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人間の本質は善か悪か。難しいテーマのように思えるが、設定がたくみで序盤から面白い。心の中にいる天使の輝きと悪魔のささやきに揺れる登場人物たち。信仰と犯罪、町に伝わる聖者の逸話などの間で様々な論議がかわされる。最後はうやむやにならず、明確な解答にすっきりした読後感だった。
昔のアニメとかでよくあったアレ、
主人公がよこしまな考えを抱いたときに横から登場する、
悪魔「やっちゃえよ」
天使「ダメだよ!」
みたいなシーンを思い出しながら読んだ(笑)。
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パウロ・コエーリョ作品の中では訳文も比較的読みやすく、世界観も超俗的なスピリチュアル・メッセージを含むものというよりはむしろ限りなく人間の悪という俗世間に近い内容を描き出している。悪とはなにか、を知りたい人はぜひ。
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悪に焦点を当てた物語。
人を善たらしめるのは人の本質ではない。人の本質は悪である。
人を善たらしめるのは、あくまで人自身の行動である。人が人の手によって善を選択したときに、初めて人は善となりうる。
善とは選択の結果なのだ。
と、最近よく思う。
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初見:26歳
面白かった。徹夜して読んだ。あっという間の出来事だった。
最近、プリン嬢なのでは?という女の人と知り合った。
あくまで表紙の顔じゃない、その精神がだ。
久々に読んだあとが気持ちよかった。
おススメの一冊。
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ベロニカは死ぬことにした、から始まる三部作の完結編。世の中には善と悪との二種類がある。その、人間の悪の部分を確かめるために、村全体に犯罪を犯させようとする紳士に思わず怒りを感じたけど、その紳士と退治しようとする人もいて・・・善と悪とは何でしょう?パウロコエーリョ作品の中では一番好きかも知れない。
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『ピエドラ川の・・・』、『ベロニカは・・・』に続く、1週間に起こった劇的な変化を描いた3部作の完結編。3部作といってもお話はひとつずつ別々です。
こじんまりした田舎町に、過去に起こった衝撃的事件から立ち直れずその憎しみをどこにぶつければいいんだー的に悪霊にまんまと魂を支配されてしまった旅人がやってきます。田舎町にはここから出たいと思いながら手段がなくて不満をいっぱい持った娘がいます。この悪魔が、人間は本来悪なのか善なのかということを確かめるため、娘と町の人たちにひとつの賭けをするのですが、、、、というお話。大変面白かったです。
おとぎ話かと思いきや、けっこう容赦の無い感じで人間の汚い面やずるい面も描かれており、読み応えあります。
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Twitterにておすすめ本として紹介いただいた
お恥ずかしながら著者、本書を知らず『アルケミスト - 夢を旅した少年』『ベロニカは死ぬことにした』だけ題名を薄っすらと知っているだけだった。
宗教、歴史、抗えない現実!これぞラテンアメリカ文学
なのかどうかは知らないけれど、大昔集英社文庫で何冊かラテンアメリカ文学を買って積読なだめな私に読書の広さをあらためて教えてくれた一冊でした。
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"アルケミスト""第五の山"などで知られる著書によるキリシタン文学。
平和で退屈な山奥の村ヴィスコスにやってきた外国人の旅人。村で唯一の宿で働くバーメイドのシャンタールは好奇心から彼にちょっかいを掛ける。思いもかけず旅人は彼女を誘い出し、彼の財宝と引き換えにある取引きを持ちかける。
一見善良な田舎の人々。彼らの奥底に眠る善と悪とを掘り起こそうとする旅人。キリシタンの教えが背景に流れ、ふわふわとした読後感です。
○人間の本性についてだ。われわれは誘惑に屈する機会を与えられれば、遅かれ早かれ必ず誘惑に屈する、というのが私の発見した真実だ。条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす。
○たとえばではなく、実に明確なことだ。ー『汝、殺すべからず』の戒めを犯してほしいのだ。君が今聞いたとおりのことだ。彼らに犯罪を犯してほしいんだ。期限は一週間だ。七日後までに町の誰かが死体となって現れたらーもう働けない老人であってもいいし、不治の病人でも、手がかかる心身障害者でも、被害者は誰でもいいー、この金は住民のものになり、私はわれわれすべてが悪なのだと結論を出せる。
○思いやりのある人間という役割を演じるのは、人生において決然とした態度をとるのを恐れている人たちのやることなのだ。自分が善人だと信じておくほうが、他の人に立ち向かって自分の権利のために戦うよりもいつでもずっと簡単なことなのだ。侮辱されてやり返さないでおくほうが、自分よりも強い相手と戦う勇気を発揮するよりも、いつでも簡単なのだ。
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人間は、善なるものか、悪なるものか…
その問いの答えは…?というテーマで描かれるお話。
私は『人間は善でもあり悪でもあるんでしょ』
という思いで読んでいましたが、それでも、読み進めるうちに
『がーん』と思う所がいくつかあって、
自分の善なる心に疑問すら持ちました。
人生の、本当に大切な場面で、ちゃんと善なる自分を呼び起こせるか、とても怖くなりました。呼べますように…
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やはり彼の作品は素敵です。
深いです。
そしてキリスト教の宗教観に基づいている。
宗教の存在意義を感じる。
それは宗教という形でなくても、
日本で道徳と呼ばれるようなもので。
人間の「善」と「悪」の物語。
読む価値かなりあると思う。
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善と悪の葛藤。
この本を読んで、思い出した聖書の記述。
遠藤周作の本で知った言葉ですが、悪を犯すことも善を為すこともない人間について、「熱くもなく冷たくもなくただ生温き人間」と評していたのを思い出しました。
