がり物語自体も面白いし、何事も妻の意見を聞いていた一豊が土佐の主となるや、急に傲慢になるあたりで、環境が人に与える影響の怖さみたいなものも感じられる、感慨深い作品

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Posted by ブクログ 2011年10月04日

信長が本能寺で討たれた後、天下を取るのはだれか。そして、諸大名や家臣たちは誰についていくべきなのか。山内一豊とその妻という視点から物語が描かれているので、いわゆる天下取りの話ではなく、周囲の動揺や感情がよくわかります。
そして、大名となった一豊。話がぐんぐん進むので、面白いです。
あと、有名な千代の...続きを読むパッチワークで作った小袖の話もこの巻にあります。

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Posted by ブクログ 2023年08月25日

だんだん面白くなってきた!
戦国時代の秀吉、家康の攻防というメインストリームのそばで、あまりぱっとしない存在である山内一豊が妻千代の才覚によって出世していく様が興味深い。
千代は自分が男性として、あるいは男性並みに活躍したいという野望はなかったのだろうか?時代はそのような思考をもたせなかったのだろう...続きを読むか?
司馬氏がこの作品を執筆した年からもう45年以上も経っているようだ。これだけでも女性の意識はだいぶ変わっていると思った。

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Posted by ブクログ 2022年09月13日

天下統一、その後のパワーゲームをどう生き残っていくか・・・

一巻と比べると、本作の面白さがわかるようになってくる時期だからなのか、

引き込まれていくのがわかる。

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Posted by ブクログ 2022年04月03日

2作目は前半と後半でかなり印象が異なる作品に。
前半は秀吉の栄華を極める派手さがあったが、後半はその華美さが逆に不気味に思えてきた。千代の目線から見る時代の移り変わりや情勢が読みやすく描かれていた。
そのまま描写するよりも、千代目線で描くことで他にはない新鮮さと客観性がありおもしろいと思う。

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Posted by ブクログ 2021年03月25日

本能寺の変から、秀次の粛清まで。
相変わらず妻の掌の上で転がされる伊右衛門(山内一豊)。
ガムシャラに戦場を駆け巡るだけで、効率的な戦い方のできない伊右衛門は、千代のアドバイスを受けてもなお、出世がおぼつかない。

千代は神だよね。
未来のことはわからないといいながら、すべてが千代の思い通りに進む。...続きを読む
ただ、伊右衛門がそれを活かせないだけだ。
でも、それが彼の限界なのだとしたら、それを超えろとお尻を叩き続けるのが本当に幸せに続く道なのか。

千代は伊右衛門のことを支えていると思っているのかもしれないけれど、下から支えているというよりも、上から支配しているように見える。
そして私が千代について気に入らないのは、彼女の視界の中には、上の世界と自分達しかいないこと。
日常的な家臣への目配りのようなものがない。
ちょっとしか出てこない北政所はきちんと存在感を示しているのに。

もちろんこれはあくまでも司馬遼太郎が書く千代であって、本当は違うのかもしれない。
でも、後の土佐藩を見ると、やっぱり周囲の人に対する配慮のない夫婦だったのではないかと思う。
偏見だけど。

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Posted by ブクログ 2020年03月09日

‪子ができぬなら側女を旦那様に勧めるのが貞女とされていた、もちろん戦国の話ではある。‬麒麟がくるに触発されて戦国関連の古書を再読中。

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Posted by ブクログ 2019年07月20日

時は秀吉の天下になり、伊右衛門も二千石から掛川六万石の城主になる。千代は、娘を地震で亡くし、伊右衛門に側女をすすめるが、律義者の伊右衛門は千代以外の女に目を向けない。秀吉は天下を取るが、跡目継承に問題を残し、養子・秀次を自害させる。

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Posted by ブクログ 2018年04月28日

賢妻の代表と言われるだけあって、千代さんの亭主操縦術はよく出来ているなあ、と感心する。
会社での上司操縦術に通じるところありそう。
そういう現金な話を抜きにしても、これまで読んだ国盗り物語や太閤記とは別の視点から同じ出来事が描写してあるのもおもしろい。

