【感想・ネタバレ】涅槃の雪のレビュー

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Posted by ブクログ

すっかりフアンとなった西條奈加さんの作品。
北町奉行所与力が主人公となれば、きったはったの捕物話かと思いきや、「お役所」に勤める不器用で真面目な「中年平社員」の日々が描かれていて、いつの時代も変わらない仕事の上での理不尽さやままならない日常に、共感するからこそ鬱々してしまう感はあった。ただ、登場人物それぞれが自分自身の想いや信念に従って行動していることは伝わってくるので、その矜持は気持ち良く理解でき、救われる思いがした。性格や立場や考え方の違いを善悪で決めつけない著者の姿勢が素晴らしい。
ああ良かったなあと思わせる終わり方もさすが。だからまた、西條奈加さんの作品を読みたくなってしまう。

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2024年05月15日

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天保の改革がでる歴史のど真ん中に、遠山の金さんが出る人情話に、楽しくてしょうがない。門さんの無骨さと自分は人と交われないと悩んだり、好きな女に手を出さないとか惚れる。大阪から帰って奥さんと庭で涅槃の雪を見る、奥さんが門さんと読んだ時に泣きそうになったから、お卯野だったんだねと。あれから2年経つてるから思うてたよ、そう考えるとお姉さんも良い人なんだよ。西條奈加さんの文章はそれぞれ違う本当に読み応えある。

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2023年10月23日

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天保の改革
悪名高い改革によって苦しむ町の人、取り締まる役人、それぞれの立場と感情。
遠山景元と鳥居耀蔵など、知られた人物のキャラクターが面白かった。

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2022年06月08日

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悪夢の水野政権じゃん‥…最悪だな、天保の改革って。
ラストに救いがあるのが良かった。
遠山の金さんが俗物ぽくてむしろ好感。

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2022年04月01日

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今の時代にも通じる、世を動かす上の思惑で右往左往させられ、地獄の苦しみを耐える庶民。そんな庶民のために働いてくれる遠山の金さんと、その部下、高安門佑。鷹のように鋭い顔なので鷹門と呼ばれています。主役の鷹門が私のモロ好みで、読み終えてしまうのが寂しく、割に読むのが早い方なので前半面白すぎて読み進め、鷹門に魅せられると、別れるのが寂しく。少しずつ噛み締めるように読み、しかしとうとう読み終えてしまいました。
今や鷹門のような男はそうはいません。男性もムダ毛まで処理し、パックし、美を追及する時代。
鷹のように鋭い顔の男など淘汰されてしまいました。怖がられる容貌の人はことさら優しい人になります。生まれた時から、人から恐れられるという苦しみを耐えねばならないので。
そして水野忠邦の改革の急先鋒であった鳥居輝蔵もまた、おもてには見えない深い考えの持ち主。このお話に出てくる人たちは男も女もウカウカ生きてはいません。覚悟して、己の貫くものを大事に、いかに苦しくても折れることなく幸せになります。
涅槃の雪の意味が途中でわかりますが、私はその場面で大泣きしました。ぜひぜひ読んでください。

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2021年10月31日

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あの遠山の金さんの元で働く、武骨な町与力「高安門佑」の物語。
老中「水野忠邦」の改革に異を唱える北南町奉行の苦労と挫折、と共に門佑の妻となる卯乃との交流が同時進行で語られていく。
短編からなるお話も、表題作「涅槃の雪」が沁みる。

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2021年08月09日

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悪名高い、天保の改革の中くらいで若き町与力の高安門佑
苦悩しながら成長していく姿に感動。
北町奉行の遠山影元や鳥居耀藏らの捉え方も面白かった

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2021年07月25日

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苦手な享保の改革、寛政の改革、天保の改革もちょっとわかった。遠山金四郎は、杉良太郎よりも、高橋英樹よりも、松方弘樹よりも中村梅之助がぴったりだと納得!赤ら顔の丸顔でおおらか。

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2016年05月22日

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ネタバレ

2024/2/7
矢部様の憤死がつらいんじゃ。こういうのはもうええんじゃ。だから史実とかいらんのじゃ。って思いながら読んでたけどさ。
物語終盤で時代が変わり価値観が変わって冷静になった現代の私が顔を出すと、鳥居様の考え方もありよなとなる。
やり方は共感せんけどな。
矢部様は早まったな。と。
お姉さんに対しても「嫌な女…」から「ようやった!痛快!」ってなったんだから大したもんです。
始まりと終わりで印象が全く違うのすごいよね。
お卯乃もちゃんと奥さんにしてさ。読後感爽快。

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2024年02月11日

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北町奉行所の与力高安門佑は、新任の北町奉行、遠山景元の片腕として働いている。
ある事件をきっかけにして、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。
時は、老中水野忠邦の天保の改革の真っ最中。改革の嵐のなか、門佑は数々の事件に立ち向かう。