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ある女性の1週間におこることということで、「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」、「ベロニカは死ぬことにした」との3部作になる、という本作。そのシリーズの作り方もおどろいたけれども、話の内容もいつものように面白い。それは悪であることという前提を覆せるほどの善はあるのか?という命題。テロリズムやその報復?とやらの戦争のニュースが絶えることなく流れる今、善と悪の拮抗について考えさせられます。
と、いうこともできるけれども、ひとりの人の信念に基づいた行動と成長の物語として読むことができ、大変に面白いです。
これは、山川夫妻の訳じゃないんだなぁ。
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山奥の小さな村に訪れた異邦人。彼の仕掛けた大きな問と罠に翻弄される、プリン嬢と村の人たちの姿を通して、人の善悪を問う作品。
まあ、金(またはある種の善と言い含められるもの)のために悪を成せますか。というありがちと言えばありがちのテーマ。でも、単純な勧善懲悪ではなく、かといって悪の勝利を高らかに歌うものでもなく、正直そういうオチ!?という感じ。なのでカタルシスも無く、もやっとした感覚が残るのだけれど、ここら辺の感性の違いはやっぱり生まれ育った環境が異なるからなんだろうか。
結論としては人間の中には善も悪も等しく存在するってところなのかな。
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田舎町に訪れた旅人が、住民の一人を殺せば、一生豊かな生活ができるほどの金塊を譲ろうと提案する話。旅人と住民一人ひとりが、各々の内にある善と悪に耳を傾けながら葛藤するという、人間の生臭ささを描いている。舞台と設定はとてもユニークで興味をそそられたが、個人的には終わり方はあっけない感じを受けた。
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「条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」
人間には良い天使と悪い天使がいて、葛藤しながら選択しながら生きていく。
悪が根底に存在すると同時に善も存在する、人間の表面でもあり深層でもある部分に光が当てられた作品でした。
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一週間の間で善悪の戦いを引き受け生まれ変わる異邦人とプリン嬢の物語。村の人たちの心変わりする様があまりにも簡単で怖い。異邦人は答えを見つけられないまま村を出ると言ったけど結局人は本質的に悪で、それを抑えるかどうかにかかってるってことなんだな、というのがそのままメッセージなんだろな。私も恐れがなければもっと悪い人になってる気がする、そう考えると怖くなる。『ベロニカは死ぬことにした』のラストは好きでしたが本作の最後はどうにも腑に落ちないのは、私が現実よりも夢を見ていたい心の表れなのかもしれない。結局金か、と。
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時々いい言葉がある。
ただコエーリョの中でもっとほかにしっくりくるものがあるのであまり印象に残らない。
人が善の価値を理解するには悪が姿をあらわす必要がある。
全ては抑えるかどうかにかかっていた。そして何を選ぶかに。問題はそれだけだった。
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「悪」ってのは、突如現われてしまうのか。
お金に目が眩んで、モノゴトの善し悪しの判断ができなくなって…
そんな話でした、聖書を読んでいるような(読んだことないけど)気分でした。
もし、ココロに「悪」が現われてしまったら。
「悪」を否定するでなく
そんなときのための「知性」を日頃から備えて生きてゆきたい。
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善と悪について。
特に誰もが所持しているであろう人間の悪について。
神までも"善"と"悪"を持ち合わせている。
重要なのはそれを制して、選択するということ。
善も悪も、それが出来るかというだけの違い。
キリスト教が好きだという訳じゃないんだけど、パウロ・コエーリョさんの宗教観や雰囲気が好き。
この作品は読めたけど、途中少し中だるみしちゃった。
一気に読める作品ではないかも。
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パウロコエーリョの作品はいつも何かを考えさせられるテーマを持って来る様な気がします。
時には命についてとか、人生についてとか?
今回は善と悪について、でした。
その中での悪魔や悪霊の位置づけは個人的に面白いものでした。
誰しも悪魔に取り憑かれる可能性を持っている、けれどまた天使も心の中でいる、、、ってのは使い古されている物でもありますが、最近あまり見なくなった分余計に新鮮みがあるんじゃないかと。
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「人の夢の実現を妨げるものがふたつあることに彼女は気づいたところだった― ひとつは、それが不可能だと考えること、もうひとつは、まったく予期していないときに、運命の急展開によって、突然それが可能なものになってしまうのを目にすることだった。」(P48、L9-12)
「人はすべてを変えたいと欲するが、同時に、すべてが変わらずに続くことも願っている。」(P48、L16)
「このすばらしいビーチで、息抜きの夕刻を過ごしているすべての人の心の中に恐怖があった。…生とは、ギロチンの陰で恐怖が支配している場所だった。」(P108、L1-10)
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「条件さえ整えば、地球上のすべての人間はよろこんで悪をなす」
AだからBという話で 理解できないところも
たくさんあったけど 面白かった。
人間の黒い部分をペロッと見せられた気がする。
人間は黒い部分を持っている。
でも他の小説にでてくる悪人ほど
肝は据わっていない。
その真理にとても納得。
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ベロリカは死ぬことにした、から始まる三部作の完結編。流し読みしちゃうとただの恋愛小説?って感じだけど実はすごく深い小説。人間の有り様を作者はよくわかってる。