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Posted by ブクログ 2017年09月14日

第二巻。
前半は戦の場面が多くてちょっと食傷気味だけど、秀吉が暴君へと変化する後半は怒涛の展開。
ほんっと日本史全然知らないから秀吉の後継者をめぐってこんな争いがあったとはなーと興味深く読んでいました。

そして家康の狡猾さよ。
秀吉と家康とのやり取りがなかなかの見物。歴史の教科書だとここまで細かく...続きを読むはわからないもんなぁ。
時代小説の真髄を見た気がする。

そんな血生臭い世界での伊右衛門と千代とのやり取りが何ともほっこり。
もちろんほっこりできないシーンもあるんだけど、なんだかんだ言いながら仲良し夫婦だなぁとホッとできる。

時間では豊臣から徳川に政権が変わるのかな? 引き続き歴史の勉強込で楽しく読んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2016年04月10日

この小説の面白いところは、山内伊右衛門一豊という位置大名の視点から、戦国時代~安土桃山時代を眺めるところにある。伊右衛門が主人公ではあるが、マクロな時代の動きを追うのが一番楽しいからだ。

平凡な大名を主人公として、時代を見ると、歴史の理解がすごくわかりやすい。要は、ちょうどいいのだ。為政者だと、主...続きを読む観的すぎるし、平民だと、政治・経済・軍事といったマクロな視点が入りにくいからだ。彼を主人公と見るより、彼をあの時代に生きていた人物の一人として捉えつつ、俯瞰して歴史全体を見ることが面白い。

まあ、依然として千代の賢妻ぶりには驚かされる。

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Posted by ブクログ 2016年03月12日

女性目線でかかれた戦国もの、時代を問わず賢い妻というのは彼女のような女性なんだなあ と反省(笑)
4巻の最後は、登りつめた先に見えた空虚感に切なさが漂う。現代のサラリーマン事情に通じる
司馬 遼太郎の作品は相変わらず軽快、痛快

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Posted by ブクログ 2015年02月25日

現代から見れば歴史としてみる移り変わりも、様々な個人の思惑や時の運で変わっていくのかと思うと非常におもしろい。
強弱の付け方がすごく、信長が1行で討たれたのは少しビックリした。

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Posted by ブクログ 2014年02月27日

山内一豊の2巻目。
本能寺の変から秀次の謀反計画まで。
1巻に引き続き、妻千代の才女っぷりが頼もしい。しかし旦那の一豊は相変わらずのキャラクターでついつい応援したくなる。
サラサラと読み終わった。

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Posted by ブクログ 2013年08月04日

一豊本人は平凡な武士という感じなのに、運が良いというか、周りの人たちに恵まれているというように見えます。そういう人達を引き寄せるという人柄もあるのでしょう。
千代のような、夫を奮い立たせ、出世させようと働く、そんな生き方が面白く読めました。
後半は、秀吉の話になるので、ちょっと中だるみしてきた感です...続きを読む

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Posted by ブクログ 2012年01月27日

わずか50石から大名へ立身した山内一豊公の出世物語第二編。

青年~壮年期の一豊千代夫婦の語らいは第一編のそれよりも深く、腹のそこに抱えているものも非常に人間らしいところが共感しやすいです。
天下人・秀吉や家康を部下目線で考察するかのように描いているところも本書の魅力の一つだと思います。

また終盤...続きを読むは人間の弱さ、脆さを描いており天下をとった後の秀吉に対して、今までになかった気持ちが湧き上がりました。

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Posted by ブクログ 2011年10月30日

信長が本能寺の変で自刃した後、秀吉が天下を取る。そして、秀次を切腹させ、妻妾らを虐殺するところまで。いよいよ太閤秀吉の時代も終わりを告げようとしている。

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Posted by ブクログ 2011年04月29日

この巻は中国毛利攻め・本能寺の変から始まる。天下分け目の山崎の戦いで功名を果たせなかった伊右衛門に吉兵衛は主に亀山城一番乗りの功をたてさせるため命懸けで登り命を落としてしまう。伊右衛門と山内家臣団が固い絆で結ばれているんだなと思う場面で涙が出た。秀吉が天下統一を進めていくと戦のない伊右衛門の活躍はあ...続きを読むまりなく、兵站・事務作業に才能があるとは皮肉だが、千代の活躍が目立つようになる。寧々こと北政所の口添えにより長浜城を与えられ、美しい小袖により処遇が高まっていく。後半は太閤秀吉の愚政によりあまり盛り上がらない。

