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Posted by ブクログ
小説でない角田さんを読むのは初めてでしたが、エッセイも、良いですねえ。小説よりも、エッセイの方が、より、その人柄がでる、といいますか、角田さん、なんというか、芯の所で、強い人だな、逞しいな、と思った次第です。で、ちゃんとしている。うん、ちゃんとしている。素敵だなあ。
でないと、こんなに、色んな旅行できないっしょ。色んな旅をして、色んな夜を見て、色んな抱え込んだ自分の思いを、ちゃんと、できるだけちゃんと、誰かに伝える事、できないっしょ。羨ましいです。角田さんが。自分の思いを語る言葉を持っている、という人は、羨ましいよなあ、ホンマ。
旅先での様々な夜が出てきますが、自分は殆ど旅行をしないですし、海外も一度も行ったことがないので、角田さんが描写する異国の夜よりも、日本の身近な夜のほうに、圧倒的に親近感が湧きました。
引っ越し前夜の夜、引っ越し後の初日の夜を描写した「それを知る必要がある」
病院という建物の中の夜の寂しさと優しさ、冷たさとホッとする感じを描写した「魂が旅する夜」
は、なんというか、凄く素晴らしいですね。「すっごくわかる!あの感じ!」というのを、見事に、バッチバチに、自分の言葉で、自分の文章で、表しているというのは、本当に羨ましいなあ、凄いなあ。
あと、西 加奈子さんの解説も、凄く良いです。角田光代さん、という人が、どういう人なのかを、物凄く愛情をこめて、語っておられる気がします。西さんの小説も、読んでみたくなったなあ。