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2024年01月11日

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天保の改革を推し進める老中・水野忠邦、その手先となる南町奉行・鳥居耀蔵、対立する庶民派の北町奉行・遠山の金さん、遠山配下の与力・主人公の高安門佑、そして元遊女のお卯乃。鳥居耀蔵の違った一面が見られた。最後はハッピーエンド。面白かった。

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2023年10月26日

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わずか2年の短命に終わった天保の改革を背景に、その時代を生きる幕閣から女郎に至る人々の生き様が描かれています。信念を貫くとはどういう事か、個性豊かな登場人物を通じて問いかけられているように思います。
物語はとても面白く読みやすい。エンディングなんて最高です。頭からゆっくり読んでください。桜吹雪でお馴染みのお奉行様も出てきます。

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2023年06月14日

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内容(「BOOK」データベースより)
町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。お卯乃との生活に安らぎを覚える門佑だったが、老中・水野忠邦が推進する天保の改革は、江戸を蝕み始めていた。改革に反対する遠山らと水野の鬩ぎ合いが苛烈を増す中、門佑は己の正義を貫こうとするが―。爽やかな傑作時代小説。第18回中山義秀文学賞受賞作。

令和3年6月4日~8日

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2021年06月08日

購入済み

門佑さん一途ですねぇ

天保の改革を背景に、町役人の日々を描いた作品。
「心淋し川」を読んでファンになり、南星屋の二冊を読んで、そして本作を読みました。前半は少し読みづらかったですが、後半は面白くするすると読み進めました。
門佑さんの、一匹狼でクールな本質を持ちつつも、一途なところは応援したくなりました。
姉園江さんは門佑さんの目から見た、きつい性格のあまり関わりたくない人という印象が前面に出てますが、彼女目線の話も読んでみたいなぁ。

#アツい

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2021年05月13日

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江戸時代末期が舞台。天保の改革を軸に町役人(吟味方 与力)高安門佑の目線で当時の人々の葛藤が描かれています。

西條加奈さんの作品を初めて読みました。
女性の書く時代小説は優しさが滲んでいて、好きです。
別の作品も読みたくなりました。

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2014年09月11日

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西條さんというとどうしても『金春屋ゴメス』のインパクトが強く。こんな本格的な時代小説も書くのですね。
最初は主人公が長身で強面だが実は気が優しい、上司の遠山景元(遠山の金さんです)が意外に俗で出世欲が旺盛なところを除けば、ごく普通の捕り物の様でした。
しかし後半は良くなります。遠山の政敵であり、妖怪の異名で知られる鳥居耀蔵の心情や、主人公が最も苦手とする出戻りの姉の思わぬ手配りなどによって、物語に深みや情緒がグッと増します。
爽やかな話でした。

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2016年05月29日

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教科書で読んだ天保の改革が、様々な立場から捉えた物語として描かれていて、とても面白く読みました。誰が適役かなぁと役者さんの顔を思い浮かべながら読むのも楽しかったです。時代劇が少なくなって寂しい…。
今も昔も政まつりごとは変わらないのだなぁ。お仕事小説の要素もありましたね。

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2022年04月03日

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天保11年
町与力・高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元から、右腕になるよう言われる。が、実態は、愚痴の吐口のようだ。

隠売女の取締・女浄瑠璃取締・株仲間解散令・芝居町所替・人返し令・上知令と、世に言う「悪名高い天保の改革」を強行する老中首座・水野忠邦。

奢侈禁止令は、江戸の生気を奪い取っていった。

南北両奉行は、上申書を提出したが、悉く認められず、改革を本気で進めたい水野は、名奉行の誉高い、南町奉行・矢部定謙を解任。後任に、鳥居耀蔵を任命する。

己の正義を貫こうとする門祐。
元遊女・お卯乃の過去を通じて「妖怪」の異名のある鳥居耀蔵の一面を見る、門佑。

最後に、出戻りで烈女の姉、園江が取った行動は、この作品に、幅を持たせた。

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2021年12月07日

購入済み

淡雪のような幸せ

読み終えて、作者の他の作品も読みたくなりました。

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2021年06月06日

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★3.9 2021.03.20

とても読み応えのある物語だった。
北町奉行遠山金四郎の元で与力として働く高安門佑の目を通して、老中水野忠邦の天保の改革を描いている。
史実に忠実であろうとするあまり、説明が長く、途中面白味にかける部分があったが、主人公はもちろん、敵役の鳥居耀蔵もとても魅力的な人物だった。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、門佑の姉の園江には絶対に勝てない。
絶対に勝てない。
武家の子女には子女なりの戦い方があるということか。


↓↓↓内容↓↓↓
町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。お卯乃との生活に安らぎを覚える門佑だったが、老中・水野忠邦が推進する天保の改革は、江戸を蝕み始めていた。改革に反対する遠山らと水野の鬩ぎ合いが苛烈を増す中、門佑は己の正義を貫こうとするが―。爽やかな傑作時代小説。第18回中山義秀文学賞受賞作。

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2021年03月20日

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