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Posted by ブクログ 2010年06月10日

秀吉が華やに天下をとっていくのに比して、
凡庸な一豊は地道に出世の道を歩む。
しかも、すべては妻・千代のおかげ。
明るく気楽な気分で読める巻です。

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Posted by ブクログ 2010年03月02日

秀吉が天下をとった。でも秀次との関係も悪く、天下は続かない気配。家康動き出す。
千代のつくった着物、気になる。

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Posted by ブクログ 2023年12月22日

一豊の運の強さ、千代の賢さや先見の明が感じられた。
これまでは天下を動かした人物、人物を直近で補佐した人物、出来事の内容を読んできたが、一武将、大名の内容は初めて読んだ。(充分大物)
主君、正義、忠誠、政治情勢など、運や知恵ものでないと生き残ることができない時代なのだなと改めて実感した。

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Posted by ブクログ 2018年09月09日

大河ドラマにもなった大人気歴史小説の第二巻。この巻は秀吉の中国征伐から豊臣秀次とその家族の処刑までが描かれる。この巻の中盤に登場する「千代紙」の語源に関するエピソードなどは、とても心に残った。

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Posted by ブクログ 2015年11月09日

普通に面白い小説でした。
山内一豊の出世を描く、千代の内助の功の話。

伊右衛門は、木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についたが、出世は遅々として進まない。
そして、ついに時代に転機が訪れる。
信長が、本能寺で自害することとなったのである。
その信長の後継者を巡って対立することになる諸将の中で、いち早く飛び...続きを読む出したのは秀吉であった。
秀吉は、パフォーマンスと話術とで、あっという間に筆頭へと上りつめることになる。
秀吉についた伊右衛門にも、ようやく運が向いてきた。
伊右衛門は、四十歳を目前にして、ようやく大名になったのであった。
ただし、たった二万石の……であったが。

けれど、秀吉の天下も長くは続かなかった。

という話でした。
まあ、こういう話を読んで、だいたい、一番しっくりくる言葉って「諸行無常」なんだろうけど、その諸行無常の世の中の中で、決して積極的でも野心的でもない一豊を千代がどうやって支えていったのかを、楽しむ本だと思っているので、時代背景とともに楽しめれば、と思います。

まだまだ続き物なので、一豊がどうやって秀吉の元から家康の元へと移れたのか、そのあたりがわからないので楽しみにしています!

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Posted by ブクログ 2015年01月19日

山之内一豊という凡庸な亭主をして、城持ち武将へと押し上げるという、上げマン一代記であるが、主人公 千代の知性を含めた人間的な本質の高さと必要以上に驕ることのない一豊の純朴さが読み手に安心感を与える。羽柴秀吉という登り龍を見極め、その家中で安定して禄を得ることは容易ではない、ましてや徳川の時代にしたた...続きを読むかに生き延びていくのであるから奇跡というより他はないと思う。

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Posted by ブクログ 2012年10月30日

二巻は備中高松城攻めから、関白秀次切腹まで。

千代の洞察力、機転に感心。

主人公格の山内一豊は、凡庸に書かれている。
では、その分、お人好しで人好きのする性格で…、
という長所の味付けかというと、そんな面もあるにはあるけれど、
強調されてはいない。
なんだかどこまでいっても凡庸さが強調されている...続きを読むようで、
ちょっと同情する。

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Posted by ブクログ 2011年07月10日

う~ん。。。天下を取るまでの秀吉は魅力的だけど、主人公はパッとせず、この後読み進められそうにないなぁ。

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