【感想・ネタバレ】〈運ぶヒト〉の人類学のレビュー

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Posted by ブクログ

文化の三角測量と称して,西アフリカのモシの文化,日本の文化,西欧の文化を比較しながら,特異な視点でものを見ることを実践している好著だ.それぞれの文化の特徴を人間の道具化,道具の人間化,道具の脱人間化に類別して,それぞれの事例を列挙している.フランスの農業資料館で牛馬にひかせる荷車にブレーキがついていることに驚いたエピソードで(p144),日本では考えられないことに気づいた件を吐露しているのが,とても素晴らしいと感じた.

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2018年07月09日

Posted by ブクログ

人類の祖先が二足歩行で世界中に散らばったとき、その人々は子供や食料、基礎的な道具などを何らかの方法で「運んでいた」はずである。著者のこの視点自体が非常に興味深く感じました。そして運ぶスタイルは、人類の祖先が世界中に散らばるにつれて、現地の環境(気候や植生等)にあわせて変化しているはずであり、また人間の体型も地域によって変化してきますし、文化的な要素や価値観にも影響を受けるはずです。そしてこの違いをわかりやすく例示するために、著者が「文化の三角測量」と呼ぶところの、フランス、日本、西アフリカ(モシ王国)の違いを非常に端的にまとめている本になります。本書に掲載されている「技術文化」という概念ですが、これは本書以外で触れていましたが、さらに理解が深まりました。余談ですが、サイバーダイン(筑波大学発ベンチャー)が開発した装着型ロボスーツについて、まさに川田氏が本書で日本の特徴として述べている「道具の人間化」だと思いました。使い手の習熟によってパフォーマンスが変わる、人間の労力を省くのではなく投入するという文化です。

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2023年04月28日

Posted by ブクログ

道具の人間化かあ。

運搬方法を題材に、文化の三角測量。

西洋が、道具の脱人間化、非人間化を指向するのに対し、日本は、人間化しちゃうと。この指向がいわゆる日本の技なのかもだが、一方で、人間を過酷なまで道具に合わせると。

人の力をいかに使わないかを指向する、非人間化。
これからの働き方を考える上でも、僕らの伝統的な生き方が邪魔してる側面あるようなので、思い切りいかないと。

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2019年01月18日

Posted by ブクログ

西アフリカの友達のところに
寄せてもらった時に
頭に水壺を載せている女性を何人も見た
頭に山のような洗濯物を載せて歩いている女の子を何人も見た
先ず日本では見かけることのない「運び方」をたくさん見た

その行為に人類学の視点を入れて見ていくと
こんなふうに読み解ける

「運ぶ」という何気ない行為に
こんなにも 興味深い設問が立てられることが
とても楽しい

さりげない行為の中に
「ヒト」の文化が見えてくる

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2016年12月20日

Posted by ブクログ

歩き方、座り方などの身体技法を、三つの文化間で比較し、さらに道具を用いる運び方の比較に至る。
以前から、歩き方や座り方の文化について興味があったし、本書はたくさんの写真も載っていて、面白いかと期待していた。
が...。
なぜだろう。
ページは進んでいくのに、なかなか入り込めなかった。
最後の方はグローバル化社会とエスニックなものとの関係を考察していて、これも興味深いはずだけど、あまり響いてこなかった。
もう一度読み直すべきかな?

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2015年11月05日

Posted by ブクログ

三角評価。◆黒人「人体の道具化」(例:長い腕を鍬のように使う)、頭部。◆白人「道具の脱人間化」(巧みさを必要とせず、人力をできるだけ省く)、肩。◆黄人「道具の人間化」(巧みさを重視する)、腰。◆◆だから、おんぶの高さが西洋人と違うのだな。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

運び方に傾向はあるようですが、結局・・原則はなかったような印象です。
それでも、色々な学びがありました。
アフリカの人が屈んで草取りをしているのを見ても、これからは「たいへんだなぁ」とは思いません。楽なんでしょうから。

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2014年10月23日

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